会社経営を成功させる秘訣!「数字」の正しい活用3ステップ

会社経営を成功させる秘訣!「数字」の正しい活用3ステップ
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

会社経営に必要な「数字」。

経営者に必修とされるのは、損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフロー計算書(C/S)の財務3表ですね。

これらの数字を読み取ったとして、きちんと活用していますか?

数字を読み取っただけで満足していませんか?数字を読み取り、次の行動につなげて、よりよい未来を導く――そんな数字の活用3ステップをご紹介します。

1.経営を成功させる人が必ず見る「数字」

経営を成功させる経営者は、総じて上手な行動選択ができる人です。

感情や周りの言動に流されず、現状を把握し、今とるべき行動は何かを選んで行動し、最適な未来につなげることができる人。

その経営者が根拠とする現状が「数字」です。

経営者の読みとる数字というと、株式、円相場、経営資料、財務諸表といったものが代表的です。

中でも、損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフロー計算書(C/S)の財務3表は、そこに会社の現状の全てが書かれているというと言い過ぎですが、変化に気づくためにも、客観的かつ定量的な根拠ある事実として定期的に見ておくべきものです。

財務諸表の読み方を念のため、確認されたい方は「理解できていますか?決算書の見方。わかりやすく解析します!!」をご覧ください

理解できていますか?決算書の見方。わかりやすく解析します!!

 

経営者として、そこに書かれている数字の意味がわかって三流、その数字から現状を把握できて二流、そこから未来につながる最適な行動を選び取れれば一流という世界です。

一流の経営者になるために必要な数字の活用法をぜひ身につけましょう。

2.3ステップでできる「数字」の活用

 

数字の活用は、3ステップで行えます。

「計画」「実行」「評価」です。

会社経営を成功させる秘訣!「数字」の正しい活用3ステップ

 

ここからはわかりやすいよう、数字の活用例として、ある女性の悩みの解決を例にして説明します。

 

女性が深刻に悩んでいます。

夏は仕事を理由にして何とか誘いを断ってきたのに、申し込んでしまった冬の北欧旅行で、まさか水着でサウナに入るプランが含まれていたとは……このままではいけない!

と「数字」を正しく活用して、ダイエットをすることにしました。

 

ここでいう「数字」は体重などの身体数値や、ダイエットに関する各種数値です。

経営者の方に注目していただきたいのは「どれくらいの細かさ(粒度)と深さ(深度)で現実を認識し、問題の解決策を洗い出して計画するものなのか」という点です。

※ダイエット計画の内容そのものは参考情報としてご覧ください。

①計画

まずは、目標を具体的に設定します。結果が出たかどうかを評価できるよう、数値ベースでの目標に落としていきます。

【目標】

4ヶ月後の北欧旅行で、堂々と水着でサウナに入れる美容体重になる

具体的には体重56kgから47kgにまで体重を落とす

※美容体重は160cmのBMI数値から60(m)×1.60(m)×18.5(BMI)=47.36(kg)で算出

ダイエットにあてられるのは3ヶ月間、月に3kgのペースで減量する

 

続いて「なぜ今の数字になったか」の原因を分析します。

この分析は「なぜなぜ分析」と呼び、問題に対して最低でも3回、「なぜ?」を繰り返して真の原因と対策を浮かび上がらせる手法です。

要因に漏れが出ないようにするため、1回の「なぜ?」で複数の要因を出すようにしましょう。

要因の深度が上がるほど、深層の要因になり、根本の解決につながります。

ちなみに、人の属性(「あいつが仕事しないから」「自分の気弱だから」など)や、不変の条件(「夏が暑いから」「消費税が高いから」など)のような、取り組んでもすぐに対策できそうにない要因が出てきた場合、深掘りする必要はありません。

 

【事実】

(過去の数字との比較による定量的な事実)

以前は体重47kgをキープしていたが、働きだしてから9kg太ってしまった

なぜ? ↓

(要因1)

・朝食は食べないで、1日2食。お腹が空くので、お菓子などの間食が多い。

・昼食は外食で、カロリーが高いものばかり。帰りは夜遅くになるので、自炊できていない。コンビニでお弁当を買って帰ってから食べるため、時間が不規則になっている。

・仕事はデスクワークで座りっぱなし、慢性的な運動不足。

なぜ? ↓

(要因2)

・職場でのストレスで、甘いものを食べてストレス軽減している。間食の多さと遅い夕食で、1日2食になっている。

・お弁当を作っていく時間や心の余裕が作れない。三日坊主になってしまう。自炊をしようにも時間も食材もない。

・休日もゴロゴロしているため、運動する機会がない。

なぜ? ↓

(要因3)

・1日分の仕事量が多い。お礼に、と職場の人からもらうお菓子もよくない。

・周りにお弁当を持参している人が少なく、作る強制力がない。

・仕事の疲れで、意欲や体力が低下している。

 

要因が洗い出せたら、原因とその対策も書き出します。

 

【原因】

自身の責任感から、急ぎでない仕事もなる早で片付けるため、仕事量が多くなり、多大なストレスに感じている。

【対策】

・ルーチン作業を洗い出し、他の人に任せるべき仕事量を増やす。もらったお菓子は、職場の共通のお菓子保管場所を作り、自由にとって行ってもらうようにする。

・周囲の女性と、お弁当ランチする約束をし、モチベーションにつなげる。遅くなった時の夕食用のお弁当も作って持っていき、職場で食べることで夕食の時間を一定にする。自分の基礎代謝カロリーから1日に720kcalカットするようメニューを組む。

・週に2回、定時退社を宣言し、早く帰宅する。オンオフにメリハリをつける。この定時退社の日と休日に、ジムに行って運動する。

具体的に、「実行」できそうな行動案が出揃いましたね。最後に、計画見直し期限を設定します。長期間にわたるプロジェクトの場合、節目節目で進捗を管理するタイミングが必要です。

計画見直し期限:1週間

これは「マイルストーン」とも呼びます。

道路に点々と置かれた標識という意味です。

目的地に向かっている時に「○○県です」と書かれた標識があれば、今どの辺まで来ていて、目的地までどれくらいで着きそうか目印になります。

過去との比較で目標を具体的に設定し、現状を分析。行動案を洗い出し、それらの見直し期間を設定して「計画」のステップは完了です。

②実行

決めた行動案を実行します。

実行できたか否かの事実と、数字(この場合は体重)も合わせてこまめに記録し、定量的な表現でメモを取ることを心がけましょう。

良い例:5営業日中、3営業日はお弁当を持参できた。1日は社外の仕事があり持参できず、もう1日は疲れてお弁当を作れなかった。

悪い例:ほとんどお弁当を持っていけたので、よかった。

行動案を実行に移して、最初から100%パーフェクトに狙い通りになるなんてことはまずないので、計画比でどれくらい実行できたか、きちんと記録します。

失敗は成功の母。失敗を失敗としてきちんと認識できていることは素晴らしいことです。

できなかった場合、何か見落としがあった可能性があり、それを改善につなげられるので、目標に一歩また近づいていると言えます。

なお、「できなかった」と記録する場合、単に怠惰で片付けたり、意思が弱いからと諦めたりしないでください。

何が原因でできなかったかを記録します。

「疲れてできなかった」なら、なぜ疲れてできなかったのか?精神論ではなく、どういう仕掛けをすればできるのか?を、次のステップ「評価」で行います。

③評価

一週間後、実行結果の記録を見ながら、計画を評価します。

ここでも続いて注目していただきたいのは「どれくらいの細かさ(粒度)と深さ(深度)で実行結果から改善点を見つけ、次の計画につなげるものなのか」という点です。

【実行結果】

時間とタイミングを、帰宅後のお風呂前と決めて継続的に計測した結果、1.5kg減量に成功していることを確認した。

 

・ルーチン作業を洗い出し、他の人に任せるべき仕事量を増やす。もらったお菓子は、職場の共通のお菓子保管場所を作り、自由にとって行ってもらうようにする。

→今のところ、問題なく実行できている。業務負荷が軽減され、定時退社につながっている。

 

・周囲の同僚とお弁当ランチする約束をし、モチベーションにつなげる。遅くなった時の夕食用のお弁当も作って持っていき、会社で食べることで夕食の時間を一定にする。自分の基礎代謝カロリーから1日に720kcalカットするようメニューを組む。

→お弁当は5営業日中、3営業日分は持参できた。ただ、モチベーションのための周囲の同僚とのランチには課題がある。

突発的に社外に行くことになるケースが多く3回中1回しか予定通りにできなかった。

無理に約束するのではなく、SNSにお弁当をアップするなどで、お弁当を作るモチベーションにつなげたい。

1営業日分は社外に用事があり、お弁当を持参しなかった。

もう1営業日分のお弁当は、前日疲れて作ることができなかった。

休日に、疲れていてもお弁当を準備できるように冷蔵庫に一週間分の食材の下ごしらえや長く保存できる常備菜をこしらえたい。

 

・週に2回、定時退社を宣言し、早く帰宅する。オンオフにメリハリをつける。この定時退社の日と休日に、週3回ジムに行って運動する。

→今のところ、問題なく実行できている。週に3回のジムで筋力トレーニング10分と有酸素運動を1時間行っている。トレーナーに、自宅でも寝る前にヨガやストレッチ等で体をほぐした方がよいと助言されたため、翌週から取り入れたい。

 

評価をしたら、また同じように計画をします。そして実行、また評価というように車の車輪のように、くるくると3ステップを回して行きます。よくPDSやPDCサイクルとも呼ばれるマネジメント手法の一つです。

 

3.「数字」を活用するときのヒント

 

ここまでダイエットの事例で紹介してきましたが、事例の女性にとっての体重は、経営者にとっての売上や利益と同じ意味を持ちます。

女性が毎日体重計に乗るように、経営者は毎日、売上などのデータを見る習慣をつけましょう。

体重だけでなく体脂肪率やウエストの長さなど、その数値を継続的に計測するとわかることがあるように、経営でも、いろんな数字を継続的に見ていくことで自社の強みや弱みが見えてきます。

その際、合計値や平均値に惑わされないように注意しましょう。それらの数字には、ばらつきや偏りがあり、そこから分かるケースもあります。他にも、資料に見やすくまとめられた数字にも気をつけてください。誰かの都合の良い結果を導き出すように、あるいは都合の悪い結果を隠すように、手心を加えている可能性があります。生に近いデータを確認することで見える事実もあります。

また、売上目標はあるのに、利益目標が意識されていないケースが多々見られます。会社を動かしているのは利益です。利益目標を設定し、それを達成するためにはいくら売り上げる必要があるのかは、必ず確認してください。

 

なぜなぜ分析で太った要因を多角的に細かく深く洗い出したように、会社の売上や利益の構造も分析してみましょう。

要因1のときに無理矢理にでも30個は発想できるように頑張ってください。

問題の解決策は、あなたが意識していなくても認識できている、意外な要因から出てくる可能性があるからです。

一人で限界があるのであれば、事情を知る人にも協力してもらい、付箋を渡して書き出してもらうような集団思考(ブレインストーミング)も有効です。

 

【事実】月に○○万の利益を出すが、それ以上増えない状況が半年続いている

なぜ?↓

(要因1)

・△△が継続的に売れ、ここ半年で売上も倍に伸びている

・半年前に在庫の管理方法を変えて管理コストを削減した

・ロングセラーの□□が3ヶ月前から急に売れなくなった

・4ヶ月前、業務委託先を変えて固定費を削減した

また、何より重要なのは、目標の設定を間違えないことです。

事例の女性のダイエットは、きっかけは水着でした。

そして、ダイエットの目標は通過点でしかありません。

ダイエットによる生活改善によって、生活を見直しました。

目標を達成したとき、それまで損なっていた健康という人生の基盤を再び手に入れることができたと言えるでしょう。

経営も同じです。

数字を活用するときの目標は、大体の場合、会社の利益に関するものでしょう。

それは通過点でしかありません。

利益を得た先をどうしたいか、考えているでしょうか?ここで、企業理念や社会的なミッションを思い出してください。

目標の上位に会社としてありたい未来がある、と意識して要因分析を進めていくと、洗い出した原因が目標と噛み合わないようなことを防ぐことができます。

また、実行時に、従業員や取引先などに協力を求めるとき、強い意思を持って説得にあたることができます。

 

最後に、数字を活用するときに役立つ関連記事があります。以下もご覧ください。

 

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まとめ

「計画」「実行」「評価」の数字活用のサイクルを繰り返す、その車輪の軸になるのが、会社の理念や経営者の想いです。

数字だけを語る経営者に、人を動かすことはできません。

あなたの選択と行動が、その思いが、従業員や取引先などの人を巻き込み、会社を変え、社会を変え、ひいては世界を変えます。

その原点にあるのが「数字」です。

数字の持つ客観性と、あなたが持つ情熱という主観性の両輪をもって、よりよい未来を導くことを願っています。

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