中小企業にとって、どのように資金調達していくのか考えることは非常に大切なことです。創業して1年以内に倒産してしまう方が半数以上という時代なので、絶対に倒産しないためにも、資金調達方法を複数押さえておくことが大切になってきます。
今回は、中小企業の社長が絶対に覚えておくべき資金調達方法をご紹介していきます。
目次
1.3つの資金調達方法とは?
資金調達とは、簡単に説明すれば、お金を用意することです。中小企業がお金を用意する方法は大きく分けると3つあります。
(1)負債を増加させて資金調達
資金調達を想像した際に、誰しもが想像するのが、負債の増加でしょう。
社債の発行は、会社の信用力が高くなければできませんので、借入をイメージできればよいでしょう。
(2)資本を増加させて資金調達
資本を増加させて資金調達する場合には、株式を発行しなければなりません。
株式を発行とは、株主に追加で出資してもらうということです。個人や、法人から出資を受けることで、資金調達を行うことができます。
(3)中小企業の保有資産を売却して資金調達
すでに創業して数年経過していれば、保有している資産もあるでしょう。車、不動産、在庫などを処分して現金化する方も多いです。
また、IT企業の増加により、保有しているサイトを売却して現金化する企業も増加しております。さらに、事業の一部を売却する会社もあります。
2.借入金で資金調達する場合、どの金融機関を利用するべき?
中小企業が利用できる資金調達方法としてもっともおすすめなのが、日本政策金融公庫からの借入です。
(1)日本政策金融公庫からの借入がおすすめな理由
日本政策金融公庫からの借入がおすすめな理由は、下記の7つです。
① 借りやすい
日本政策金融公庫は、中小企業をサポートするために政府が運営しております。中小企業をサポートする義務があるため、他の金融機関から融資を受けるよりも借りやすいです。
② 金利が安い
日本政策金融公庫からの融資は、金利が非常に安いです。
創業時(税務申告を2回終えるまで)であれば、『新創業融資制度』
創業1年目から7年目までであれば、『中小企業経営力強化資金制度』
中小企業であれば、上記の2つの制度を利用することが可能です。2つの制度はいずれも金利が安く、年利1%~2.5%程度となります。
③ 担保なし
『新創業融資制度』『中小企業経営力強化資金』の2つの制度を利用した場合には、担保が不要です。
④ 保証人なし
『新創業融資制度』『中小企業経営力強化資金』の2つの制度を利用した場合には、保証人も不要です。代表者の保証も不要ですので、お金を借りやすいです。
信用金庫などの金融機関からお金を借りる際には、基本的に保証人は必須となりますので、公庫の方が断然有利といえるでしょう。
⑤ 長期間借りられる
日本政策金融公庫の返済は、5年以上から選択となります。長い期間借りられた方が、1回あたりの返済額が少なくて済みますので、利用しやすいでしょう。
⑥ 他の金融機関からも融資を受けやすくなる
一度も融資を受けていない方と、公庫からお金を借りて、期日通りにしっかり返済ができている方では、公庫からお金を借りている方の方が、他の金融機関からの評価が高くなります。
⑦ 短期間で借りられる
公庫は、約1か月程度で融資を受けることができます。
信用金庫や地方銀行は、2か月程度かかってしまうため、1か月程度で融資を受けることができる公庫は魅力的でしょう。
(2)公庫からの融資で、最もおすすめな制度は、中小企業経営力強化資金
創業してから7年目までの方が利用できるのが、中小企業経営力強化資金です。
中小企業経営力強化資金を利用することで、金利が安くなります。
せっかくなら、金利を安く借りられた方がよいのでしょう。
中小企業経営力強化資金を利用して、金利を安く融資を受けよう! |
(3)信用金庫や地方銀行から借りるのもおすすめ!
借りられるのであれば、信用金庫や地方銀行から融資を受けることもおすすめです。
ただし、保証人として、代表者保証は必須となりますので、公庫に比べると劣ってしまうでしょう。
さらに、基本的に、信用保証協会を経由しなければ借りることが出来ませんので、信用保証料が取られます。そのため、実質的な利息は年利3%~4%となってしまいます。
もちろん、クレジットローンやカードローンと比べると金利は安いですのでおすすめの資金調達方法の1つといえるでしょう。
3.資本を増加させて資金調達する場合のメリット・デメリットは?
資本を増加させて資金調達する方法でも、だれに出資してもらうかでメリットデメリットが発生してきます。今回は、出資者ごとに、メリット・デメリットをご紹介していきます。
(1)自己資金で出資
中小企業の代表が、個人の資金を会社に投資して、会社が資金調達する方法があります。
① 代表が出資するメリット
・出資割合が増加するため、経営権を他の人に渡さずに済む
・利息が不要
② 代表が出資するデメリット
・代表にお金がなければ出資できない
(2)他社(個人または法人)に出資を受ける
他社から出資を受けて資金調達する方法のメリット・デメリットをご紹介していきます。
① 他社から出資を受けるメリット
・資本金が増加するため、会社の規模が大きくなり、対外的に信用が上がる
・資本金が増加するため、融資を受けやすくなる
・出資してくれた企業の支援を受けられる可能性がある
② 他社から出資を受けるデメリット
他社の出資割合が多いと、経営権を握られてしまう可能性がある。
4.中小企業の保有資産を売却して資金調達する場合のメリット・デメリット
保有資産を売却して資金調達する場合のメリット・デメリットをご紹介していきます。
① 保有資産を売却するメリット
・資金調達可能
② 保有資産を売却するデメリット
・事業に必要な資産を売却してしまう可能性がある
・安く買いたたかれてしまう可能性がある。
まとめ
中小企業にもっともおすすめな資金調達方法は、日本政策金融公庫からの借入と入れるでしょう。
借入は、借りやすい時に借りるのが鉄則です。厳しい状況になってからでは、金融機関は貸してくれない可能性が高いです。そのため、厳しい状況になる前に余裕をもって借入をしておきましょう!