資金繰りを改善する7つの方法 理解しておきたい事業への影響

資金繰りを改善する7つの方法 理解しておきたい事業への影響
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

安定した事業活動を行うためには、十分な資金を確保しておくことが重要です。その資金を確保するためにも、自社の資金繰りについて把握し、理解することは欠かせません。
今回は、資金繰りが事業に与える影響と、資金繰りを改善する7つの方法を詳しく解説していきます。

※なお、当記事での「資金」とは現金(キャッシュ)を指しています。

1.資金繰りとは 資金繰りが滞るとどうなる?

企業の最終的な目的は「利益を得ること」です。現金や預金などの資金を事業活動に投下し、事業活動で得た利益(資金)を元手に再投下する。この流れを繰り返し、企業は事業活動を循環させています。

資金繰りとはその事業の循環活動で投資する資金が不足しないように資金の「入金」と「出金」を様々な角度から調整することです。事業活動の循環がうまくいけば資金は増え、さらに投下を続けることが可能です。

しかし、循環がうまくいかず資金不足に陥れば、事業に次のような影響を与えることになります。

(1)資金繰り悪化の影響①事業を円滑に進められなくなる

資金繰りが悪化した場合は、事業が円滑に進められなくなります。

まず、事業を円滑に進めるための大前提として、売上などの収入を確保する必要があります。売上を得るためには、どのような業種でも以下のような経費の支出がついて回ります。

  • 家賃テナントの家賃
  • 商品の仕入代金
  • 人件費(社員・パート・アルバイト給料)
  • 光熱水道費+インターネット利用料

資金繰りがうまくいかず商品の仕入や人を雇えなくなってしまうと、事業活動をする大前提としての「売上の確保」が難しくなってしまうのです。よって、売上を確保するためには、十分な資金を用意しておく必要があります。

(2)資金繰り悪化の影響②黒字倒産を招く

いきなりですが、黒字倒産という言葉はご存じでしょうか?近年、黒字倒産をする企業が増加しており、これも資金繰りが大きく関係しています。

黒字倒産とは、決算上黒字である企業が倒産することです。

倒産は、経済活動をしていく資金が0となり、どこからも資金調達できない状態になったときに起こり得ます。「黒字なのに倒産?」と疑問に思うかもしれませんが、会計上の利益と資金の残高は必ずしも一致するものではありません。

2種類の黒字倒産の事例をご紹介します。

事例①売上が100万円(掛売)、仕入が50万円(現金支出)の場合
決算上の利益:100万円-50万円=50万円(黒字)
資金繰り:0円-50万円=▲50万円の資金減

決算上の数字は、事実が発生した時に計上されるため一時的には黒字となりますが、実際の資金(現金)残高はマイナスとなってしまいます。このような資金繰りが続けば、黒字倒産を引き起こす恐れがあります。

事例②売上が100万円(現金入金)、仕入が50万円(現金支出)、借入返済が60万円(現金支出)の場合
決算上の利益:100万円-50万円=50万円(黒字)
資金繰り:100万円-50万円-60万円=▲10万円の資金減

借入の返済金などは決算上の利益の計算には関係しないため、決算上黒字であっても、返済金額が多いために資金繰りが悪化してしまうケースが多くあります。

このように、必ずしも決算上の数字と資金繰りの数字は一致するものではないため、実際の資金の流れを日々把握しておく必要があるのです。

2.資金繰りを改善する6つの方法

では、資金繰りを改善する7つの方法をご紹介していきます。ご自身の業種、状況に合った方法を見つけましょう。

  • 方法(1)資金繰りが悪化した原因を把握する
  • 方法(2)確実に売掛債権を回収する
  • 方法(3)期日を交渉し、支払い日をコントロールする
  • 方法(4)口座・通帳を使い分ける
  • 方法(5)設備投資・資金投下は十分に検討する
  • 方法(6)資金調達する

方法(1)資金繰りが悪化した原因を把握する

まずは、資金繰りが悪化した原因を把握する必要があります。

把握する方法としては、決算書などの資料を確認するのも一つですが、まずは実際の現金・預金(通帳)の流れをしっかりと把握しておくことです。「どの時点で資金が大きく増減しているのか?」「毎月資金不足となるのはどの期間か?」など、悪化の原因に仮説を立てることが重要です。

また、近年では会計処理の自計化が進んでいます。従来会計事務所に依頼していた会計処理を自ら処理すれば、経営上の数字を自分で把握できます。そのため、今まで気づかなかった経営状態(例、借金が多い、売掛金の回収が遅いなど)を発見することに繋がります。

自計化とは、企業が日々発生する営業取引の内容を自社で会計ソフトなどを使用して記帳することをいいます。

方法(2)確実に売掛債権を回収する

売掛金の回収が必要な業種は、売上を売掛債権として処理するため、一定期間は現金の回収をすることができません。

そのため、決められた期日に売掛債権を確実に回収することが重要です。回収の滞っている取引先などの洗い出しなど、売掛債権管理の徹底が重要です。

方法(3)期日を交渉し、支払い日をコントロールする

上記のように売掛金が多い事業は、支払金額の大きい取引先やアルバイトの人件費の支払い日を売掛債権の回収後に設定するのが望ましいです。

まずは支払期日を交渉し支払い日を遅延できないか交渉してみましょう。支払先との交渉が難しい場合は、自社内部で従業員の給与等を支払うタイミングに検討の余地がないか相談する手段も有効です。しかし、この場合従業員との信頼関係にも大きな影響が生じる場合があるため、慎重に検討してください。

方法(4)口座・通帳を使い分ける

資金繰りの管理をどうすればいいかわからない方は、口座・通帳を入金用と出金用に分けることがオススメです。

それぞれの口座・通帳を入金用と出金用に分けることで、口座・通帳を見れば入金・出金サイクルを把握することができます。さらには「数字の見える化」を図ることで、資金繰り状況の把握がしやすくなります。

方法(5)設備投資・資金投下は十分に検討する

設備投資や資金投下については、多額の流出を伴うため十分な検討が必要です。基本的に仕入や人件費などは投下すればその分、収入が増える可能性がありますが、資金が減るというリスクもあります。

また、大きな設備投資は長期間にわたる原価償却という会計処理が必要で、税金の支払い額にも影響します。そのため、将来を見据えた資金繰りのシミュレーションが必要です。

方法(6)資金調達する

資金繰りを改善する方法で一般的なものに、金融機関からの資金調達(融資など)があります。金融機関からの資金調達は審査など一定の基準をクリアする必要があるものの、借り入れた金額については事業活動内であれば自由に活用することができるため、使途の制約はありません。

しかし、金融機関から融資を受けた場合、今後の返済スケジュールなどを考慮したうえで資金繰りをすることが必要です。資金繰りを安定させるためにも、より適した借入金額を設定し、無理のない返済額を設定しましょう。

3.まとめ

資金繰りは企業を存続させ、良好な事業活動を行うための重要な要素です。自社の資金繰りを把握しないまま事業活動を行っていくと、知らない間に黒字倒産に陥ってしまいます。

まずは、自社の資金繰り状況を把握し、資金繰りが悪化している要因を見つけ出しましょう。また、資金繰りの悪化がどのような影響を与えるのか理解しておくことが重要です。

資金繰りへの理解を深めることで経営状況を良好にしていきましょう。

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