フリーランスになるには メリット・注意点を解説

将来会社員を退職して独立したいと考えている方のなかには、実際にフリーランスがどんな仕事のやり方なのか、どうやってフリーランスになるのか、実態が分からない方も多いのではないでしょうか。

今回はフリーランスとは何か、似た言葉との違いも簡単に説明しつつ、フリーランスになる方法から向いている仕事・業種、メリット・デメリットや注意点までわかりやすく解説します。

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フリーランスの意味

フリーランスとは、企業や法人など組織に所属することなく、個人として仕事に応じて組織と契約を結ぶ働き方です。具体的にどのような特徴があるのか見ていきましょう。

フリーランスとは

フリーランスはアルファベットでは「free lance」と書きます。lanceとはつまり槍。かつて、フリーランスとは「報酬によって仕える主を変えていた傭兵(ようへい)」を指す言葉でした。

現代でも、その身一つで仕事を請けるあり方は同じです。自身の身につけた技術や知識を武器に、業務委託として企業や法人の仕事を請け負います。会社員のように雇用契約を結んでいないため、「どんな仕事を受け、どのくらいの報酬を得るのか」を自分で決め、交渉することができます。

フリーランスの働き方と仕事・業種の例

フリーランスの働き方には大きく分けて「専業」と「副業」があります。フリーランスの仕事・業種は専業に向いているもの、副業に向いているものがあるので、それぞれ見ていきましょう。

参考|フリーランス白書2020|一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会

「副業」タイプ:単発・短期(1日〜3ヶ月)

副業フリーランスとして活動されるのなら、作業時間は会社勤務終了後や休日などの空き時間です。

作業時間の制約上、副業フリーランスで引き受けられる仕事は基本的に1日、あるいは数日間など単発・短期間なものです。時間的拘束が少なく、隙間時間で副収入を得ることができるため、多くの方が注目する働き方であり、仕事の競争率も高いのが現状です。

なお、副業フリーランスの場合、会社の規定で副業を禁止している企業や、公務員などの副業禁止の職種もあるため、副業が問題ないかを確認した上で、取り組みましょう。

一般に、副業フリーランスとして活躍できる職種はイラストレーターやデザイナー、ライターなどのクリエイティブ・Web系と言われます。未経験者でもできる業種は、データ入力業務など限られた職種になるでしょう。

「専業」タイプ:長期(数ヶ月〜数年)

専業フリーランスは、数か月あるいは数年の長期間、1つのプロジェクトに参画して仕事をします。会社と従業員としての雇用契約を結んでいるわけではありませんが、週5や週3で常駐し、仕事を行うケースが多いです。

最もイメージしやすいのは、コンサルタント系業務でしょう。彼らは企業が定めた目標を実現するにあたって、仮説を立て実行し、検証をしながら仕事を進めます。求められた成果を出すには当然、現場での密接なコミュニケーションが必要になるため、副業のように単発・短期間の仕事スタイルは取れません。

じっくり腰を据えて会社と付きあう専業フリーランスですが、能力と仕事をこなす体力さえあれば、複数の案件を掛け持ちして働くこともできます。そして多くの案件をこなせばこなすほど、収入は増えます。

コンサルタント系以外に専業フリーランスは、システムエンジニアなどのエンジニア・技術開発系などもあります。これらの専門性の高い業種はその人の能力にもよりますが、年収800万円前後とされています。

自営業とフリーランスの違い

自営業はフリーランスと混同されやすい言葉です。

フリーランスが「会社に雇用されることなく、仕事ごとに会社と契約して稼ぐ働き方」である一方、自営業は「個人で事業を経営する働き方」全般を指す言葉です。広義では自営業にフリーランスも含まれます。

なお、税制面で自営業とフリーランスに違いはありません。ただし、専業であるか副業であるかによって所得の扱いが「事業所得」か「雑所得」や「一時所得」に代わることがあるため、確定申告時には注意しましょう。

個人事業主とフリーランスの違い

個人事業主とは「個人で事業所得を得ている」人のことを指し、一般には「法人」の対義語として扱われています。

「個人で事業所得を得ている」専業フリーランスが個人事業主である、と思いがちですが、一概にそうとは言い切れません。なぜなら個人事業主として法的に認められるには開業届を税務署に提出していなくてはならないからです。

もしあなたがフリーランスとして働いていて、かつ開業届を提出しているのであれば税制上は個人事業主ということになりますが、提出していなければ個人事業主を名乗ることはできません。

フリーター(アルバイト)とフリーランスの違い

フリーター(アルバイト)とフリーランスも、名前に「フリー」がつくために混同されがちですが、実際は全くの別物です。

フリーターは、「free」と「Arbeiter」を組み合わせた和製英語で、アルバイトで生計を立てている人々のことです。アルバイト経験のある方ならお分かりかと思いますが、働きはじめる前に会社と非正規雇用契約を結びます。つまり、フリーター(アルバイト)は、会社に非正規として雇われている働き方なのです。

フリーランスは「企業に雇用されず、業務委託として仕事を請け負う働き方」なので、根本的に異なる働き方と言えるでしょう。

フリーランスのメリット

会社員を辞めてフリーランスとして働くことのメリットは何でしょうか。ここでは、フリーランスという働き方を選ぶメリットをご紹介します。

  • 複数の企業と契約できて頑張り次第で稼げる
  • 自由な働き方ができる

複数の企業と契約できて頑張り次第で稼げる

フリーランスとして儲けられるかどうかは、個人の頑張りに左右されます。企業から給料が支払われるわけではなく、案件ごとに「業務委託契約」を結ぶため、複数の案件をより多く獲得していけばそれだけ稼ぐことができるため「複数の企業と契約でき、頑張り次第で稼げて、儲けられる」と言えるでしょう。月額固定でないため、働きによっては会社員よりも多く稼げる可能性もあります。

自由な働き方ができる

フリーランスは何時から何時まで仕事、という「働く時間」に決まりがありません。仕事の期限に間に合いさえすれば、ライフスタイルに合わせて比較的自由な働き方ができます。会社に定められた時間内で仕事をすることに苦痛や苦手意識を感じる方にとっては、魅力的な働き方でしょう。専業フリーランスの方のなかには「自由な働き方」が転向の決め手となった人も少なくないでしょう。

フリーランスのデメリット

フリーランスとして独立する前に、デメリットも知り、デメリットを解消する手立てを考えましょう。フリーランスのデメリットは次の通りです。

  • 仕事探しが難しい
  • 社会的信用が低く、クレジットカードを作りにくい

仕事探しが難しい

フリーランスとして独立したときに苦労しがちなのが、「仕事探し」です。次々と仕事が与えられる会社員とは違い、フリーランスは自ら営業や売込を行い、自分で積極的に仕事を獲得しなければいけません。

フリーランス向けのクラウドソーシングサービスなど仕事を探す手段もありますが、1つあたりの案件の単価が安いケースが目立ちます。単価の安い仕事で数をこなすか、高単価の仕事を根気よく探すか、方針は人ぞれぞれですが、いずれにしても生活できるだけの収入を得るには相当のエネルギーが必要になります。

社会的信用が低く、クレジットカードを作りにくい

仕事探しが難しいこともあり、フリーランスでは月の収入が、その時々で変動し、不安定です。多くの案件や高単価の案件を獲得できた月は高収入、そうでないときは低収入です。

収入が不安定なことで、社会的信用も低くなり、クレジットカードを作りにくかったり、ローン審査に通りづらかったりと、不便な場面もあります。収入が不安定だと、カードやローンの支払いが滞る可能性が高いと考えられ、敬遠されてしまうのです。

フリーランスになるには?準備・独立開業の手続き

フリーランスは個人でできる仕事だとはいえ、いきなりフリーランスとしてキャリアをスタートさせるのではなく、事前に準備や独立開業の手続きをし、フリーランスとしての成功する道筋をつけてから独立するのがよいでしょう。

独立する分野での実績作りをする

イラストレーターでもシステムエンジニアでも、フリーランスとして活躍したい分野でまず実績を積むのが独立の第一歩です。

フリーランスになる前はスキルをつける期間を設けることが大切です。いきなり専業を目指すよりは、独立したい分野と違ってもいいので副業OKの企業で働きながら、副業フリーランスから始めるというのも選択肢のひとつです。勤め先は独立したい分野が一番ですが、独立したい分野でなくとも「発注側である企業が何をどう考えて判断しているか」を学べるため、フリーランスとして働くときに役立つでしょう。

仕事の環境作りをする

現在のフリーランスの仕事において、インターネット環境は欠かせないものです。パソコンの用意や仕事に必要なソフトウェア、仕事用のメールアドレスなど、必要になるものを揃えましょう。

最近ではリモートワークが一般的になり、元から在宅ワークが多かった仕事・業種以外でも、リモートワーク前提での業務委託になることが珍しくありません。同時にサイバー攻撃も増えているので、情報漏えいなどが起こらないよう、情報セキュリティ対策はしっかり行いましょう。

必要ならクレジットカードやローンの申請を済ませよう

フリーランスになるとクレジットカードやローンの審査に通りにくくなる傾向があります。カードを作っておきたい場合やローンを申請したい場合は収入が安定している会社員の間に手続きを済ませておくのがよいでしょう。

保険/年金の切り替えをする

フリーランスと会社員とでは保険と年金の扱いが異なるため、フリーランスになった時点で切り替える必要があります。

保険なら国民健康保険に加入するか、勤め先が加入していた健康保険組合の健康保険を任意継続するか判断し、年金なら厚生年金から国民年金に変更しましょう。

開業届を提出する

副業フリーランスとして、単発の収入を得ているだけであれば必要ありませんが、一定の収入を継続して得ている場合は開業届を提出する必要があります。これは法律により定められた手続きです。

開業届を提出していない場合、特に罰則があるわけではなく、仕事をするうえで問題はありません。フリーランスとして得た収入はどのみち確定申告で税務署に報告しなくてはならず、その点は個人事業主と変わらないからです。

しかし、開業届を提出していれば個人事業主として事業を行っている証明になり、節税や融資・補助金・助成金などを受ける際にも審査で通りやすくなるでしょう。提出することのデメリットはないため、特別な事情がない限りは提出するようにしましょう。開業届は税務署や国税局ホームページで入手することができます。

青色申告承認申請書を提出する

開業届の提出と同時に、青色申告承認申請書を提出するのがよいでしょう。確定申告時に青色申告を行えるようになります。

青色申告では貸借対照表や損益計算書を作成しなければいけないなど、白色申告に比べて手間がかかりますが、税金面で最大で65万円の控除を受けることができるので、ぜひ活用してみてください。

フリーランスに関するよくある質問(FAQ)

Q1.フリーランスに向いている業種は?年収相場はどれくらい?

A1.1人で開業できる仕事はフリーランスに向いています。

フリーランスは1人でできる仕事が向いています。ここでは主に3つほどご紹介します。

エンジニア/プログラマー

エンジニアやプログラマーは、まずはIT会社に勤めながら経験や知識を付けたあとに、「独立」という形でフリーランスに転向される方が多い業種になります。

年収は300万円から500万円前後が平均ですが、キャリアの長さによって変動するため、一概には言えません。

経験さえ積んでいれば、さほど違和感なくフリーランスに移行できる業種ですが、仕事環境を整える必要があり、ハイスペックなパソコンを用意するなどの初期費用が必要になるでしょう。

ライター/webライター

ライターやwebライターは出版社や新聞社などのメディア、またはブログやメールマガジン、コンテンツ記事を執筆する仕事です。現在はクラウドソーシングでの業務仲介件数も多いため、まったくツテのない人でも仕事の受注がしやすく、未経験でも比較的仕事を始めやすい業種です。

ライターやwebライターの単価は文字単価で計算されることが大抵で、400万円前後が平均的な年収です。

デザイナー/Webデザイナ/イラストレーター

webサイトのデザインやレイアウトを決めるwebデザイナー、広告やカタログ、グッズ、書籍などの紙媒体をデザインするグラフィックデザイナー、そして挿絵やキャラクターを描くイラストレーターは、実績が重視される業種と比べ、自前のセンスが問われます。

優れたデザイナーやイラストレーターであれば年収も1,000万円を超える方もいますが、平均の年収は300万円から400万円程度と言われています。

Q2.フリーランスが増えた理由は?

A2.働き方の多様化・IT技術の発達で、勤めている方も副業でフリーランスをはじめたからです。

近年、フリーランスは増加傾向にあります。主な要因として挙げられるのは、コロナ禍でリモートワークやフレックス出社など、これまであまり知られていなかった働き方が認知されるようになったことでしょう。また、多くの企業が副業を認めるようにもなっており、まずは副業フリーランス→軌道に乗ったら独立して専業フリーランスのケースが増えたのです。

加えてクラウドソーシングの拡充、ブログやSNSの発達、コワーキングスペースなどの隆盛で、フリーランスが仕事をしやすい環境・サービスが増え、フリーランスの仕事を後押ししていることも理由として挙げられます。

Q3.フリーランスに向いているタイプとかある?

A3.自己管理ができる、時間・期限を守れる、謙虚で誠実な方がフリーランスに向いています。

フリーランスは「自らを律して自己管理する能力」が強く求められます。時間や期限を守れなければ、フリーランスに対する信頼が失われ、次から仕事を貰えなくなりますし、向上心を持って自身のスキルのレベルアップに取り組まなければフリーランスとして案件獲得できなくなるでしょう。

また、謙虚で誠実な姿勢で仕事に取り組む姿勢も重要です。「長く一緒に働きたい」と思ってもらえることで、仕事のリピートにつながります。

Q4.フリーランスでも補助金・助成金・給付金をもらえる?

A4.フリーランス向けの補助金・助成金はもちろん、給付金もあります。

補助金や助成金、給付金は中小企業が対象というイメージが強いかもしれませんが、フリーランス向け(個人事業主向け)にも数多くあります。

給付金の例としては、最近では新型コロナウイルス感染症の影響で、自宅でお子さんの世話をしなくてはならず、フリーランスの仕事に影響が出ている方を対象に「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金」などの給付金も用意されています。

条件を満たせばフリーランスも申請OKで、コロナ禍で売上が減少しながらも事業を挽回しようとする事業者を対象とする「事業再構築補助金」もおすすめです。

(参考)事業再構築補助金は個人事業主でも申請OK!要件・金額上限などを解説|補助金ガイド

フリーランス(個人事業主)が利用できる補助金や助成金は経済産業省の「ミラサポplus」や厚生労働省の「助成金検索ツール」からも検索できます。

Q5.フリーランスの開業で日本政策金融公庫の融資を受けられる?

A5.日本政策金融公庫なら融資を受けられる可能性があります。

日本政策金融公庫は小規模事業者や中小企業向けに様々な融資制度を提供しています。この「小規模事業者」にはフリーランスの方も含まれます。

ただし、融資を受けるためには、事業を行っている証明として、開業届を提出している必要があります。

フリーランスとして活動していて融資を検討されているのなら、開業届の提出は必須です。

Q6.フリーランスの事業継続のために日本政策金融公庫の融資を受けられる?

A6.フリーランスでも事業継続の融資は受けられます。

日本政策金公庫では事業継続のための運転資金として、フリーランスの方でも融資を利用できます。実質無利子・無担保で受けることができるケースもあります。

融資についてお悩みの方はぜひ当サイトの運営会社株式会社SoLabo(ソラボ)にご相談ください。

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また、昨今の新型コロナウイルス感染症まん延による影響で事業の運営が厳しくなっているフリーランスの方は、各都道府県の社会福祉協議会が主催している「生活福祉資金の特例貸付」や日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」などもあります。

新型コロナウイルス感染症特別貸付は最大8,000万円の融資を受けられるので、選択肢のひとつとして検討するとよいでしょう。

まとめ

今回の記事ではフリーランスになる方法から向いている仕事・業種、メリット・デメリットや注意点を解説しました。

フリーランスは、個人として企業や団体と業務委託契約を結び、仕事・案件を獲得して働きます。企業に勤める会社員とは違い、複数の企業と契約を結び、仕事できるので、自分の頑張り次第では同種の会社勤めの方より多く稼げる可能性があります。

しかし、フリーランスは自己管理ができなければ、独立前に思い描いていた自由な生活を継続することは難しい側面もあります。

いきなり独立すると壁に直面する可能性が高いため、会社勤めをしながら副業し、副業が軌道に乗ったタイミングで改めて独立を考えるのもよいでしょう。

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