経営者は覚えておくべき融資の成功確率を上げるための9つのテクニック。決算書を調整することで成功確率が上がります!

経営者は覚えておくべき融資の成功確率を上げるための9つのテクニック。決算書を調整することで成功確率が上がります!

融資を受ける場合には、1円でも多くのお金を調達したい!と考える経営者の方も多いでしょう。

資金調達は、決算書の数字次第で借りられる額が変わってきます。

今回は、1円でも多くのお金を調達するためのコツをご紹介していきます。

1.営業外収益はなるべく売上として決算する

銀行から融資を受けるために欠かせないのは、自分の企業に対して行われる格付けで良いランクを獲得することです。

格付けは、企業側が財務状況をまとめた決算書に基づいて行われますが、有利な条件で融資を受けるコツとして、営業外収益として扱っていた部分を売上の項目に変えて損益計算書を作成するという点が挙げられます。

損益計算書は、会社の運営で得た収益に対し、かかったコストを差し引いて利益を表したものです。

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損益計算書の中に営業利益と、経常利益という項目があります。

格付けをする際に、営業利益が多い方が評価されます。

売上に計上することも、営業外収益に計上することもできるのであれば、売上に計上すべきです。

売上に計上することが出来れば、営業利益の額が増加するためです。

【ポイント 】

決算書上の営業利益をいかに増やすかが格付けを上げるための重要なポイントと言えます。

 

営業利益を大きくするためは、元となる稼ぎを増やしたり、コストの額を抑えたりする方法があります。

主要業務の他に保険代行サービスや株の売買など他の仕事も兼ねており、それらで収入を得ている場合には、会社のビジネスとは別のところで発生した営業外収益としてはなく、業務における売上の一部として稼ぎに加算すると、営業利益を増やし銀行側の評価を上げることができます。

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上記の図でご説明すると、収益の項目の上2つが、【売上】と【営業外収益】です。

売上に計上することができれば、営業利益を増加させることができますので、格付けを上げるためには、営業利益を増やすくことが大切だ!ということを覚えておきましょう。

2.他企業から回収した賃貸料や光熱費などは、販売管理費の項目で処理する

融資を受けやすい決算書をまとめるテクニックの一つは、営業利益に影響が出る販売管理費などの経費を減らすということです。

企業によっては管理ビルで経営をしているところが存在しますが、ビル内で営業している他企業に対し賃貸料や光熱費などを負担し、後で他企業からそれらの費用を回収するというパターンが見受けられます。

このような場合では、他社から回収した金額を営業外収益における雑収入として計上すると、銀行側が格付けの際に重視する営業利益とは無関係の部分として処理されてしまいます。

しかし、自分の会社が負担した金額の全てを販売管理費とし、他企業から得た家賃や光熱費をそこから差し引くのであれば、損益計算書におけるコストの総額を減らし、結果的に営業利益を増やすことができます。

【評価が良くなる仕訳】

≪水道光熱費の支払時 ≫ (借方)水道光熱費 50,000円 / (貸方)普通預金 50,000円

≪代金回収時の仕訳≫   (借方)普通預金 50,000円 / (貸方)水道光熱費 50,000円

水道光熱費が打ち消しあうので、営業利益に影響なし

【評価が悪くなる仕訳】

≪水道光熱費の支払時 ≫ (借方)水道光熱費 50,000円 / (貸方)普通預金 50,000円

≪代金回収時の仕訳≫   (借方)普通預金 50,000円 / (貸方)雑収入 50,000円

雑収入などの科目で書類すると、営業利益がその分だけ少なくなるので、格付け上不利になる。

3.貸倒引当金に関しては、差額補充法を用いる

貸倒引当金とは、次の会計期間において債権の回収が難しい場合、期間の終わりに提出する回収不能金額の見積を指します。

この金額は税金など実際の企業経営に関わる訳ではありません。しかし、貸倒引当金は決算書において経費として収益から差し引かれるため、融資を受けるという点においては影響を及ぼす項目になります。

そこで、貸倒引当金を設定する際に可能な工夫の一つとして、差額補充法を用いて貸倒引当金を計算することが考えられます。

法人税法により、貸倒引当金の計算方法として指定されているのは基本的に洗い替え法ですが、差額補充法も承認されています。

(例)残高が貸倒引当金の前期末残高が10,000円、今期末に設定すべき金額が20,000円だったとします。

洗い替え法と差額補充法それぞれの仕訳は?

【洗い替え法の場合の仕訳】

(借方)貸倒引当金 10,000円 (貸方)貸倒引当金戻入 10,000円

(借方)貸倒引当金繰入 20,000円 (貸方)貸倒引当金 10,000円

【差額補充法の場合の仕訳】

(借方)貸倒引当金繰入 10,000円 (貸方)貸倒引当金 10,000円

差額補充法は、過去の残高を今回の設定額に繰り入れて計算し、生じた差額を貸倒引当金として記載することで、全体の金額を抑えることができる方法です。

≪ポイント≫

どちらを採用しても、税金には影響はないですが、融資のことを考えれば【差額補充法】が有利です。

洗い替え法は、貸倒引当金繰入の20,000円が販売費及び一般管理費か、営業外費用に分類されます。貸倒引当金戻入の10,000円は、特別利益に計上されます。

差額補充法の場合には、貸倒引当金繰入の10,000円が販売費及び一般管理費か、営業外費用に分類されます

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つまり、税引前当期純利益だけで見れば、差額補充法を採用しようと、洗い替え法を採用しようと同じ額になるのですが、営業利益・経常利益の数字で見ると、差額補充法の方が財務状況がよく見えます。

4.自己資本比率を向上させ、企業としての安定度をアピールする

自己資本比率とは、自己資本比率とは会社の安全性を表す指標であり、総資産全体に対して自己資本がどのくらいの割合を占めているのかを示したものです。

自己資本比率の算定式

自己資本比率=自己資本÷総資産×100

※貸借対照表上の自己資本(株主資本)から新株予約権、少数株主持分を控除する場合があります。

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自己資本は、資本剰余金や資本金に加え、それまでの利益を蓄積した利益剰余金によって構成されています。

これに他の場所から会社が借りている負債を合わせたものが総資産であり、自己資本を総資産で割って100をかけると自己資本比率となります。

自己資本比率が高ければ高いほど、債務に頼らず経済的に自立している会社だということを示すので、融資において自己資本比率の改善は欠かせない点です。

決算書において、自己資本比率を改善するには、自己資本を大きくするか、もしくは総資産を少なくするかという2通りの方法が考えられます。

迅速に比率を向上させる手段としては、役員借入金を債務免除にすることで、それまで総資産の一部として扱われていた役員からの債務が会社の収入として自己資本の方へ移動するため、総資産の減少と自己資本の増加を同時に実現することができます。

【役員借入金を債務免除した際の仕訳】

(借方)役員借入金(貸方)債務免除益

加えて、中小企業において株主などの役員は社長の関係者が多く、実質的に返済が求められないケースもよくあるので、借入が会社の収益になっても役員にとってあまりデメリットとはなりません。新たな事業などで資金が必要な場合は、会社としての利益を説いて役員の協力を得ることで有効な融資対策ができるでしょう。

※会社の代表からの借入であれば、融資を受ける際に、資本金と同様とみなしてもらえる可能性もあります。「

5.売掛金と未収入金は、きちんと区別して計算する

売掛金は、帳簿上は売り上げが確定されており、代金が未回収の債権を指します。

一方、未収入金は、会社が行っているメインの営業活動とは別の取引から発生した債権です。

この2つをきちんと区別することで債務償還年数を抑えられるため、融資の観点からは気を付けたいポイントとなります。

債務償還年数とは?

債務償還年数とは、企業が借入金を完済するまでにどのくらい年数がかかるのかを割り出した数値であり、銀行が企業の返済能力を判定する上で重要な基準とされています。

銀行としては返済能力がある企業へ優先的にお金を貸し出すため、債務償還年数が少ないほど融資の見込みは大きいと考えられます。

債務償還年数を低くするためには売掛金を増やすことが必要なので、営業上で得た債権を未収入金に入れることがないよう注意しなければなりません。

ポイント

売掛金と、未収入金は、どちらも債権(将来お金をもらうことができる権利)ではあるが、融資を少しでも受けやすくするためには、売掛金として計上してある方が有利!

未収入金ではなく、売掛金として計上できるのであれば、売掛金として計上しましょう。

 

また、未収入金に関しては、本来の営業活動とは別の取引で得ていることから、その金額が他の項目と比較して大きい場合、不正な資産である可能性が疑われ優良企業として評価されない恐れがあります。

決算書では売掛金と未収入金に対し入念にチェックすることが大事と言えます。

6.特別償却と圧縮記帳の計上は、決算書において経費ではなく積立金として扱う

企業の固定資産や補助金等に関しては、特別償却や圧縮記帳など特定の制度が設けられています。

決算書上の会計においては、これらの制度を上手に利用することで、営業利益を上げたり税金を節約したりすることができます。

特別償却は、太陽光発電など、ある特定の減価償却資産を購入した場合、通常の減価償却費より多額の減価償却費を損益計算書において経費と見なすことができる税制度を指します。

この制度を利用する際は会計方法が2つ存在しますが、その中でも剰余金処分方式という方法を使用して計算を行うことで決算書の利益を大きくすることが可能です。

通常の減価償却費は販売管理費として扱われるため、営業利益に響くマイナスの経費となってしまいます。

しかし、剰余金処分方式を採用すると、決算書では特別償却準備金の積み立てを行い、別の書類である法人税申告書で処理できるので、損益計算で差し引かれる費用を抑え、利益を増やす効果があります。

また、圧縮記帳の会計においても、特別償却と同じように決算書で積立金とすることができます。

圧縮記帳とは、災害など何らかの事情により、補助金や保証金、保険金などを会社が得て固定資産を買った場合、税として課される金額の支払いを後に回すことを認めている制度です。

圧縮記帳を計上する際にも複数のオプションが設けられていますが、その中でも積立金方式を選択することで、決算書内では圧縮積立金として記載され、法人税申告書内での処理となります。

もう一つの直接減額方式では、特別損失として扱われるため、全体的な営業利益の減少につながりますが、積立金方式では会社の純利益をそのままにしつつ、税の繰り延べという税制制度の恩恵も受けられます。

圧縮記帳では特別償却と異なり、土地や建物など多額の資産が対象で金額も大きいものとなるので、融資に向けた対策としては積立金方式を採用した決算書が肝要と言えます。

7.退職金は特別損失で計上できるケースがある

退職金は人件費と考え、営業上の損益として計算する会社が多く見受けられますが、幾つかの状況によっては特別損失の項目で処理することができます。

まず、会社における役員の場合、退職金は営業活動で生じたコストではなく、特別損失として見なされます。

次に、一般的な従業員ですが、一定の年数に達した際支給されるタイプの退職金ではなく、早期退職などで通常と異なる時期に支払われる必要があった場合では、本来の金額に上乗せされた部分が特別損失となっても経理上問題はありません。

同様に、基本的に退職金がない会社において、例外的な事情を持った従業員に対し退職金が生じたようなケースでも、その金額を特別損失と考えることが可能です。

一方、大勢の従業員が定期的に退職金を受け取っているという状況であれば、経費として営業損益に入れる必要があるので、気を付けなければなりません。

販売管理費ではなく、特別損失に計上することができれば、営業利益や経常利益の見栄えは良くなります。

8. 賃借対照表の役員借入金は、専用の勘定項目を設けるか、固定負債に入れるようにする

決算の時点で企業の所有している資産や負債の状態をまとめた賃借対照表は、銀行が融資の判断を下す際に審査する書類の一つです。

賃借対照表は、企業が得ているお金の出所とその使い道を示しています。

これを個人のケースで例えると、仕事やローンなどで手に入ったお金を、貯蓄に回した分や何らかの物品購入に使った分など、内訳を設けて表示しているようなものと言えます。

賃借対照表の右側は、お金の出所が記されており、他者から借り入れている項目と自分で稼いだ項目に加え、その合計も記載されます。

お金をどのように使ったかについては、対照的に左側を占めることになります。賃借対照表の合計数値は左右共に等しくなるため、バランスシートとも呼ばれています。

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会社で発生した借入金は負債に分類されるので、賃借対照表の右側にある長期借入金や短期借入金の項目に入るのが通常の形と言えます。

しかし、役員を対象とした借入金は、役員借入金という勘定項目を設け、一般的な借金とは別にして表す方が融資を受ける上で得策だと考えられます。

銀行が融資の判断を行う際、企業の返済能力を示す大事な基準となる債務償還年数は、有利子負債の数値を用いて計算されます。

役員借入金は無利子の場合が多いため、本来は有利子負債として加算されませんが、銀行員が役員借入金を有利子負債と見なして債務償還年数を算出する可能性もないとは言えません。

その場合、債務償還年数が大きくなってしまうため、会社の財政状況が悪く返済の見込みが低いと判断され、良い条件で融資を受けられない恐れがあります。

あらかじめ役員借入金を位置付ける負債項目をきちんと決めておくことで、このような事態を防ぐことができます。

ポイント

短期借入金や、長期借入金の内訳が、役員からの借入である場合には、役員借入金という科目で処理しておきましょう!

役員借入金としての名称を設けるのはどの場合でも共通ですが、借入の正式な契約があるケースとないケースで分類する負債項目が多少異なります。

役員と会社で資産の元手を返済する契約が結ばれており、一定額を毎月返している状態であれば、全体的な借入額を1年の期間内に返す予定の元手と1年を超えても続く分の返済額との2つに分け、前者は流動負債の項目、後者は固定負債の項目として右側に表記します。

役員への返済を義務付けた契約が特に存在せず、1年以内に具体的な返済計画が立っていない場合、借り入れている額は全て固定負債として示す方法を取ります。

役員借入金をできるだけ固定負債として計上するのは、企業の債務に対する短期的な支払能力を表す流動比率を向上させるためです。

流動比率は、支払い義務の生じる負債に対して現金となる資産を、それぞれ1年の期限内で算出した割合を指し、短期間における企業の債務支払能力を予測することができます。流動比率の計算では流動負債が使われるので、1年以内に変化のない役員借入金の金額を固定負債とすることで、流動比率を改善し、企業の評価に貢献させることが可能となります。

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9.壊れた商品で生じる廃棄損は、売上原価に含めず特別損失とする

企業で購入して売り出す予定の商品が壊れてしまった場合、その分をそのまま売上原価として計上すると、経常利益や営業利益に加え、売上総利益が低くなり、融資を受ける際にデメリットと言えます。商品の故障は偶発的である点からも、仕入れの額には含めず特別損失として処理する方が妥当と考えられます。また、廃棄損を特別損失とすることは、企業側が廃棄となった原因を探り予防策を講じるのにつながるため、原価管理を充実させてスムーズな運営を目指すことができます。

まとめ

上手に資金調達をするためには、決算書の見栄えを少しでも良くしておく必要があります。

経営者の皆様は、決算書の見栄えを良くする方法を覚えておきましょう。

お知らせ

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