平成29年度税制改正のポイント~中小企業・小規模事業者関係~

平成29年度税制改正のポイント~中小企業・小規模事業者関係~

中小企業庁が公表した、中小企業・小規模事業者に関係する、平成29年の税制改正についてのポイントをご紹介します。

1.賃上げ支援は大幅拡充!

所得拡大促進税制の支援措置が拡充されます。具体的にどの部分がどう変わったのかをご説明します。

(1)現行の所得拡大促進税制について

【所得拡大促進税制とは】

平成25年4月1日から平成30年3月31 日までの期間内に開始する各事業年度(個人事業主の場合は、平成26年1月1日から平成30年12月31日までの各年。以下「適用事業年度」といいます。)において、国内雇用者に対して給与等を支給し、以下の3つの要件を満たした場合、雇用者給与等支給増加額の10%の税額控除ができる制度です。ただし、控除できる税額は、その適用事業年度における法人税の額(個人事業主の場合は、所得税の額)の10% (中小企業の場合は、20%) が限度となります。

【要件①】雇用者給与等支給増加額の基準雇用者給与等支給額に対する割合が増加促進割合以上になっていること

【要件②】雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額(前事業年度)以上であること

【要件③】平均給与等支給額が比較平均給与等支給額(前事業年度)を超えること

*経済産業省HPより引用

上記の要件の部分が重要になりますので、覚えて置いてください。

(2)変更となる部分

所得拡大税制について、中小企業に関しては、現行の支援措置 (24年度からの給与増加額に10%税額控除)に加え、2%以上 賃上げした企業は、前年度からの給与増加額の22%税額控除を 受けることができるようになります(賃上げに伴う社会保険料負担 を上回る控除率)。

【要件①】雇用者給与等支給増加額の基準雇用者給与等支給額に対する割合が増加促進割合以上になっていること

【要件②】雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額(前事業年度)以上であること

【要件③】(1)平均給与等支給額が比較平均給与等支給額(前事業年度)を超えること

 (2)平均給与等支給額が前年度比2%以上増加していること

*経済産業省HPより引用

要件③(2)が追加されました。(1)と(2)の違いを図でご説明します。

①(1)の場合

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要件③(1)の場合は、現行の所得拡大税制の支援措置のままとなります。

②(2)の場合

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要件③(2)の場合は、給与の賃上げ率が前年事業年度を上回り、賃上げ率が2%以上の場合は、10%の控除に12%上乗せされ、22%税額控除となるという事です。

2.投資減税(固定資産税特例・即時償却)の抜本強化

こちらは、中小サービス業の投資減税に関する追加と延長があるようです。主に3つです。また、適用されるには以下の要件が必要となります。

【要件】固定資産税特例は生産性年平均が1%以上向上/即時償却等は、生産性年平均1%以上向上もしくは、投資利益率が5%以上

(1)固定資産税特例の対象(中小企業等経営強化法の認定を受けた事業者対象)

現状では「機械装置」が固定資産税特例の対象となっていますが、新たに、「商品・飲食店・サービス業等で利用される一定の器具備品」と「建物付属設備」が追加となります。これは

一部の地域や業種は対象外となるようです。

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(2)中小企業投資促進税制の上乗せ措置(即時償却等)の対象追加と名称変更

中小企業投資促進税制の上乗せ措置(即時償却等)の対象にも、「器具備品」が追加となります。さらに制度の名称が「中小企業経営強化税制」と変更になり、中小企業等経営強化法の認定が必要となります。

(3)中小企業投資促進税制の適用期限延長

商業・サービス業・農林水産活性化税制の適用期限が平成30年度末まで延長となります。

上記3カ所の拡充・延長を図でまとめてみます。

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3.研究開発税制の強化

中小企業の研究開発費に対する研究開発税制の控除割合が研究開発費の増加率5%を超える場合に対して、最大17%、控除上限が最大35%となる仕組みの導入がされます。さらに、第4次産業革命型(ビックデータ等の活用)の「サービス開発」が支援対象に追加されます。

【第4次産業革命型(ビックデータ等の活用)のサービス開発事例】

・個人に応じたヘルスケアサービス

運動や睡眠、食事、体重、心拍など、個人の健康データを分析。結果に基づき、最適なフィットネスプランや食生活の推奨、病院受信勧奨を行うサービス

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4.法人税の軽減税率の延長

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5.事業継承税制の要件緩和(少人数企業)

事業継承税制の雇用要件については、従業員5人未満の企業が従業員が1人減った場合でも適用が受けられるようになります。また、取引先の倒産や、被災などにより売上が減少した場合には、雇用要件が緩和されるようになります。

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6.事業継承税制の生前贈与リスクの軽減

相続時精算課税制度の併用が認められるようになるため、増税猶予の取消時の納税負担が軽減されます。

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まとめ

基本的に、中小企業や、小規模事業者がより様々なことに挑戦できるようにといった意味での拡充や延長などが多いように思います。国としても中小企業に頑張ってもらいたいという事なのでしょうか?より具体的な改正内容に関しては中小企業庁HP「平成29年度税制改正の概要について」をご確認ください。

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