起業を志す若者にとって、経営学や起業のイロハを学んでおくことは大きなメリットです。
最近は起業家の養成や起業支援のプログラムを導入している大学も増えており、起業に必要なノウハウを在学中に取得する若者もいます。
大学での起業支援は、情報収集や分析力、判断力や実行力、リーダーシップやマネジメントなど、専門のカリキュラムで起業家に求められる資質や能力を育てることが目的です。
そこで今回は、起業支援に力を入れて取り組んでいる大学をご紹介したいと思います。起業の選択肢として、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
1.高知大学(起業支援事業)

高知大学が代表校となり、県や協力大学と連携して取り組んでいる地方創生事業の一環として起業支援のプログラムが設けられています。
起業マインドを育成し、事業計画のブラッシュアップや場所と資金の提供など独立を目指すためのプログラムが4段階で構成され、地域活性に貢献する起業家の養成が目的です。
既存企業だけでは生まれにくいイノベーション創出のため、起業マインドを持った人材の育成と企業の検証支援を行います。 |
参考:起業支援事業(高知大学 地域連携推進センター地域連携課)
2.大阪府立大学(EDGEプログラム)

起業実践・ビジネスプラン作成・ビジネスアイデア創出、これら3つのコースから受講したいプログラムを選び、起業家としてのノウハウやマインドを学ぶことができます。
EDEGプログラムの主な特徴として、 ・起業を志す学生を育成してきた実績をもとにプレイヤーを育成する拠点 ・研究成果を事業化につなげるための実践演習サポートと持続的事業化支援の拠点 ・金融機関、地域の企業、海外提携機関など多彩な人材が起業をサポートする |
また、公的機関や金融機関、地域の企業やコンサルタントと連携し、地域活性に貢献する人材の育成や事業化に向けたマネジメント能力、戦略立案などをサポートしています。
3.阪南大学(起業支援制度)

在学中はもちろん、起業後も経営に関するサポートが手厚く用意されている阪南大学の起業支援制度。様々な分野の専門家と連携し、起業家の育成をバックアップしています。
起業に伴う法律相談、公的資金、金融相談、人材育成支援など各分野の専門スタッフが適切なアドバイスを行って、企業の立ち上げをバックアップします。また、会社設立後も引き続き経営相談に応じます。
経営計画立案、法律、特許、補助金を含む資金の相談、商品開発に伴う技術開発、マーケティング調査、従業員の教育など課題ごとに精通したスタッフが解決のためにアドバイスを行います。 |
4.同志社大学(D-egg)

同志社大学と連携して起業家を育成する施設「D-egg」も国内の大学では有名な起業支援の一つです。D-eggは同志社大学が管轄するインキュベーション施設。
事業計画の作成や資金調達・マーケティング戦略など、起業や経営に関する実用的な支援を受けられるのが特徴で、多くの学生が起業にチャレンジしています。
インキュベーション・・・国や地方自治体などが技術・資金・人材を提供
D-eggの愛称は? 「同志社大学のシーズ(エッグ)を事業化する」 「有望な起業家(エッグ)を育成する」 「地域資源(エッグ)から新たな地域活性化事業が生まれる」 などの意味があります。 |
New Island Contest とは、同校の生徒・学生を対象とした、同志社ベンチャートレイン・同志社大学リエゾンオフィスが毎年開催しているビジネスプランコンテストです。 ビジネスプランの作成支援やコンテスト後の起業支援を行い、起業という枠組に対して様々な観点から幅広い層が関与できる機会の提供を目指しています。 |
参考:学生ベンチャー支援「New Island Contest」(同志社大学)
5.奈良先端科学技術大学院大学(GEIOT)

通常の大学とは異なり、大学院だけの大学で学部がありません。そのため、ほかの大学で学部や専攻科を卒業してから進学することになります。
奈良先端科学技術大ではグローバルアントレプレナー育成プログラム(GEIOT)による、マルチスペシャリスト育成などの先鋭的な人材育成に取り組んでいるのが特徴です。
起業家マインドを高めるプログラム受講や実際に起業するまでをサポートしたり、専門機関との連携により現実的な事業化を視野に入れた実習を提供したりしています。
基本から、IoTによるイノベーション創出につながる、先端科学技術の事業化に必要な起業家マインド、ノウハウ、課題発見・解決能力等を身につけることを目的とします。
0から1を産み出す発想ワークショップから始まるビジネスプラン作成を通じて、事業成功に必要な経営戦略、財務戦略、マーケティング等の基本的知識を習得します。
合計120時間以上の履修を行い、所定の単位を取得された方にはGEIOTの履修証明書を授与します。スケジュール的に問題がある方には部分受講も可能です。 |
6.学んでおいて損はない!

大学で経営学や起業のイロハを学んでおくことは、起業を志すうえで大きなメリットになるでしょう。また、今回ご紹介した大学のほかにも創業支援を設けている大学はあります。
大学での起業支援は、各分野の専門家や起業家からレクチャーを受けたりノウハウを学んだりしながら、自分のビジネスプランを検証できる貴重な時間です。
創業支援を実施している大学のなかには、マネジメントやマーケティング戦略のカリキュラムが組まれているプログラムもあり、具体的な経営ノウハウを学べるのも魅力的ですね。
起業を志す若者にとって、大学の創業支援は画期的な制度。学んでおいて損はありません。将来的に起業したい若者は、起業支援も視野に入れて大学を選んでみてはいかがでしょうか。