株式会社と合同会社の違いとは?

自分で事業を立ち上げようと考えたときに、個人事業主としてやるか法人でやるか迷われる方もいると思います。

法人について調べていると、よく聞く「株式会社」のほか、「合同会社」などの名称も出てきます。

今回は「株式会社」と「合同会社」の違いをご説明します。

1.株式会社と合同会社の違いとは?

株式会社も合同会社も会社形態の1つです。株式会社と合同会社は様々な違いがあります。

(1)設立費用が違う

株式会社を設立するためにかかる費用は最低で約20万円(登録免許税15万円+定款認証手数料5万円+定款の謄本手数料約2千円)ですが、

合同会社を設立する際の費用は約6万円(登録免許税6万円)で初期費用が合同会社の方が安いです。

(2)利益配分方法が違う

事業で稼いだ利益は出資者に配当というかたちで支払うことができます。

株式会社は出資比率(株を持っている数)によって配当を出します。

Aさん Bさん
出資比率 10% 90%
配当 50万円(10%) 450万円(90%)

合同会社は出資比率に関係なく自由に配当を出せます。

Aさん Bさん
出資比率 10万円(10%) 90万円(90%)
配当 400万円(80%) 100万円(20%)

上記のように出資比率に関係なく払いたい人に払いたいだけ払うことが可能です。

(3)呼び名が違う

株式会社と合同会社では以下のような呼び名が違うものがあります。

出資者は、株式会社では「株主」、合同会社では「社員」

最高意思決定機関は、株式会社では「株主総会」、合同会社では「社員総会」

業務執行者は、株式会社では「取締役」、合同会社では「業務執行社員」

(4)出資者と経営者の関係性が違う

株式会社では、所有と経営が分離しているため、必ずしも「出資者=経営者」ではありません。
合同会社では、所有と経営が一致しているため、「出資者=経営者」となります。

(5)議決権が違う

株式会社では、原則、株式の保有割合に比例して議決権を持ちます。合同会社では、原則、出資割合に関係なく1社員1議決権のみ持ちます。

(6)役員の任期が違う

株式会社では、役員の任期は、通常、取締役が2年監査役が4年(非上場会社の場合は、定款で最長10年まで伸ばすことができます)ですが、合同会社では、役員の任期はありません。

(7)上場できるかが違う

株式会社は上場できますが、合同会社では上場できません。

(8)決算公告の義務が違う

株式会社は決算公告の義務がありますが、合同会社はありません。

(9)代表者が違う

株式会社の代表者は代表取締役ですが、合同会社では、原則、出資者(社員)全員が代表者となります。なお、定款で代表者を一人定めることもでき、その場合は代表社員となります。合同会社では、代表取締役とは名乗れないので注意が必要です。ただ、社長、CEOなどと名乗ることは可能です。

(10)総会が違う

株式会社では、毎事業年度終了後一定の時期に、定時株主総会を開催しなければなりませんが、合同会社では、総会開催の必要はありません。なお定款で社員総会を定めた場合は、規定どおり開催します。

(11)意思決定が違う

株式会社では、決議内容に応じて議決権の過半数、3分の2以上などで決定されますが、合同会社では、全社員の過半数で決定されます。なお、定款で変更することも可能です。

(12)議事録の作成義務が違う

株式会社では、株主総会の議事については、議事録を作成し、10年間本店に備え置かなければなりませんが、合同会社では、議事録の作成義務はありません。

2.メリットとデメリットは?

株式会社と合同会社を比較して場合のメリット、デメリットについてご説明します。

(1)株式会社のメリットは「信用力の高さ」

現在はまだ合同会社は認知度が低いため、取引を行うにあたって、対消費者でも対法人でも株式会社の方が信用力が高いです。

したがって、合同会社の最大のデメリットは「信用力の低さ」と言えます。

しかし、近年、アマゾンなどの世界的大企業が株式会社から合同会社に変更していることもあり、数年後には合同会社も株式会社と同等の信用力となっている可能性もあります。

(2)合同会社のメリットは「設立費用の安さ」

株式会社と比較して約15万円~20万円近く設立費用を抑えることが可能です。

設立後には様々な費用がかかることが想定されますので、少しでも費用を抑えたいという方には合同会社の方がメリットがあります。・

(3) 意思決定のスピードなら合同会社

合同会社では、出資者と経営者が一致しているため、迅速で柔軟な意思決定が可能です。これはアマゾンなどの大企業が、株式会社から合同会社に組織変更する理由の一つです。一方、株式会社では、株主の同意が必要なため意思決定に時間を要します。

(4)事業を拡大するなら株式会社

株式会社は、所有と経営が分離しているため、出資を受けやすいです。さらに上場を目指すことも可能です。一方、合同会社は、所有と経営が一致しているため、出資者は経営に参画する必要があり、出資は受けにくいです。また、上場することもできないため、事業拡大を目指すのであれば株式会社にしたほうが良いです。

(5)コスト削減するなら合同会社

合同会社は、役員の任期がないため、役員変更登記の費用がかかりません。また決算公告の義務がないため、決算公告の費用もかかりません。一方、株式会社では、役員の任期があるため、任期が終わるたびにメンバーが変わらない場合であっても役員変更登記の費用がかかります。また決算公告の義務があるため、決算公告の費用もかかります。よって、コスト削減するのであれば合同会社にしたほうが良いです。

(6)利益の分配を自由にしたいなら合同会社

合同会社は、株式会社と違い出資比率に関係なく、利益の分配額を決めることができるため、利益分配を自由にしたいのであれば合同会社が良いです。

(7)代表取締役になりたいなら株式会社

一般的に会社の代表といえば、代表取締役のイメージがあると思います。合同会社では、代表は代表社員となり、対外的にはまだ認知度が低い状態です。もし対外的な信用度を重視し、代表取締役を名乗りたいのであれば株式会社にする必要があります。

まとめ

「株式会社」と「合同会社」の違いについてご理解いただけましたでしょうか?

「設立費用を安く抑えたい方は合同会社」、「会社の信用が重要な方は株式会社」など、ご自身のプランに合わせて選択すると良いです。

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