
近年、インターネットの普及等様々な理由から個人情報保護についての意識が以前より高まっています。
会社を設立した場合、プライバシーマークを取得することによって自社の安全性をアピールすることができます。
では、プライバシーマークは全ての企業が取得するべきなのでしょうか?
1.プライバシーマーク制度とは?

企業や事業者がプライバシーマーク制度を利用しプライバシーマークを取得することで、個人情報の保護が適切に行われている企業であると証明することができます。
プライバシーマークのロゴを表示することで消費者の方を安心させると共に、会社の信用度を上げることが可能です。
プライバシ―マークの取得は審査に通る必要があり、要件として日本工業規格の基準に適合することが挙げられます。
2.どのような会社が取得すべき?
プライバシーマークを取得する場合、取得審査を申請する企業はいくつかの要件を満たす必要があります。

【審査の申請に必要な要件】
・個人情報保護マネジメントシステムの要求事を定めている企業
・PMSに基づき実施可能な体制が整備されていて、個人情報の適切な取扱いが実施されている企業
・プライバシーマーク制度における欠格事項及び判断基準に定める以下の欠格事項に該当しない企業
①プライバシーマーク制度における欠格事項及び判断基準
欠格事項及び判断基準については【一般社団法人日本情報経済社会推進協会のHP】でご確認ください。
②申請日までの3か月間にプライバシーマーク付与適格性審査申請または、再審査の請求についてプライバシーマーク付与を否とする決定を受けた事業者
③申請日までの1年間でプライバシーマークの取り消し・解除を受けた事業者
④個人情報の取扱いにおいて発生した情報漏洩または権利利益の侵害などによって申請を不可とする期間を経過していない事業主
⑤禁固以上の刑に処さられた、適格条件を満たさないインターネット異性紹介事業者などが役員の中にいる事業者
・自社のサービスを利用する方にプライバシーマークを示すことで、個人情報保護の意識を向上させ会社の安全性をアピールしたい事業者
・個人情報を適切に取り扱うことでお客様に安心してもらい、対外的に会社の信頼度を向上させたい事業者
など、個人情報をきちんと管理・保護することで会社の信頼度や、お客様・従業員の個人情報に対する意識向上を目指す企業に取得をオススメします。
3.プライバシーマーク取得方法
プライバシーマーク取得の流れを確認しましょう。

①審査申請要件を満たすか確認

一般社団法人日本情報経済社会推進協会のホームページで申請可能な事業者要件を確認しましょう。
②社内での申請準備

申請要件を満たすための準備を社内でする必要があります。
・会社にある個人情報の分析・整理
・社内で個人情報取扱いに関する規定を作成し適用
・適用した規定を数週間運用した後に点検や監査を実施
・見直しが必要な場合は規定を改定
・改定後の規定を実行した記録が揃うと申請可能
③申請に必要な書類を収集

一般社団法人日本情報経済社会推進協会のホームページに記載された必要書類を準備します。
・プライバシーマーク付与適格性審査申請チェック表
・プライバシーマーク付与適格性審査申請書
・会社概要
・個人情報を取扱う業務の概要
・すべての事業所の所在地及び業務内容
・個人情報保護体制
・PMS文書の一覧と文書一式
・JISQ15001要求事項との対応表
・教育実施サマリー
・監査実施サマリー
・事業者の代表者による見直し実施サマリー
・登記事項証明書など、申請事業者の実在を証する公的書類
・定款
・会社のパンフレット等
・個人情報管理台帳
④申請

プライバシーマーク取得審査の申請は
・一般社団法人日本情報経済社会推進協会
・Pマーク付与認定指定期間
のいずれかに必要書類を提出することで申請可能です。
⑤調査

必要書類を提出し、審査機関で書類審査が終了すると実際の規定通りに個人情報の管理・運用がされているかの調査が実施されます。
⑥プライバシーマーク付与

書類審査・現地調査が終了し、付与審査の合否が判断されます。プライバシーマーク取得費用を支払うことでマークの使用が認められます。
4.プライバシーマーク取得までにかかる費用
プライバシーマークを取得する場合
・申請の準備に必要な費用
・申請時に必要な費用
の2種類があります。
・申請準備に必要な費用
プライバシーマークの取得申請には準備が必要になりますが、書類保管用の金庫の購入や個人情報保護システムの導入など必要な準備によって掛かる費用が異なります。
もし申請に必要な設備やシステムを全て購入した場合20万円程度必要になるでしょう。
・申請時に必要な費用
申請時に必要な費用は会社の規模によって異なります。
また、申請からプライバシーマーク取得まで3段階に渡って料金を支払う必要があるので注意しましょう。

5.プライバシーマークの取得で助成金が受給可能?
前述の通りプライバシーマークの取得には100万円以上の費用がかかる場合があります。
各地方自治体によってはプライバシーマーク取得の際に助成金制度を実施しています。
実施している自治体によって受給可能な事業者数が決まっていたり、助成金申請時期が決まっていたりするのでご自身の会社が登記されている自治体に直接問い合わせてみましょう。
まとめ
今回はプライバシーマーク制度によって取得可能なプライバシーマークについてご紹介しました。
プライバシーマークの取得は必須ではありませんが、多くのお客様の個人情報を取扱う事業を実施している会社には取得をオススメします。
プライバシ―マークを取得し表示することによって、自社のサービスを利用するお客様に安心して利用してもらうことができます。また、社内での個人情報保護に対する意識向上や企業の社会的信用度向上にもつながるでしょう。
プライバシーマーク取得には準備が必要で費用もかかります。自治体によっては助成金を利用することができるので確認してみましょう。