会社経営者の方は「税務調査」と聞くと、少しドキッとすることはありませんか?
税務調査は法人のみだと思っている方もいますが、実は個人事業主の方でも5年に1度程度は税務調査の対象となるのです。
その為、会社を経営している方や個人事業主でしたら、誰もが対象となり避けられない道なのです。
そんな税務調査について、知っておいてほしいことを詳しく解説します。
1.税務調査とは
国の国税庁が管理している税務署などの税に関する組織が、私たちが納めた税金の申告内容や取引が記載されている帳簿等で申告内容を確認し、そこに間違いがないかどうかを実際に確認・調査をすることを「税務調査」と言います。
もしも、税務調査で申告内容に誤りや申告漏れがあった場合は、本来支払う税金とは別に、追加で金銭を徴収される「追徴課税」を受けることになるのです。
その為、経営者は誤りがないよう慎重になり、精神的にも時間的にも大きな負担となるのです。

真面目に納税を行っている会社であっても、税となると複雑なことが多く誤りや申告漏れをしやすくなるとも言われています。
会社が大きくなればなるほどその複雑さは増します。
ですが、複雑だからと言って追徴課税は避けたいと思うのも当然のことです。
次に税務調査の時期や対象についてご説明していきます。
2.税務調査の時期について
まず、税務署での人事異動が6月末あたりに行われます。
6月末は、税務署内では業務が最も忙しくなる時期と言われています。
そして、税務署は毎年7月が年度スタートとなりますが、税務調査が本格的に行われるのが、この7月~11月の間なのです。
税務調査をやるからには、税務署側も結果を残したいという思いで取り組みます。
だからと言ってドラマや映画のように予告も無しに突然訪ねてくるということはほとんどありません。
ですが「取引方法が現金」「証拠隠滅の疑いがある」等の場合は、突然訪ねてくる「抜き打ち調査」が行われる可能性もあることは頭に入れておきましょう。
税務調査の実施が決まった場合には、前もって会社側にも連絡をとり、いるのかどうかを確認した後に訪ねてきます。
会社によっては顧問税理士を付けているところもありますが、この場合も同様で、顧問税理士宛へ連絡が入るようになっています。

3.税務調査の対象となる会社について
税務調査の対象となるのは「申告漏れの可能性が高い会社」です。
可能性が高い会社とはどういうことなのかをいくつかご紹介します。

上記で挙げた内容の会社は要注意です。
あくまでも可能性ですが、自身の会社が当てはまるかも、と感じる方は注意しておいた方がいいでしょう。
4.税務調査への対応について
実際に税務調査の対象となった場合、できる限りの事は前もって準備しておくことが大事です。
何も準備をしないまま、実施を受けると長引いてしまうことも考えられます。
税務調査が長引いた場合は、自社の取引先の会社までも調査員が伺い調査をする「反面調査」が実施されます。
反面調査は取引先の業務にも影響し大きな迷惑をかけてしまいます。
そうならない為にも事前準備をしっかり行い、短期間での調査完了を目指しましょう。
調査員が来る前にやるべきことを2つお教えします。
Ⅰ.取引内容のスムーズな説明
税務調査が決定した場合、過去5年間に事業取引を行ったことを証明する証憑書類(決算書・税務申告書・総勘定元帳・領収書・請求書 等)を準備しましょう。
過去5年分を見比べた時に例年とは異なる取引内容があった場合は、その内容等を説明できるようにしておきましょう。
例年とは異なる項目には調査員も興味を持つため、何を聞かれても答えられるくらいの準備が大切です。
Ⅱ.身の回りの整頓
調査内容によっては書類だけではなく、デスクやカバンの中までも調べられることもあります。
カバンやデスク周りは、書類が積み重なっていたり散らばっていたりしがちです。
調査員が手を付けられないような状態では前にも進めない為、普段から身の回りは奇麗にしておくことが大切です。
まとめ
経営者となったら誰もが通ることになる税務調査ですが、追徴課税を受けない為にも日ごろから会計業務には気を付け、真面目に納税を行っていれば、問題はありません。
もしも税務調査の対象となった場合にも、事前準備が大きなカギを握っています。
事前準備をしっかり行い、短期間での調査完了を目指しましょう。