創業時に提出する【開業届】の書き方徹底解説!開業届が節税に繋がる?

創業時に提出する【開業届】の書き方徹底解説!開業届が節税に繋がる?
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

創業時に提出する書類のひとつに開業届があります。

開業届の書き方や、提出するメリットについてご紹介します。

これから開業する方や、開業してからまだ開業届を提出していない方は一度確認しておきましょう。

1.開業届とは

個人事業の開廃業届出書と呼ばれ、個人事業主として開業した場合に税務署に開業を知らせるための書類です。

個人事業主として開業した場合、税務署に対して所得税・消費税を、各都道府県に対して個人事業税を納める義務が発生します。

開業届を税務署に提出することで、個人事業主として開業したことの報告をし、納税に関する書類を税務署から受け取ることができます。

今回ご紹介する開業届は、税務署に対して提出する「個人事業の開廃業届出書」のことで、各都道府県税事務所に提出する書類は「個人事業税の事業開始等申告書」と呼ばれます。

個人事業主として開業する場合、開業届の提出が必須ですが、開業届を提出しなくても罰則はなく、都道府県税事務所に提出する「個人事業税の事業開始等申告書」に関しては、確定申告をすることで通知が届くため提出する義務はありません。

開業届を提出することで得られるメリットがあるので、個人事業主として開業した場合は開業届をきちんと提出しておきましょう。

なお、開業届は、国税庁のWebサイトからダウンロードすることができます。

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/05.pdf

2.開業届を提出すると青色申告ができる?

創業時に提出する【開業届】の書き方徹底解説!開業届が節税に繋がる?

開業届を税務署に提出することで、確定申告の際に青色申告をすることが可能になります。

青色申告をすることで節税にもつながるので、開業時には事業開始日から1ヶ月以内に管轄の税務署に開業届を提出するようにしましょう。

青色申告について

個人事業主は、ある一定期間に得られた事業所得について申告する、確定申告をする必要があります。

確定申告は白色申告または青色申告のいずれかで行い、確定申告をすることでその事業年度の納税額が決定します。

青色申告を利用した場合、申告の際に必要な帳簿などの作成等に関して複雑な面もありますが、白色申告と比較して節税に繋がるメリットがいくつかあるのでチェックしておきましょう。

創業時に提出する【開業届】の書き方徹底解説!開業届が節税に繋がる?

①所得が65万円マイナスに?

青色申告をするメリットとして、申告した事業年度の利益から65万円を条件無しで控除できるというものがあります。

確定申告で申告した利益を基に、その事業年度の納税額を算出するため、青色申告をして利益が65万円控除されることで大きな節税になるでしょう。

また、青色申告をする際に、要件に従って帳簿を作成し提出することが65万円の利益控除の条件となりますが、青色申告を選択し簡易的な書類を作成するだけでも10万円の控除の対象となります。

②赤字の繰越ができる

青色申告の対象期間である事業年度の赤字を翌年以降に繰り越すことができます。

創業したばかりでは、事業が軌道に乗っておらずに赤字になってしまうことも多々あります。

また、もちろん事業には波があるので、前年に調子が良く黒字経営であっても、翌年は赤字になる可能性もあるでしょう。

青色申告を選択することで、赤字の部分を三年間繰り越すことができるのです。

3年間繰り越して赤字を計上することで、納税額の計算の対象である利益を少なくすることができるので節税に繋がります。

③家族の給与が経費になる?

青色申告をする場合、「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出することで、家族に支払った給与を経費として計上することができます。

青色申告すると受けられる9つのメリットとは?

このように、青色申告をすることによって得られるメリットは大きいので、開業時には開業届を提出して青色申告を選択するのがよいでしょう。

3.開業届の記入方法

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①提出先

納税先の税務署を記入しますが、原則として住民票がある場所の管轄の税務署に納税することになります。

しかし、住民票の住所と実際に居住している住所が異なる場合は、居住地の管轄の税務署に納税することもできます。

また、居住地とは別の場所で事務所等を構えている場合は、事務所や事業所の所在地で納税することもできます。

どの場所の管轄の税務署に納税するかを選択し決定した上で、どこの税務署に開業届を提出するかを調べて記入しましょう。

管轄の税務署は、国税庁のHPで検索することができます。

②提出日

開業届は、事業を開始した日から1ヶ月以内に提出します。

事業を開始した日に関しては明確な判断基準がないので、実際は自分自身で設定して記入することができます。

しかし、注意点として、青色申告をする場合は、青色申告承認の申請書を提出する必要があり、期限が設けられているので、注意が必要です。

③納税地

納税する場所を

  • 住民票がある住所
  • 実際に居住している住所
  • 事務所や事業所がある十所

のいずれかから選択し、記入します。

④上記以外の住所地・事業所等

居住地・事務所や事業所などが2か所以上ある場合に記入します。

⑤⑥⑦氏名・生年月日・個人番号

氏名を記入し押印します。押印する印鑑に指定はありません。

生年月日を記入し、個人番号を記入しましょう。個人番号とは、マイナンバーのことを指しています。

⑧職業

職業は、デザイナー・飲食業・小売業・エンジニア・サービス業・農業、などのように他人に伝わる書き方であればどのように記入しても構いません。

自身が当てはまる業種を記入しましょう。

しかし、事業の利益が290万円をこえる場合、所得税・住民税だけでなく【個人事業税】の納付が必要になり、個人事業税は業種によって税率が異なるので、一度各都道府県のHPで確認しておきましょう。

⑨屋号

屋号記入は必須項目ではありません。屋号を決めている場合は記入しましょう。

⑩届出の区分

「開業」「事務所・事業所の移転・新設・増設・廃止」「廃業」の選択肢の中から、最もふさわしいものを丸で囲みましょう。

⑪所得の種類

所得の種類を

  • 不動産所得
  • 山林所得
  • 事業所得

のいずれかから選択して丸をつけましょう。

⑫開業・廃業等日

開業日や廃業日を記入します。

⑬⑭事業所の移転・廃業に関する事項

「事業所等を新増設、移転、廃止した場合」「廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合」に当てはまる場合は記入しますが、開業の場合、未記入のままで構いません。

⑮開業・廃業に伴う届出書の提出の有無

青色申告をする場合、廃業まで青色申告をしていた場合は「青色申告書承認申請書」「青色申告の取りやめ届出書」の欄の「有」に丸をつけます。

個人事業主で開業し、課税事業者を選択した場合は「課税事業者選択届出書」「事業廃止届出書」の欄の「有」に丸をつけましょう。

⑯事業の概要

職業の欄に記入した内容をより詳しく説明する内容を記入しましょう。

できるだけ具体的に、飲食店であれば「パンケーキを提供するカフェの経営」というような内容を記載します。

⑰給与等の支払の状況

開業して従業員を雇用する場合、どれくらいの人数で月給はいくらなのか、賞与はいくらなのかを記入します。

給与の定め方を記入する欄には、時給・月給・月給+賞与などのように記載しましょう。

⑱源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無

従業員に給与を支払う場合のほとんどが源泉所得税の納付が必要です。

納期の特例の承認に関する申請書を提出した場合、毎月必要な源泉所得税の納付が、半期に1回にすることが可能です。

申請書を提出している場合は「有」に丸をつけましょう。

まとめ

今回は、開業時に提出する開業届についてご紹介しました。

個人事業主として開業した場合、開業届を提出することで確定申告の際に青色申告を選択することができます。

青色申告には節税に繋がるメリットがいくつかあるので、開業時には忘れずに開業届を提出しておきましょう。

また、開業届に関して不明点等がある場合は、税理士などの専門家に相談するのも選択肢のひとつです。

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