今回ご相談いただいたKさんは、ビルメンテナンス業での独立開業を控えておられ、必要な機材や備品の購入に充てるための資金の融資に関してご相談いただきました。
ビルメンテナンス業は様々な業務があり、一般清掃業務と呼ばれる業務は参入している企業が多く、競合が多い業種と言えます。競合が多い結果、価格競争によって単価が低下しているという現状もあります。
このように、競合が多く、単価が低い業種では売上を確保することが難しくなります。また、人が作業を行う必要があるということは人件費も高額になります。このようなケースで融資を成功させるためには「強み」をしっかりと理解しアピールすることが大切です。
今回は、Kさんがどのような点をアピールし、融資成功に繋げることが出来たかをご紹介します。
1.Kさんのご状況
Kさんは、ビルメンテナンス業を行っている会社で10年間お勤めをされていました。
そこで、しっかりとビルメンテナンス業に必要な技術や知識を習得され、ご自身で様々な仕事に対応できる状態を作られました。
自己資金、独立後の顧客見込みともに申し分ない状態でした。しかし、懸念点は、競合が多い業界であり、また人件費も高額になる可能性があるなど、事業の計画に不安を持たれていらっしゃいました。
2.「強み」のアピールが融資成功に繋がった!
ビルメンテナンス業には様々な業務があると最初にお伝えしました。そして、その業務の中で一般清掃業務は参入している企業が多いため、競合が多くなります。
しかし、Kさんは「高所清掃」を行うことができるという強みがありました。
高所清掃は競合も少なく、案件を受注しやすい状況であったため、この強みをアピールすることで他社との差別化を図ることが出来ました。
他社との差別化を図ることは、売上を確保するための根拠として有効です。特に、競合が多い業種の場合には、ご自身の強みを明確にし金融機関にきちんとアピールすることがポイントになります。
3.創業時の融資は事業計画が大切
日本政策金融公庫から融資を受ける場合には、あらゆる角度から融資の審査が行われます。
当サイトをご覧の皆さんにはおなじみかもしれませんが、創業時の融資のポイントは大きくわけると3つです。
・創業を予定している業種と同業種での経験
・ご自身でしっかりと準備した自己資金
・根拠を提示できる事業計画
もちろん、信用情報などの基本的な要件はクリアしていることが前提となりますが、基本的には上記の3つが審査のポイントとなります。
その中でも「事業計画」はこれからスタートする事業の計画を作成しなければなりません。さらに、事業計画に記載された売上等を得ることが出来るの根拠を提示する必要があります。
今回のKさんは、事業計画書と一緒にクライアントとの取引に関する契約書を添付して提出することができました。
すでにクライアントが決まっているため、しっかりと売上を上げることが出来ることを証明できたという点は融資成功に繋がったと言えます。
4.事業計画に悩んだら専門家に相談しましょう。
日本政策金融公庫をはじめ、金融機関の融資はご自身で手続きを行うことも可能です。しかし、融資を受けるために必要となる事業計画などの書類の作成は時間も労力もかかります。
Kさんは、弊社にご相談いただく前にご自身で事業計画を作成していらっしゃいました。ご相談いただいてから、弊社で事業計画書を確認させていただいたところ、利益を確保することが難しい状態であり、内容の見直しが必要な状態でした。
事業計画は融資を受けるためというよりも、経営者として事業内容を冷静に判断するためにも必要な計画書となります。
ご自身で進めるよりも、専門家と一緒に作成することで冷静な視点で事業計画を見ることが出来ます。ご自身で作成することに不安がある場合等は専門家に相談してください。