公共事業の孫請けとして建設業を10年以上営んでいたAさん。
案件数が多く、自社の従業員では対応することができないため、受注後は外注をすることで案件を回していました。
しかし、外注先への支払いや運転資金に関して不安があったため、日本政策金融公庫の融資を利用して資金調達をするために、今回ご相談して頂きました。
Aさんは、日本政策金融公庫以外の金融機関からも借入がありましたが、今回500万円の資金調達に成功しています。
Aさんが日本政策金融公庫の融資審査に通過したポイントとは何なのでしょうか?
Aさんの状況
Aさんは10年以上建設業を営んでいます
融資を申し込むにあたって、自己資金として100万円準備していました。
しかし、他社金融機関の消費者金融業者から100万円の借入もあり、日本政策金融公庫の融資審査においてマイナスポイントになり得るため心配されていました。
事業としては、法人化して2期目が終了して1期目は800万円の売上、2期目は1600万円の売上がありましたが、外注費用は800万円にもなっていました。
1.融資成功のポイント1:他社からの借入額と自己資金額が同じくらい
通常、他社からの借入があり、借入額と自己資金額が同じくらいの金額であった場合、借入をして自己資金がるように見せている(見せ金)と判断されてしまうことが多く、融資審査に良い影響を与えません。
また、日本政策金融公庫から融資を受けて他の金融機関からの借入を返済する「借換え」をしようとしているのではないか、と判断された場合は融資を受けることができません。
Aさんは、自己資金を100万円準備していましたが、消費者金融からの借入が100万円ありました。
一般的には借り換えや見せ金と判断されて融資審査に落ちてしまう可能性が高くなってしまいますが、Aさんは受注先からの入金と外注先への支払いの時期が合わなかったため、やむを得ず審査期間が短い消費者金融から借入をする必要があったことをきちんと説明することができました。
事業を継続するために消費者金融からの借入が必要であったことを、日本政策金融公庫の融資担当者に理解してもらうことができたため、今回は他社からの借入が審査のマイナスポイントにならなかったのです。
2.融資成功のポイント2:返済実績
Aさんは消費者金融からの借入がありましたが、きちんと期限通りに返済していたので、返済実績をつくることができ融資審査での評価に繋がりました。
日本政策金融公庫の融資審査では、信用情報が必ずチェックされます。
借入をしている場合に、返済遅延等があると、信用情報に記録されているので、融資審査に落ちてしまう原因になるでしょう。
3.融資成功ポイント3:これまでの実績
Aさんはご自身で営業活動をして案件を獲得し、1期目は800万円の売上がありました。
その後、業者との関係値をうまく築き、さらに案件を獲得することができたため2期目の売上は1,600万円にも増加しています。
売上を順調に伸ばしている、という点で、日本政策金融公庫の融資担当者も【資金調達をして事業拡大をするタイミングにぴったりだ】と判断してくれたことが融資成功のポイントの一つとなりました。
Aさんのように、業績が上がっている方が運転資金として手元の現金に余裕を持たせておきたい、というケースは融資にピッタリのタイミングです。
しかし、反対に業績が下がってしまった場合であっても、融資を受けられないわけではありません。なぜ業績が下がってしまったのか、どのようにして改善することができるのか、今後の事業の見通しをきちんと説明することができるようにしておきましょう。
また、融資を受けた場合の返済能力についてもきちんと説明することが大切です。
まとめ
今回は他の金融機関からの借入があったAさんが、事業拡大のために日本政策金融公庫からの融資を受けて500万円の資金調達に成功した事例をご紹介しました。
既に借入があるケースでも、借入をした明確な理由と、きちんとして返済実績があれば、日本政策金融公庫からの融資に成功する可能性が十分にあります。
事業資金の調達について迷っている場合は、お近くの認定支援機関に相談してみてはいかがでしょうか。
融資のプロの相談することで、資金調達が成功する確率が高くなります。