今回ご紹介するのは、足場の施工会社を営むIさんが、日本政策金融公庫で新規事業の為に300万円の融資を希望し、成功した事例です。
今回の件では、1つ難点があり、以前受けた融資の返済を延滞させてしまった過去をお持ちでした。
その過去がありながらも、融資が成功した理由とは何だったのか、ポイントを押さえながら見ていきましょう。
Iさんの状況とは?
今回300万円の融資に成功したIさんですが、Iさんは以前にも日本政策金融公庫で融資を受けていた経験があり、その際の返済を延滞させてしまった過去をお持ちでした。
延滞させてしまった回数も一度ではなく、何度かあったようです。
当時の状況は、仕事もなかなか安定しない中で、子育てでも資金が必要となる時期と重なってしまい、支払いが遅れてしまったということでした。
延滞させてしまいながらも、融資額分はしっかりと完済されていましたが、過去の経験から、融資は不可能だと諦めていた中で、何かしら資金を調達できる方法がないものかと専門家へ相談をされました。
延滞の過去をお持ちでも融資成功に至った理由について見ていきましょう。
1.融資成功の理由① 延滞しながらも完済していたこと
基本的に返済の遅延等は、自身の信用情報に残るため、融資を受けることは難しくなります。今回の場合、延滞が一度ではなく何度もあったので、高い確率で融資は難しいと考えるのが正しいでしょう。
ですがIさんは、予定の返済期日を遅れてしまいながらも毎月しっかり返済し、完済もしていました。
融資を申込むことができたのは、完済していたことが大きな理由と言えます。
信用情報に問題があった場合には、“どうしてそうなってしまったのか”その理由を必ず確認されます。理由がやむを得ない状況だと判断された場合には、延滞したからと言って審査を行ってもらえないということはありません。
2.融資成功の理由② 新規事業とその実績
会社の業績は悪くありませんでしたが、このまま事業を行っていても、売上が上がることはない、もしくは徐々に悪化していく可能性が強かったため、会社の将来を考え、個人的に新規事業を開始されていました。
通常の足場施工の業務をメインとしてやりながら、関連する施工業も行うようになっていました。
そして、今まで行ってきた様々な作業において、取引先との関係性を築き、その関係性を活かした事業の展開、事業においての集客を強めるためにフランチャイズへの加盟等も行っていました。
このようなIさんの行動力もあり、新規事業での売り上げも好調、半年以上の実績を創り上げていました。
今回の融資申し込みは、増加している売上から、業容の拡大を視野に入れた設備投資のための融資として、申し込みを行いました。
専門家へ相談し、現在の安定している事業、新規事業のこれからの発展について書類をまとめ、今回の融資によって更なる事業の展開が見込める事を説明できる書類を作成しました。
過去の失敗を覆すような現在の状況と、信頼性のある新規事業の発展を示したことが、今回の融資成功の理由の一つともなっているのかもしれません。
3.融資成功の理由③ 現在の堅実な経営状況
過去の失敗が原因で相当不利な状況ではありましたが、現在では過去の失敗を感じさせない堅実な経営を行っているという事が分かる決算内容を提示しました。
会社での借り入れも無く、期間ごとの利益も出ていて、会社や個人での支払いも遅れることなく支払っている状況でした。
このような堅実な経営、かつ生活を行っていることも評価の一つとされています。
まとめ
返済遅延があるだけで、融資の成功率は下がります。日本政策金融公庫での借入に対しての返済遅延は特に厳しく評価されます。
だからと言って融資の申込、面談を行ってもらえないという訳ではありません。
返済遅延当時の状況や理由、現在の事業の状況や売上などから融資が成功する可能性は大いにあります。
ですが、自身で判断するのは難しいものがあります。もしも過去に失敗していながらも、融資で悩んでいる方がいましたら、是非専門家へ相談をしてみてください。
専門家との打ち合わせで慎重に書類作成をし、準備を行っていきましょう。