これから創業する方へ。会社設立のためにやるべきこととは?

これから創業する方へ。会社設立のためにやるべきこととは?
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

会社を設立するにあたり、「設立時の手続きを滞りなく行うこと」と「設立後のことを具体的にイメージすること」が大切になってきます。

会社設立に必要な手続きや準備する書類、それ以外にもやるべき手続きが複数ありますので、スケジュールを把握しながらスムーズに進めていきましょう。

1.会社設立登記の流れ

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2.まずは会社の基本項目を決めましょう

会社を設立しようと決めたら、まずはどのような会社で創業するのかご自身で決める必要があります。

それぞれ押さえておくべきポイントやルールがありますので、それを踏まえた上でひとつずつ決めていきましょう。

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(1)商号(社名)

まずは会社の名前を決めましょう。

基本的にはご自身で好きな名前を自由につけることが可能です。

会社の名前はあなた自身はもちろんですが、会社に関わりを持つ人たちとも長く付き合っていくことになります。

「わかりやすい」「聞き取りやすい」「覚えてもらいやすい」この3つを満たす社名をつけると良いでしょう。

商品名やブランド名をそのまま社名にしているケースもあります。

ちなみにインテリア雑貨で有名なFrancfrancは、ブランド価値の向上を図るため2017年に株式会社バルスという社名から株式会社Francfrancに社名を変更しています。

 

最初に会社名は好きな名前を設定できると話しましたが、守らなければならないルールが3つありますので、注意してください。

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①社名に使用できる文字には制限がある

社名に使える文字は次のとおりです。

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符号については、文字を区切るときのみ使用が可能です。

ただし、「.」は直前がローマ字の場合のみ末尾に使用することができます。

参照:法務省「商号にローマ字等を用いることについて」

②同じ住所に同じ名前の会社は登記できない

同一住所にすでに存在している会社と同じ会社名はつけられません。

せっかく考えてつけた名前が登記できない!とならないためにも、事前に確認しておきましょう。

管轄の法務局に設置されている商号調査端末などで調べるか、オンライン登記情報検索サービスを利用して商号調査を行ってください。

参照:法務省「オンライン登記情報検索サービスを利用した商号調査について」

③誤解を招く会社名は使えない

認知度の高い企業名を使用することはできません。

不正競争防止法に基づき、相手先の会社から訴えられる可能性もありますので注意しましょう。

また、事業に関係ない場合は「銀行」や「生命保険」などの名称を使ったりすることもできません。

(2)事業目的

どんな事業を行う会社なのか明確にするために事業目的を決めます。

事業目的は定款に必ず記載する項目のひとつです。いくつ載せても構わないので、将来やる予定のある事業もあらかじめ盛り込んでおきましょう。

ただし、あまりに多すぎると何をする会社なのかわからなくなってしまいますので、10種類以内に絞っておくと良いでしょう。

(3)代表者

会社の代表となるのが代表取締役です。

創業したばかりの会社では社長一人しかいないこともありますので、その場合、社長が代表取締役となります。

代表取締役が会社経営に関する最終的な決定権を持っており、小さな会社では社長の意思で契約などをすることが可能です。

(4)設立年月日

会社の設立日は登記の申請日になります。

登記完了日ではありませんので、誕生日や記念日など設立日に設定したい日が決まっているのであれば、その日に法務局で申請をしましょう。

土日祝日は法務局が休みのため申請できませんので注意してください。

(5)資本金

資本金とは会社設立時に用意した資金のことです。

社長自身で用意したお金や人から出資してもらったお金は資本金にあてることができますが、金融機関から借り入れしたお金を資本金として利用することは認められていません。

資本金は一度発起人の個人名義口座に入金して集め、この通帳のコピーを設立登記の際、提出します。

登記が完了したら、そのお金は資本金として会社運営に使うことが可能です。

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資本金の額に制限はなく、1円でも会社設立はできます。

ただし、金融機関からの融資を検討したときに資本金があまりに低いと信用してもらえない可能性も出てきます。

金融機関だけでなく、仕入先や販売先でも取引口座を開くのに渋るところが出てくるかもしれません。

資本金は最低100万円以上、可能であれば300万円以上に設定しておきたいところです。

一方で1000万円超の場合、消費税免除の特典が使えなくなってしまうので注意しましょう。

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(6)役員

会社の役員とは、代表取締役、取締役、監査役、会計参与です。

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監査役や会計参与など、代表取締役以外の役員は置かなくてもOKです。

(7)本店所在地

定款や登記簿謄本に「本店所在地」を記載します。

本店所在地の住所は事務所があるところとは限らず、代表者の自宅や店舗などを設定しても構いません。

ここで設定した所在地を管轄する税務署に法人税などの税金を納めることになります。

本店所在地の書き方には、番地まで記載する場合と記載しない場合の二通りがあります。

(例)東京都千代田区

 東京都千代田区五番町1-9

仮に定款に具体的な番地を記載した場合、同じ区内で事務所を引っ越したときも定款を修正しなければなりませんので少々面倒です。

番地を記載していなければ、同じ区内での移動なら書き直さずに済みます。

(8)株主

会社には、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社の主に4種類があります。

株式会社は対外的な信用も得やすく、万が一会社が倒産してしまっても出資した人が負債を返す必要がないため、出資者を募りやすいです。

株式会社では、出資者に株を買ってもらい資本金を用意します。

つまり、「出資者=株主」です。

一般的にまずは代表取締役社長であるご自身が発起人となり、自ら出資して株主となります。

他にも発起人がいる場合は、その全員が株主ということです。

さらに発起人以外にも出資を募って株主になってもらうケースもあります。

小さい会社では、社長が株式を100%保有するのが基本です。

他に発起人がいたとしても社長本人が最も多くの出資をした大株主であれば、他の株主が経営に口を挟んでくる心配もありません。

経営権を握るためにも社長は株式を50%超保有しておきましょう。

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(9)事業年度

法人の場合、基本的に1年ごとに決算をします。

例えば、決算月が3月の会社は4月1日から翌年の3月31日までの1年間が事業年度です。

もし会社設立が1月で決算月を3月とした場合、最初の事業年度が3か月のみとなり、創業3か月で税務申告しなければなりませんので注意しましょう。

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事業年度は何月からスタートしても構いません。

売上が多い繁忙期と期末の決算業務を避けるために、売上が一番多くなる月を事業年度の始めに設定するという方法もあります。

(10)役員報酬額

社長や役員に支払われる給料が役員報酬です。

報酬額については株主総会にて決定します。

役員報酬は会社の利益のなかから支払うため、多く設定するほど会社の利益は減少します。

「会社員のときの収入は確保したい」「事業が安定するまでは最低限生活できる程度で良い」など、考え方は人それぞれです。

社長の給料を増やすか、会社の利益を残すかは社長の判断次第ですが、会社を設立したばかりは利益がどのくらいになるかわかりません。

資金調達を検討したときに利益が少ない会社は融資が難しくなってしまいますので、ある程度の利益は確保しておくことが大切です。

また、税金面から考えると、会社の利益には法人税などがかかり、役員報酬には所得税や住民税がかかります。

役員報酬額を設定するとき、両方の税金の合計が最小となるようにすれば節税という意味では有利です。

節税だけを考慮し役員報酬額を決める必要はありませんが、役員報酬額は1年間の事業年度を通して変更できませんので、よく考えてから決めましょう。

(11)取引銀行

会社を設立したら、なるべく早いうちに会社名義の口座を作りましょう。

最近は銀行の審査が厳しいため、口座開設に1か月以上かかってしまうこともあります。

会社設立の前から取引銀行を決めておき、スムーズに手続きが進められるようにしっかりと準備しておきましょう。

銀行といっても、種類がたくさんあります。

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小さな会社は、会社の事情に合わせてこまめに動いてくれる身近な金融機関と付き合うと良いでしょう。

売上や利益が大きくなってきたら、大手銀行と取引すると取引先から信用が得られるなどのメリットがあります。

 

目的ごとに取引銀行を使い分ける方法もあります。

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すべての口座をひとつの金融機関に置く必要はありませんので、目的に応じて複数の金融機関を使い分けましょう。

(12)印鑑

会社の印鑑は4種類用意しましょう。

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代表者印は印鑑証明書を発行するため、印鑑登録をする必要があります。

個人と同じ感覚で三文判など安価なものではなく、印章店に頼んで4種類をセットで作っておくと良いでしょう。

(13)定款

定款は会社の基本ルールを記したものです。

会社設立前に定款を作成することが義務づけられており、会社の本店所在地を管轄している公証役場で認定を受けます。

公証役場一覧

定款に記載する内容は、絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項の3種類です。

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3.会社設立時の必要書類

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4.青色申告の届け出

無事に会社の登記が完了しても、さまざまな書類の提出が必要になります。

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なかでも重要なのが、「青色申告承認申請書」です。

(1)青色申告と白色申告

法人の場合、決算後税務署にて確定申告をし法人税を支払います。

確定申告の方法は、青色申告と白色申告の2種類です。

青色申告には、複式簿記のよる帳簿付けや原則7年間帳簿書類を保存するといった条件があります。

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白色申告に比べ手間は多少かかりますが、税金面での特典が得られるためメリットは大きいです。

(2)青色申告の主な3つの特典

①赤字を最長9年繰り越すことができる

創業1、2年目は赤字になる会社も多いです。

万が一赤字になってしまっても、損失を最長9年間繰り越すことができます。

事業が軌道に乗り黒字が出たときに、当初の赤字と相殺して法人税を計算できるので、翌年度支払う税額が少なく済みます。

②法人税額の各種特例

中小企業が機械などの設備を取得した場合、特別償却や税額控除を受けることが可能です。

③減価償却資産の特例を受けられる

事業のために購入した社用車や製造機器など10万円以上の資産は「減価償却資産」として、原則、規定のルールに沿って数年に分けて経費計上します。

ただし、青色申告を行っている事業主の場合、30万円未満の少額減価償却資産については、購入した年に一括して経費計上できるという特例があるため、結果的に支払う税金を安くすることができます。

5.社会保険・労働保険の届け出

青色申告の届け出に加え、社会保険や労働保険への加入手続きも必要です。

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(1)社会保険とは

厚生年金保険・健康保険・介護保険をまとめて社会保険といいます。

会社を設立したら必ず加入しなければなりません。

保険料は会社と従業員の折半です。

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(2)労働保険とは

労災保険と雇用保険をあわせて労働保険といいます。

労災保険とは、従業員が業務上の理由でケガをしたり病気になったりしたときに必要な給付がされるものです。通勤中の事故も対象となります。

不幸にも亡くなられた場合には遺族に対して給付金が支払われます。

保険料は全額会社負担です。

社長ひとりの会社は別ですが、従業員を一人でも雇用したら労災保険への加入手続きが必要です。

ここでいう従業員には、アルバイトやパートタイマーなど、賃金を受け取る人すべてが含まれますので注意しましょう。

 

雇用保険は、従業員が失業した場合や仕事を続けるのが難しくなった場合に給付される保険です。

保険料は会社と従業員が負担します。

労災保険とは違い、一時的に雇われたパートタイマーなどは保険対象外です。

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6.会社設立時に知っておくべき2つのポイント

(1)創業時の資金不足

会社を設立し事業をスタートするときにかかる費用は、業種や業務内容によって異なります。

創業してお金が無くなった!とならないように、事前に必要になる費用をリストアップしておきましょう。

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(2)源泉所得税の納付

従業員の給料だけでなく、社長本人や役員報酬にも所得税はかかります。

源泉所得税は原則支給日の翌10日までに納付しなければなりません。

万が一忘れてしまうと、加算税や延滞税をあわせて支払うことになりますので注意が必要です。

ただし、従業員が10人未満の会社の場合、1月から6月までの分を7月10日まで、7月から12月までの分を翌年の1月20までにまとめて納付することが可能です。

この年2回にまとめて納付できる特例を利用するためには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を所在地の所轄税務署に提出してください。

7.創業融資・助成金制度

創業してすぐの場合でも公的機関による創業融資が利用できます。

(1)日本政策金融公庫の融資制度

①新規開業資金

新規事業を開始するときや事業開始後に必要な資金を借りることができます。

②新創業融資制度

同じ業種に6年以上の経験がある方など、一定の要件に該当する方が対象になります。

担保・保証人不要です。

③女性、若者/シニア起業家支援資金

事業開始から7年以内の女性、または35歳未満か55歳以上の方が対象です。

(2)地方自治体による制度融資

各自治体が信用保証協会を融資の保証人とし、金融機関と会社の間に入って融資の仲立ちをします。

自治体によって内容が異なり、創業融資や小口融資などさまざまな制度があります。

例えば東京都の創業融資では、2か月以内に会社設立して東京都内で創業しようとしている方や創業5年未満の方などの条件がありますので、事前にホームページなどで確認しておきましょう。

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(3)助成金

助成金は融資とは違い、返済不要です。

要件を満たすことで受け取ることができますので、うまく活用しましょう。

助成金は短期間で条件や内容が変わったり、制度自体なくなってしまったりすることがあります。

厚生労働省のホームページや各自治体の創業支援センターなどから定期的に情報収集しておくと良いでしょう。

参考:厚生労働省ホームページ「事業主の方のための雇用関係助成金」

まとめ

会社設立のために必要な書類ややるべきこと、その後の手続きについてご紹介しました。

創業時は事業を軌道に乗せることが課題になりますので、業務に集中する時間を確保することが大切です。

これから会社を設立しようと考えている経営者の方は、ご自身の時間と予算を考え、専門家に依頼するのも良いでしょう。

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