オフィス賃料の減額は交渉することができるの?

夢であった会社を設立し、憧れのオフィスで事業開始!と意気込んだものの、思った以上に利益が上がらず頭を抱えている方は、多いのではないでしょうか?

これは珍しいことではなく創業したては、なかなか利益が獲得できないものです。

利益が少なく、段々支払いがきつくなってくるのが、オフィスの賃料です。

数ある経費の中でも、最もかかるものがオフィス賃料と言われていますが、だからと言って支払わないわけにはいきません。

ですが、この賃料も減額することが可能となるかもしれないのです。

今回は、オフィス賃料の減額を交渉する為に日頃からやるべきことと、減額後の削減分についてご説明します。

1.オフィス賃料の交渉時期について

一般的に賃料の減額を交渉するのは、初めの契約が満了し、再度契約・更新をする時期が正しいと言われています。

オフィスの賃貸の契約期間についてですが、契約状況や不動産会社によっても異なりますが、大抵は2年~5年という所がほとんどです。

賃貸物件の契約において、満了後も入居を続けたい場合は、契約の更新をするのではなく、新たに入居の契約(再契約)を行う「定期借家契約」という契約形態が一般的です。

この場合は、再契約時に、必ずと言っていいほど賃料についても話が出ます。

この場を活用し、賃料の減額を交渉するようにしましょう。

 

2.減額交渉の時期は値上げの時期でもある

どういうことかというと、借りている側からしたら減額の交渉時期ですが、貸している側の大家さんからしたら値上げをする時期でもあるのです。

「普通借家契約」の場合は、大家さんの了承があれば契約期間内に賃料を変更することが可能となりますが、入居の契約をした際の賃料については、契約が満了するまでは基本的に有効とされていて、「定期借家契約」の場合で、かつ、賃料の変更は不可となっている場合は、賃料変更はもちろんの事、交渉すらもすることが出来ないと、法律でも定められています。

「普通借家契約」と「定期借家契約」の賃料交渉 「普通借家契約」→契約期間内に賃料の変更が可能(大家さんの了承がある場合) 「定期借家契約」→契約期間内の賃料交渉・変更ともに不可

これを聞いて、肩を落とす経営者もいるかと思いますが、この内容は、借りている側だけではなく、貸している大家さん側にとっても同じことなのです。

その為、大家さんが賃料の値上げを交渉してくる時期が再契約の時期となり、減額交渉の時期と重なるという事になります。

「定期借家契約」を結んだ入居者にとっては、再契約を行う際は今後の経営に関わる大勝負となります。

普通借家契約と定期借家契約って?

では、上記文章の中にも出てきた「普通借家契約」についても、「定期借家契約」と比べて異なる点はどこなのか、下記図を参考に少し学んでおきましょう。

「普通借家契約」と「定期借家契約」の違い 【契約期間】→「普通借家契約」:1年以上と設定・「定期借家契約」:貸す側が自由に定める事が可能【更新】→「普通借家契約」:正当事由がない限り更新・「定期借家契約」:契約期間満了で終了※入居を続行するには再契約【賃料交渉】→「普通借家契約」:契約期間内でも交渉や変更が可能・「定期借家契約」:契約期間中は交渉も変更も不可

また、「普通借家契約」の場合、借りた側が更新を希望した場合に、貸している大家さん側は、その更新希望を拒否することが出来ませんが、「定期借家契約」の場合は、借りた側が再契約を希望した際に、大家さんは拒否をすることが可能となります。

賃料の交渉が原因で退去願いを言い渡される事は、ないと思いますが、この場合の­大家さんからの立ち退き料の支払いは、基本的にありませんので、覚えておいた方がいいでしょう。

 

3.賃料減額の理由を何にするのか

賃料の減額を交渉するのにも、何も理由なしに交渉するのでは意味がありません。

減額に対する明確な理由が必要となりますが、これに関しては、土地や家屋、立木などの不動産を巻き込む環境に変化があったため、借りている物件と賃料が見合わないということが、借地借家法において決められています。

この法律に限らず、大家さんの一言で決定となってしまう場合も少なからずありますが、もしも裁判となった際には、最終的に賃料額を決めるのが大家さんではなく、裁判所ですので、借りた側にとっても貸している側にとっても、要望とは異なることがある、という事を頭に入れておきましょう。

【賃料の減額理由として承認された例】・土地や建物における価格や固定資産税の低落・経済環境の変化(悪化等)・周辺の賃料相場との大きな差

 

4.経営状態の悪化が賃料を減額する理由ではない

大抵の経営者が、賃料交渉をする際に使う理由が、「経営状態の悪化・利益の減少」です。

ですが、これを大家さんに伝えたところで、大家さんが二つ返事で減額を了承してくれるわけではありません。

大家さんからしてみたら、賃料の安い場所へ行けばいいと思われるだけです。

大家さんにこう思わせない為には、経営者の交渉術が必要となってきます。

交渉の理由として、大家さんが強気に出れない理由を並べる必要があると言えるでしょう。

下記のような例を見ると、交渉の手がかりは数多く存在していることが分かります。

 

【賃料減額の交渉例】・賃料は上がっていないのに中小ビルの稼働率が多い・建物自体の管理設備等の不備・周辺の賃料相場を理由とする・建物の築年数や立地や規模等の総合的な理由

 

5.賃料減額以外の条件も考え会社を有利に導く

交渉の理由となる手がかりが見つかったのなら、そのまま賃料の減額を目指したいものですが、焦らずに少しでも会社にとって良い条件を考えておきましょう。

交渉理由を出しても賃料減額に届かなかった場合、何も成果が得られないより、少しでも会社にとって有利となる事が欲しいものです。

例えば、賃料の他に資金が必要となる更新料や保証金、敷金・礼金などについてです。

賃料交渉において注意してほしいこと・・・

経営者が賃料減額をしてほしいあまりに、その経営者を目的とした賃料減額に関するコンサルタント企業が増えている現状があります。

覚えておいてほしいことが、賃料の交渉を行えるのは、その建物に入居している従業員、あるいは従業員から依頼を受けた弁護士のみで、それ以外は違法な非弁行為とみなされます。

このことを知っていて、従業員を装う・弁護士の名前を借りる、といったコンサルタント企業もいますが、目的は賃料の減額であるため、賃料の減額に対して違法を犯す必要もないと言えるでしょう。

 

6.日頃から大家さんと良好な関係を築く

女性と男性が握手をして契約を結んでいるような画像

賃料の交渉で大家さんとギクシャクな関係になってしまうのは避けたいところです。

できれば、両者が納得のいく形で持っていきたいと思うはずです。

その為には、日ごろから大家さんと良い関係、良好な関係を築いておくことも重要なことです。

この賃料交渉は、捉え方によってはクレーマーともなってしまいます。

大家さんとの関係が始めから悪いのであれば尚更です。

一番は「この建物に長期間で居たい」と思ってもらう事、また「この会社には長期間居てもらいたい」と思わせる事、これこそが交渉の鍵を握っているとも言えます。

 

7.交渉が成立し削減分のその後について

交渉が成功し、賃料の減額に成功したならば、賃料の削減分は純利益として計算します。

純利益というのは、会社の利益から税金などを差し引き、最終的に会社に残っているお金のことを指します。(別名・税引き後利益)

削減された分、有頂天になりすぐに使うのではなく、突然の出費があっても対応ができるように余裕を持つことが大切です。

すぐに使ってしまうことで後々自分が痛い目を見ないように先の事、会社の将来をしっかりと考えた行動をすることが大切です。

 

まとめ

創業したての経営状態悪化は、よく聞く話でもあります。

そんな中での経費、オフィス賃料は大きな負担となる事でしょう。

ですが、賃料が原因で会社をたたむことにならないように、日ごろから大家さんとの関係には気を付け、賃料交渉のタイミングでは確実に成果を得られるようにしていきましょう。

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