新しく会社を設立しようと思ったら、さまざまな手続きをする必要があります。
その際、提出を求められることがある「印鑑証明書」。
今回は、印鑑証明書をどのように取得するのか、詳しく解説いたします。
1.印鑑証明書ってなに?
新しく会社を設立するとき、発起人(=出資者、株主)や取締役の個人の実印が必要です。
個人の実印であれば、実際に登録をしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
住民登録している市区町村の役所にて登録申請をして、受理された印鑑を指します。
他人があなたになりすまして、同じ苗字が彫られた印鑑を使い、重要な契約などを勝手に結んでいたら大変ですよね。
こうした事態を避けるため、使われている印鑑が本人のものであると証明するのが「印鑑証明書」です。
実印が必要になる場面を具体的に挙げると、一軒家やマンション、自動車などを購入するときや公正証書を作成するとき、遺産相続のときなどです。
会社を設立する際に行う、定款の認証などの手続きにも必要です。
このように実印の押印が必要となる手続きをする場合には、自治体で登録している印鑑と同じものであることを証明するため、印鑑証明書を一緒に提出します。
2.代表取締役の実印と会社の実印は一緒ではない!
会社が重要な契約を締結するときには、会社の実印が必要です。
個人の実印と同様、第三者があなたの会社になりすまして契約を交わさないよう、会社の実印を登録しておきます。
この場合、先ほど前述した会社設立の際の手続きに使用した代表者の実印とは別に、会社の実印を印鑑登録しなければなりません。
基本は、会社の実印と代表者個人の実印はきちんと使い分けて、混同しないようにしましょう。
3.印鑑証明書の取得~提出までの流れ
では、実際にどのような流れで発起人や代表者個人の印鑑証明書を取得するのか見ていきましょう。
(1)印鑑登録
印鑑証明書を取得する前に、まずは印鑑登録をします。
印鑑登録の手続きは、住民票がある自治体にて行います。
三文判は偽造の危険性が高くなるため、実印として使用するのはオススメできませんが、安価な印鑑であっても登録自体は可能です。
ここで、登録をした印鑑が実印としての扱いになります。
一点注意すべきなのが、登記書類と印鑑証明書に記載されている住所が異なると、印鑑証明書が無効とみなされてしまうことがあるということです。
数字の記載やマンション名、アパート名の有無など、住所表記が一字一句同じであることを確認しておきましょう。
(2)印鑑証明書の取得
印鑑登録が済んでいれば、各自治体で印鑑証明書を取得することができます。
また、印鑑登録をしたときに発行される「印鑑登録証」を使えば、役所やコンビニなどに設置されている自動交付機からも取得可能です。
(3)印鑑証明書を提出
会社設立時、公証役場と法務局にそれぞれ印鑑証明書を提出します。
●公証役場
会社を設立する場合、定款を作成しますが、正しく定款が作られているかどうか、公証役場において、定款の認証を受ける必要があります。
定款には発起人の実印を押印しますので、押印された実印が本人のものであるか確認するため、発起人の人数分、印鑑証明書を添付します。
●法務局
法務局では、会社の登記申請をします。
取締役会の有無によって、必要となる印鑑証明書が異なります。
なお、発行後3か月以内の印鑑証明書に限られますので注意しましょう。
まとめ
今回は、印鑑証明書の取得方法について解説しました。
取得自体は簡単ですが、記載されている住所の確認や必要な枚数など、いくつか注意点があります。
会社設立時の手続きが滞りなく行えるよう、事前にしっかりと準備しておきましょう。
また、会社設立の際に使う印鑑について詳しく解説している記事がありますので、ご参照ください。