国際ファクタリングをご存知でしょうか。
国際ファクタリングなので、海外の業者とやり取りを行います。しかし、海外と聞くとなかなか手を出しづらいこともあると思います。
そこで今回は、国際ファクタリングについてわかりやすく解説していきたいと思います。
海外事業をお考えの経営者様も知っておいて損はないかと思います。
目次
1.国際ファクタリングとは
ここでは国際ファクタリングの概要について説明していきたいと思います。
国際ファクタリングとは、文字通り海外の業者と行うファクタリングのことです。輸出代金の回収を確実に行うために採用される取引です。
通常、輸出代金の回収には、銀行の取消不能信用状(Irrevocable Letter of Credit)や保証状(Letter of Guarantee、Stand-by Letter of Credit)を手に入れて、貿易保険を利用します。
ただ従来の方法では、追加で料金が発生したり、手続きが複雑であったり、輸入国によって信用状が発行できない場合があったりと問題が発生してきます。
その従来の方法の問題点を解消させるために利用されているのが、国際ファクタリングです。
2.国際ファクタリングの4つ特徴
ここでは国際ファクタリングの特徴について説明していきたいと思います。
(1)国際ファクタリングは、買取ファクタリングである
国際ファクタリングは、輸出債権の売買であることから、買取ファクタリングのうちの1つに分類されます。
(2)国際ファクタリングは、3社間で行われる
国際ファクタリングは、輸出者・ファクタリング会社・輸入者の3者間で行われます。

この3者に海外のファクタリング会社を加えて、4者間で行う場合もあります。
(3)係争事由等は担保されない
戦争や暴動等の非常危険やマーケットクレーム等が起こると、担保されません
(4)手数料は輸出業者が負担するのが原則
信用調査費や保証料、その他雑費は輸出業者が負担するのが普通です。
3.国際ファクタリングの仕組み
ここでは国際ファクタリングの仕組みを、順序立てて説明していきたいと思います。国内のファクタリング会社と海外のファクタリング会社による4社間のファクタリングでご説明します。

① 輸出者が日本のファクタリング会社に海外輸入業者の信用調査を依頼
② 日本のファクタリング会社が海外のファクタリング会社に信用調査を依頼し海外輸入業者を調査する
③ 信用調査後、結果を日本のファクタリング会社を通して輸出者に通知する
④ 輸出者は輸入業者にファクタリング利用を通知し、売買契約を締結
⑤ 輸出船積書類を輸入業者に送り、日本のファクタリング会社にはその写しを送る
⑥ 輸入業者は支払日に海外ファクタリング会社に代金を支払う
⑦ 海外ファクタリング会社は代金を日本の指定銀行に送金、その後輸出者に代金が支払われる
4.国際ファクタリングのメリットとデメリット
ここでは国際ファクタリングのメリットとデメリットについてお話しします。
(1)メリット
①海外債権を早期に現金化出来る
信用状の発行等にかかる時間が短縮されるため、タイムラグが小さくなります。
②取消不能信用状や保証状を使わずに取引できる
信用状等は必要ないため、手間がかかりません。
③代金回収はファクタリング事業者が対応
ファクタリング会社が代行してくれるので、こちらの面でも手間が減ります。
(2)デメリット
①輸入業者の同意が必要
3社間ファクタリングであるので、輸入業者の承諾が必要です。
②費用は輸出者が負担
信用調査費や保証料、その他雑費を輸出業者が負担します。
③保証内容は信用事故のみ
非常危険等が起こった場合、保証されません。
5.他の保証方法
日本では貿易一般保険や輸出手形保険という貿易保険制度があります。
他にも類似のリスクヘッジ手段として、決済期間の長い期間付手形や、政治リスクもカバーするフォーフェイティング(輸出債権を無遡求で買い取る取引)と呼ばれる国際金融取引もある。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は国際ファクタリングについてお話ししました。
この記事で国際ファクタリングを知るきっかけになって頂けたら幸いです。

日本政策金融公庫の審査や手続きは最短でも1か月かかってしまうため、資金調達が間に合わない方で、売掛金がある方は、ファクタリングで資金調達する方法を検討してみましょう。