本来、取引先との商品・サービスのやり取りで、お金を受け取るには1か月後のように、期間が必要です。ですが、自身の会社が資金繰りに頭を抱えていたら、すぐにでも資金を手にしたいものです。その為に、一時的な資金調達方法の一つとしてあるのが、ファクタリングです。
今回は、ファクタリングの種類と海外でのファクタリングのあり方についてご説明します。
1.ファクタリングの基本
ファクタリングとは、事業者が持っている債権をファクタリング会社が買い取り、取引先の代わりに自社に対してお金を支払うサービスのことです。
取引先に商品やサービスを提供することで、自社には代金を受け取る権利があります。この権利を「債権」と言います。この代金が振り込まれるのは、一般的に1ヵ月後など、すぐに手にできないこともあります。
しかし、この自社が持っている債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、予定より早くお金を手にすることができます。

自社はファクタリング会社へ手数料を払い、債権を買い取ってもらいます。この手数料がファクタリング会社の利益として計算され、運営が成り立っています。ファクタリングを利用することで受け取るはずのお金から、手数料が取られる損失はデメリットです。一方で、短期間で債権を現金化できる、買い取ってもらうため返済の義務がないなどのメリットもあります。
ファクタリングは一時的な資金調達にしかならない
ただし、資金調達方法と言っても、長期的に利用するものではなく、一時的な資金調達方法としてのご利用をお考え下さい。ファクタリングで資金調達することが当たり前になってしまうと、高い手数料を支払うことになるため、キャッシュフローにも影響します。大きな資金が必要となった際に金融機関の融資も難しくなる可能性があります。
また、どうしても資金が必要となった際には、できるだけ手数料の安いファクタリングサービスを選択するとよいでしょう。
弊社はファクタリングサービスを提供するOLTAと提携しています。特徴として、次のような点があげられます。
- 審査が最短で24時間
- 申込・審査・契約等の全てがWEB上で可能
- 手数料が業界最も低い2~9%
もしも、ファクタリングについて興味をお持ちの方は、相談や質問のみでも構いません、下記からお問い合わせください。

2.ファクタリングの種類
ただ単にファクタリングと言っても、ファクタリングの種類は1つに限りません。一般的に知られているファクタリングには、「2社間ファクタリング」「3社間ファクタリング」がありますが、もっと細かく見ていくと、契約によってファクタリングの方法がいくつか存在します。
まずは表にて確認していきましょう。

このようにみると、一般的にはあまり耳にしないファクタリング方法が存在していることが分かります。では、それぞれのファクタリング方法において、何がどのように異なるのかを、図も交えてご説明していきます。
3.各ファクタリング方法とメリット・デメリット
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングとは、債権をファクタリング会社が買い取るという債権譲渡行為を認知、および契約を交わしているのは、自社とファクタリング会社のみのファクタリングです。一般的広まっているのは、この2社間ファクタリングです。
3社間ファクタリングでは、取引会社にファクタリングを行おうとしていることが知られてしまいます。「資金繰りに頭を抱えている危ない会社」というような印象を与えてしまうため、取引先には知られることなく行える、2社間ファクタリングの利用が広まっています。
2社間ファクタリングの場合、取引先から入金されるのは自社の口座となるため、入金があった時点でファクタリング会社の口座へ入金をします。

〈メリット〉
・通常の入金日より早く資金化が可能となる
・取引先に知られることなく、ファクタリングを進められる
〈デメリット〉
・3社間ファクタリングと比べると、ファクタリング会社のリスクが高くなるため、手数料が高い
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングとは、取引先へも債権譲渡の認知・承諾を行ってもらうファクタリングです。自社がファクタリング会社へ申し込みをし、債権譲渡に関する契約を結ぶ前に、取引先から、債権譲渡行為の承諾を得る必要があります。
取引先から承諾を得るには、同意書にサインをしてもらう他、ファクタリング会社の口座も記載されているため、支払期日までにファクタリング会社の口座へ入金をする、ということの承諾にも繋がります。

〈メリット〉
・2社間ファクタリングと比べてファクタリングの審査が通りやすい
・2社間ファクタリングよりもリスクは低くなるため手数料は安くなる
〈デメリット〉
・取引先から債権譲渡行為への承諾を得る必要がある
・取引先にファクタリングが知られることで自社へのマイナスイメージ(資金に悩んでいる危ない会社 等)を作る要因にもなり、今後の取引にも支障をきたす可能性がある
・資金化までにかかる時間が2社間ファクタリングよりも長い
一括ファクタリング
通常ファクタリングとは、自社がファクタリング業者へ申し込みをすることで、ファクタリングの取引が成立しています。一括ファクタリングでは、ファクタリング会社へ申し込みをするのが、支払う側である取引先です。取引先がファクタリング会社へ申し込みをすることで始まっていくファクタリングです。
取引先は、代金を支払うための手形の発行にかかる時間を利用し、資金面での改善を狙っています。しかし、手形を発行するまでの時間や、手形を管理するコストを考えた時に、「御社(自社)にとっても弊社(取引先)がファクタリングを利用する方が、いつでも資金化が可能となるメリットがあるのではないか。すぐ資金化できるぶん、請求する金額を抑えてほしい」という取引先の意図があり、ファクタリング会社への申し込みをします。
つまり、「ファクタリング会社に支払う手数料を取引先が支払い、短期間で資金ができるようにするぶん、代金の値引きしてほしい」という交渉に使われます。

〈メリット〉
・いつでも資金化が可能
・審査が不要
・他の買取ファクタリング方法よりも手数料が安い
・取引先の倒産する危険性を回避することができる
〈デメリット〉
・取引先が申し込みをするファクタリング方法となるため、自社が上に立ち進めることができない
保証ファクタリング
保証ファクタリングとは、支払われるはずのお金が確実に支払われるという事を保証する為のファクタリングです。これは、ファクタリング会社が自社に代わって、取引先が確実に支払ってくれるかどうかの調査(信用調査・与信調査)を行い、自社が所持する債権を保証することで成り立ちます。保証ファクタリングを利用することで、支払日になっても取引先からの入金がない場合でも、ファクタリング会社が取引先の代わりに保証金額を支払う仕組みになっています。
この保証ファクタリングを利用するのは、支払いまでの期間が長い業種に多く、代表的な業種が建設業です。建設業では、人員や資材などを提供してから、マンションや建物が建つまでに多くの期間を有します。「数年後に建物が完成し、その後に支払う」という方法で取引されることが多いため、保証ファクタリングが利用されるケースもあります。

〈メリット〉
・取引先の貸し倒れする危険性を回避することができる
・取引先の調査をファクタリング会社が代わりに行ってくれる
〈デメリット〉
・保証料が発生する
・取引先から実際に受け取るはずの金額よりも保証金額の方が低くなってしまう
・支払われるのは取引先の倒産時のみで、必ずしも短期間で資金を手に入れることができるわけではない
国際ファクタリング
名前は違いますが、国際ファクタリングは保証ファクタリングと似ています。
海外と取引をする際は、国内の企業との取引とは違い、「お金を期日通りに入金してくれる」という点は、どうしても担保しにくいです。通常では、「信用状L/C」を使用し、銀行から、お金の支払いを保証してもらう形を取ります。一方で「信用状開設の審査が通らない」「信用状開設に時間がかかる」等の理由により、利用するのにも悩んでしまう場合があります。このようなときに、一般的に行われる信用状開設ではなく、海外ファクタリング会社の保証ファクタリングを利用し、取引先からの支払いを保証してもらいます。
国内にあるファクタリング会社が、海外のファクタリング会社と提携をし、国内のファクタリング会社に代わって、海外にある取引先の調査を行うことによって、支払額の回収をする、という流れで国際ファクタリングが行われます。

〈メリット〉
・信用状開設が利用できない会社と貿易取引が可能
・信用状開設よりも早い取引が可能
・信用状開設よりも書類作成面で厳しくないため、戻される危険性などが減少
・書類を送る際に遅延する可能性が低い
〈デメリット〉
・ファクタリング手数料は「信用状L/C」よりも高い
4.業種別のファクタリング
ファクタリングは、業種関係なく幅広い分野で使われています。特に利用されることが多い業種についてご紹介します。
建設業「建設報酬債権ファクタリング」
ファクタリングは、建設業での利用は最も多いと言われています。その理由として、「1つの商品の単価が高い・支払いまでに長期間を有し、取引会社が倒産してしまう可能性」等の理由により、自社が資金繰りに悩まされるケースもあるためです。そのため他の業界に比べて、建設報酬債権を売却し、ファクタリング会社からお金を受け取る方法を利用することが多いです。
また、建設業での支払いには、手形が使われることが他の業界と比較して多いです。例えば、仕事の依頼を受けた元請け会社が倒産してしまったとしたら、手形の決済ができません。元請け会社から依頼を受けた下請け会社までもが、倒産してしまうという危機につながります。しかし、ファクタリング会社を利用し、建設報酬債権を買い取ってもらうと、元請け会社が倒産をしても下請け会社に支払いの義務はなく、倒産の危機は免れるのです。
医療業「診療報酬債権ファクタリング」
医療業界でのファクタリングでは、資金繰りがあまり良くない病院・医院等が資金調達のために利用することがあります。診療報酬債権ファクタリング会社へ債権を譲渡し、早い段階での資金化を目指します。
保健診療では、国保・社保に対して、診療報酬の請求を行います。実際に支払いが行われるのは診療をした日から2カ月後の月末です。ただでさえ支払いが遅い上に、診療報酬を受け取る前に、従業員である医師に対して給与の支払いをしなければならないため、資金繰りに頭を抱えることは珍しくありません。診療報酬債権ファクタリングを利用することで、長期で支払いを待たなくとも、数日で資金化することが可能になります。
介護事業「介護報酬債権ファクタリング」
介護報酬債権ファクタリングも医療と同様で、介護を行う会社が国保連から介護報酬を受け取るのは、サービス提供をした日から2か月後の25日です。当然のごとく支払われるまでに、従業員の給与や光熱費などの支払いに追われ資金不足に陥りるケースもあります。そのため、介護の業界でもファクタリングが利用されることがあります。
注意しなければならないのは、便利なファクタリングに依存をしないという事です。依存しないために、業務に関する効率化や、資金繰りの改善にも取り組み、経営面の安定を図ることが望ましいと言えるでしょう。
5.海外でのファクタリング

日本でも浸透しつつあるファクタリングですが、海外ではファクタリングの文化が昔から存在し、現在でも当然のように利用されている現状があります。
取引の方法は日本との間に差はありませんが、海外のファクタリングは信用調査機関という役割も持っています。初めて海外進出をする日本の企業が、お金を回収するためにファクタリング会社を利用することも少なくありません。
まとめ
今回は、ファクタリングの種類と海外でのファクタリングについてご説明しました。利用する場合は、自社に合うファクタリング方法をしっかりと見極めて利用するようにしましょう。「ファクタリング」とついていても、中身は全く違います。「利用したのに損をした」「利用するんじゃなかった」と後悔しないためにも、下調べを行ってからファクタリングを利用していきましょう。
また、一般的にファクタリングの利用は一時的なもので、長期的に利用するためのものではないという事も覚えておきましょう。
