創業資金の資金調達先として日本政策金融公庫からの融資を検討されている方もいらっしゃると思います。
日本政策金融公庫は100%政府が出資している政府系金融機関です。創業前の方や中小企業の方の融資に力を入れている金融機関なので、比較的低金利で融資を受けることが出来るという特徴があります。
日本政策金融公庫からの融資を検討されている方の中には、融資手続きを自分でやりたい!という方もいらっしゃるでしょう。今回は、自分で融資手続きを行いたい!という方に向けて、専門家に依頼する必要がない方の特徴について紹介したいと思います。
1.日本政策金融公庫とは?

日本政策金融公庫は政府が運営している貸付業務のみを行う金融機関です。2008年に「国民生活金融公庫(国金)」「農林漁業金融公庫」「中小企業金融公庫」が統合し、日本政策金融公庫が誕生しました。個人事業や中小企業のサポートを目的としており、民間の金融機関がサポートしづらい創業期の資金調達支援にも力を入れています。
-日本政策金融公庫の特徴-
- 100%政府出資の政府系金融機関
- 貸付業務のみを行っている
- 無担保・無保証人で融資を受けることが出来る
- 個人事業・中小企業の資金調達サポートを目的としている
- 比較的低金利で融資が受けられる
2.日本政策金融公庫に自分で申し込んでも問題ない人の5つの特徴
日本政策金融公庫の融資は、ご自身で融資申込みを行う方法と認定支援機関を取得している専門家を経由して申し込む方法があります。ここでは、自分で申し込んでも問題ない人の5つの特徴を紹介します。
特徴1:自己資金が融資額の50%以上ある
自己資金とは、生活費とは別の貯蓄のことを示しています。自己資金は事業に対する計画性の判断と同時に、事業に万が一の事があった場合にきちんと返済できるかどうかの判断材料となります。
創業時に利用することが出来る「新創業融資制度」では、自己資金要件として、事業を開始するために必要な資金の1/10以上の自己資金とありますが、自己資金は多ければ多いほど融資の成功確率を高めることが出来ます。
ご自身で融資申込みを行う場合には、融資希望金額の50%程度の自己資金を準備しておくことが理想的です。
-理想的な自己資金-
融資の成功確率が高くなる理想的な自己資金は、通帳にコツコツと貯蓄されている自己資金です。タンス預金など口座に預けずに貯めてきたお金は、見せ金(一時的に準備したお金)と判断される可能性が非常に高くなります。
日本政策金融公庫の融資では、直近半年分の通帳を提示する必要がありますので、融資を検討されている方でタンス預金を行っている方は、早めに通帳にお金を移しておくようにしましょう。
特徴2:創業を計画している事業と同業の経験が6年以上ある
創業時は事業の業績で融資の可否を判断することが出来ません。そのため、経営者となられる方がその事業についてどれだけ知識やノウハウを持っているかということが、融資審査のポイントの一つになります。
全くの未経験で飲食店を開業したいという方と、飲食店開業のために同業態で10年経験を積んできたという方では、後者の方が、事業が成功する可能性が高いと判断されるわけです。
特徴3:信用情報に全く問題がない
信用情報とは、支払いに対する遅延や滞納に関する情報です。クレジットカード、ローンなどの支払い遅延や、債務整理や自己破産などは融資審査に影響します。また、家賃や公共料金、税金の遅延や滞納もNGです。
-信用情報の確認方法-
信用情報は自分で確認することも可能です。もし、数年前にもしかしたら遅延があったかもしれないと不安をお持ちの場合には、一度、信用情報の確認をしてみると良いでしょう。
・クレジットカード等の信用情報「CIC( CREDIT INFORMATION CENTER )」 ・消費者金融、信販会社、保証会社等の信用情報「JICC(株式会社日本信用情報機構)」 ・金融機関の信用情報「JBA(一般社団法人 全国銀行協会)」 |
特徴4:時間をかけて説得力のある書類作成が出来る
日本政策金融公庫から融資を受ける場合、創業計画書や事業計画書という書類の作成が必要です。特に、創業時はこれからスタートする事業の計画を作成する必要があり、その数字はきちんと根拠をもった数字であることが重要になります。
創業計画書や事業計画書は、融資審査を行う上で最も重要な書類です。根拠のある内容を、説得力を持って作り上げることが出来るという場合には、ご自身で融資申込みを行っても問題ありません。
創業計画書の書き方について 「これで完璧!!日本政策金融公庫の融資に必要な創業計画書の書き方ーまとめー」 事業計画書の作成方法について 事業計画書の作成方法については『 inQup 』というサイトでPDFを無料ダウンロードすることが出来ます。あわせてご活用ください。 inQup:無料EBook『資金調達を成功に導く 融資を通すための「事業計画書」』※リンクをクリックするとinQupに移動します。 |
特徴5:借入金額や金利にこだわりがない
特徴1~4までのすべての条件を満たしており、かつ、融資希望金額が少額(100万円~300万円程度)で良いという方や、日本政策金融公庫の基準金利(担保不要:2.16~2.55、新創業融資:2.51~2.90/令和元年5月7日現在年利%)で融資が受けられるのならば良いという方はご自身での融資申し込みでも融資が通る可能性は高いです。
ー高額融資を希望する場合ー
日本政策金融公庫には様々な融資制度がありますが、創業時に利用できる「新創業融資制度」の融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)です。初めて、日本政策金融公庫から融資を受ける場合には、融資限度額の1/3程度が上限と考えておくと良いと思います。しかし、認定支援機関を取得している専門家を経由すると「中小企業経営力強化資金」という融資制度を利用することが出来ます。
「中小企業経営力強化資金」は融資限度額が7,200万円(うち運転資金4,800万円)と、新創業融資制度よりも上限が高く設定されています。上限が高く設定されているということは、初めての融資であっても高額の融資が可能になります。この「中小企業経営力強化資金」は認定支援機関を経由することが条件となります。ご自身で融資を受ける場合には利用できない制度です。
3.自分で申し込む場合のメリットとデメリット
メリット | デメリット |
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自分で融資を申し込むメリットは、報酬や手数料などの費用が発生しないという点です。デメリットとしては、書類作成の手間や融資のためにかなりの時間を費やすことになるという点です。急いで融資を受けたい!というわけではないという場合など、時間や手間を惜しまないという方で、「2.日本政策金融公庫に自分で申し込んでも問題ない人の5つの特徴」に当てはまる場合にはご自身で融資申込みをした方が良いでしょう。
4.少しでも不安がある場合には専門家に相談しましょう。
「2.日本政策金融公庫に自分で申し込んでも問題ない人の5つの特徴」の中で1つでも不安に感じる部分がある方や、1日でも早く融資を受けたい!!という方、なるべく高額の融資を受けたいという方は認定支援機関を取得している専門家に依頼することをオススメします。
認定支援機関は国が認定している支援機関です。特に融資に特化した認定支援機関に融資サポートを依頼することで、融資の成功確率を高めることが出来ます。
創業融資ガイドを運営している株式会社SoLabo(ソラボ)は、資金調達サポートに特化した認定支援機関です。ソラボを利用してもらうことで以下のようなメリットがあります。
ーSoLaboに依頼するメリットーメリット1:融資成功の可能性が高くなる メリット2:借りられる金額が増える可能性が高い メリット3:金利優遇が受けられるケースがある メリット4:書類作成や面談対策のサポートを受けられる メリット5:融資実行までの期間が短くなる ソラボは完全成功報酬。相談は無料です。融資に関するご不安などがありましたら、お気軽にご相談下さい。 |

まとめ
創業時の資金調達として日本政策金融公庫からの融資を検討している場合、ここで紹介した特徴にすべて該当し、時間や手間を惜しまないという方は、ご自身で融資申込みをしても融資の通る可能性は十分に高いと言えます。
しかし、経営者の方はやるべきことがたくさんあります。時間はお金に変えることは出来ません。「事業に集中したい!」「手間をかけずに融資を受けたい!」という場合は、特徴に当てはまっていても認定支援機関を取得している専門家に依頼することがオススメです。