仮想通貨を使用した資金調達手段ICOとは

仮想通貨を使用した資金調達手段ICOとは
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

ICOという新しい資金調達方法が今注目されています。仮想通貨を使った資金調達方法で、企業がベンチャーキャピタルから開発費や事業費を調達する際に行っている方法です。

日本では2018年1月に起こった「仮想通貨不正流出事件」の影響でICOを取り巻く法律が整備途中段階とされていましたが、2019年に入り仮想通貨に関する法律の改正案が閣議決定、本会議においても可決されたことを受け、2019年の年末、遅くても来年2020年4月前後、日本でもICOが可能になるとも言われています。

投資目的でICOへの参加を考えている方は、ICOには利用者を保護する環境が整っていないために詐欺リスクがあるという事を覚えておきましょう。詐欺リスクを避けるためにもICOの知識や正しい情報収集を念入りに行うことが重要なのです。

今回はICOがどういうもので企業がICOを利用する理由や投資家が利用するにはどうしたらいいのか、また企業や投資家が利用する際の注意点など細かく解説していきます。

1.ICOは仮想通貨を利用した資金調達方法

ICOとは英語のInitial Coin Offeringを略した言葉です。この単語は「新規仮想通貨公開」と訳され、一般的に手にしているお金(コインや紙幣)のような形を持たない通貨である仮想通貨を、企業や個人が新しく、独自の「仮想通貨トークン」を発行し、その発行されたトークンを投資家が流通している仮想通貨で購入し、企業は投資家が支払った仮想通貨を円などに換金して資金調達ができることを意味します。

投資家は、自由にトークンを売買することができる仮想通貨取引所にて、購入したトークンの企業が上場やプロジェクトの人気が出るなどしてトークンの価値が上昇することで、利益を得ることができるのです。

仮想通貨を使用した資金調達手段ICOとは

企業が発行する独自通貨「トークン」とは

トークンとは、「引換券」という意味を持ち、仮想通貨との明確な違いは実はありません。ただ、一般的にICOにおいて企業や個人から発行される独自の仮想通貨やコインを指すことが多く、仮想通貨の取引データをまとめた分散型台帳ともなるブロックチェーンの中で発行されているという特徴があります。仮想通貨として代表的なビットコインや、ビットコインよりも機能の拡張がされているイーサリアムといった流通している既存の仮想通貨と交換することができるのも特徴の一つです。

分散型台帳であるブロックチェーンは、集中管理型と異なり、もしも何かの不具合が起こったとしても、システム全体がストップしてしまうわけではありません。集中管理型では、何か一つのトラブルでストップしてしまうと、全体がストップしてしまうことになるため、ブロックチェーンには安定感があると言えます。

安定感は兼ね備えているブロックチェーンですが、問題視されている点が、処理速度の問題です。1秒に平均して7件しか処理ができないブロックチェーンに対して、1秒で最大でも5万6千件以上の処理が可能なVISAカードを比べてしまうとその差は一目瞭然です。ブロックチェーンにおける処理性能は今後の大きな課題となっています。

ICOとSTO、IEOはどう違うのか

仮想通貨を利用した資金調達方法としてICOに似ている「STO」「IEO」というものがあります。

STOというのは、ICOのような価値を持つ独自トークンを発行するのではなく、ルールや法律に正面から従った金融商品型のトークンを発行し資金調達を行うことです。現在ICOで主に使われているトークンは、既存の流通する仮想通貨と企業が発行する独自トークンの引換機能であり、企業サービスの利用券として有効なトークン、いわゆるユーティリティトークンです。ですが、2018年頃から有価証券として現実の価値を持つセキュリティートークンを利用したSTOがアメリカを中心に広がっています。

その理由として、各国のICO規制が厳しくなってきたことにより、現在の法律で合法的に行うことが可能、かつ、将来の法律リスクもなくなるためSTOが広がっていったと考えられます。

IEOというのは、ICOにて企業と投資家が直接トークンの販売や交換を行っていたのに対して、トークンの販売や交換を仮想通貨取引所に委託し、資金調達を行うというものです。日本で言うと、トークンの販売をする場合に厳しい審査を有する仮想通貨交換業の登録が必要となりますが、その登録を行うことが難しいとされていて、ICOを行うことは困難だという声も上がっています。

その為、既にある仮想通貨取引所にトークンの販売を委託することで法律的にも問題なく行えてしまうIEOもICOに代わる資金調達方法として出てきています。

 

2.ICOを使った資金調達の目的と成功事例

企業がICOを使った資金調達の目的や利用する意図には以下の事が挙げられます。

資金調達

企業がプロジェクトを成功させるためには資金が必要です。ICOを行うことで企業が得られる大きなメリットは、短期間で大きな資金を調達することができるという事です。プロジェクトの魅力を提示することや、どのような進行具合なのか、どのくらいの可能性を秘めているのかなどを提示し、投資家の信頼を得て投資をしてもらうことで、プロジェクトを成功へ導くための大きな一歩を踏み出すことができます。

トークンの価値上昇

独自で発行したトークンの認知度や価値を上昇させるためにはICOが有力です。ICOで目標の資金を調達できたことや、集まった資金でプロジェクトが成功することによって、トークンの普及や価値がぐんと高くなります。企業にとっても独自で発行したトークンが普及することは大きな実績となり、企業自体の認知度も上昇することにも繋がります。

新しいビジネスのあり方を構築できる

今までの資金調達では、数々の審査を通らなければならないという形が基本でしたが、ICOを利用することにより自分が行いたいプロジェクトを形にしたいと思う人たちの資金調達が簡単に行える、自分のプロジェクトを積極的に発信できる、という新しいビジネスのあり方を作り上げられる可能性があります。

【成功事例】

上記の利用目的が達成された成功事例の一つに、イーサリアムによる資金調達があります。

2014年、初のICOがアメリカ人のJ.R.Willettにより開発されました。企業も同じく創業されましたが、イーサリアム内で使用される仮想通貨の「ETH(イーサ)」は開始12時間で約2400万円に相当する大金の資金調達に成功しました。

しかし、ICO終了後に集まった資金は15億円、十分な大金ではありますが、当時の世界で6番目に資金調達額が大きかった企業の109億円に比べたら少ない金額ではあります。

ですが、イーサリアムは1年後に16倍、3年半後に5000倍に値上がりし、爆発的な成功を収めたのです。ここまでの成長を遂げた背景には、イーサリアムに初めて、独自トークンを発行できる機能が備わっていることが大きな要因でした。ブロックチェーン上で独自トークンを発行できる機能が初めてであったからこそ、値上がりし、資金調達が成功したのです。

 

3.企業がICOを利用する理由

「返済・配当などの支払いの義務がない」

銀行などの金融機関による融資での資金調達では、資金を借りているため返済をしなければならないという義務があります。しかしICOでは、投資家が出資したい企業のトークンを購入していることになるため、返済という義務がありません。

また、株式投資などによる配当の義務もありません。資金が足りない企業へ投資をしてくれる株主に対して、事業が成功した場合に利益の一部である株式を支払うことを配当と言いますが、株式は会社の所有権の一部であり、出資者に対して株式を払うという事は、会社の資金を削って支払っていることになります。

ICOは同じ投資家であっても企業のトークンを購入することで投資し、事業が成功した場合にのみ購入分が投資家へ支払われる仕組みのため、企業が損をすることはありません。

「従来の資金調達方法に比べて参入ハードルが低い」

一般的な資金調達方法として知られている、金融機関による融資では、金融機関側からの融資面談があります。その面談の審査結果によって資金調達が可能かどうか決定しますが、ICOでは企業と投資家が直接トークンのやり取りを行うため、審査というものがありません。

また、最低出資額等が無いため、プロジェクト案件にもよりますが、トークンは少額から出資を募ることができ、高額出資ではないため資金調達を行いたい企業のプレッシャーなどの負担は減り、参入しやすいとされています。

「世界中から資金調達が可能」

投資家の出資や企業のプロジェクト発信はインターネットを通して行われます。そのため、国内にとどまらずICOに参加している方ならば、世界中の投資家が参加可能、世界から資金調達を行うことができるのです。資金調達可能となる範囲が広がれば、例え少ない出資額でも出資者の数によっては、多額の資金調達が可能です。プロジェクトの成功にも近づくことができます。

企業のプロジェクトを世界に発信できることは、企業の認知度向上にもなり、ICOに関わらず今後の企業の発展にも大きく繋がります。

ICOと従来の資金調達方法の違い

過去の資金調達方法では、企業が未上場の株式を証券取引所に上場し投資家に株式を取得してもらう「IPO(新規株式公開)」や、金融機関である銀行などが資金調達を希望する企業や経営者に対して審査が通った後に資金を貸し出す「融資」などが挙げられます。

まずIPOでは、証券取引所に上場をしないと資金調達は行えません。上場をするというのも簡単なものではなく、「デューデリジェンス」という厳しい審査に通らなければなりません。そして、上場をするには最低でも4,000万円、最高で5,000万円ほどの費用がかかるとされており、第三者の仲介や審査が無く資金調達が可能なICOと比べると大きな違いとなります。また、株式を取得している株主には配当や株の保有数に応じて経営権を渡さなければならず、ICOにはそれらの必要が無いことも異なる点です。

次に融資との違いで大きいのは、返済を行う必要がないという事です。融資は金融機関である銀行や日本政策金融公庫などから資金を借りて資金調達を行っているため、借りている資金は返済を行う必要があります。その反面ICOには、投資家が出資をしたい企業のトークンを購入するため返済をする必要がありません。

また、IPO同様に資金調達するためには審査に通ることが必要であり、過去の資金調達方法の大半は審査に通過することが基本とされてきました。ICOでは厳選な審査や返済、第三者の仲介などがなく、企業プロジェクトの魅力やICOへの参加の意図等をまとめたホワイトペーパーを使用し、ブロックチェーン技術を利用して行われる従来とは異なる新たな資金調達方法なのです。

ICOとクラウドファンディングの類似点・相違点

ICOの資金調達方法に最も似ている資金調達方法として、「クラウドファンディング」があります。クラウドファンディングは、自身が考えるプロジェクトを専用のサイトで世界に向けて発信し、そのプロジェクトを見て共感した方々から、資金の支援をしてもらうというものです。また、プロジェクトが成功した際には、プロジェクト発信者から何らかの特典があるということもクラウドファンディングの特徴です。

世界に向けてプロジェクトの発信を行うことや、出資をしてもらう点など、類似点はいくつか挙げられます。しかし、相違点も多く、下記にICOとクラウドファンディングの類似点と相違点を解説していきます。

【類似点】

類似点として挙げられることが、インターネットを通して資金調達を行うという点です。また、ICOでは企業プロジェクト、クラウドファンディングでは自身のプロジェクトを発信できるという点も似ています。どちらの場合でも目的が「資金調達」という点では同じことが分かります。

【相違点】

それぞれの資金調達方法をざっくり聞いただけでは類似点しかないようにも思えますが、中身の部分では異なる点が多いのです。

〈クラウドファンディングは法定通貨、ICOは仮想通貨〉

第一に相違点として挙げられることが、クラウドファンディングはその国内で認められている通貨である「法定通貨」での出資が基本となりますが、ICOはコインやお札等の形を持たずデジタルの中で存在する「仮想通貨」で出資が行われるという点です。具体的には企業が発行する独自トークンを投資家が仮想通貨で購入することで成功するかどうかが左右するため、両者ともに資金調達が目的ではありますが、第一の目的としてはクラウドファンディングでは法定通貨、ICOでは仮想通貨をどれだけ調達できるかという事になります。

〈ICOはリターンを準備する必要が無い〉

第二に、ICOではリターンを準備する必要がありません。クラウドファンディングの中でも「寄付型」とされる種類のクラウドファンディングでは、リターンの必要がありませんが、寄付型以外でのクラウドファンディングでは、成功した際に支援者へ商品やサービスなどのリターンをする必要があります。その反面ICOは、投資家がトークンを購入したことや、プロジェクトが成功を収めたことに対してリターンをしなければならないという決まりはありません。投資家はトークン価格が上昇することにより、利益を得られるため、どの企業のトークンを購入するか、どの企業に将来性を感じるかなどの見極めが重要です。

〈ICOで購入したトークンの売却が可能〉

第三に、クラウドファンディングでは支援者が受け取るリターンを第三者へ譲渡することは、二重譲渡の問題から認められていません。ですがICOでは、仮想通貨を対価の対象として投資家が購入したトークンを、トークン価格が上昇したタイミングで売却することや第三者に譲渡することに決まりはありません。トークン価格が上昇する前の段階であっても、第三者への譲渡は自由に行うことができます。この点においてもクラウドファンディングとICOでは異なることが分かります。

このように最終的な目的は同じものであっても、中身を見ていくと全く違うものなのです。

 

4.企業がICOを利用する上での注意点

ICOは世界中の投資家から資金調達が可能という反面、誰もが参加できるからこそ「ICO詐欺」が多発していることが問題視されています。そのため、真面目にICOに参加している企業であっても投資家から詐欺かもしれないと疑われやすいマイナス面があります。

ICOはインターネット上でのやり取りのため、詐欺ではないことを伝えるためにも企業やプロジェクトPRでの不足は避けなければなりません。PR不足などによって投資家から期待が得られなければ出資金も思うようには集まりません。企業やプロジェクトPRは、詐欺だと疑われないためにも、出資金を集めるためにも、最も重要なものです。

また、「実態があるICOは全体の1%も満たない」「ICOが原因による投資家の詐欺被害」などの理由から中国や韓国ではICOが全面禁止されるなど、世界的に規制が強まっています。日本でも2019年に入り、金融庁が仮想通貨の規制や取引について定義づけるなどした資金決済法を改正するなど、これから何かしらの規制が行われる方向にあるということを覚えておきましょう。

 

5.ICOで資金調達する流れ

①プロジェクトの計画

まずやるべきことは、どのような方針や計画を立ててICOを行うかという事です。 “将来性のある内容を軸に行っていくのか” “プロジェクト内にブロックチェーンの技術をどう取り入れるのか”などを計画していきましょう。

ブロックチェーンの技術をただ取り入れただけでは「ブロックチェーンがなくてもできるプロジェクト」と思われてしまうため、プロジェクト内容に本当に必要かどうかを考えながら計画していく必要があります。

②事前準備

ICOを行うためのプロジェクト計画が済んだら、参加のための事前準備を行います。事前準備としてやらなければならないことを下記表にて解説していきます。

ホワイトペーパーの作成投資家からの出資、トークンをより多く購入してもらうために最も重要と言えるものが、このホワイトペーパーです。これはプロジェクト内容、企業説明、PRなどを掲載したものになります。融資でいう事業計画書と同じようなものです。事業計画書と異なる点は、実際に紙に書くことはほとんどなく、ICOを行う企業のHPに掲載されるという点です。

ホワイトペーパーの作成は義務ではないため、作成しなくても良いのですが、より多くの資金を集めるためにプロジェクトの魅力やメリット、企業の紹介を記載し、また詐欺だと疑われないためにもほとんどの企業が作成を行います。

ホワイトペーパーに記載する主な内容としては以下の項目が挙げられます。

■プロジェクト実施企業の説明や紹介

■プロジェクトの具体的な内容

■プロジェクトを行う前までの問題点

■プロジェクトを行うことでのメリットや魅力

■プロジェクト実施までの過程

■トークンとブロックチェーンの関連性と技術性の説明

■トークンの発行総量

■ICOでの最低調達額

■ICO開始日と締切日  等

独自トークンの作成投資家に購入してもらうためのトークンを作成します。トークンの作成方法は一つに限らず、ここでは4種類の作成方法を紹介します。

①カウンターパーティーで作成

ビットコインの既存ブロックチェーンを利用した作成方法。ビットコインでの性質や特徴がカウンターパーティーでも応用される。

②ウェーブスで作成

送金の速さや手数料の安さが魅力。自由性かつ拡張性を備えたカスタムアプリケーショントークンのシステムを利用した作成方法。

③イーサリアムで作成

設定条件を満たすと自動で契約実行となるスマートコントラクト機能を利用した作成方法。カウンターパーティーに比べると難易度は高いが、高機能を持つトークン作成が可能。

④ネムで作成

ネムのブロックチェーン上でトークンを作成する機能であるモザイク機能を利用した作成方法。日本語での作成が可能、かつtipnumというサービスの利用でトークンを投げ銭として使用することが可能。

プロジェクト公開のためのHP作成既にHPがある企業でも、ICOを行う際はプロジェクトを公開するための専用のHPを作成します。トークンを購入する投資家にとってもHPがあることでよりプロジェクトや企業を知ることができ、ホワイトペーパー以外の情報源となるためICOに関係する情報を掲載することが重要です。

企業によってはICO開始日や締切日までの時間をカウントダウンしていたり、注目を集めるためにも色々な工夫をしているため、実際にICO参加企業のHPを見てみるのも一つの方法です。

ホワイトペーパーとは別にHPに記載する項目としては、最低限以下の項目があるといいでしょう。

■作成済ホワイトペーパー

■ICO参加の日程

■トークン価格

■購入の際の入金先やアドレス

■企業HP

③宣伝

ICOで資金調達を行うことを何も宣伝せずにいきなり始めたところで希望する調達額には達しません。始めるからにはICOを実施するということを多くの人や投資家に知ってもらう必要があります。

ICOを行うことを宣伝するための方法として最も有効なことは、メディアへの露出です。メディアから雑誌やテレビの取材を受けることや、各国の広告に掲載してもらうことは投資家のみならず多くの人が目にすることになるため、宣伝としては有効な方法と言えます。

“メディアと言ってもそこまでの繋がりが…”と思う方もいるかもしれませんが、現在ではSNSを活用しての宣伝も大きな広がりを見せています。ICT総研が行った調査(SNS利用動向に関する調査)では国内のSNS利用率が2013年末では56.4%だったのに対し、2018年末では74.9%ほど普及しているのが分かります。2020年末では78.7%にまで上昇するのではないかという結果も出ています。

今やSNSを仕事として利用する人も少なくありません。メディアとの繋がりがあまりなく宣伝方法でお悩みの方は、身近かつ簡単に始められるSNSを利用してみるのも一つの方法です。

④オファーの設定

オファーというのは、トークンを購入してくれる投資家との投資条件、契約内容をまとめたものとなります。ここで設定した内容に沿って企業と投資家の間で取引が進められます。

内容はホワイトペーパーで記載している内容と似ていますが、多少異なる点もあるためしっかり設定しましょう。設定した内容は必ずHPに提示し、投資家との取引がスムーズに進むようにしましょう。

オファーとして設定する内容は以下のようなことになります。

■資金調達希望額

■最低の資金調達額

■プロジェクト期間や期限

■ICOを行う期間

■独自トークンの特徴や性質

■使用する(購入する)仮想通貨が何か

⑤先行販売(プレセール)

文字を見ても分かる通り、トークンの販売前に特定の投資家に対して行うトークン販売の事を言います。この時に設定するトークン価格は、通常の販売価格よりも下げて販売したり、購入に際して特典を付けたりするのが一般的です。

プレセールの特徴として、プレセール参加可能な最低となる投資額の設定があったり、決められた投資家以外は非公開と設定されていたりなど、気軽に投資家が参加できない場合が多い現状があります。

⑥公募(クラウドセール)

いわばICOの本番とも言えるのがこの公募(クラウドセール)となります。プレセールでは特定の投資家であったり参加条件があったりと、気軽に誰もが参加できるわけではなく、ICOを行う際の良さが軽減してしまいましたが、投資家であれば誰でも投資が行えるクラウドセールこそがICOでいう本番なのです。資金調達方法の一つで、プロジェクトを知っている方であれば誰もが支援可能となるクラウドファンディングと似ているため、公募の別名としてクラウドセールと呼ばれるようになりました。

企業の中にはクラウドセールで一気にトークンを販売するのではなく、特典を付けて何度かに分けて販売をするなどの工夫を行う企業も存在します。だからといって多く特典を付けて販売すればいいものではなく、特典の多さはプレセールに比べると少なくなければなりません。

⑦取引所上場

クラウドセールが終了した後に、トークンをより多く流通させるためにも自身で現金との交換が可能な「仮想通貨交換業」の登録を行うか、仮想通貨交換業の登録を既に行っている企業に対して新しく発行するトークンの取り扱いを承諾してもらうかなどの仕組みが必要となります。これらの仕組みを取引所上場と言います。

上場することでトークンを投資家の方でも売買することが可能、そのためトークン価値にも変動性が現れトークンの価格が上昇する、といった投資家にとっての理想の実現にも繋がります。ただし、「仮想通貨交換業」の登録を自身で行うとなると、厳しい審査に通過しなければならず、登録を行うハードルは高いということを頭に入れておきましょう。

 

6.投資家がICOで利益を得る仕組み

企業が取引所上場を行った後にプロジェクトが話題となり人気が出ることや、上場を行う取引所が有名な場所であったりすると、トークン価値が上昇します。価値が上昇した時点でトークンの売却を行い、売却額と購入額との差額分の利益を得ることができます。

また、購入したトークンはユーティリティトークンとされます。ユーティリティの意味は有用性や利便性となり、便利なサービスの利用時に利用料として使うことができる仮想通貨となります。これは、企業が出しているサービスを使用する際に必要となる独自通貨としてトークンが使われることもあるため、所有していることでサービスの利用が可能となり、得することにもなります。

 

7.投資家からみたICOの魅力

「世界中のプロジェクトに少額から誰でも参加が可能」

企業ごとに最低投資額の設定はしているものの、株式などによる数十万円の最低出資額と比べると、少額からの出資が可能となります。“株や投資に興味はあるけど出資額が大きくて投資できない”等で投資家になれないという方も中にはいるかと思いますが、株の投資よりも気軽に始められるのは一つの魅力でもあります。

また、国内に限らず、世界中のプロジェクトに対して投資ができるという事も魅力の一つと言えます。第三者を仲介しない分、自身で見て将来性のある企業やプロジェクトだと判断した場合に、制限されること無く、スタート段階から投資を行うことができます。国内では生まれない発想やプロジェクトでも、世界を対象としてみた時に重要なものとなっていたり、世界で問題になっていること、世界の現状を知ることができるというのは、生活する上でも仕事をする上でも自分にとって身になるといえます。

「購入したトークンは企業のサービスでコインとして使用が可能」

上記の“投資家がICOで利益を得る仕組み”の中でも記載しましたが、購入するトークンは、有用性や利便性を持ち合わせたトークンとなり、企業のサービスを利用する際に利用料として使用することができます。

購入したトークンで企業サービスが可能となることは、出資をしているがお得感や優越感に浸ることもできるという点で、一つの魅力でもあります。

「トークン価値の上昇によって多くの利益を得られる可能性」

企業が上場を行い、プロジェクトや企業が有名になった場合には、トークン価値が上昇します。投資家は企業が上場を行った後に、トークンの売却が可能となります。トークン価値が上昇するということは、トークンの売却額も上げることができ、そのトークンの購入を希望する方も当然出てきます。

トークンの購入時よりも売却時の価格が上昇していれば、その差額分が利益となり、場合によっては大きな利益を手にできる可能性を秘めているのです。

 

8.投資家からみたICOのリスク

「悪質な企業に対して投資してしまう可能性」

残念ながら株式会社などのように厳しい審査を通過した企業ばかりではなく、ICOを利用した詐欺まがいの行為もゼロではありません。ICOで資金調達を行っておきながら、プロジェクト経過などを提示しない、ICO締め切り後に連絡が途絶えた、などの悪質企業も存在するのです。

実際にICO詐欺と呼ばれる調達した資金の持ち逃げなどの事例も存在しているのです。

せっかく出資を行ったのに詐欺に巻き込まれてゼロになってしまった、なんて残念なことが起こらないためにも、出資前にプロジェクトの詳細や企業情報などを事細かに調査し、信頼のできる企業に対しての出資を行えるようにしましょう。

「トークン価値が上がらない可能性」

投資家が利益を得るためにはトークン価値が上昇することですが、必ずしもトークン価値が上昇するという保証はありません。上昇があるということは、当然下落の可能性もあるのです。また、上場の条件を達成できなかったり、プロジェクトで何らかの問題が生じ、プロジェクトが完成しなかったり、購入したトークン価値が無くなってしまう場合もあります。

ICOに参加し、利益を確実に得るためには将来性のあるプロジェクトかどうかを見極める力も必要なのです。

「国家的規制によるICOの中断可能性」

ICOには法律規制が完全に整っていないということが前提として言えます。上記でもご説明した詐欺まがいの行為もあったりするなど、まだまだ改善の余地がある為に、制定された法律が厳格となる可能性や、購入したトークンが不利な状況となる可能性などが十分に考えられます。

実際に禁止されている国もあることからICO自体が中断となる可能性もあり、その際は法律に従わなければならないために法的なリスクはあるということを頭に入れておきましょう。

 

9.ICOで投資する具体的な流れ

①情報収集

まず初めにICOについての情報収集から始めます。ICOと言っても海外のICO企業情報に特化しているサイトから、海外のICO企業が作成しているホワイトペーパーが日本語に訳されて提示されているサイトなど、様々なサイトが存在します。詐欺に巻き込まれないためにもICOサイトで企業案件のホワイトペーパーのチェックは事前にしっかりと行いましょう。

COIN JINJAhttps://www.coinjinja.com/日本語対応
クリプトコインポータルhttps://www.cryptocoinportal.jp/日本語対応
THE Cointelegraphhttps://jp.cointelegraph.com/日本語対応
ICORATINGhttps://icorating.com/世界最大規模
ICObenchhttps://icobench.com/プロの投資家が格付け

②事前準備

ICOサイトにて企業情報を確認し、投資を行いたい企業が決定したら、参加(投資)するために必要な準備を行います。準備する項目は下記表にて解説していきます。

ウォレット作成ウォレットとは、仮想通貨の保管やトークンの受取りを行うインターネット上のお財布です。このウォレットが無ければ、ICOへの参加もできません。作成の際にはセキュリティ面を考え、本人確認等が念入りに行われます。思っていた以上に時間がかかり、投資を行いたかった企業案件に参加できなかった、という事が無いように、投資を行う企業案件が決定した時点で作成へと動きましょう。

ウォレットには仮想通貨ごとに専用のウォレットがあるため、投資を行う企業案件において、どの仮想通貨が対応しているのかを確認し、専用のウォレットを作成する必要があります。既にウォレットを所有している方でも、企業案件によってはトークンの受取りが行えないなどの不具合が生じる可能性があるため、専用のウォレットの準備が確実です。

また、ウォレットの形態は1種類に限らず、仮想通貨によっては複数種類の形態の中から自分に合う形態を選び、ウォレットを作成することができます。下記表はウォレットの形態一覧です。使用する仮想通貨によってウォレットの形態が異なるため、投資を行う企業案件が決まった時点で、どの仮想通貨が対応可能か、ウォレットの形態はどのタイプか、などを確認してみましょう。

モバイルウォレットスマホアプリを活用したウォレット
ウェブウォレットウェブサービスを活用したウォレット
取引所ウォレット取引所で口座開設を行うウォレット
ペーパーウォレット紙の印刷によるウォレット
ハードウェアウォレットUSB等の端末を活用したウォレット
デスクトップウォレットソフトウェアのインストールを行うウォレット
仮想通貨の用意ウォレットを作成後、ウォレットの中に保管しておく、いわゆる投資を行う企業案件のトークンを購入するための仮想通貨を用意します。

ICOに参加をして、トークンを購入するためには仮想通貨が必要です。ICOでの企業案件の大半は、「ビットコイン」や「イーサリアム」の仮想通貨が対応していることが多くこれらは下記の仮想通貨取引所にて購入が可能です。

■仮想通貨取引所・・・Coincheck

ウォレットの作成時にどの仮想通貨が企業案件に対応しているのかは確認済ですので、ウォレットの作成が完了した時点で仮想通貨を購入し、ウォレットの中に保管しておきましょう。

③ICO参加(プレセール・クラウドセール)

ウォレットの作成、仮想通貨の用意ができたらいよいよICO参加です。参加にはプレセールとクラウドセールの2種類があるため、どちらの期間に参加するか決めておきましょう。期間中に仮想通貨を送金する専用のアドレスにてトークンを購入(仮想通貨を送金)します。企業案件によって企業アドレスとは異なるICO専用の送金用アドレスが記載されているため、間違えないようにしましょう。

④トークンの受取り

送金後に自身のウォレットに購入した分のトークンが入金されます。期間で言うと送金を行ってから数日はみておくといいでしょう。入金がされているかどうかはしっかりと確認することが大切です。

トークンの入金後は保有し続けるのも、企業が上場しトークン価値が上がった時点で売買するのも、企業サービスに利用するのも、使い方は投資を行った方の自由です。

 

まとめ

現在の日本では、ICOに関する法規制が整っていないことからICOを行うことはできませんが、近い将来、法律が制定されICOが資金調達方法の一つとして定着する可能性も大いにあります。

ただし、ICOを行う企業にもICOに参加をして投資を行う方にも詐欺や規制といったリスクがあるということは頭に入れておきましょう。リスクなく資金調達や投資が行えるようになるまでは、まだまだ法律改善の必要があるのかもしれません。

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