喫茶店は客単価が低く回転率も低いから大変。これは、喫茶店経営を考えたことがある人であれば周知の事実かもしれません。
しかし、なぜか喫茶店が世界からなくなることはないですよね。喫茶店経営には、自分だけの城を持てるというワクワク感があるからかもしれません。
※本記事では、喫茶店とカフェは似た意味の言葉として使用しています。
目次
1.喫茶店経営はチェーン店でないとムリ?
①カフェチェーン店の強みとは
喫茶店を個人経営したい方の最大のライバルはチェーン店です。チェーン店はまず、原価率の低さ、ブランド力、どこにでもある交通の利便性という強みを持っています。
今現在、日本の喫茶店(カフェ)で結果を出し続けているのはスターバックス、コメダ珈琲、ドトールの3社ではないでしょうか。これらの喫茶店は「客単価が低いし」「回転率が悪いから」というカフェ業界の常識を覆し成長し続けています。
②三大カフェチェーン店の客単価・座席数・回転数はどのぐらい?
では、各チェーン店の特徴を少しみてみましょう。
チェーン店1:
スターバックス |
チェーン店2:
コメダ珈琲 |
チェーン店3:
ドトールコーヒー |
|
サービスの型 | セルフサービス | フルサービス | セルフサービス |
(予想)客単価 | 600円 | 650円 | 350円 |
(平均)席数 | 50席 | 60席 | 80席 |
(予想)回転数 | (朝)1.3
(昼)2 (午後)2 (夜)3 |
(朝)1.5
(昼)1.5 (午後)1.5 (夜)1.5 |
(朝)2
(昼)3 (午後)2.5 (夜)2 |
※上記は、ネット上の情報から予測しただいたいの数字で実際とは異なります
喫茶店経営でチェーン店が得られる売り上げは、主にコーヒーやトーストなどの飲食代金と物販(コーヒー豆やギフトカード)です。喫茶店の売り上げは、以下の算式で求められます。
一日の売上= 席数 × 回転数 × 客単価
この売上を月の稼働日数でかけると、月間の売上高が求められます。ここから経費(従業員のアルバイト代、光熱費、水道代、家賃、インターネット代、コーヒー豆代など)を差し引いて利益を出さなくてはいけません。
③チェーン店では一日にいくら売り上げている?
あるチェーン店の一日の売上を考えてみましょう。チェーン店1のスターバックスの場合、席数は50席で平均客単価を450円として一日の回転数は(1.3+2+2+3)8.3とします。
一日の売上= 席数(50) × 回転数(8.3) × 客単価(650円)=269,750円
一日の売り上げは約27万円になりました。これが月間だと674万円以上(25日稼働の場合)となります。
チェーン店の平均単価は350円~650円とかなり低めです。けれども、座席を常に埋めるほどの集客と回転数(1日でその椅子を何人の人が使ったかという考え方)があるためうまく利益につながっているのです。
2.個人経営の場合で考えたい!開業したら収入はどれぐらい?
①個人経営の喫茶店の強みは物件と場所の自由度
では、個人経営の場合はどうすればいいでしょうか。個人経営に強みはないのでしょうか?
個人経営の強みは、チェーン店のように画一的な店にしなくてもよく自由度が高いという点です。スタバが絶対に出店されない場所はありますし、コメダ珈琲が意図的に出店しない場所もたくさんあります。
②個人経営は一日にいくら売上が可能?
個人が喫茶店を経営した場合の売上(収入)について考えてみましょう。席数はチェーン店ほどの座席は現実的ではないので25席前後でしょうか。もっと規模の小さい店でもOKです。
個人経営Aの場合 | 個人経営Bの場合 | |
コンセプト | 「天空から見下ろせる眺め」
「無国籍で天空に浮かんだ魔法の国の家」 |
「フランスの田舎町にあるアパート」
「今まで銀座になかったカフェ」 |
サービスの型 | フルサービス | フルサービス |
(予想)客単価 | 1,300円 | 1,200円 |
(平均)席数 | 25席 | 30席 |
(予想)回転数 | (朝)-
(昼)2 (午後)1.5 (夜)2 |
(朝)-
(昼)2.5 (午後)2.5 (夜)3 |
個人経営の場合の収入を計算してみましょう。個人経営Aの場合は以下のように売上を計算できます。
一日の売上= 席数(25)× 回転数(5.5) × 客単価(1,300円)=178,750円
178,750円になりました。月間で23日稼働するとしてこの数値に23日をかけると、月商は411万円の計算になります。
③最近成功している個人喫茶店は「テーマがはっきりしている」「今までなかった」喫茶店
個人経営の場合、非常にさまざまなタイプの喫茶店が可能です。最近成功している事例では、上記のように「テーマがはっきりしている」「今までなかった」喫茶店。この場合、新規性があるため企画があたれば雑誌やネットメディアに取り上げられ、一気に月商が上がるということも不可能ではありません。
猫カフェは今や日本中で当たり前の業態となりましたが、始めてオープンした方はチェーン店経営の企業ではなくイチ個人です。
3.個人経営で最も大切なのは「立地」次に「コンセプト作り」

スタバやコメダのようなブランドのない個人の喫茶店の場合、喫茶店の物件と場所が非常に重要です。
スタバでもスタバの場合でもそうですが、喫茶店のチェーン店は以前より居心地重視の傾向にあります。400円払えばマクドナルドならフードも頼めるけど、600円払って居心地の良い椅子や雰囲気を重視しているのが喫茶店のお金を払う人の心理です。
<(例)個人経営に向いている物件>
- 眺めがよい(高層階)
- 大型スーパー付近でチェーン店カフェの競合がない
- 古民家、古い酒蔵など歴史がある
<(例)個人経営に向いている場所>
- ターミナル駅の近くではない
- バスから見える道路沿いの店
- 近くに会社や大学など毎日通う人が来る施設がある
個人の喫茶店経営の成功者はたくさんいますが、ここ数年の傾向は物件にちからがあるパターンが多く成功しています。物件探しは1年以上かけてもよいほど。内装費はかかりますが、さまざまな角度から考え、データをとり、あなたのひらめきやアイディアは企画書にパワーポイントなどで爆発させましょう。
4.飲食以外の物販やその他で売上をつくろう
喫茶店経営で生活できるほどの安定した売上を立てるには、飲食以外の収入を得る方法を考えることです。筆者の知る範囲では、スペース貸しや手作り品の販売やフリーマーケット、英会話教室に貸すなどさまざまなアイディアで売上を確保されている喫茶店オーナーがいらっしゃいます。
また、経営者自身がソロバン勘定できる方であることも安定した売上確保には重要です。最低でも、毎月15万円の経費とあなたの生活費20万円で35万円は稼げる物件やコンセプトで喫茶店を始めましょう。
<(例)喫茶店の個人経営でかかる毎月の経費>
- 家賃(7万円)
- 光熱費(2万円)
- 水道代(1万円)
- インターネットとIP電話代(5千円)
- 仕入れ代金(3万円)
- 備品代(3千円)
まとめ
喫茶店を個人で始める場合、チェーン店と同じことをやっていても負けてしまいます。オリジナリティを出したコンセプト作り、チェーン店にはできない物件と内装でワクワクできる喫茶店は成功しています。
内装費や物件取得費は事業融資が可能です。喫茶店などの飲食店開業をお考えであれば、是非当サイトからご相談ください!