経営者高齢化で本格化!H30年の事業承継補助金に向け準備しよう

経営者高齢化で本格化!H30年の事業承継補助金に向け準備しよう

「事業承継」は事業を後継者に引き継ぐ事です。

日本には多くの中小企業がありますが、自分の代で会社を立ち上げたオーナー社長が率いる中堅企業では、なんと7割が後継者不在というデータが存在します。

中小企業庁では以前から「事業承継補助金」という給付金を与える事で、日本の中小企業の事業承継をサポートしてきました。

H29年7月に公表された「事業承継5カ年計画」によると、H30年から5年間は事業承継の集中実施期間と定め、インセンティブ強化などによる支援を強力化すると方針を打ち出しました。

今回の記事では、その辺について解説します。

1.事業承継とは?

①事業承継が必要な背景とは

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子供の数は減り、逆に高齢者の数は増えている現代の日本。

それは企業においても同じで、全体的に「慢性的な若手不足」と「経営者の高齢化」が深刻化しています。

後者の「経営者の高齢化」については、特に中堅中小企業にとって深刻です。

大企業であれば、膨大な資金力を武器にM&Aを繰り返す、別事業に転換する、優秀な人材を雇用する、という手法で生き延びることが可能です。

しかし中小企業では、同じ手法で生き延びようとすることは困難です。

事業承継については、中小企業庁がイラストつきのわかりやすいパンフレットを作成しています。以下のURLよりご参照ください。

会社を未来につなげる 10年先の会社を考えよう

②親族か、親族外か→H25から親族外承継も対象に!

事業承継と言うと堅苦しいイメージがありますが、要は事業の引継ぎです。

これまでも、酒屋さんを経営していた方は子供に、農家であれば畑や田んぼを子供に、というように、世代間で事業を昔から引き継いできたのです。

 

しかし、最近の傾向としては親族外への事業承継がメインとなってきています。

何故かと言うと、そもそも継がす子供がいないという少子化の問題や、個人の自由を尊重する風潮になってきているからです。

昔は、家を継がない→ガンコ親父に殴られる、という図式も普通家庭では一般的だったのですが、いい意味でも悪い意味でも個人主義で情が薄い現代。

経営者自体が、「うちの子供に継がすより外部に委託した方がラクかも」と考えるようになっています。

そうした背景を受け、H25までは親族内承継が対象だった事業承継補助金も、「親族外承継でも対象にするよ~」と規定が変わりました。

2.事業承継をしないとどうなる?

①頼りになる後継者に引き継げない→最悪の場合廃業も

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オーナー社長が全てを取り仕切っていた中堅中小企業では、オーナー社長が不在になった途端、急速に利益が下がり最悪の場合廃業になるというケースも珍しくありません。

筆者の知っている例でも、こんな例があります。

あるオーナー社長の代で豊富にあった取引先が、次世代の総務畑出身の社長に引き継いだ途端に激減。

営業センスが不足していたので営業力の強化に苦戦し、そのせいでどんどん従業員も辞めてしまったのです。

このことを裏付けるデータがあります。中小企業庁によると、現在後継者の決まっていない法人経営者では3割、個人事業者では7割が廃業予定だそうです。本当に廃業になってしまったら、日本経済の規模は一気に縮まり、日本全体の空気感も変わってしまうでしょう。

②判断のスピードが遅くなる→業績が停滞

また、高齢になると業績が停滞するという点も見過ごせません。

30~40代の壮年期にはどれだけの仕事量があってもスピーディにこなせていた人も、60代後半から70代にかけてはそうはいきません。

経営者とは、常に業務において継続的に選択を強いられる人です。経営者の選択スピードが遅くなると、業績のスピードも衰えます。

3.中小企業庁による事業承継補助金の概要

①事業承継補助金でもらえるお金はいくら?

事業承継補助金に申請し認定されると、以下の返済不要の補助金を受け取ることができます。

1.事業所の廃止・既存事業の廃止・集約を伴わない場合

補助金額:100万円以上200万円以内(補助率 2/3)

2.事業所の廃止・既存事業の廃止・集約を伴う場合

補助金額:100万円以上500万円以内(補助率 2/3)

申請をするためには、まずは事業承継計画を作成しなければいけません。実際に事業承継補助金をもらえるのは、事業承継を実施した後です。そのため、「今はお金がないけど、もらった補助金を使って事業承継をしよう」というのはNGです。

②事業承継補助金の詳細は毎年審議後に発表される

他の補助金もそうですが、事業承継補助金の募集時期や補助金額や条件などの詳細は、毎年少しだけ変わります。

例えばH29年の場合、募集期間は5月8日(月)~6月2日(金)でした。

そうです、実質募集期間は1か月なく短めです。

申込をするには、既に事業承継の内容を決定し(誰に、どんな形で引き継ぐか)、申請書も記入ができる状態でなければいけません。

しかし、来年の事業承継補助金の募集に向けて今から動いておけば、例えばH30年の2月募集だとしても充分間に合いますよね。早めの対策が、肝心です!

募集時期以外の情報については、毎年それほど大きな変化はありません。予測できる事は、今後事業承継補助金のキャンペーンを大々的にするわけですから、これ以上支給要件(応募するための条件)が厳しくなることはないでしょう。

事業承継補助金の最新情報を知りたい方は、ネット検索で「平成〇年度 事業承継補助金」などのワードで検索して、こまめにチェックしてください。

③特定創業支援事業者とは?

30万以上ある事業承継についての窓口を全て中小企業庁がやるとすると、大変です。そのため、国が募集して決めた業者に実際業務を委託しています。

H29年度については、株式会社電通が実施窓口を運営しています。

以下は、電通が作成した平成29年度の創業・事業承継補助金のホームページです。

平成29年度 創業・事業承継補助金

運営事業者が毎年公募されてチェンジするため、上記のURLとは違い、運営窓口の問い合わせ先電話番号や住所は変化する可能性がありますね。

④申請できる企業とは?支給要件

この補助金に興味がある事業主は、以下の支給要件に該当するか、まずはチェックしてみてください。

・1.中小企業・小規模事業者(会社および個人)である

・2.事業実施期間中に、1人以上の新しい雇用を行う事

・3.民間金融機関からの外部資金の活用が見込まれている事

・4.事業承継を景気として経営改革などに取り組む企業または事業転換に挑戦する中小企業である

⑤事業承継補助金申請の流れ

事業承継補助金に応募する方のために、申請から補助金支給までの流れを以下にご説明します。

1.事業承継と事業承継補助金について調べる

2.事業承継補助金の募集情報を随時チェックする

3.事業承継補助金に申請する

4.事業承継補助金の申請が認定される

5.申請した通りの計画通りに年末までに事業承継を実行

H29年度の申請であれば、~H29 12/31までに事業承継が完了している必要があります。

6.翌年、事業承継補助金の採択結果がわかる

ホームページにて、事業承継補助金を交付できる企業名がホームページにPDFで発表されます。

⑥補助金を実際にもらえるのは何パーセント?

去年、この補助金をもらえた実績は5%弱です。

・申請件数・・・2,983件

・採択数・・・143件(創業部門150件、事業承継部門80件)

143 ÷ 2,983 =0.047となり、全体の約4.8%ほど。本当に事業承継補助金を得て、事業承継も成功させたいならば準備が肝心です。

なお、どのような企業が補助金をもらえたのか?と気になる方は、補助金のホームページで採択企業を公開していますので、事業内容や事業承継について参考にすることもできます。

4.事業承継5カ年計画とは

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中小企業庁は、平成29年7月に事業承継5カ年計画を打ち出し、今後5カ年を事業承継の集中期間として定めました。つまり、事業承継キャンペーン中!という事ですね。それだけ、事業承継を早く確実に進めていきたいというホンキの姿勢がみてとれますね。

さて、では素朴な疑問として何故5年なのでしょうか?適当に決めたのでしょうか?それは、事業承継には完全に完了するまで平均して5~10年ほど時間がかかると言われているからです。では、具体的に事業承継5カ年計画とはどのようなものなのでしょうか?

①事業承継のプレ承継

事業承継が必要な企業が30万以上あると公表した中小企業庁。しかし、その数の企業を一気に数年で事業承継するのは難儀ですね。しかし、遅ければ遅いほど日本経済の衰退にもつながるため、できるだけ事業承継を急ぎたいのが本音です。

そこで、プレ承継という考え方が出てきます。今後の5年間で、現存する25~30万社を対象に事業承継診断を実施するのです。まず国から地域ごとに事業承継診断の権限を与え、地域ごとに事業承継拠点やセンターを確立。事業承継拠点を中心に、事業承継についての専門家の設置、専門家の育成に取り組むのです。

②早期承継のインセンティブ強化

早く事業承継をすれば、それだけ手厚い支援をしますよ、という中小企業庁。2020年には団塊世代の経営者の大量引退期がやってくると予測されるため、それだけ早く急いでいるのです。ポイントとしてはいくつかありますが、筆者が注目したものは①現在60歳を迎えた経営者に事業承継に取り組む気づきを与える、そして②事業承継税制の拡充、というものです。

(1)現在60歳を迎えた経営者に事業承継に取り組む気づきを与え

長寿命化している現代の日本では、60代でも驚くほど若い外見の方が多くいらっしゃいます。

「事業承継?関係ないよ。俺はまだまだ現役だ!」こんな声が聞こえてきそうですが、60代から70代になるのは早いのです。

しかも、事業承継には時間がかかります。

事業承継をするのは、プランニング→実施→チェック、という前後の流れもあります。

ですので、早ければ早いほどしっかりした計画をたてるのが可能になります。

具体策についてまだ明らかにされていませんが、例えば来年から60歳を超える経営者に事業承継についてのDMが送られてくる、事業承継専門家が訪れてくる、などの対策があるのかもしれません。

(2)事業承継税制の拡充

他には、事業承継税制の拡充です。H25年から既に実施されている事業承継税制をご存じですか?

現経営者から後継者が株式を承継する際、相続税(80%)と贈与税(100%!)が納税猶予される制度です。

H25より前は、事業承継税制を使う前に経済産業省に事前確認をしなくてはいけない、という使いづらい制度でした。

しかも、親族外承継は対象外でした。

しかし、現在は事前確認抜きで親族外承継でも対象です。

Aさんの保有している1,000万の株式を、親族でない他人の後継者であるBさんに承継しても贈与税は納税猶予されるため、贈与時はゼロ円です。

このように、事業承継と相続、贈与は密接に関係しています。事業承継をスムーズに進めるために、今後法人向けの生前贈与の税制も見直されていくでしょう。

③小規模M&Aマーケットの形成

小規模M&AはスモールM&Aとも言います。前述で、M&Aは大企業の場合に可能とお伝えしましたが、実は小規模M&Aが盛んになってきています。

小規模M&Aは、年商数千万円~10億円程度の中小・小規模事業を対象にしたM&Aです。現在は、個別で行われている小規模M&Aを、将来的には小規模M&Aマーケットという形で集約する狙いが中小企業庁にはあります。

具体的には、事業引継ぎセンターで公開する企業のデータ範囲を広げ、マッチングの機会を増やすという策が1つ考えられています。例えば、今後はこんな事例が増える事でしょう。

A社(地方にあり技術はある人材不足)が事業引継ぎセンターを訪れました。東京で出店したいがノウハウもないし人材もいない、という悩みを抱えていましたが、事業引継ぎセンターで自社にぴったりのB社(人材や出店ノウハウはあるが技術がイマイチ)を見つけ、協力することができました。企業データがひろがると、それだけ幅広い選択肢を持てるということです。

④サプライチェーン・地域における事業統合等の支援

サプライチェーンとは、例えば洋服を作る会社が原材料の糸、そして付属品のボタン・ファスナーなどを仕入れ、それでサンプルを作り工場に指示を出し、できあがった洋服を小売店へおろす、といった全体の流れを指します。実際には、これら全てを全部1つの会社でやっているわけではなく、糸はA社、ボタンはB社、というように分担し、一つの大きな「洋服を作る」というルートが形成されるのです。

小規模事業者が、親事業者や地域が持つルートを一から作ろうとすると非常に困難で、時間もかかります。そのため、事業承継5カ年計画では、親事業者や地域の業者が中小・小規模業者をサポートする流れを作り、環境を整備することが盛り込まれています。

⑤経営スキルの高い人材を事業承継支援へ活用

事業承継の経験者は、経験者でなければ分からない多くの失敗や成功という知識を持っています。そのため、経験者が人材紹介会社や事業引継ぎセンターと連携し、経営者OBとしてセミナーなどでそのノウハウを伝えれば、後継者は非常に助かります。

事業承継経験者でなくとも、大企業の経営幹部を歴任したなどの高スキルの人材の話は、現役経営者にとっては非常に有難いものです。事業承継を目指す方は、過去の大先輩の話に耳を傾けることが効果的です。

5.平成30年の事業承継補助金の募集時期の予測

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中小企業庁がH29年7月に公開した以下資料によると、6ページ目の「早期承継へのインセンティブの強化」という部分で、「第二創業やベンチャー型事業承継等、資産を受け継いで新たな事業に挑戦する取組を支援する事業承継補助金(2億円)の新設」という文言があります。

中小企業の事業承継に関する集中実施機関について(事業承継5カ年計画)

このため、少なくともH30年においては予算2億円レベルで審議がされているのだな、と予測することができます。事業承継補助金に関しては、予算が本予算で決定されるのか、または本予算で決定されるのかで募集時期が以下のように異なります。

・本予算で決定の場合→

2018年(H30年)2~3月

・補正予算で決定の場合→

2018年(H30年)4~5月

いずれにせよ、H30年の募集時期は年度前半での募集が予測されています。

6.今からできる事業承継補助金の申込みのための準備

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では、今から何を準備すればいいのでしょうか?以下に箇条書きにまとめます。

①マニュアルを読む

年度が違っても、中小企業庁のつくった事業承継補助金の募集要項をまずは一読しましょう。

事業承継をきっかけとして・・・・経営革新等に取り組む方、事業転換に挑戦する方を応援します!

また、「経営者のための事業承継マニュアル」も是非読みましょう。

経営者のための事業承継マニュアル(PDF)

②事業承継自己診断チェックシートに取り組む

いきなり長い文章を読む時間が取れない、という方は、経営者のための事業承継マニュアルの50ページにある事業承継自己診断チェックシートをやるだけで、事業承継のイメージを持つことができます。

③応募書類をチェックする

応募書類は以下の4種類です。

  • 1.事業計画書様式【事業承継補助金】
  • 2.認定支援機関(認定経営革新等支援機関)による確認書【事業承継補助金】
  • 3.再生計画策定に係る証明書【事業承継補助金】
  • 4.認定市区町村又は認定連携創業支援事業者による特定創業支援事業に係る確認書

ダウンロードは、以下のリンクより可能です。

平成29年度 創業・事業承継補助金|応募書類

事業計画書様式を見ると分かりますが、この補助金に優遇される1つのポイントとしては地域への貢献が挙げられます。事業承継5カ年計画の中でも頻繁に「地域との連携」というワードがありますので、今後ますます地域と連携した企業姿勢は求められるのでしょう。

まとめ

今後、会社を誰に託すのか、どのような形で引き継ぐのかは日本の未来にとっても非常に重要な問題だということが分かりました。そのため、中小企業庁による事業承継補助金を始めとする支援もホンキです。

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