決済サービスの多様化がビジネスの世界でも加速しています。
最大手インターネットサービスグループ企業GMOインターネットグループの中で決済・金融関連を担当する「GMO-PG」が最大手保険会社である「損害保険ジャパン日本興亜」と提携し、B to B向けのファクタリングサービスを開始します。
売掛債権の現金化が理由で事業の資金繰りにお悩みだった事業主の方、必見のサービスです。
目次
1.売掛債権を現金化するファクタリングサービスとは?
あなたが消費者に商品を売り、支払いは現金の場合は即現金化ができています。しかし、これが取引先の場合はどうでしょうか?
通常、取引先と自社がやり取りし金銭のやり取りが発生する場合、会社ごとに定められた締め日(月末など)でまとめて請求書を発行します。請求書を発行しても、すぐに入金してくれる取引先もあれば何度も請求しないと支払ってくれない所もあります。(そんな所とは取引をしたくないのは山々ですが、なかなかそうもいかない事情があるのです)
ファクタリングサービスを使えば、間にファクタリングサービス提供会社が入り、あなたにすぐに売掛金の請求額を現金として支払ってくれます。手数料は1回2%~で1回3件以上の取引先から利用が可能です。
2. 商品名は元々ある「GMO B to B早払い」
今回ご紹介しているファクタリングサービスは、GMO-PGという会社(PGはPayment Gateway の略)が元々EC事業者向けに提供していた既存サービスです。GMO-PGは東証一部上場もしており、決済事業者として初めてビットコインによる決済サービスも提供しています。
※上記URLをクリックすると、GMO-PGの公式サイトへリンクします
EC事業者とは何か?それはWeb上でショッピングができるECサイトを運営している事業者のことです。Amazonも楽天ももちろん超大手のEC事業者です。
【GMO B t o B早払いの概要】
内容 | BtoB EC事業者が保有する売掛債権をGMO-PGが買 い取ることで、入金期日よりも 早期に売掛金を資金化することのできるサービス。 |
導入メリット | ・企業間取引の掛け売りに対応しながら、売掛金の 入金前に資金調達が可能 ・代金の未回収リスクを軽減 ・キャッシュフローの改善・向上 ・資金繰りの改善・向上 [貸借対照表(B/S)のスリム化。 |
債権買取額 | 100万~1億円 |
買取者数 | 3社~ |
手数料率/回 | 2%~ |
※引用: GMO BtoB早払い プレスリリース
これまでGMO-PGが提供していたGMO B to B早払いを利用したい事業者は多く、EC事業者だけにはとどまりませんでした。そこでGMO-PGはこのファクタリングサービスの対象の範囲を広げる決断をしたわけです。GMO-PGが目を付けたのは、売掛金の安定した回収を希望する事業者=取引信用保険の加入事業者です。
3.損保ジャパン日本興和の「取引信用保険」の加入事業者が対象
GMO-PGは新たなファクタリングサービスを開発したのではなく、サービス内容の改変を行いました。どのような改変かと言うと、損保ジャパン日本興和の提供する「取引信用保険」の加入者(=事業者)にも使えるように対象顧客を拡大したのです。
損保ジャパン日本興和側のホームページ内の「取引信用保険」では、このサービスを「早期資金化サポート」という言葉で表現しています。
4.損保ジャパン日本興和の「取引信用保険」とはどんな保険商品?
- 売掛債権が回収できない企業に損保ジャパン日本興和が保険金を支払う
- 取引先からの入金遅延を保証する特約は「BCP特約」と言う
BCP 特約の BCPはBusiness Continuity Planの略で、事業継続計画という意味があります。保険商品は時代を反映する鏡ですが、最近では一般の方向けに働けなくなった時の保険として「就業不能保険」や「就業補償保険」が注目されていますよね。
BCP特約はその事業者版と言っても良いのではないでしょうか。取引先に請求したのに支払いが遅延する、または支払いが回収できないといった事業主の数は年々増加しています。2016年の国内企業の倒産件数は8,164件と7年連続で更新され、その多くが資金繰りの悪化による倒産とのデータも発表されています。
まとめ
インターネット業界大手企業であるGMOと保険業界の大手企業である損保ジャパン日本興和がタッグを組むことにより、これまで資金繰り悪化で廃業していた中小企業への支援になることが期待されています。ファクタリングには手数料、保険には保険料がもちろんかかりますが、多額の売掛金のある企業にとってはメリットの多いファクタリングサービスの登場です。
ただしファクタリングサービスの利用は、一時的な資金調達方法の一つとして考えましょう。利用する際の手数料相場は10%以上となり、安いものではありません。経営に余裕がある場合は、ファクタリングサービスを利用するのではなく、入金されるまで待つこともお考え下さい。