クラウドファンディングはネット上で資金調達ができるシステムです。便利な一方で、クラウドファンディングサイトによりサービスの質に差がる点が問題視されています。
そんな中、千葉県の銚子信用金庫がクラウドファンディング運営会社と連携したというニュースが話題になっています。一体どのようなサービスなのでしょうか?
目次
1.ミュージックセキュリティーズ株式会社は音楽事業と証券化事業を行う企業
銚子信用金庫が今回連携したクラウドファンディング運営会社はミュージックセキュリティーズです。面白いことに、音楽事業と証券事業という相容れない2つの事業を両立している企業です。音楽事業の方では独自レーベルを持ち、有名なところではラッパ我リヤなどが所属しています。
この会社の運営しているクラウドファンディングサイトは、「セキュリテ」です。今回、銚子信金と連携するプラットフォームもセキュリテを利用します。
CAMPFIREやMakuakeなど購入型クラウドファンディングとは異なり、セキュリテはファンド型(事業投資型)クラウドファンディングとして知られています。元はミュージシャン向けの資金調達に特化したサイトでした。2007年頃から埋もれる日本の産業や被災地支援など幅広いファンドを掲載しています。
2.どんな仕組みの資金調達なのか?
実は、ミュージックセキュリティはクラウドファンディングでの知名度はあまり高くありませんが、証券化事業は定評があります。証券化事業を始めたのも最近ではなく、15年以上のキャリアがあります。テレビ東京の「ガイアの夜明け」という番組でミュージックセキュリティーズが特集されたこともあるほどです。
【調子信金×セキュリテの資金調達ビジネスモデル】
- 1.銚子信金の顧客へ銚子信金がセキュリテを提案する
- 2.紹介された顧客はセキュリテで資金調達(ファンド作成)を行う
- 3.セキュリテは銚子信金へ顧客紹介料を支払う
このビジネスモデルでは、銚子信金の利用者というクラウドファンディングになじみのない顧客層を新たにミュージックセキュリテ側が取り込めることができます。また、銚子信金側にとっても顧客紹介料という収入源が増えますので、双方にメリットがあると言えるでしょう。
3.他の金融機関とも連携しているセキュリテ
クラウドファンディングサイトと金融機関の連携は日々進化しています。セキュリテは銚子信金以外にも岐阜県の十六銀行とも連携しています。
上記の図をご覧いただくと、地域の事業者と十六銀行、そしてセキュリテというクラウドファンディングサイトが双方に連携しているのがお分かりいただけると思います。
4.Makuakeなど他のクラウドファンディングサイトも続々と連携中
セキュリテだけでなく、他のクラウドファンディングサイトと金融機関の連携も進化中です。例えば、多摩信用金庫とMakuake(Makuake)を運営する株式会社サイバーエージェントは2018年7月より提携しています。
この連携では、単に顧客紹介をするのみでなく以下の共同支援プロジェクトを選定しています。
最高のハーブ「うえのはらハーブガーデン」と最高の塩「紅彩塩」のコラボレーション!
※上記URLをクリックすると、Makuakeの公式ページにリンクします
金融機関にとって、共同プロジェクトを行う意義はテストマーケティングや広報・PRに生かしたいという趣旨があります。現在、事業の形態はインターネット普及により幅広くなっており(ネット通販の増加など)います。ネット系に強いクラウドファンディングと連携することにより、金融機関にも知りえない新たな事業や融資チャンスを見つけることができるのです。
まとめ
クラウドファンディングはネット上のみで完結するように見えますが、実際にクラウドファンディングサイトと金融機関が連携していることにより提供できるサービスです。
ユーザーにとってクラウドファンディングと金融機関の連携は、より資金調達の種類が増えるためメリットになると言えます。