ヨーグルトきのこで大ブレイク!ケフィア事業が1053億の巨額破産した理由

ヨーグルトきのこで大ブレイク!ケフィア事業が1053億の巨額破産した理由
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

2018年9月、ケフィア事業振興会とグループ関連会社が東京地裁に対し破産申請をしました。その負債額はなんと1053億円にも上り、債権者は3万人以上となる巨額破産となりました。

食品通販で売上は順調に伸びていた株式会社ケフィア事業振興会ですが、巨額破産の背景には一体何があったのでしょうか?

1.㈱ケフィア事業振興会の行っていた事業の概要

ケフィア事業振興会とは株式会社の名前で、1992年に創業し、主にWebサイト上で健康食品ケフィアを販売していました。ケフィアとはロシア語でヨーグルトを指す言葉です。ヨーグルトと比較しより多くの乳酸菌を含み、生きて腸まで届くので成長作用や美肌効果、免疫力の向上などの効果が期待できるとされています。

ケフィア事業振興会を創業した代表取締役:鏑木秀彌(かぶらぎひでや)氏は東京府中市の出身の方です。立教大学卒業後に農業関係の出版社で勤務していました。その後、南米に青年海外協力隊として渡った経験を元に、ケフィア事業をスタート。元々持っていた農業の知識と海外渡航の経験をもとに事業を発展させました。。

ケフィア事業振興会はケフィアの種菌だけでなくほし柿なども販売し、2013年から2017年の4年間で売り上げは4倍、7月期の売上高は1004億円にも上りました。ケフィアとは別物ですが、そういえば一時「ヨーグルトきのこ」が流行っていたような気がします。しかし、それだけで40ものグループ企業もできるほど利益を得られたのは意外な気がします。

2.売り上げは主に「オーナー制度」によるものだった

ケフィアだけで1004億円も売上げたのではありません。この売上は通販を通した購入から得たものではなく、ほぼオーナー会員からの収益でした。

オーナー制度とは、ケフィアの商品(干し柿やメープルシロップなど)オーナーになれば「半年間で10%の利回りで資金をリターンする」という投資的な内容でした。この契約は「買戻特約付き売買契約」と言い、不動産業界でも知られる契約です。ケフィア事業振興会の場合いくつかのプランを提案していましたは、例えば1口10万円で1年間契約の場合は1年後に5500円の支払いをオーナー側にする約束をしていました。さらに、ケフィアの食品もオーナーにプレゼントされていました。

半年間で10%の利回りが保証され食品ももらえるのであれば、誰でもお金を払いますよね。ケフィアのオーナー制度は主に老年層を中心に広がっていきました。60代女性で最高1億円も出資した方もいたそうです。

3.破産申請したのはグループ会社を含め4社

無謀なオーナー制度は破綻するしかありません。ケフィア事業振興会には約40社のグループ会社があり、今回は破産申請をしたのはこのうちケフィア事業振興会を含む以下の4社です。

  • 1.ケフィア事業振興会(食品の通信販売)
  • 2.太陽光発電事業(かぶちゃんメガソーラー)
  • 3.水晶山温泉ランド(観光施設を運営)
  • 4.かぶちゃん九州(干し芋等の製造)

既にこれらの会員を弁護するための「ケフィアグループ被害対策弁護団」も結成されています。都内で開かれた説明会は2回開催されましたが、各回共に満席。弁護団が直接確認した被害額は84億円にものぼります。

4.資金調達は融資でなく会員から行っていたが

実は、このオーナー制度については業界内でも疑問を呈する風潮もありました。しかし、有料会員にはこまめに物品を配り、優良オーナーには歌舞伎公演への無料招待や海外旅行などのプレゼントを定期的にすることで、資金不足の印象を隠蔽していた疑いがあります。

通常、これだけの規模の売上を誇る企業であれば、銀行から融資は受けられるはずです。しかし、ケフィア事業振興会があえて資金調達を金融機関ではなく有料会員からしていたのは、その方が儲かるから、その方が簡単だったからかもしれません。また、融資は事業内容や将来性も審査されますので、それらを真剣に考慮して融資を受けるよりオーナー会員からお金を得る方が楽だったのかもしれません。

まとめ

ケフィア事業振興会の破綻の理由は、そのオーナー制度が破綻したからでした。ケフィア事業振興会が栄えたのもオーナー制度のおかげですが、破綻したのもオーナー制度のせいとは皮肉なものです。

日本にない健康食品を紹介し販売する、という着眼点は素晴らしいのですが、その後の事業計画にはムリがあり軌道修正をすべきだったと言えるでしょう。

 

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