アパレルの実店舗数が2年連続で減少する中、ファッション系のECサイトは拡大傾向にあります。連日芸能ニュースを賑わす前澤社長の率いるZOZOTOWNもその一つ。
今回のニュースは、インスタとファッションのマッチングサイトであるMODALAVAが第三者割当と創業融資で資金調達した件です。
1.MODALAVAはどんなサイト?
①インスタを使ったフリマサイトを展開
MODALAVA 株式会社(https://www.modalava.com/)が手掛ける事業は「あなたのセンスとファッションへの愛をより豊かで未来へつなげる」というコンセプトから成り立っています。一見、アパレル会社?と思われる方もいるかもしれませんが、会社の主な事業はECサイトを介して行われており、ECサイト運営とマーケティング事業を手掛けている会社です。
どのようなECサイトかと言うと、「インスタグラム」を使ったフリマアプリサービスです。今、インスタを使っている人は多いですよね。Facebookやヤフオク!やメルカリと同じように、SNSを商売のツールにしようとしている人は沢山います。しかし、インスタグラムの場合は営業目的でのインスタ利用は規約違反となっています。
そこで登場したのがMODALAVA。あなたがインスタにハッシュタグ(#)をつけて投稿したファッションはMODALAVAサイトを経由すれば、ユーザーと直接取引して販売することが可能なのです。
【MODALAVAの Open Closet Online/Marketの仕組み】

自信のインスタグラムの自己紹介欄に「メルカリやってます」とアピールしたい人は潜在的に多く、メルカリの相談ページでも「インスタにメルカリやってますと書いていいのか?」というトピックが立ち上がるほどです。MODALAVAはそんな需要に応える形でできたサービスです。安くてカワイイ量産品をどんどん買って、どんどん売る。そんなファッショニスタはとにかく洋服の回転数(同じ服を何回も着ない)を重視するため、MODALAVAは時代に合ったサービスと言えるでしょう。
②#ootd専属買取クラブとは

もう一つのコア事業は、中古服を買いたい事業者とファッション好きなユーザー(ファッショニスタ)を結びつけるマッチングサービスの#ootd専属買取クラブです。
インスタグラムを見て「この人の売り出す洋服は売れそう!」と思う事業者は、スカウトオファーをそのインスタユーザーにMODALAVA経由で出すことが可能です。事業者からスカウトを受けたファッショニスタは毎月1回、自分の手持ちの洋服を買い取りに出すことが可能です。自分から持ち込むよりも、買取価格が高めになるのがファッショニスタにとってはメリットになります。
MODALAVAの主なターゲットはファッションが大好きなファッショニスタやアパレル関係の人たち。フリマアプリ事業以外にも実際のイベントを開催し、そこからファッション好きな人達をマッチングさせるマッチングサービスを展開しています。
2.第三者割当とは?
さて、このMODALAVA㈱は2018年11月、第三者割当と創業融資による800万円の融資実行を発表しました。創業融資という言葉はこのサイトをご覧いただいている皆様には馴染みの深い言葉だと思いますので割愛しますが、第三者割当とは一体なんでしょうか?
①第三者割当は増資
簡単に言うと、第三者割当とは増資のことです。株主だけでなく特定の第三者に向け株式を発行し、資金調達を行います。資本金を増やすということは、企業の自己資本比率を高めますので、結果的に融資にも通りやすくなります。
今回、第三者割当と創業融資を同時に行うという鮮やかな手法を使ったことにより、業歴の浅いECサイト運営(2017/7創業)では破格の800万円という融資に成功しています。
ちなみに、増資自体の解説については当サイトの以下既存記事もぜひご覧ください。
資本金を増資するための3つの方法と増資することのメリット・デメリット
②第三者割当はM&Aにも有効
一定数以上の株式を第三者が持つということは、経営主体も第三者に回るということも意味します。第三者割当をM&Aの買収手段として利用する方法もあります。この場合、買収される企業の体質が貧弱なままM&Aを行うと、買収後に資産価値が下がり損をしてしまうこともあります。
まとめ
テレビではなく動画サービス、一般のアパレル販売店ではなくフリマアプリというように、消費の形態がインターネット普及によりどんどん様変わりしています。
ECサイト運営は施設費がかからず運営費も少なめという見た目がある業態ですが、業績や将来性によっては大きな額の資金調達も可能です。