4月7日に閣議決定された「緊急経済対策」では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者への支援策として、「持続化給付金」の創設が発表されました。
今回は、この持続化給付金に関して、4月9日時点で分かっている情報を解説します。
本件の相談窓口は下記になります。
中小企業 金融・給付金相談窓口 受付時間:平日・休日ともに、9時00分~17時00分 |
※本制度は、令和2年度の補正予算成立を前提としたものであり、まだ制度の詳細も公表されておりません。現時点(本記事公開時4月9日17:00現在)では申請できない点にご留意ください。詳細が確定次第、今後本記事も更新していきます。
なお、現在利用できる新型コロナウイルスに関連する融資制度については当サイトの下記の記事でもまとめておりますので、こちらもぜひご一読ください。
・中小企業事業者に特化した支援のまとめ記事
【無利子での融資を発表!】新型コロナウイルスの影響を受けている中小企業への支援策まとめ
・商工中金の危機対応融資に関する記事
【新型コロナ関連中小企業向け融資】商工中金の危機対応業務を解説!実質無利子の支援も
・個人事業主・フリーランスに特化した支援のまとめ記事
【新型コロナ関連】個人事業主・フリーランス向け無利子融資などの支援まとめ
返済不要の支援策「持続化給付金」とは
4月7日に閣議決定された「緊急経済対策」の支援内容として、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者への支援策が追加されました。
【参照:新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ】
そのなかで、新たに創設が発表されたのが「持続化給付金」です。
「持続化給付金」の概要
経済産業省の発表によると、持続化給付金は、感染症拡大により、特に大きな影響を受けている事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧となる、事業全般に広く使える給付金とされています。
現在発表されている内容は下記表の通りです。
【持続化給付金の概要】
【給付対象者】 ・中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者等、その他各種法人等で、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が前年同月比で50%以上減少している者 ※資本金10億円以上の大企業を除き、中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者を広く対象とする。また、医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など、会社以外の法人についても幅広く対象となる(※4/13追記) |
【給付額】 前年の総売上(事業収入) — (前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月) ※上記の算出方法により、法人は200万円以内、個人事業者等は100万円以内を支給。 |
【参照:新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ(P24)】
【参照:持続化給付金に関するお知らせ】
一言で言えば、今年1月から12月までに、1ヶ月でも売上が半減した事業者に対して、法人なら200万円、個人事業主なら100万円を上限に現金が支給される制度ということです。
法人だけでなく、フリーランスを含む個人事業主も対象になりますので、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した幅広い事業者に対応した制度となっています。
なお、持続化給付金の令和2年度補正予算案額は2兆3,176億円です。
【参照:令和2年度補正予算案の事業概要(経済産業省PR資料)】
※注意
「持続化給付金」制度は、令和2年度補正予算案の成立を前提としていますので、本記事に記載している内容は確定した内容ではありません。詳細は決定後速やかに経済産業省Webサイトで発表されますので、続報を待ちましょう。
持続化給付金、補正予算成立前の現時点でのポイントは?
持続化給付金については、4月7日に閣議決定された経済対策「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策~国民の命と生活を守り抜き、経済再生へ~」でいくつかのポイントが判明しています。その内容をまとめた下記資料からわかるポイントを説明していきます。
【参照:新型コロナウイルス感染症緊急経済対策~国民の命と生活を守り抜き、経済再生へ~(内閣府)】
ポイント①給付金の使い道は事業全般に広く使える
今回の給付金について、使い道は事業全般に広く使える、とされていますので、事業に関連した使い道であれば限定されずに使えることが分かります。
通常、企業が金融機関から融資を受ける場合は資金使途が運転資金もしくは設備資金なのか、具体的に何に使われるのかも問われますので、極めて異例な措置といえるでしょう。
▲P21から抜粋:新型コロナウイルス感染症緊急経済対策~国民の命と生活を守り抜き、経済再生へ~(内閣府)
ポイント②オンラインでの電子申請を原則とする方針
下記に記載の通り、持続化給付金の申請にあたっては、申請者の負担を極力減らすために、オンラインでの電子申請ができるようになる見込みです。
▲P22から抜粋:新型コロナウイルス感染症緊急経済対策~国民の命と生活を守り抜き、経済再生へ~(内閣府)
また、SankeiBizの下記記事によれば、提出書類に不備がなければ、オンラインの場合は申請~書類の確認~給付までを2週間程度でできるようにしたいと報じられています。
Q 給付を受けるまでに時間がかかるのでは
A スピーディーな給付を実現するため、政府はオンラインでの申請も可能にする方針だ。経済産業省の担当者は、提出書類に不備がない場合、オンラインの場合は申請から書類の確認、給付までを2週間程度でできるようにしたいとしている。給付金を真に必要とする中小企業や個人事業主などに制度の内容が正確に伝わるよう、周知には一段の工夫が求められる。
【出典:給付金ポイントQ&A(SankeiBiz)】
※具体的にどんな電子申請のシステムを利用するかについてはまだ発表されていませんので、詳細は経済産業省のWebサイトなどからの発表をお待ちください。
今回の新型コロナの影響で金融機関窓口への相談・問い合わせが急増していますから、このように直接出向くことなくインターネット上で手続きできる環境を整えることは、一刻も早く事業資金を確保したい方には朗報ですね。
なお、経済産業省の補正予算案のPR資料の記載によると、下記のように国から委託等を受けた民間団体を通じて給付する流れとなっているようです(具体的な民間団体については未発表)。
ポイント③必要情報は法人・個人で異なる。2019年の確定申告書類の控えは必須!(※4/13追記)
4月13日に経済産業省が追加で発表した「持続化給付金に関するお知らせ」では、持続化給付金の申請にあたって下記の情報が必要ということが分かっています。
但し、今後変更・追加の可能性もありますので、確定情報は4月末に発表されると思われる続報でご確認ください。
■法人の場合 ・住所 ・振込先口座の通帳の写し(法人:法人名義) ・法人番号 ・2019年の確定申告書類の控え、 ・減収月の事業収入額を示した帳簿等(※様式は問わない) |
■個人事業主の場合 ・住所 ・振込先口座の通帳の写し(個人事業主:個人名義) ・本人確認書類 ・2019年の確定申告書類の控え、 ・減収月の事業収入額を示した帳簿等(※様式は問わない) |
【参照:持続化給付金に関するお知らせ】
「持続化給付金」の相談窓口は?
経済産業省は、4月8日のニュースリリースで、これまでの資金繰りに関する相談に加え、「中小企業 金融・給付金相談窓口」において給付金関係の相談を受け付けると発表しています。
本件の相談窓口は下記になります。
中小企業 金融・給付金相談窓口 受付時間:平日・休日ともに、9時00分~17時00分 |
まとめ
持続化給付金は、法人では上限200万円、個人事業主では上限100万円まで支給されるという非常に稀な制度です。昨年度と比較して売上が50%以上減少しているという方は、ぜひうまく活用しましょう。
一方、もし給付金が最大限まで支給されたとしても、運転資金の2~3か月分にしか満たないということも事実です。
日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付をはじめとする融資制度などもあわせて活用し、この苦境を乗り越えていきましょう。