コンサル上手な金融機関とそうでない金融機関の違いとは?

金融機関のコンサルティング業務の役割は主に2つあります。①自分たちでは気づけなかった企業の問題点を明確にすることができる、②問題点に合った金融サービスを提供してもらうことができることです。

その反面、コンサルティング業務がなければ、金融機関を利用していても問題点が明確にならず、間違った金融サービスを利用するだけになってしまうかもしれません。企業の改善には繋がりにいと言えるでしょう。

今回の記事では、金融機関のコンサルティング業務についてスポットを当てていきたいと思います。

1.金融機関の業務とは

金融機関が行う業務として大きく挙げられることが、利用者が所有している資金を預かる「預金」、金融機関が利用者に対して資金を貸す「貸出(融資)」、手形や小切手等の現金に代わるもので利用者へ資金を受け渡す「為替」とされており、利用者が資金を借りたり預けたりする際に発生する利息で金融機関は収入を得ることで成り立っています。

業務の中の一つである貸出を行う際には、利用者の経営に関する問題点や解決策を提案したりアドバイス(コンサルティング)を行うことが金融機関には求められています。金融庁のHPには「金融機関が行うコンサルティング業務は、的確な助言等により、債務者自身の課題認識を深めると同時にその課題を解決するための最適な提案をし、実行をすることが一般的である(参考元:金融庁HP)」のような記載があるほど力を入れるようにうたっています。

このように金融機関がコンサルティング業務を行うようになったのは、1998年6月に金融庁ができる前の行政部内の職員の方々向けに作られた「事務ガイドライン」が関係しています。この事務ガイドラインは2003年6月に改正され、改正された内容に、銀行が行う業務の中にコンサルティング業務が付随することが決定され、利用者のコンサルティング、企業の改善策の提案等を行うよう変化していったのです。

現在の金融機関業務の問題点

金融機関の仲介機能であるコンサルティング業務が取り入れられるようになったことで、多くの経営者は金融機関に期待していました。しかし、実際に事業主に対して最適な提案やアドバイスをしている金融機関は限られているのが現状です。

金融庁のHPにも

「監督・検査を通じて、金融機関によって金融仲介の取組みの内容や成果に相当の差がある(引用元:金融庁HP)」

といった記載があるほど問題とされています。

その理由として、資料作成やデータ整理などのルーチン作業(日々の業務でやらなければならない作業)が多く、企業が求めるニーズに応える余裕がないのだと推察されます。

2.コンサルティング業務に力を入れている金融機関の強みとは

金融機関に関わらず、ビジネスを行ううえで重要なことは、お客様である事業主からの「信頼」です。コンサルティング業務は事業主の事をよく知ることから始まります。事業主が抱える悩みや企業が抱える問題点を洗い出し、改善するためにはどうしたらいいのかを考え提案していきます。役に立つ提案ができれば、「信頼」を得ることができるでしょう。金融機関のコンサルティング業務は、ビジネスにおいて重要な「信頼」を得るためにも必要なものです。

金融機関のコンサルティング業務で事業主が得られること

また事業主は、金融機関に事業融資を申込む際に、会社の運営状態がまるわかりとなる決算書を金融機関に提出します。金融機関は数多くの決算書をチェックする中で、〈企業を見抜く力〉が付いてきます。例えば、「この資金繰りでは数年後に困るかもしれないから現時点で、資金を多めに借りておいた方が良い」という事や「今年の決算書では黒字だが累計損失が高いため、経営改善計画が必要」などの〈リアルな洞察力〉ができるようになります。

コンサルティング業務が無く、融資を繰り返していても、根本の問題点が改善できていなければ、企業の負担が増えてしまう可能性があります。融資を希望する事業主にとって、経営改善のアドバイスを貰えることは役に立つことでしょう。

利用者のニーズや課題の把握をしっかりとする金融機関は、融資審査の際にも企業にあった助言をしてくれます。ときには、単に決算書の内容をみて融資の可否を「YES」か「NO」の2択にするのではなく、2社から協同で融資を受ける方法等、いろいろな角度から提案してくれます。

また、最近では過去になかったWebサービスなど新たな事業も増えています。コンサルティング業務の強い金融機関では新しい事業の調査も行っており、どれほどの将来性があるかもきちんと把握しています。

これらの「可能性が高い資金調達手段を提案してくれる」「事業の将来性について客観的な意見をくれる」ということも、経営を行う事業主にとっては重要な事と言えるでしょう。

3.コンサルティング業務に強い金融機関の見分け方

国内には数多くの金融機関が存在しますが、金融機関によってはHP上に業務の一つとしてコンサルティング業務を記載している金融機関もあれば、記載がない金融機関も存在します。この点から見ると、積極的にコンサルティング業務を行っている金融機関とそうでない金融機関を見分ける1つのポイントとなるでしょう。

他にも、見分ける方法として、金融庁が策定・公表を行った「金融仲介機能のベンチマーク」があります。これは金融機関が行う仲介機能であるコンサルティング業務をどれだけ発揮して、どのような結果を出しているのか等を客観的に評価することができる、さまざまな目印の事を言います。金融庁の公式HPでも、金融機関もコンサルティング業務をもつために「自己点検・評価・開示・対話」をするべきベンチマークが必要だ、とPRしています。

ベンチマークには下記の2種類があります。

【共通ベンチマーク】・・・全金融機関がコンサルティング業務の取組み状況・コンサルティング業務の課題等を、特定の立場から見るのではなく様々な立場から見て評価する際に使用可能な5個のベンチマーク

【選択ベンチマーク】・・・各金融機関が考える事業戦略・ビジネスモデル等を取り入れたうえで選択可能な50個のベンチマーク

金融庁の狙いとしては、「金融機関の見える化」です。それぞれの金融機関を比較し、その結果を公表することは、利用者である事業主の利用率の変化や企業が成長することにより国の経済成長、金融機関の経営安定にもつながるものであるとうたっています。

金融機関によってはHPで「当行ではこのようにベンチマークを策定しました」というように積極的に取り組む姿勢を見せている金融機関もあれば、ベンチマークについて触れていない金融機関も多く存在するため、コンサルティング業務に力を入れている金融機関を希望する場合は、このベンチマークの有無を確認するのも1つの手段かもしれません。

 

まとめ

金融機関には本来、中小企業と対話をしてニーズの把握や課題解決提案をする機能があります。しかし、実際には余裕がなく経営支援サービスにまで力が及ばない金融機関も存在します。

事業融資等で利用する金融機関を選択する場合は、大手銀行だけではなく、仲介機能を持つ地域の信用組合など幅広く視野に入れてみましょう。また、コンサルティング業務に強みを持つ金融機関を探すのであれば、「金融仲介機能のベンチマーク」の有無も確認してみましょう。

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