東京都の制度融資の種類と利用方法

東京都の制度融資の種類と利用方法
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

制度融資は自治体と信用保証協会、金融機関の三社が連携することで運営されている融資制度です。

そのため、制度融資の内容は自治体ごとに大きく異なります。

そこで今回は、東京都における制度融資の種類や利用方法を解説します。

1.東京都の制度融資一覧

東京都の制度融資は非常に種類が多いので、傾向ごとにまとめてご紹介します。

(1)小規模企業向け融資

もともと制度融資は中小企業向けですが、その中でも従業員30名以下の小規模な事業者向けの制度融資です。

①小口

対象者従業員20人以下の小規模企業向けの小口資金調達向きの制度融資
融資限度額2,000 万円(全国の信用保証協会の保証付融資の合計残高を含める。)
融資期間運転資金7年以内(据置期間6か月以内を含む。)

設備資金10年以内(据置期間6か月以内を含む。)

融資利率(年率)【固定金利】

3年以内1.9%以内

3年超5年以内2.1%以内

5年超7年以内2.3%以内

7年超2.5%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.7%」以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

シンプルで使いやすい制度融資ですが、他に受けている信用保証付き融資と合計して2,000万円が限度額なので、他に融資を受けていない場合や、少額の追加融資が欲しい場合に向いています。

基本的に従業員や組合員の数が20人以下の小規模事業者や小規模組合が対象となっているので、それを超える企業や組合の場合は別の制度融資を利用しましょう。

②小口短期

対象者従業員20人以下の小規模企業
融資限度額2,000 万円(全国の信用保証協会の保証付融資の合計残高を含める。)
融資期間1年以内(据置期間 1 年以内を含む。)
融資利率(年率)【固定金利】

1.9%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.7%」以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

小口短期は基本的に20人以下の小規模事業者を対象にしていて、融資内容も小口とほぼ同じですが、短期と名の付く通り、1年以内の短期間かつ返済も一括のみとなっています。

また、利用条件を満たしている場合は、新規申し込み手続きを行うことにより契約を更新することも可能となっているのもポイントです。

返済期間が短いので、一時的に手元に現金が必要になった場合に向いていますが、審査に時間が必要となるために緊急時では間に合わない場合がある点には注意が必要です。

必要になる可能性があると予想ができる場合には早めに申請をしておきましょう。

③小規模企業

対象者従業員30人以下の小規模企業
融資限度額8,000 万円
融資期間運転資金7年以内(据置期間6か月以内を含む。)

設備資金10年以内(据置期間6か月以内を含む。)

融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

【固定金利】

3年以内2.1%以内

3年超5年以内2.3%以内

5年超7年以内2.5%以内

7年超2.7%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.9%」以内

 

責任共有制度の対象外となる場合

【固定金利】

3年以内1.9%以内

3年超5年以内2.1%以内

5年超7年以内2.3%以内

7年超2.5%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.7%」以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

少し金利は高めになりますが、返済期間を長めにとることができるので小規模事業者でも返済しやすくなっています。

また、極度型融資を行うことができるのも特徴です。

極度型融資とは、契約時に期間と限度額を決め、限度額内であれば期間内に何度でも借り入れを行うことができる融資形態のこと。

同一事業を2年以上行っている必要はありますが、非常に小回りが利く融資を受けられるため、極度型融資も検討してみると良いでしょう。

(2)一般事業資金融資

条件を満たす中小企業なら利用が可能な制度融資です。

①事業一般

対象者都内に事業所がある事業者
融資限度額2億8,000万円(組合4億8,000万円)
融資期間運転資金7年以内(据置期間6か月以内を含む。)

設備資金10年以内(据置期間6か月以内を含む。)

融資利率(年率)金融機関所定利率
信用保証料補助 信用保証料の2分の1

シンプルな事業性融資制度です。

大まかな外枠こそ決まっている制度融資ではあるものの、委託されている金融機関ごとの裁量が大きく、細かい違いがあります。

基本的な利用条件は満たしていても、金融機関ごとに審査点や金利、融資内容などに違いがあるので、その違いを見落として審査に落ちたり目的通りの融資が受けられなくならないよう、事前に金融機関に問い合わせをしておきましょう。

②極度枠設定

対象者2年以上同一事業を営んでいる事業者
融資限度額極度額 1 億円(組合 2 億円)
融資期間2年以内
融資利率(年率)金融機関所定利率

「小規模事業」の項目でも少し説明した「極度型融資」を行う制度融資です。

契約時に限度額を設定し、期間内かつその限度額内なら何度でも融資を受けられるため、資金調達と返済のバランスを自分で調整しながら融資を受けることができます。

ただし、契約途中に都外に移住する、事業を転換するなどして対象外となると新しく借り入れることもできなくなってしまうことには注意が必要です。

システムとしてはカードキャッシングで都度必要額を借りるのに近い制度融資です。

企業向けの融資制度で言うと当座貸越に近いものがありますが、当座貸越と違い担保が不要となっています。

そのため、一定期間以上同一事業を行う予定の事業で、経営を安定化させるために利用を検討しましょう。

③組合向け

対象者都内に事業所のある組合
融資限度額2億円(転貸資金の場合、1組合員につき3,500万円)
融資期間運転資金7年以内(据置期間6か月以内を含む。)

設備資金10年以内(据置期間6か月以内を含む。)

融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

【固定金利】

3年以内2.1%以内

3年超5年以内2.3%以内

5年超7年以内2.5%以内

7年超2.7%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.9%」以内

 

責任共有制度の対象外となる場合

【固定金利】

3年以内1.9%以内

3年超5年以内2.1%以内

5年超7年以内2.3%以内

7年超2.5%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.7%」以内

 

※官公需適格特例

「官公需適格組合」としての証明を受けた方は、上記の金利から

0.1%優遇します。

組合向けの制度融資です。

組合自体の事業資金として使うほか、組合員への転貸資金としても利用することができます。

こちらも2年以上同一事業を行っていれば極度型融資を行うことが可能で、特に転貸資金としての利用を考えている場合には有用です。

都内の組合であれば利用することができ、中小企業庁によって認められた「官公需適格組合」である場合は金利に0.1%の優遇を受けることができます。

(3)創業や新事業展開に利用できる融資

創業時や新事業展開など、事業拡大に向いている制度融資です。

①創業

対象者新たに創業する方や、創業5年以内の中小企業、組合
融資限度額3,500万円(融資対象1は自己資金(※3)に2,000万円を加えた額の範囲内)
融資期間運転資金7年以内(据置期間6か月以内を含む。)

設備資金10年以内(据置期間6か月以内を含む。)

融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

【固定金利】

3 年以内 1.9%以内

3 年超 5 年以内 2.1%以内

5 年超 7 年以内 2.3%以内

7 年超 2.5%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.7%」以内

 

責任共有制度の対象外となる場合

【固定金利】

3年以内1.5%以内

3年超5年以内1.6%以内

5年超7年以内1.8%以内

7年超2.0%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.2%」以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

文字通り創業時に利用できる制度融資です。

限度額はそこまで高くはありませんが、審査に通りづらい創業前や創業時に利用できるため、起業する際はとても助かる制度と言えます。

創業時に受けられる融資として有名な、日本政策金融公庫の新創業融資と比較すると、融資実行までに2か月程度時間がかかってしまいますが、金利が安いメリットがあります。

通常の制度融資で必要な書類に加えて創業計画書や確定申告書、決算書の写し、預金通帳などの自己資金を確認できる書類、必要な金額や既に導入した設備の領収証などの書類が多いため、提出前にはしっかり確認をしておきましょう。

②設備投資・企業立地促進 〔設備投資〕

対象者設備投資や設備導入を行う都内在住の事業者
融資限度額2億8,000万円
融資期間15 年以内(据置期間 2 年以内を含む。)
融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

【固定金利】

3年以内1.7%以内

3年超5年以内1.8%以内

5年超7年以内2.0%以内

7年超10年以内2.2%以内

10年超2.4%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.4%」以内

 

責任共有制度の対象外となる場合

【固定金利】

3年以内1.5%以内

3年超5年以内1.6%以内

5年超7年以内1.8%以内

7年超10年以内2.0%以内

10年超2.2%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.2%」以内

信用保証料補助 信用保証料の3分の2

主に機械装置や建物の設備へ投資する際に使用できる制度融資です。

融資期間が最長15年で据え置き期間も2年までと長いため、返済に融通が利きやすいのがメリット。

また、信用保証料補助も信用保証料の3分の2と補助が厚めなのもポイントとなります。

融資金額が大きくなりがちなので、すでに安定した経営を行っていて、老朽化設備の更新や事業拡大時の設備調達を行う際に利用を検討しましょう。

③設備投資・企業立地促進 〔企業立地促進〕

対象者事業所の立地変更を行う都内在住の事業者
融資限度額2億8,000万円
融資期間15年以内(据置期間2年以内を含む。)
融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

【固定金利】

3年以内1.7%以内

3年超5年以内1.8%以内

5年超7年以内2.0%以内

7年超10年以内2.2%以内

10年超2.4%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.4%」以内

 

責任共有制度の対象外となる場合

【固定金利】

3年以内1.5%以内

3年超5年以内1.6%以内

5年超7年以内1.8%以内

7年超10年以内2.0%以内

10年超2.2%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.2%」以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

工場・事務所・店舗の新増設、移転等を行う場合に利用可能な制度融資です。

「立地」とあるように、土地や物件に関する費用専用の制度融資のため、領収証や事業計画書などで融資資金の使途を明確に示す必要があります。

設備投資・企業立地促進 〔設備投資〕と融資内容はほぼ同様ですが、先述のように使途が違うほか、信用保証料補助は信用保証料の2分の1となっています。

利用には移転時に移転元と移転先がともに東京都内である必要があり、どちらか片方でも東京都外だった場合には利用ができませんので、注意しておきましょう。

④働き方改革支援

対象者働き方改革を行う事業者
融資限度額2億8,000万円(組合4億8,000 万円)
融資期間設備資金10年以内(据置期間1年以内を含む。)
融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

【固定金利】

3年以 1.7%以内

3年超5年以内1.8%以内

5年超7年以内2.0%以内

7年超2.2%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.4%」以内

 

責任共有制度の対象外となる場合

【固定金利】

3年以内1.5%以内

3年超5年以内1.6%以内

5年超7年以内1.8%以内

7年超以内2.0%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.2%」以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1
ただし、テレワークの取組の場合は信用保証料の3分の2

時差出勤やテレワークなどの働き方改革を行うことによって増加した運転資金や設備資金に対して利用することができる制度融資です。

基本的に働き方改革を行う場合はどんな方法でも利用することができます。

テレワークを推奨していることもあり、通常では信用保証料補助が2分の1のところ、テレワークを推進する場合は3分の2になるなど、より優遇される制度となっています。

⑤海外展開支援

対象者事業拡大によって海外展開を行う事業者
融資限度額2億8,000万円
融資期間設備資金10年以内(据置期間1年以内を含む。)
融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

【固定金利】

3年以内1.7%以内

3年超5年以内1.8%以内

5年超7年以内2.0%以内

7年超2.2%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.4%」以内

 

責任共有制度の対象外となる場合

【固定金利】

3年以内1.5%以内

3年超5年以内1.6%以内

5年超7年以内1.8%以内

7年超以内2.0%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.2%」以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

事業拡大によって海外展開を行う場合に利用できる制度融資です。

「海外展開支援」ではありますが、あくまで海外展開の補助であり、本店の所在地は東京都にある必要があります。

また、現在行っている事業と同一事業の海外展開のみで、新規事業を海外で行う場合には対応していない点にも注意が必要です。

提出書類として「海外展開事業計画書」や「海外展開支援内容証明申請書」といった書類も必要となるため、確認しておきましょう。

⑥チャレンジ

対象者新規事業や新商品開発、事業の多角化や転換を行う事業者
融資限度額1億円(組合2億円)
融資期間設備資金10年以内(据置期間2年以内を含む。)
融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

【固定金利】

3年以内1.7%以内

3年超5年以内1.8%以内

5年超7年以内2.0%以内

7年超2.2%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.4%」以内

 

責任共有制度の対象外となる場合

【固定金利】

3年以内1.5%以内

3年超5年以内1.6%以内

5年超7年以内1.8%以内

7年超以内2.0%以内

【変動金利】

「短期プライムレート+0.2%」以内

新規事業や新商品の開発、事業の多角化や転換を行う場合など、新たな事業の展開にチャレンジする場合に利用できる制度融資です。

ただし、どんな新規事業でも利用できるわけではなく、東京都が指定した重点強化対象となる事業を行う場合にのみ利用できます。

保育事業や研究開発事業、商店街の運営など様々な事業が指定されているので、新たに事業を始める場合はまず確認してみるといいでしょう。

対象となる事業はこちら(外部リンク)

⑦政策特別(金融機関提案)

対象者金融機関の経営支援を受けたい事業者
融資限度額2億8,000万円(組合4億8,000万円)
融資期間運転資金7年以内(据置期間6か月以内を含む。)

設備資金10年以内(据置期間6か月以内を含む。)

融資利率(年率)金融機関所定利率
信用保証料補助 信用保証料率0.2%相当分

金融機関が融資だけでなく経営や販売に関する経営支援を実施する制度融資。

新事業を行う場合はノウハウがないことも多いため、そのノウハウを金融機関から得られる点が非常に大きなメリット。制度融資ではあるものの、金融機関が主体となることもあり、金融機関側の裁量が大きい制度融資になります。

デメリットとして、アドバイスとノウハウを得られることと表裏一体ではありますが、経営に口を出されることになるため、自由な経営はしにくくなる点があります。

(4)経営支援融資

①危機対応

対象者危機関連保証制度などの緊急保証の認定を受けた事業者
融資限度額2億8,000万円(組合4億8,000 万円)
融資期間10年以内(据置期間2年以内を含む。)
融資利率(年率)3年以内1.5%以内

3年超5年以内1.6%以内

5年超7年以内1.8%以内

7年超以内2.0%以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

危機関連保証認定を受けている場合全額を補助

国の保証制度である危機関連保証制度を利用した制度融資です。

通常の信用保証とは別枠で危機関連保証制度による信用保証を受けられるというもので、融資枠自体が特別な枠となるので他の制度融資と併用しやすいのがメリットです。

また、信用保証料の保証率が100%となるのもポイント。

利用するには危機関連保証の認定を受ける必要があります。

緊急時に利用できる制度のため認定が少し厳しめでしたが、令和2年新型コロナウイルス対応補正予算成立により、市町村による危機関連保証認定の条件が緩和されています。

新型コロナウイルスで売り上げが落ちている場合には、是非利用したい制度融資です。

危機関連保証についての詳細はこちら

②経営セーフ

対象者セーフティネット保証制度に関わる認定を受けている事業者
融資限度額2億8,000万円(組合4億8,000 万円)
融資期間10年以内(据置期間2年以内を含む。)
融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

3年以内1.7%以内

3年超5年以内1.8%以内

5年超7年以内2.0%以内

7年超2.2%以内

 

責任共有制度の対象外となる場合

3年以内1.5%以内

3年超5年以内1.6%以内

5年超7年以内1.8%以内

7年超以内2.0%以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

危機関連保証と同様に、セーフティネット保証制度に対応した制度融資です。

通常の保証、危機関連保証とは別枠なので、そこまでの金額が必要かどうか、審査が通るかといった話は置いておいて、全てを上限の2億8千万円まで利用すると、最高で8億4千万円が限度となります。

セーフティネット保証では1~8号の種類があり、どれも信用保証率は2分の1となっていて、信用保証率が少し低いものの認定の条件が少し緩くなっています。

こちらもセーフティネット保証制度により長期間かつ金額の大きい融資を受けることが可能なので、経営に困った際には利用できるかどうか調べてみましょう。

セーフティネット保証についての詳細はこちら

③経営一般

対象者セーフティネット保証とほぼ同様の内容の条件に当てはまる方
融資限度額1億円(組合2億円)
融資期間10年以内(据置期間 6 か月以内を含む。)
融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

3年以内1.7%以内

3年超5年以内1.8%以内

5年超7年以内2.0%以内

7年超2.2%以内

 

責任共有制度の対象外となる場合

3年以内1.5%以内

3年超5年以内1.6%以内

5年超7年以内1.8%以内

7年超以内2.0%以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

利用条件が8種類設定されていますが、そのほとんどがセーフティネット保証1~8号の認定条件とほぼ同様のため、実質的にセーフティネット保証利用による制度融資と考えることができます。

ほぼ同様ではあるものの、種類によってはセーフティネット保証よりも条件が緩く設定されていて、セーフティネット保証を受けられない場合でも経営一般制度融資は受けられるという可能性があります。

セーフティネット保証を受けたかったが受けられない、という場合は対象になっているかどうか調べてみるといいでしょう。

●経営一般制度融資の条件

  1. 「最近3 か月間(申込月の前々月を含めること。)の売上実績」又は「今後 3 か月間(申込月の翌月を含めること。)の売上見込」が前年同期と比較して、5%以上減少している。
  2. 「最近 3 か月間(申込月の前々月を含めること。)の売上実績」又は「今後 3 か月間(申込月の翌月を含めること。)の売上見込」が平成 20 年 8 月以前の直近同期と比較して、5%以上減少している。
  3. 原油価格の上昇により、製品の製造若しくは加工又は役務の提供(以下「製品等」といいます。)に係る売上原価のうち 20%以上を占める原油又は石油製品(以下「原油等」といいます。)の仕入価格が20%以上上昇しているにもかかわらず、物の販売又は役務の提供の価格(加工賃を含む。)の引上げが著しく困難であるため、最近 3 か月間の平均売上高に占める原油等の平均仕入価格の割合が、前年同期の平均売上高に占める原油等の平均仕入価格の割合を上回っていること。
  4. 金融機関からの総借入金が前年同期比 10%以上減少している。
  5. 倒産等企業(※2)に事業上の債権を有している。
  6. 災害により事業活動に影響を受けている。なお、当該災害について官公庁の発行するり災証明を受けていることが必要
  7. 東京都知事が指定する経営環境の急激な変化によって事業活動に支障を生じている方であって(アスべスト対策)、別に定める要件に該当している。
  8. 東京都知事が指定するものであって、別に定める要件に該当している。(2020 関連)

④事業承継(融資対象1)

対象者事業承継によって会社を引き継ぐ方
融資限度額2億8,000 万円
融資期間設備資金10年以内(据置期間2年以内を含む。)
融資利率(年率)金融機関所定利率
信用保証料補助 信用保証料の2分の1

事業承継、つまり会社を前任の事業者から引継いだ場合に利用できる制度融資です。

事業承継を行うときに税金などで消費しがちな運転資金、引継ぎ時に老朽化などで大きく入れ替える設備資金を補給できるため、事業承継を行う場合は是非利用したい制度融資と言えます。

事業承継の予定が10年以内にある、またすでに事業承継を行った場合でも、事業承継後5年未満なら利用が可能です。

この他、事業承継によって事業の継続に支障が出ていると都道府県知事に認定を受けた場合や、取引先の事業承継によって事業に支障が出たと認定された場合にも利用できます。

⑤事業承継(融資対象2)

対象者事業承継の影響で事業継続に支障が出ていると認定された方
融資限度額2億8,000万円
融資期間15年以内(据置期間2年以内を含む。)
融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

3年以内1.7%以内

3年超5年以内1.8%以内

5年超7年以内2.0%以内

7年超10年以内2.2%以内

10年超2.4%以内

 

責任共有制度の対象外となる場合

3年以内1.5%以内

3年超5年以内1.6%以内

5年超7年以内1.8%以内

7年超10年以内2.0%以内

10年超2.2%以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

「経営承継円滑化法」という法律により、事業承継の影響で事業継続に支障が出ていると認定された方が利用できる制度融資です。

融資対象1との違いとして、融資期間と融資利率の違いが挙げられます。

融資対象1では融資期間が10年、融資利率は金融機関所定利率となっていますが、融資対象2では融資期間が最大15年と長く、融資利率も金融機関によらず融資期間に応じて固定の利率となっているのです。

⑥事業承継(M&A つなぎ特例)

対象者M&Aによって事業承継を行う方
融資限度額2,500万円
融資期間3年以内(据置期間3年以内を含む。)
融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

3年以内1.7%以内

責任共有制度の対象外となる場合

3年以内1.5%以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

M&Aによる事業承継を行う場合に利用することができる制度融資です。

事業承継が目的の場合のみ利用できる制度で、廃業が前提の一時的な事業承継の場合は利用できません。

制度融資の内容としては少額かつ短期間、一括返済のみの融資となっていて、あくまでつなぎのための制度となっています。

⑦経営支援(融資対象1)

対象者認定支援機関による支援を受けている方向けの制度融資
融資限度額2億8,000万円(組合4億8,000万円)
融資期間運転資金5年以内(据置期間1年以内を含む。)

設備資金7年以内(据置期間1年以内を含む。)

既往の保証協会の保証付融資を借り換える場合は 10 年以内

融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

3年以内1.7%以内

3年超5年以内1.8%以内

5年超7年以内2.0%以内

7年超2.2%以内

責任共有制度の対象外となる場合

3年以内1.5%以内

3年超5年以内1.6%以内

5年超7年以内1.8%以内

7年超2.0%以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

認定支援機関による支援を受けている方向けの制度融資です。

認定支援機関とは、正式名称を「経営革新等支援機関」といい、中小企業の経営に対し様々な支援をしてくれる国に認定された機関のことです。

認定支援機関には融資相談を行っている機関があり、融資対象1はその支援を受けた場合にのみ利用可能となります。

認定支援機関についての詳細はこちら

基本的に運転資金5年以内、設備資金7年以内となっていますが、東京都または東京都内の市区町が実施している他の制度融資の借り換えに利用する場合は例外的に融資期間が10年以内となります。

⑧経営支援(融資対象2)

対象者保証協会など公的機関に支援を受けている方
融資限度額2億8,000万円(組合4億8,000 万円)
融資期間10年以内(据置期間2年以内を含む。)
融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

3年以内1.7%以内

3年超5年以内1.8%以内

5年超7年以内2.0%以内

7年超2.2%以内

 

責任共有制度の対象外となる場合

3年以内1.5%以内

3年超5年以内1.6%以内

5年超7年以内1.8%以内

7年超2.0%以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

保証協会や商工会議所、東京都中小企業振興公社や東京都よろず支援拠点に支援を受けていることが前提条件となる経営支援制度融資です。

利用の際には「経営支援型」に関わる改善計画書の写しを提出する必要があり、改善計画に記載した以外の用途に利用することができません。

利用の際には他の融資と比較しても綿密な計画性が必要となる制度融資です。

⑨経営支援(融資対象3)

対象者「事業再生計画実施関連保証制度」を利用している方
融資限度額2億8,000万円(組合4億8,000 万円)
融資期間15年以内(据置期間1年以内を含む。)
融資利率(年率)責任共有制度の対象となる場合

3年以内1.7%以内

3年超5年以内1.8%以内

5年超7年以内2.0%以内

7年超10年以内2.2%以内

10年超2.4%以内

 

責任共有制度の対象外となる場合

3年以内1.5%以内

3年超5年以内1.6%以内

5年超7年以内1.8%以内

7年超10年以内2.0%以内

10年超2.2%以内

信用保証料補助 信用保証料の2分の1

経営改善のため国の制度である「事業再生計画実施関連保証制度」を利用している場合に利用可能な制度融資です。

融資期間が最大15年と長いのが特徴で、長期間の場合は金利も少し上がりますが、余裕を持った返済を行いやすい制度融資になります。

こちらも事業再生計画の計画書を提出する必要があり、その計画書に書かれていない資金使途には使えません。

(5)企業再生支援融資

①企業再生(法的整理型)

対象者民事再生、または再生手続き終了を行う方
融資限度額2億円
融資期間設備資金10年以内(据置期間1年以内を含む。)
融資利率(年率)金融機関所定利率
信用保証料補助 信用保証料の2分の1

民事再生、または再生手続き終了を行う場合に利用可能な制度融資です。

事業の再建と償還の見通しが立っていなければ利用できず、審査や資金使途への制限が厳しいといった制約はあるものの、融資を受けることができれば事業再生には大きく役立つ制度となっています。

また、場合によっては物的担保が必要となることもあるため、利用したい場合はまず金融機関や役場に相談を行ってみるといいでしょう。

②企業再生(私的整理型)

対象者公的機関による支援を受けた再生計画を実行する方
融資限度額2億円
融資期間10年以内(据置期間1年以内を含む。)
融資利率(年率)金融機関所定利率
信用保証料補助 信用保証料の2分の1

東京都中小企業振興公社や整理回収機構などの公的機関による支援を受けた再生計画や、私的整理ガイドラインに従った再生計画を実行する場合に利用できる制度融資です。

指定された公的機関による支援を行った場合にしか利用できないので、事業再生を行う場合はどこの支援を受けるかあらかじめ考えておく必要があります。

③特別借換

対象者既に借りている他の保証協会付き融資の借り換えを行う方
融資限度額借り換える保証協会の保証付融資の既往融資残高に、事業計画の実施に必要な資金及びこの融資に係る諸費用を加えた額の範囲内
融資期間設備資金10年以内(据置期間6か月以内を含む。)
融資利率(年率)金融機関所定利率
信用保証料補助 信用保証料の2分の1

既に借りている他の保証協会付き融資の借り換えに使える制度融資です。

ただ単に借り換えるだけでなく、事業計画に必要な資金や借り換えにかかる諸経費をまとめて借りることができるため、使いやすい制度融資となっています。

金融機関所定の利率となるため計画性は必要になりますが、特に長期間の融資の返済負担を軽減することができます。

2.東京都の制度融資に必要な書類

(1)共通書類

①法人の場合

信用保証委託申込書各1部
信用保証委託契約書各1部
個人情報の取扱いに関する同意書2部
印鑑証明書(申込人及び連帯保証人のもの)各1部
商業登記簿謄本各1部
確定申告書(決算書)の写し(原則直近2期分)2部
納税証明書(法人税<その1>又は事業税)各1部
見積書又は契約書の写し(設備資金の場合のみ必要)各1部
創業計画書(創業融資を利用する場合及び業歴1年未満の場合に必要)各1部

②個人の場合

信用保証委託申込書各1部
信用保証委託契約書各1部
個人情報の取扱いに関する同意書2部
印鑑証明書(申込人及び連帯保証人のもの)1部
所得税の確定申告書の写し(原則直近2期分)2部
納税証明書(所得税<その1>又は事業税)各1部
見積書又は契約書の写し(設備資金の場合のみ必要)各1部
創業計画書(創業融資を利用する場合及び業歴1年未満の場合に必要)各1部
信用保証委託申込書各1部

(2)その他の必要書類

融資を受ける経営者の状況や利用する制度によって、提出を求められる書類があります。

①創業計画書

創業融資の場合に必要な書類です。計画のために調べたデータなどの情報も添付書類として要求されます。

②預金通帳またはその写し

自己資本の金額や預金残高の推移を示すために必要な書類です。

融資を受ける際の審査では自己資本比率や、預金が一定のペースで貯められているか、といった点が重要視されるので、その証明のために提出します。

③貸借契約書

融資を申請する前の段階で既に借りている物件や設備がある場合は貸借契約書が必要です。

④領収証

融資を申請する前の段階で既に購入している設備がある場合は領収証を提出します。

⑤設備投資計画書

設備投資目的で融資を受ける際に必要です。より精度の高い融資金額を決められるため重要。

⑥「働き方改革支援」申込書

働き方改革支援を受ける場合、必要になります。支援を受ける際にどのような働き方改革を行うのかを示す書類です。

⑦海外展開事業計画書

海外展開支援を受ける際に必要となる書類で、独立行政法人や公益財団法人の支援を受けた場合、海外展開支援内容証明申請書も追加で必要となります。

展開を予定している国や地域、事業形態やサービス内容、スケジュールや所要資金などの情報を書き込みます。

⑧チャレンジ(事業継続計画(BCP))申込書

チャレンジ制度を受ける場合に必要な申込書です。

商工会議所などに支援を受けた場合は支援内容証明申請書を追加で提出する必要があります。

⑨自治体の長の認定書

危機管理保証やセーフティネット保証制度、事業承継を利用する場合に必要となる書類です。

危機管理保証やセーフティネット保証等の制度を利用する場合は、その制度の対象であることを示す認定書が必要となります。

認定手続きの方法は保証制度や自治体ごとに違い、認定書発行までは1週間前後の時間もかかるので、事前に確認しておきましょう。

危機関連保証制度についてはこちら

セーフティネット保証についてはこちら

⑩事業承継計画書

事業承継に関する支援制度を利用する場合、通常の事業計画書に加えて、事業承継の計画の提出も必要となります。

事業計画に関する関係者リストや現状の把握、今後の方向性などをまとめて、今後の計画をわかりやすく書きましょう。

⑪認定経営革新等支援機関による支援内容を記載した書面

認定経営革新等支援機関、通称「認定支援機関」による支援を受けている場合はその支援内容を提出する必要があります。

融資を支援してくれる認定支援機関自身が書類を作ってくれることが多いので、忘れるといったことはあまりないでしょう。

⑫金融機関が定める書類

金融機関の裁量が強い制度では、金融機関ごとに必要書類が異なる場合があるため、事前に確認しておく必要があります。

後になって「書類が足りない」といったことにならないよう、事前にしっかりと提出書類の内容は調べておきましょう。

3.東京都の制度融資を受けるまでの流れ

(1)地方自治体の窓口に相談

本店所在地、または主たる事業所の所在地がある市区長役場の窓口に相談を行います。

この時、受けたい制度融資が決まっていなくても事業や資金の状況を伝えると、おすすめの制度融資をあっせんしてくれる場合もあります。

(2)自治体の長から紹介状を受け取る

正確には窓口での受け渡しや郵送といった形になりますが、自治体の長に「制度融資の対象である」と認定されると紹介状が発行されます。

制度融資を受けるには必要ですので、必ず発行してもらいましょう。

(3)金融機関の窓口で融資を申し込む

紹介状を受け取ったら、金融機関の窓口で制度融資に申し込みをします。

信用保証協会への保証申し込みは金融機関が信用保証協会に直接連絡を取ってくれるので、信用保証協会に別途申請する必要はありません。

(4)信用保証協会の審査

金融機関からの連絡が行くと、その情報をもとに信用保証協会が融資を受ける本人の審査を行います。

審査を無事通過するとその情報が金融機関に伝わり、金融機関から融資が実行されます。

制度融資を受けるまでの流れの詳細はこちら

まとめ

東京都の制度融資は内容が非常に豊富で、様々な事業や状況に対応した制度融資を選んで利用することができます。

逆に言うと、数が多すぎてどれを選んだらいいかわからない、という状態に陥ることがありますが、そういったときには役所や融資の補助を行っている認定支援機関に相談してみるのがおすすめです。

創業融資ガイドを運営している株式会社SoLaboは、認定支援機関として融資を受ける際のご相談を無料で行っています。

制度融資の利用に関してお困りの際は、是非一度ご相談ください。

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東京都の制度融資の種類と利用方法