制度融資を受ける場合、金融機関と信用保証協会の審査を受けなければなりません。
今回は初めての制度融資でも審査に落ちないために、制度融資の審査のポイントについて解説します。
1.制度融資審査の特徴
(1)制度融資は信用保証協会を利用する
制度融資は、信用保証協会と地方自治体、金融機関が協力することで運用される融資です。
そのため、制度融資を受けるには金融機関に加えて信用保証協会の審査も必要です。
(2)審査時間が長い
地方自治体、信用保証協会、金融機関の3つが連携して行う融資のため申し込みから着金までにかかる時間が長めです。
平均的には大体3か月程度かかるので、すぐに着金しないと間に合わない、というような急に資金が必要になった場合には向いていません。
(3)審査のハードルが低め
基本的にこれから創業する方、創業してまもない(実績の少ない)事業者を支援するための融資制度なので、他の融資と比較してハードルが低めです。金利においても制度融資によって異なりますが、自治体が金利を負担することで1~3%前後の低金利で融資を受けることができます。
(4)自治体ごとに内容(限度額や条件等)が異なる
制度融資は自治体ごとに内容が違うだけでなく、審査の内容も異なります。
これは融資対象が違うために審査で見るポイントも変わるためです。
制度融資を受ける際は、受ける制度融資の内容や対象をしっかり確認しておきましょう。
2.制度融資審査の流れ
(1)信用保証協会に直接信用保証を申し込む場合
1 | 信用保証協会に信用保証を申請する |
2 | 信用保証協会の審査 |
3 | 信用保証協会から金融機関の融資あっせん |
4 | 金融機関の融資審査 |
5 | 融資実行 |
信用保証協会に直接信用保証を申し込む場合は、信用保証協会から申込者に合った融資制度をあっせんしてもらえる制度があります。
必要な額や状況にあった制度融資を選んでもらえるので、どの制度融資を選べばいいかわからない、という方でも安心です。
(2)自治体から信用保証協会に申し込む場合
1 | 自治体の窓口に相談する |
2 | 自治体の長からの紹介状を受け取る |
3 | 金融機関の窓口で融資を申し込む |
4 | 金融機関の審査 |
5 | 信用保証協会に保証依頼 |
6 | 信用保証協会が保証承諾 |
7 | 融資実行 |
自治体側から信用保証協会に申し込む場合は、自治体に相談して受ける制度融資を選んだあと、金融機関の窓口に申し込みを行います。
3.制度融資の審査ポイント
(1)地方自治体と信用保証協会のどちらに行くか決める
自治体に先に相談する場合、管轄の信用保証組合に保証依頼手続きを行ってくれるので、手間が省けて手続きが簡単です。
基本的にはこちらで申し込むことが多くなるでしょう。
信用保証協会に相談する場合、信用保証の申し込みは自分でやるので手間は増えるものの、経験ある信用保証協会の担当者が事業者に合った制度融資をあっせんしてくれます。
どの制度融資を選ぶのか悩んでいる場合はまず信用保証協会に相談してみるのもいいでしょう。
(2)自治体のホームページで利用できる制度融資を確認しておく
制度融資は管轄の自治体ごとに内容が大きく異なるので、どの自治体のどの制度を利用するのかの選択が重要です。
都道府県だけでなく、市区町村でも独自の制度融資を行っているので、目的に合っていない制度融資に申し込んでも審査に通りにくくなってしまいます。
(3)書類の数字には細心の注意を払う
融資を受けた後にきちんと返済できることを示さなければならないのは制度融資以外の融資と同様です。
特に創業時は希望的観測や無理のある数字で作成してしまう方がいらっしゃいますので注意しましょう。
もしも事業計画書の書き方がわからない、書くのが難しいという方は認定支援機関に助けてもらうのも手です。
創業融資ガイドを運営する株式会社SoLaboは融資を受ける手助けをしている認定支援機関です。
融資書類の作成について質問がある場合はまずは一度ご相談ください。
4.必要書類
(1)共通書類
制度融資は業種や状況を限定した制度も多くあるので、制度融資ごとに必要書類も異なります。
自分の受けたい制度融資に必要な書類を個別に確認しておくのが良いでしょう。
法人の場合
信用保証委託申込書 信用保証委託契約書 個人情報の取扱いに関する同意書 印鑑証明書(申込人及び連帯保証人のもの) 商業登記簿謄本 確定申告書(決算書)の写し(原則直近2期分) 納税証明書(法人税<その1>又は事業税) 見積書又は契約書の写し(設備資金の場合のみ必要) 創業計画書(創業融資を利用する場合及び業歴1年未満の場合に必要) |
個人の場合
信用保証委託申込書 信用保証委託契約書 個人情報の取扱いに関する同意書 印鑑証明書(申込人及び連帯保証人のもの) 所得税の確定申告書の写し(原則直近2期分) 納税証明書(所得税<その1>又は事業税) 見積書又は契約書の写し(設備資金の場合のみ必要) 創業計画書(創業融資を利用する場合及び業歴1年未満の場合に必要) 信用保証委託申込書 |
(2)制度融資ごとに必要な可能性のある書類
創業計画書 創業時に必要 預金通帳またはその写し 創業時に必要 貸借契約書 すでに借りている物件や設備がある場合に必要 領収証 融資を受ける時点ですでに購入したものがある場合は提出する |
まとめ
制度融資は必要書類の作成や審査に時間はかかりますが、審査自体は比較的通りやすく創業時やまだ実績が少ない企業にとって非常に利用しやすい融資です。
初めての制度融資で心配な場合は、認定支援機関に支援を受けることで融資の成功率を上げることができます。
創業融資ガイドを運営する株式会社SoLaboは融資を受ける支援をしている認定支援機関ですので、もし融資書類の作成について質問がある場合はまずは一度ご相談ください。