事業承継の後継者選びのポイントは?

事業承継の後継者選びのポイントは?
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

今あなたが55歳の経営者だとして65歳で引退する予定だとすれば、そろそろ事業承継の準備を始めた方がよいかもしれません。事業を正しく効果的に後継者に引き継ぐには、最低5~10年はかかると言われているからです。

法的なことは税理士や司法書士などに相談できるとして、後継者選びについてはどうしても経営者自身で頭をひねる必要があります。適切な後継者選びのポイントをお伝えしましょう。

1.事業後継者になり得る3つの選択肢から広く検討しよう

事業後継者=あなた息子や娘、と短絡的に考えてはいけません。自信の子息のみでなく、以下のような3つの選択肢から幅広く選択しましょう。

①【従業員の中から】最も経営に精通していてリーダーシップのある人物

あなたの仕事を常に見ている従業員やあなたが頼りにしている従業員を思い浮かべてください。その人物に経営の相談をしたことがあり、経営の話も何度となくしたことがあるのであれば、その従業員も後継者の選択肢に一つに入ります。

但し、あなたの事業に精通しているからといって、社長職を代わりにできるかと言うと、そんなに単純なものではありません。まず、本人に社長職をやり遂げる意思があるかどうかがとても大切です。また、それ以外にも社長(代表、CEO)という役割には独特で必要不可欠な素質や技術が必要です。

事業承継の後継者選びのポイントは?

上記は、2012年に中小企業庁が事業承継に関するアンケートをとった際の結果から最も必要な素質の上位4つを箇条書きにしたものです。小規模事業所とは小売業で従業員人数50人以下、サービス業で100人以下、卸売業で100人以下、製造業その他事業で300人以下の規模(他に資本金要件もあり)の事業所のことです。小規模事業所の場合、社長本人が営業できる、モノを作る能力などの技術力が高いと事業も安定して継続していきます。

事業承継の後継者選びのポイントは?

②【同じ業界内から選ぼう】親族や従業員以外の第三者

後継者候補として新たな従業員を育てるという選択肢もあります。また、他企業経験者をヘッドハンティングして自社の会社代表になってもらうという選択肢もあります。

自社の商品やサービスについてまるで知らない彼らですが、同じ業界内にいる優秀な人材を選べば時間をかければ、十分後継者としての役割を果たせます。また、あえて競合他社のビジネスモデルを組むこむため、あえて競合他社の優秀な人物を選ぶ場合もあります。

③【経営者の半数が選ぶ】親族

親族とは自身の配偶者や息子、娘などが候補になりますが、自分の姪や甥など少し離れた血縁関係の人物も候補に入れることができます。親族の場合は内部で事業を引き継ぐことができるという安心感や社内での理解を得やすいというメリットがある反面、適当な人物がいない可能性や能力が低い場合にクレームを受けやすいというデメリットもあります。

2.現役経営者が考える「後継者に不足するモノ」とは?

「事業承継したいけど、安心して任せられる人物がいないから廃業しよう」このように考える経営者も決して少なくありません。後継者の多くが持っていないと思われるモノとは一体何なのでしょうか?

①財務・会計知識

一部の人を除き、日本の従業員は海外で働く人と比べて財務・会計知識に乏しいと経営者は考えています。その理由は、これまで日本人の多くが終身雇用で会社勤めをするサラリーマンが多く、自らが経営者になるというタイミングが訪れないため、勉強する必要性があまりなかったからではないでしょうか。加えて、日本国内のビジネススクールは海外に比べて設立数は低くなっています。

後継者として社長職へ育てるのであれば、経営者として最も大切なことの一つである財務や会計知識をゼロから教え込まなくてはいけません。しかし、現事業を行いながら同時に財務・会計知識を教えるのは大変ですし、何より時間がかかります。

②自社の事業・業界への精通

従業員として長期間働いているだけでは、自社の事業についてしか理解できません。経営者になるには、自社との取引している企業の実態や特徴、そして今後どのように付き合っていけばいいのかなどの細かい部分も全取引先についてそれぞれ把握しなければいけません。また、スムーズに現経営者から後継者へバトンタッチするには、移行期間を設け、取引先へ「来期から代表になる〇〇君だ。よろしくね。」と挨拶まわりもしなくてはいけません。

3.事業承継の失敗例と成功例を知り、事業承継について備えよう

①後継者選ぶに失敗するとこうなる!ある中小企業の事例

後継者選びに悩んだある物流会社の社長は、昔から海外での滞在が大好きでした。そこで、60歳とかなり早い段階で事業承継を従業員の中から社長を選ぶことで行いました。

自身の会社はワンマン企業で、一代で何もないところから年商50億円の会社になるまで順調に育てました。業務自体もスピーディに行いますが、彼は何より営業力がありました。しかし、後継者選びに失敗してしまいました。

後継者は息子にしようと試みましたが、まだ若すぎるということで、社内で社歴の長い事務職の人間に社長を任せ、自分は会長として退きました。しかし、翌年から業績は悪化の一途を辿りました。社長についていたお客さんがどんどん他社へ逃げて行ってしまったのです。

②他社から後継者をひっぱってきて成功したある中小企業の事例

稲盛和夫さんは日本が誇る社長に最も向いている人物の一人です。彼の関わる事業は京セラ、KDDI、日本航空など現在わたしたちが知っているものばかりです。会社更生法の適用を申請した企業を2年で復活させる実績や落ち目だった JAL を3年で再上場させるなど、その経営手腕は万人が納得するものです。

まとめ

事業承継の後継者は親族だけでなく従業員やまだ会っていない第三者から広く選択しましょう。後継者に必要な素質や能力は事業規模や事業の特性で異なります。

あなたが考える、後継者に必要な素質は何か。それを考えることから後継者選びの一歩は始まります。

中小企業庁が認める認定支援機関の専門家があなたをサポートします!

~日本政策金融公庫からの融資実績700件以上~

  • 独立をするための資金が必要
  • 創業7年以内で資金調達を検討している
  • 低金利で融資を受けたい
  • 多額の資金を借入したい

上記のようなご希望をお持ちの方、認定支援機関に相談してみませんか?
まずは下記から無料でご相談ください

NEWSTVに取材して頂きました!

幻冬舎で資金調達の本を出版させて頂きました。

サポートさせて頂いたお客様をご紹介しております

融資額を増やすための方法を解説

事業承継の後継者選びのポイントは?