資金調達を検討している人の中には、デットファイナンスやエクイティファイナンスという言葉を聞いたことがある人もいますよね。その際、それぞれの言葉の意味が分からず、デットファイナンスとエクイティファイナンスとは何かを知りたい人もいるでしょう。
当記事では、デットファイナンスとエクイティファイナンスとは何かを解説します。それぞれの違いも解説するため、資金調達におけるデットファイナンスとエクイティファイナンスに関する情報が知りたい人は参考にしてみてください。
まずはデットファイナンスとエクイティファイナンスの違いを押さえる
デットファイナンスとエクイティファイナンスには、いくつかの違いがあります。いずれも資金調達の手段を指しますが、両者を比較した場合は異なる点があるため、まずはデットファイナンスとエクイティファイナンスの違いを押さえておきましょう。
【デットファイナンスとエクイティファイナンスの違い】
項目 | デットファイナンス | エクイティファイナンス |
---|---|---|
定義 | 借入による資金調達のこと | 出資による資金調達のこと |
分類 | 負債(他人資本) | 純資産(自己資本) |
対価 | 利息 | 株式 |
提供者 | 債権者 | 出資者 |
デットファイナンスとエクイティファイナンスは似て非なるものです。それぞれの違いを押さえることにより、資金調達の手段を選択するときの判断材料となる可能性があるため、まずはデットファイナンスとエクイティファイナンスの違いを確認してみましょう。
デットファイナンスとは借入による資金調達のこと
デットファイナンスとは、借入による資金調達のことです。借入による資金調達となる関係上、資金は返済義務のある負債となるため、デットファイナンスを検討している人はその前提を踏まえつつ、デットファイナンスの方法を確認してみましょう。
デットファイナンスの方法として挙げられるのは「金融機関からの借入」です。借入金は金融機関からの借金となる関係上、返済義務のある負債となるため、金融機関からの借入はデットファイナンスにおける方法のひとつとなります。
また、デットファイナンスの方法として挙げられるのは「社債の発行」です。社債は企業が発行する債券となる関係上、返済義務のある負債となるため、社債の発行はデットファイナンスにおける方法のひとつとなります。
なお、デットファイナンスを利用する場合、契約時に返済期限を定めることになります。「借入金の返済日」や「社債の償還日」など、契約時に返済期限を定めることになるため、デットファイナンスに関する情報が知りたい人は留意しておきましょう。
エクイティファイナンスとは出資による資金調達のこと
エクイティファイナンスとは、出資による資金調達のことです。出資による資金調達となる関係上、資金は返済義務のない純資産となるため、エクイティファイナンスを検討している人はその前提を踏まえつつ、エクイティファイナンスの方法を確認してみましょう。
エクイティファイナンスの方法として挙げられるのは「第三者割当増資」です。第三者割当増資は特定の投資家から出資を受ける関係上、返済義務のない純資産となるため、第三者割当増資はエクイティファイナンスにおける方法のひとつとなります。
また、エクイティファイナンスの方法として挙げられるのは「公募増資」です。公募増資は不特定多数の投資家から出資を受ける関係上、返済義務のない純資産となるため、公募増資はエクイティファイナンスにおける方法のひとつとなります。
なお、エクイティファイナンスを利用する場合、利益還元が期待される傾向があります。「配当金の支払い」や「自己株式の取得」など、利益還元が期待される傾向があるため、エクイティファイナンスに関する情報が知りたい人は留意しておきましょう。
それぞれの違いを押さえた人はメリットとデメリットを確認する
デットファイナンスとエクイティファイナンスには、それぞれメリットとデメリットがあります。デットファイナンスとエクイティファイナンスの違いを押さえた人はその前提を踏まえつつ、次はそれぞれのメリットとデメリットを確認してみましょう。
【デットファイナンスとエクイティファイナンスのメリットとデメリット】
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
デットファイナンス | ・資金計画が明確になる点 ・資金繰りを改善できる点 ・節税効果を期待できる点 |
・金利による利息が発生する点 ・自己資本比率の低下を招く点 ・担保や保証人が必要になる点 |
エクイティファイナンス | ・返済義務を負わない点 ・財務体質を強化できる点 ・経営支援を受けられる点 |
・経営に干渉される点 ・利益還元が必要になる点 ・手続きに時間がかかる点 |
デットファイナンスとエクイティファイナンスには、一長一短の側面があります。メリットとデメリットを押さえることにより、資金調達の手段を選択するときの判断材料となる可能性があるため、次はそれぞれのメリットとデメリットを確認してみましょう。
デットファイナンスのメリットとデメリット
デットファイナンスには、それ相応のメリットとデメリットがあります。一長一短の側面があるため、デットファイナンスに関する情報が知りたい人はデットファイナンスにおけるメリットとデメリットの具体例を確認してみましょう。
【デットファイナンスのメリットとデメリット】
項目 | 具体例 |
---|---|
メリット | ・資金計画が明確になる点 ・資金繰りを改善できる点 ・節税効果を期待できる点 |
デメリット | ・金利による利息が発生する点 ・自己資本比率の低下を招く点 ・担保や保証人が必要になる点 |
デットファイナンスのメリットとして挙げられるのは「資金繰りを改善できる点」です。外部から借入することにより、手元の現金を増やすことができるため、資金繰りの改善を期待できる点はデットファイナンスにおけるメリットのひとつとなります。
デットファイナンスのデメリットとして挙げられるのは「金利による利息が発生する点」です。外部から借入することにより、対価として利息を支払うことになるため、金利による利息が発生する点はデットファイナンスにおけるデメリットのひとつとなります。
ただし、デットファイナンスのメリットとデメリットは企業の状況次第です。企業の状況により、メリットとデメリットに該当するかどうかは異なるため、デットファイナンスに関する情報が知りたい人はその前提を踏まえておきましょう。
エクイティファイナンスのメリットとデメリット
エクイティファイナンスには、それ相応のメリットとデメリットがあります。一長一短の側面があるため、エクイティファイナンスに関する情報が知りたい人はエクイティファイナンスにおけるメリットとデメリットの具体例を確認してみましょう。
【エクイティファイナンスのメリットとデメリット】
項目 | 具体例 |
---|---|
メリット | ・返済義務を負わない点 ・財務体質を強化できる点 ・経営支援を受けられる点 |
デメリット | ・経営に干渉される点 ・利益還元が必要になる点 ・手続きに時間がかかる点 |
エクイティファイナンスのメリットとして挙げられるのは「返済義務を負わない点」です。投資家から出資を受ける対価として株式を発行することになるため、原則として返済義務を負わない点はエクイティファイナンスにおけるメリットのひとつとなります。
エクイティファイナンスのデメリットとして挙げられるのは「経営に干渉される点」です。投資家に経営権の一部を提供することになるため、経営に干渉されるおそれがある点はエクイティファイナンスにおけるデメリットのひとつとなります。
ただし、エクイティファイナンスのメリットとデメリットは企業の状況次第です。企業の状況により、メリットとデメリットに該当するかどうかは異なるため、エクイティファイナンスに関する情報が知りたい人はその前提を踏まえておきましょう。
資金調達の手段を考えるときは企業の成長段階から判断する
資金調達の手段を考えるときは企業の成長段階から判断する方法があります。あくまでも考え方のひとつですが、資金調達の手段を考えるときの方法として挙げられるため、資金調達の手段を考えるときは企業の成長段階から判断することを検討してみましょう。
【企業の成長段階に応じた資金調達の手段の具体例】
ステージ | 資金調達の手段 |
---|---|
創業期 / 成長期 | エクイティファイナンスを中心に考える |
成熟期 / 安定期 | デットファイナンスを中心に考える |
変革期 / 再編期 | 状況に応じて組み合わせる |
たとえば、創業期や成長期は事業を立ち上げるフェーズです。事業を立ち上げるフェーズとなる関係上、事業実績が乏しく、事業の成長性を重視される傾向があるため、その点を考慮するならば、エクイティファイナンスを中心に考えることも方法のひとつとなります。
また、成熟期や安定期は事業が軌道に乗るフェーズです。事業が軌道に乗るフェーズとなる関係上、事業実績が蓄積され、事業の安定性を重視される傾向があるため、その点を考慮するならば、デットファイナンスを中心に考えることも方法のひとつとなります。
ただし、今回紹介した方法はあくまでも考え方のひとつです。「創業期にデットファイナンスを選択する考え方」や「成熟期にエクイティファイナンスを選択する考え方」など、多種多様な考え方があるため、資金調達の手段を考えるときはその前提を踏まえておきましょう。
まとめ
デットファイナンスとエクイティファイナンスには、いくつかの違いがあります。いずれも資金調達の手段を指しますが、両者を比較した場合は異なる点があるため、まずはデットファイナンスとエクイティファイナンスの違いを押さえておきましょう。
また、デットファイナンスとエクイティファイナンスには、それぞれメリットとデメリットがあります。デットファイナンスとエクイティファイナンスの違いを押さえた人はその前提を踏まえつつ、次はそれぞれのメリットとデメリットを確認してみましょう。
なお、資金調達の手段を考えるときは企業の成長段階から判断する方法があります。あくまでも考え方のひとつですが、資金調達の手段を考えるときの方法として挙げられるため、資金調達の手段を考えるときは企業の成長段階から判断することを検討してみましょう。