今回の記事では、独立開業時に日本政策金融公庫から1,000万円の融資を受けた建設業のTさんの事例を紹介します。
Tさんは建設業を開業するにあたって、機材の購入などの資金が必要でした。
自己資金300万円で、1,000万円の融資を受けることになった要因をみていきましょう。
借入申込時のTさんの状況
Tさんが独立開業に選んだのは、壁などを壊さずに建物の状況を検査する「非破壊検査業」という業種でした。
非破壊検査業を開始する場合、検査のための高額な機材を購入する必要があり、自己資金だけでは賄うことができなかったため、日本政策金融公庫の融資の申し込みを決意したそうです。
Tさんは建設業界で15年の経験を積んでいて、自己資金300万円を計画的に準備していました。
しかし、十分な業界経験があり、自己資金も計画的に準備していた場合であっても、創業時の初回融資で日本政策金融公庫から1,000万円の資金調達をすることは簡単ではありません。
次からは、融資審査に通過した要因をみていきましょう。
融資審査に通過した要因1:専門家と事業計画を作成したこと
創業時の融資では
・自己資金
・業界の経験
・事業開始後の売上の見込みがあるかどうか
が非常に重要なポイントになります。
Tさんから最初のご相談を頂いたとき、既に関係値のある企業と契約を結ぶことが決まっていましたが、まだ契約書を結んでいない状況でした。
しかし、日本政策金融公庫の融資では事業計画を作成して提出する必要があります。
事業計画に盛り込んだ売上の根拠を説明することが出来ない場合、計画性が無く事業が失敗してしまう可能性が高いと判断されてしまうので、事業開始後に契約を結ぶことができる企業が決まっている場合は、契約書を結び、売上の根拠として提出するようにしましょう。
契約書が無い場合は、見積書や請求書でも構いません。
また、今回Tさんの融資担当者は非破壊検査業の融資について経験があったため、事業内容にも理解がありましたが、非破壊検査業についての知識が全くない担当者の場合もあるでしょう。
あまり良く知られていない事業を開始する場合には、融資担当者にきちんと事業内容について説明できるように資料を準備するなどして準備しておくことが必要です。
Tさんは契約書などを提出して売上の根拠を説明することができ、融資の専門家に相談することで、根拠のある綿密な事業計画を提出することができたため、融資審査に通過できたと考えられます。
融資審査に通過した要因2:タンス預金をしない
建設業では、同業者が急に廃業してしまい、「廃業するので使っていた機材を購入してほしい」と相談されることがあるそうです。
Tさん曰く、機材を安価で購入できるチャンスを逃さないためにも、建設業界では、すぐに現金が準備できるように手元にいくらの現金を置いておくことは一般的なのだそうです。
Tさんも、融資サポートを依頼した当初は手元で現金を管理していましたが、仁保政策金融公庫の融資を申し込む場合、通帳に入っていない手元の現金は見せ金であると判断され、融資審査のマイナスポイントになってしまいます。
今回は、ご相談頂いた時にすぐに通帳に入金してもらったことや、現金で管理していた理由をきちんと説明することができたので、自己資金として認めてもらうことができました。
しかし、一般的には手元に置いている現金は、お金の流れを確認することが難しいために「融資を受けるための見せ金である」と判断されてしまうので注意が必要です。
これから融資を受けて資金調達をしようとお考えの方で、現金を手元で管理している場合は、通帳に入金しておくようにしましょう。
まとめ
十分な業界経験と自己資金がある場合でも、日本政策金融公庫から創業時に1,000万円の資金調達をすることは簡単ではありません。
綿密かつ実現可能な事業計画を作成して、融資審査のためにしっかりとした準備をしておく必要があります。
融資の専門家に相談することで、資金調達のサポートをしてくれるので、これから融資を受けようとお考えの方は一度相談してみてはいかがでしょうか。当社株式会社SoLabo(ソラボ)は、国に認められた認定支援機関として、日本政策金融公庫への借入申込みを支援しています。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。