創業融資を検討している人の中には、個人信用情報の取り扱いが気になる人もいるかもしれません。とくに自身がブラックリストに登録されている懸念がある人は、創業融資にどのような影響があるか知りたい人もいるでしょう。
当記事では、創業融資におけるブラックリストの取り扱いを解説します。個人信用情報の取り扱いを確認することにより、創業融資の審査に向けた対策を取れる可能性があるため、創業融資を検討している人は参考にしてみてください。
創業融資の審査ではブラックリストの有無が確認される
創業融資の審査では、ブラックリストの有無が確認されます。ブラックリストとは、支払遅延や債務整理などの個人信用情報における異動情報のことを指し、金融機関は審査の一環として個人信用情報に異動情報があるかどうかを確認する傾向があります。
たとえば、公的な保証機関として創業融資の保証をしている信用保証協会は、審査の一環として個人信用情報を確認しています。東京信用保証協会では、「個人信用情報機関の利用及び登録等に関する同意書」をもとに、個人信用情報を確認する旨を明記しています。
個人信用情報は、与信取引の判断材料として利用されています。個人の返済能力や資金管理能力を測る客観的な指標として利用されているため、ブラックリストに登録されている場合は、創業融資の審査判断に不利な影響を与える可能性が高いです。
なお、個人信用情報は「人種」「思想」「保険医療」「犯罪歴」などの項目は含まれません。個人信用情報はあくまで申込人の信用を判断するための参考資料として利用されるため、信用に関する情報のみが記録されていることを留意しておきましょう。
ブラックリストに登録される状況を押さえておく
ブラックリストに登録される状況はいくつか挙げられます。支払の数日遅れでは、ブラックリストに登録される可能性は低いため、自身がブラックリストに登録されているかどうか不安な人は、ブラックリストに登録される状況を押さえてみてください。
【ブラックリストに登録される状況例】
項目 | 具体例 |
---|---|
ブラックリストに登録されるおそれがある状況 | ・61日以上もしくは3か月以上の支払遅延 ・代位弁済される ・債務整理をする ・多重申込する ・クレジットカードの現金化 |
ブラックリストには登録されないであろう状況 | ・60日以内もしくは3か月以内の支払遅延 ・返済のリスケジュール ・一部返済している |
ブラックリストのおそれのある金融事故のひとつは「支払遅延や滞納」です。「クレジットカード」「カードローン」などの支払いが滞納している場合、支払が遅れている記録が残り、ブラックリスト入りしてしまうおそれがあります。
ブラックリストのおそれのある金融事故のひとつは「代位弁済されること」です。債務者に代わって連帯保証人が借金を弁済した場合、代位弁済された記録が残り、ブラックリスト入りしてしまうおそれがあります。
なお、支払遅延や滞納によるブラックリスト入りは「61日以上もしくは3か月以上の延滞」が目安となります。債権者によってブラックリストに登録される基準は異なりますが、自身がブラックリストに登録されているかどうか不安な人は参考にしてみてください。
短期的な支払遅延の履歴も創業融資に不利な可能性がある
短期的な支払遅延の履歴がある場合も、創業融資に不利な可能性があります。ブラックリストと呼ばれるような異動情報に限らず、短期的な支払遅延がある場合も、創業融資の審査に不利な影響を与える可能性があります。
個人信用情報には、いわゆるブラックと呼ばれる異動情報の他に、毎月の入金状況を示す項目が設けられています。1~2か月程度の短期的な支払遅延の履歴がある場合、返済能力や資金管理能力が不足していると判断されるおそれがあります。
短期的な支払遅延の履歴があると、創業融資の面談で理由を聞かれる場合があります。支払いが遅れた理由と現在は遅れないために対策を取っている旨を伝えることにより、返済能力や資金管理能力をアピールできる可能性があります。
直近での支払遅延がある人はとくに注意が必要です。直近での支払遅延がある場合、資金繰りが困難な状態にあると判断される可能性があるため、とくに念入りに面談対策を行うことを検討してみてください。
ブラックリストの懸念がある人は対策を検討する
ブラックリストの懸念がある人は、対策を講じることを検討してみましょう。ブラックリストは創業融資の審査において不利な影響を与える可能性が高いため、審査に有利な影響を与える可能性がある行動をできるだけ取るようにしてみましょう。
【審査に有利な影響を与える可能性がある行動】
- 事業計画を練る
- 自己資金を貯める
- 担保の提供や保証協会を利用する
事業計画を練ることにより、審査に有利な影響を与える可能性があります。創業融資の審査では、事業の将来性や健全性などを事業計画書から判断するため、事業計画を練ることにより、創業融資の審査担当者から評価してもらえる可能性があります。
自己資金を貯めることにより、審査に有利な影響を与える可能性があります。創業融資の審査では、相応の自己資金を準備することが求められるため、自己資金を貯めることにより、創業融資の審査担当者から評価してもらえる可能性があります。
担保の提供や保証協会を利用して創業融資を受けることも検討してみましょう。保証をつけて借入する場合、金融機関側の回収リスクが緩和される関係上、創業融資の審査に有利な影響を与える可能性があるため、ブラックリストの懸念がある人は、担保の提供や保証協会を利用することも検討してみてください。
まとめ
創業融資の審査では、ブラックリストの有無が確認されます。ブラックリストとは、支払遅延や債務整理などの個人信用情報における異動情報のことを指し、金融機関は審査の一環として個人信用情報に異動情報があるかどうかを確認する傾向があります。
個人信用情報は、与信取引の判断材料として利用されています。個人の返済能力や資金管理能力を測る客観的な指標として利用されているため、ブラックリストに登録されている場合は、創業融資の審査判断に不利な影響を与える可能性が高いです。
ブラックリストの懸念がある人は、対策を講じることを検討してみましょう。ブラックリストは創業融資の審査において不利な影響を与える可能性が高いため、審査に有利な影響を与える可能性がある行動をできるだけ取るようにしてみましょう。