市区町村の創業支援事業とは?

創業時の支援について調べていると、区や市での多くの支援事業があることに気づきます。

例えば東京では、千代田区や北区のホームページを見ると創業支援事業計画についての募集や記事を見つける事ができます。

市区町村の創業支援事業は中小企業庁が認定しており、民間での資金調達とは異なる特色があります。今回の記事では、市区町村の創業支援について詳しくご紹介します。

1.市区町村の創業支援事業は銀行・信金・国金などと連携

市区町村の創業支援は、平成26年に策定された産業競争力強化法が元になっています。

中長期の低迷した経済の打破を目的にしたこの法律から派生し、行政が民間と連携した創業支援事業を策定し、地元の起業をもっとバックアップしようという計画(創業支援事業計画)がたてられています。

 図をご覧いただくと、市区町村の創業支援はその地域の銀行・信用組合・商工会議所が連携して実施していることがお分かりいただけると思います。これらに加え、地域によってはビジネスセンターのような起業塾も連携しています。

なぜこのような連携をしてまで、創業者を支援したいのでしょうか?答えは、自分たちの地域の産業を活性化したいため。自分たちの地域の企業が増えれば、それだけ住民の数も増えます。住民が増えれば税金も増えます。銀行も預金者が増え、企業への融資の金利も手に入ります。

地域の経済が発展すれば、ゆくゆくは日本全体の経済の発展へとつながります。

2.特定創業支援事業とは

市区町村の創業支援について全て中小企業庁が窓口になると大変です。

実際の窓口については、特定創業支援事業として地域の商工会議所やビジネス起業塾などを認定することで一任しています。

特定創業支援事業として認定された団体は、「私たちは国から特定創業支援事業として認定されました」ということをホームページなどで明示しています。例えば、富山県富山市の場合は、富山商工会議所(とやまエキスパートバンク事業、創業ビジネススクール)や税理士法人(創業スクール)、さらには富山大学(創業・起業支援コース)といった官民が特定創業支援事業に認定されています。

3.対象者はどんな事業主?

市区町村による差はありますが、千代田区の場合を例に出すと創業支援事業の対象事業主は以下の条件となります。

事業を営んでいない個人で、個人事業の場合は1か月以内、法人設立の場合は2か月以内(下記「特定創業支援事業」を受ける場合はそれぞれ6か月以内)に新たに事業を開始する具体的計画を有すること。

会社が自らの事業の全部または一部を継続して実施しつつ、新たに会社を設立して事業を開始する具体的計画を有すること。

上記1または2で創業してから5年未満であること。

千代田区創業支援事業~千代田区内で創業する方を応援します~

引用元:千代田区公式ホームページ

4.主な特例について

市区町村の創業支援を利用すると、以下のような特例があります。

①会社設立時の登録免許税の軽減

会社を設立する際には資本金の0.7%の登録免許税がかかりますが、特例として0.3%、(金額にして約3~7万円)軽減されます。

②創業関連保証枠の拡充

創業関連保証とは、中小企業が無担保・保証人なしで新たな事業資金の融資を受ける場合の保証で、通常の限度額は1,000万円です。創業支援を利用した場合は、1,500万円まで保証枠が拡充されます。

③創業関連保証の申込要件の緩和

通常、創業関連保証枠を利用した融資が創業前2か月から申込みできますが、特例として6か月前からの申込みが可能です。

5.他の融資と何が違うのか?

創業時の融資では銀行は実績のない起業家にお金を貸してくれない場合が多く、実際は日本政策金融公庫という政策金融公庫で融資を受けるパターンがよく知られています。日本政策金融公庫は、市区町村での創業融資にも関わってきますが、個人で融資を申し込む場合と市区町村を通す場合との違いはどのようなものでしょうか?

①地域で創業支援事業の差がある

日本政策金融公庫の場合は全国に支店があり、原則、事業所の所在地の最寄りの支店で融資の申込ができます。これに対して、市区町村の創業支援はまだ全ての市区町村に行き届いている訳ではありません。

中小企業庁|市区町村別の認定創業支援事業計画の概要

※上記URLをクリックすると、中小企業庁の公式ページにリンクします

実際に自分の事業所のある地域に創業支援事業は存在するのかについては、上記のURLから該当の地域を検索していただくと把握できます。

市区町村の創業支援については、非常に力を入れている地域もあれば、逆にあまり力を入れていない地域もあります。例えば、東京都北区の場合は非常に力を入れています。創業支援施設ネストという専門の施設があり、北区制度融資あっせんを受けて創業融資を受けた場合は信用保証料の補助や利子補給を北区が行うという手厚い制度があります。

事業所のある地域で創業支援事業自体が認定されていないのであれば、残念ながら他の融資(個人で日本政策金融公庫に申しこむ)を検討せざるを得ません。

②事業所の所在地変更時に面倒

市区町村のバックアップを受けた場合、事業所の所在地が変更になった場合は少々やっかいです。なぜかと言うと、例えば東京都中野区の場合、創業融資での利子補給(利子を中野区が払ってくれる)という特例がありますが、区外へ移転する場合はその利子を返納しなければいけません。

同様に、商店街の中にあった店舗が別の場所に移転すると利子補給を打ち切りにされたり、工場移転で補助金の交付が取り消しになったりと、場所がらみでやっかいなことになるケースがあります。

③審査のハードルは高め

市区町村の融資支援は、銀行や商工会議所などと連携しているため、優良起業家を探し求めています。そのため、通常の融資の審査よりも事業計画や事業主自身の経験などが厳しくみられると思って問題はないでしょう。

まとめ

市区町村の創業支援事業は地域により熱心な地域とそうでない地域と差があります。事業所の移転の予定がある場合は、特例が打ち消しになるケースもあるので、それも視野に入れて創業支援を申し込みしましょう。

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