信用金庫とは地域の事業主や個人を会員として預金業務や融資を行う金融機関です。地域振興を目的とするため、信用金庫は開業前後の個人事業主や中小企業にも融資を行っています。
とはいえ、信用金庫の審査は誰でも通るものではなく、しっかりとした事前準備が必要になります。とくに初めて事業資金の融資を受ける場合は、信用保証貸付を利用するのが良いでしょう。
ここでは、信用金庫から事業資金を受けるまでの手順を解説します。審査について見られるポイントもあわせて解説していますので、信用金庫から融資を受ける際の参考にしてください。
初めての資金調達なら信用保証貸付を利用する
信用金庫から初めての資金調達をするなら信用保証貸付を利用しましょう。信用金庫との取引実績が無い状態で融資の申し込みをしても、返済能力を認めてもらえず審査に通ることが難しいからです。
信用保証貸付とは、融資を受けた事業者が返済出来なくなった時に信用保証協会が代位弁済をしてくれるシステムです。信用保証貸付を利用すれば信用金庫側としては返済が保証されるため、事業者に対して融資をしやすくなります。
信用保証貸付を利用せずに信用金庫に直接融資の申し込みをする場合は、すでに取引があって返済能力が認められているか、事業が安定しており高い返済能力を有していると判断されなければ融資を受けられません。直接申し込んでも確実に融資を受けられないという訳ではありませんが、初めて信用金庫から融資を受ける場合には返済を保証してくれる信用保証貸付を利用するとよいでしょう。
信用保証貸付を利用して返済できなくなった場合、事業者の返済先が信用金庫から信用保証協会に変わるだけで負債そのものがなくなる訳ではありません。融資を受ける前には事前準備をして可能な限り事業を軌道に乗せて、滞りなく返済できるように心がけてください。
なお、株式会社SoLaboの6,000件の融資サポートの実績から、現状の準備で信用金庫からいくらくらいの融資を受けられるかを無料で診断いたします。信用保証貸付の紹介ができる他、信用金庫を含めてほかの金融機関からの融資の可能性も併せて総合的に判断しますので、事業資金をいくら調達できるのか知りたい人は無料診断をお試しください。
信用保証貸付を利用して融資を受けるまでの手順
信用保証貸付を利用して信用金庫から融資を受けるには、次のような手順で手続きを進めていく必要があります。
【信用保証貸付で融資を受けるまでの手順】
- 信用保証貸付の申し込み
- 信用保証協会と金融機関からの審査
- 信用保証協会からの保証承諾
- 信用金庫からの融資実行
信用保証協会と信用金庫という2つの機関と取引するため、信用保証貸付を利用する場合には両機関から審査を受けることになります1社のみと取引をする通常の融資と比べて必要な手間は増え、申し込みから着金までの時間は長くなる傾向にあるので、融資をなるべく早く受けたい人は一度信用金庫か信用保証協会に相談し準備を早く進めると良いでしょう。
申し込み窓口は2つある
信用保証貸付の申し込み窓口には、信用金庫の窓口で信用保証協会を紹介してもらうのと、自ら信用保証協会に直接申し込みする2つのパターンがあります。
信用金庫から信用保証貸付を申し込む場合、信用金庫が窓口なって信用保証協会との連絡も行ってくれるため手続きが多少は簡略化されます。一方、信用保証協会から信用保証貸付の申し込みをする場合、信用金庫以外の金融機関も合わせて検討してくれるため、融資の選択肢が増えるメリットがあります。
融資までのスピードを少しでも重視するなら信用金庫から、融資の選択肢を広げるなら信用保証協会から申し込みをするとよいでしょう。
信用保証貸付で審査される項目
信用保証貸付を利用して信用金庫の融資に申し込む場合、主に次のような項目が審査されます。
【信用保証貸付で審査される項目】
- 保証できる業種である
- 根拠のある事業計画を提出てきている
- 自己資金がある
これらの審査項目において、どれか1点でも条件を満たさないと審査に通るのは難しいです。業種の変更は難しいですが、事業計画と自己資金に関しては信用保証貸付の申し込み前に可能な限り準備をしておくと良いでしょう。
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保証できる業種である
飲食店や小売業、サービス業など多くの業種で信用保証貸付は利用できますが、一部には申し込みできない業種があります。
【保証できない業種の例】
- 農林水産業
- 金融業
- 学校法人
- 非営利団体
上記の中でも一部業種は利用可能なケースがありますので、詳細については東京信用保証協会の「ご利用いただけない中小企業とは」のページをご確認ください。
根拠のある事業計画を提出てきている
審査担当者は事業計画から申請者の計画性や事業の成功性を数字など具体的な根拠から審査しています。
【事業計画の中で審査されるポイント】
- 自社の強みや競合との差異を表す事業概要
- 市場分析やリスク分析などのマーケティング戦略
- 融資を受けた後の収益予測やキャッシュフロー予測などの財務計画
上記のような項目に対し、具体的な数字を交えた事業計画を提出できるかがポイントになります。たとえば、開業前に既に複数の案件が決まっており、通年で1,000万円の売上になることが決定しているなど、数字的な根拠を交えた事業計画書を提出する必要があります。
一方で、根拠のない事業計画を提出してしまうと、事業に対する準備や見積もりが甘いと判断されてしまいます。審査落ちにならないようにするためには、提出する事業計画に可能な限り具体的な数字を入れられるよう準備と調査を進めるようにしてください。
自己資金がある
信用金庫から事業資金の融資を受けるには、自己資金が多いほど望ましいです。事業性融資の自己資金に関する法律がある訳ではありませんが、金融機関は自己資金で事業者の返済能力や資金管理能力を見ており、自己資金がない状態では審査に通るのは難しいとされています。
信用保証貸付を利用する場合も例外ではありません。たとえば東京信用保証協会のQ&Aでは、自己資金について次のように記載をしています。
Q9 保証協会を利用して資金調達をする場合、自己資金は必要ですか?
「東京都制度融資」をご利用いただく場合、自己資金が要件に含まれないケースもありますが、当協会の保証審査において自己資金は事業経験とともに重要な項目になります。お客さまの創業計画をサポートさせていただく上で、創業に必要な資金の全額を借り入れでまかなうということは難しいとご理解ください。
融資を受けるのに必要な自己資金額は、一般的には希望額の1/3程度と言われます。開業予定の業種に関して経験豊富である、または融資実行後に売上がつく具体的な計画があるなど、ほかの審査項目次第で融資額が前後することはあっても、自己資金が0円では審査に通るのは厳しいです。
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まとめ
信用金庫から初めての融資を受ける場合は信用保証貸付を利用しましょう。信用金庫、信用保証協会のどちらかでも申し込みは可能ですが、信用金庫以外の融資まで検討するなら信用保証協会を窓口にするのがおすすめです。
信用保証貸付を利用する場合、業種と事業計画、自己資金とが審査される項目になります。とくに事業計画と自己資金に関しては、申込前までに可能な限りの準備を進めておくのが良いでしょう。