スタートアップとは?ベンチャーとの違い・スモールビジネスとの比較

「スタートアップ」という言葉を見聞きして、ベンチャーとの違いやスモールビジネスとの関連性がわからず、困ったことはないでしょうか。

今回は、スタートアップの基本として「革新性」「急成長」「出口」の3つのキーワードを紹介しつつ、Q&A形式でよくある質問について回答します。

スタートアップとは? 3つのキーワード

スタートアップとは、革新的なビジネスモデルで、短期間で急成長をとげ、出口(イグジット)戦略を実現できる起業スタイル、またはそれを行う企業そのもののことです。スタートアップを象徴する3つのキーワードを説明しましょう。

革新的なビジネスモデル

スタートアップは、革新的なビジネスモデルを展開する起業スタイル、もしくはそれを展開する企業のことです。 革新的なビジネスモデルとは、それまでに市場すらない製品・サービスという価値そのものを世の中に生み出すビジネスモデルのことです。

例えば、世界中の人が実名でつながるFacebookが登場する前は「海外の有名人と日本の一個人が直接、言葉を交わす」という概念はなかったでしょう。 今まであった市場や社会に大きなインパクトを与えることから「破壊的イノベーション(技術革新による市場と社会の変革)」とも呼ばれます。

短期間で急成長(スケール戦略)

スタートアップは、短期間で急成長します。 企業は成長段階によって「シード」、「シリーズA」、「シリーズB」、「シリーズC」の4つに分かれておいます。着実に実績を積み上げ、段階をふんで成長していく一般的な企業のゆるやかな成長曲線に対し、あるタイミングで成長段階をすっ飛ばすような急成長をとげるのがスタートアップです。

事業規模の拡大(スケール)を目指す特徴から「スケール戦略」とも呼ばれます。 企業の成長段階について詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてください。

出口戦略(イグジット)

スタートアップは、事業の行き着く先、つまり「出口」を見据えた判断をします。創業者の腕と人望だけで事業を成り立たせるのではなく、事業を独り立ちさせるのです。 新規株式公開、上場などのIPOと株式譲渡による事業売却(バイアウト)などを行う、経営の一線から退く方針は、出口戦略(イグジット)と呼ばれます。

なお、出口戦略は「軍事的・経済的な損失をいかに最小限にして撤退するか」という文脈で使われますが、スタートアップでは「いかに利益を大きいまま、経営の一線から引くか」という文脈で使われるケースがあるようです。

スタートアップのよくある質問Q&A

Q1.スタートアップとベンチャーとの違いは?

A1.ベンチャーは和製英語で、意味はスタートアップとほぼ同じです。

ベンチャーとは、革新的なアイディアや技術・サービスを提供するスタイル、あるいはその事業経営のことを指します。 世間一般では、次の条件に当てはまれば「ベンチャー」と呼ばれます。ほとんどスタートアップと変わらない条件です。

  • 創業5年以内の小規模な企業
  • 社長(代表)が個性的で顔出ししている
  • 革新的な製品・サービスを提供している
  • 決算ごとの伸び率が高く急成長している
  • 上場や事業売却の出口戦略を感じさせる

そもそも、ベンチャーは日本だけの和製英語で、スタートアップ(Startup)は英語圏の方にも通用する言葉です。 和製英語の「テレワーク」が、コロナ禍で世界的で通用する「リモートワーク」が次第に浸透しているのと同じように、「ベンチャー」という和製英語も、世界をまたにかける必要から「スタートアップ」に切り替わりつつあるのかもしれません。

Q2.スタートアップとスモールビジネスの関連性はある?

A2.スモールビジネスがスタートアップになる、スタートアップがスモールビジネスになる、という相関関係にあります。

スモールビジネスは、手持ちの資金で小規模な事業をおこなう経営スタイル、またはその事業経営そのもののことです。 スタートアップとスモールビジネスは、真逆の概念に見えるかもしれませんが、同じ文脈で見かけやすい理由は、スモールビジネスがスタートアップと呼ばれるようになるケースがあるからです。

例えば、無理に資金調達を行わず、こじんまりとした小回りの利く経営スタイルで、マイペースに事業を営んでいるなか、ある時、大きなユーザーニーズ(消費者需要)が判明したことをきっかけに、投資で事業資金を投入して仕掛けて一気に急成長をとげると、スモールビジネスだったものはスタートアップとして呼ばれることになるでしょう。

逆を言えば、スタートアップがスモールビジネスと呼ばれるようになるケースもあります。急成長を狙えるのでは?とスタートアップと世間的に呼ばれていたものが、思ったより需要がないなどで成長に伸び悩んだまま、事業も黒字化して安定し、実質、スモールビジネスになってしまうこともあります。

Q3.スタートアップと一般企業の違いは?

A3.スタートアップは、一般企業よりも黒字化までが長い傾向があります。

スタートアップは一般企業よりも黒字化までが長い傾向があります。 「せんみつ」という言葉がありますが、「スタートアップは1,000に3つしか成功しない」といわれる理由のひとつが、長引く赤字経営です。革新的なビジネスモデルが浸透し、顧客を得るまで時間がかかり、赤字が長引きやすいのです。 成功するスタートアップは段階的に黒字化までの事業計画を立て、投資家に向けたピッチを重ね、内外の協力者を増やし、赤字の期間を乗り越えています。

Q4.スタートアップはお金儲け優先で、事業への情熱がない?

A4.事業を独り立ちさせ、親離れさせるのは事業にとってよいことです。

スタートアップは出口戦略で、事業を手放したり、創業者が経営の一線から引いたりするために誤解されがちです。特に事業を夢の実現と考えて開業する人から見れば「売って辞めること前提で事業をするというのは事業に対して本気で取り組んでないのでは?」「お金のことしか考えていない」「バイアウトのタイミングで、経営体制が変わって品質が落ちたらどうするの?」と誤解したり心配したりするのも、うなずけます。

ただ、創業は労力がかかるため、情熱がなければとても続けられるものではありません。一緒に苦労を味わってきた仲間・チームなしに成功しないのもあり、「事業への情熱がない」というのは完全に誤解です。 出口戦略は言うなれば、事業という子から、子を育てた親・創業者が離れる「親離れ」なのです。親なしに生きられない子を育ててしまうことが育児の成功と言えないように、創業者の腕や人望なしに事業がちゃんと歩めるのか、見定める必要があるとスタートアップは考えているのです。

Q5.スタートアップは銀行などの金融機関から融資を受けにくいって本当?

A5.革新的ビジネスモデルが理解されにくく融資が通りにくい傾向はあります。

スタートアップの特徴でもある「革新的ビジネスモデル」ですが、融資担当に理解されにくく、融資が通りにくい傾向があります。 銀行などの金融機関からの融資では「事業で得た利益から返済できるかどうか」を見られるため、あまりに新しいビジネスモデルだと、一般的な飲食店や美容室の開業のような基準で審査ができません。

スタートアップが事業を説明するとき、既存事業と比較して伝えたり、デモンストレーションできるものを見せたりする必要があります。実績を作ってからであれば、融資は比較的通りやすくなるので、融資を申し込むタイミングも重要です。

Q6.スタートアップが資金調達する方法は?

A6.基本は投資、融資、補助金・助成金です。

スタートアップの資金調達方法には、個人投資家やベンチャーキャピタルなどからの投資、日本政策金融公庫などの金融機関からの融資、国や自治体からの支援である補助金・助成金があります。

  • 投資|投資家から応援してもらう資金調達
  • 融資|金融機関からお金を借りる資金調達
  • 補助金・助成金|国や自治体から応援してもらう資金調達

どの資金調達方法も、それぞれに事業計画をアピールする必要があります。 詳しくは資金調達方法について、事業計画書の作り方とともに確認ください。

Q7.スタートアップについて情報収集するには?

A7.スタートアップの情報収集には公的支援の情報収集も同時に狙える、次のサイトを確認してみましょう。

創業をお考えの方やベンチャー企業の円滑な事業活動を、資金調達、情報提供等で支援するページ

東京都で創業・起業する方々を応援する情報プラットフォーム

まとめ

ここまでスタートアップの基本として「革新性」「急成長」「出口」の3つのキーワードを紹介しつつ、Q&A形式でよくある質問について回答しました。 スタートアップは「革新性」・「急成長」・「出口戦略」の3つのキーワードが特徴の起業スタイル、またはそれを行う企業そのものです。 ほぼ同じ意味のベンチャーがありますが、かつてのベンチャーと呼ばれた企業の一部が上場して成功をおさめているように、今のスタートアップの一部も肩を並べるようになるでしょう。 なお、スタートアップ、スモールビジネス問わず、創業や創業融資についてサポートをお望みなら、国に認定された経営革新等支援機関の株式会社SoLabo(ソラボ)まで、ぜひご相談ください。

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