今回の記事では、勤務していた理容室を引き継ぎ、経営を行うことになったKさんの融資成功事例を紹介します。Kさんは自己資金が少ないなか、日本政策金融公庫から800万円の融資を受けました。困難な状況の中、融資を受けることが決まった要因を解説します。
融資を受ける前のKさんの状況
Kさんは19年間勤務していた理容室で、高齢でお店にほとんど出られなくなったオーナーの代わりに店長として勤務していました。
オーナーの引退を機に、Kさんがオーナーとして店舗経営を引き継ぐことが決まりましたが、引き継ぐ際にかかる譲渡の価格が800万円、Kさんが持っている自己資金は100万円という状況で、譲渡のためのお金が不足している状況でした。
そこで、Kさんは当社に融資の相談に来られ、結果として、自己資金が少ない状況で、800万円という金額の融資を受けました。
今回の融資成功につながったと考えられる要因をご紹介します。
融資成功の要因1:長年の勤務歴と店長としての実績
Kさんはこの理容室に19年も勤務した上、オーナーに代わって、店の経営やスタッフの管理といった店長業務もこなしていました。そして、店長になってからはお店の売上を順調に上げ、顧客数も徐々に獲得していった実績がありました。
Kさんの場合、同じ職場で長年勤務を続け、店長業務を通して、経営に関する知識や、スタッフへの教育ノウハウを身に着けていたことが融資審査で評価されたと考えられます。
融資成功の要因2:実績にもとづいた事業計画の作成
今回の独立開業は、オーナから引き継いで開業するという背景のため、過去の店舗の実績をそのまま提示できる利点がありました。
またKさん自身、日頃から売り上げに関わる以下の項目を記録していた為、事業計画もより精密に作成することができました。
- 日別と月別に分けた売上
- お客様の数
- お客様一人当たりの平均単価
- 店舗での物販販売(整髪料やヘアケア用品など)の売上
融資に詳しい専門家に相談したことで、自分ひとりでは気づけないKさん自身の強みや、店舗の持つ実績に着目し、具体的な数字にもとづいた説得力のある事業計画を創り上げられたことも、融資成功の要因と考えられるでしょう。
融資成功の要因3:計画的に貯金を続けていたこと
Kさんは、融資希望額800万円に対して、自己資金が100万円と、審査に通過するかどうか難しいラインの自己資金の額でした。しかし、希望額の800万円満額で日本政策金融公庫から融資を受けられた要因は、この100万円の自己資金の作り方にありました。
Kさんが貯めてきた100万円は、将来の独立のために、毎月一定の額を3年間貯めたことでできた100万円だったのです。Kさんは、もともと独立を視野に入れていたので、生活のために使うお金(生活資金)と、独立のための資金の口座を分けて利用していました。
このような自己資金の貯め方は、融資担当者から「計画性がある」「毎月の返済能力がある」と評価を受けることにつながります。独立のための口座に、毎月コツコツと計画的な貯金を続けていたことが、融資を受けられた要因として考えられるでしょう。
まとめ
今回理容院を経営するKさんが日本政策金融公庫から融資を受けられた要因は、「長年の勤務歴と店長としての実績」「実績にもとづいた事業計画の作成」「計画的な貯蓄」の3つにあったと考えられます。
また、店舗の実績を示す資料を融資審査時に添付資料として提出したことも効果的だったと言えるでしょう。
自己資金が少額であっても、日頃の勤務に向かう姿勢や、貯金の仕方、準備した資料によっては、希望額満額で融資を受けられる場合もあります。自分で事業計画の作成できるか不安な方は、融資に詳しい専門家へ相談するのも選択肢のひとつです。
当社株式会社SoLabo(ソラボ)も国の認定支援機関として、金融機関からの融資のご相談を承ります。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。