建設業や飲食業など、開業を考えている人の中には、創業資金として日本政策金融公庫から創業融資を受けることを検討中の人もいますよね。その際、消費者金融の借金がある場合には、日本政策金融公庫から創業融資を受けられるかどうかを知りたい人もいるでしょう。
当記事では、消費者金融の借金がある人は日本政策金融公庫から創業融資を受けられるのかを解説していきます。日本政策金融公庫から借金している場合も解説しているため、借入先として日本政策金融公庫を検討中の人は参考にしてみてください。
消費者金融の借金がある人は創業融資を受けられない可能性がある
日本政策金融公庫の場合、消費者金融の借金がある人は創業融資を受けられない可能性があります。申込者の条件や担当者の判断にもよりますが、消費者金融の借金がある人は創業融資を受けられない可能性があるため、日本政策金融公庫を検討中の人は注意が必要です。
たとえば、消費者金融から100万円借りている場合、その条件は申込者の返済能力を判断する要素のひとつです。融資の可否は申込者の情報から総合的に判断されますが、消費者金融から借金していることにより、日本政策金融公庫の審査に通らないことも考えられます。
ただし、日本政策金融公庫の担当者に「消費者金融から借り入れしている人も創業融資を受けられますか?」と質問したところ、「融資を受けられるかどうかは審査次第ですが、消費者金融から借り入れしている人も申し込むことは可能です」との回答でした。
日本政策金融公庫の場合、消費者金融の借金がある人も申し込むことは可能です。担当者の判断によりますが、消費者金融の借金がある人も創業融資を受けられた事例があるため、借入先として日本政策金融公庫を検討中の人は担当者に相談することを検討してみましょう。
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返済能力を超えた借金がある人も創業融資を受けられない
返済能力を超えた借金がある人も同様、日本政策金融公庫から創業融資を受けられない可能性があります。とくに、既存借入を滞納している人や新規借入と返済を繰り返している人は返済能力を超えている危険性があるため、該当する人は注意が必要です。
【返済能力を超えている人の具体例】
- 既存借入を滞納しているような人
- 新規借入と返済を繰り返しているような人
たとえば、新規借入と返済を繰り返す自転車操業のような状態の場合、担当者から返済能力を危惧され、日本政策金融公庫の審査に落ちる可能性があります。また、消費者金融の借入金を滞納している場合も同様、日本政策金融公庫の審査に通らない可能性があります。
「既存借入を滞納している人」や「新規借入と返済を繰り返している人」は自身の返済能力を超えている危険性があります。今よりも資金繰りが悪化するおそれもあるため、銀行や消費者金融などの金融機関から借り入れしている人は融資以外の方法も検討してみましょう。
なお、借金の滞納に心当たりのある人は「滞納している人は日本政策金融公庫から創業融資を受けられるのか?」も参考にしてみてください。
借金における状況ごとのQ&A
Q&Aサイトや口コミサイトでは、いくつかの借金に関する投稿が見受けられました。今回はそれらの質問に回答しているため、日本政策金融公庫から創業融資を受けることを検討中の人はそれぞれの質問と回答を参考にしてみましょう。
【借金における状況ごとの質問と回答】
質問 | 回答 |
---|---|
借金を隠し通すことはできるのか? | 借金を隠し通すことはできない |
借入金を他社の借金返済に充てることはできるのか? | 借入金を他社の借金返済に充てることはできない |
借主が死亡した場合は返済義務が免除されるのか? | 借主が死亡した場合の借金は規約や法律に則ることになる |
なお、質問内容はあくまでも一例です。該当する人は日本政策金融公庫に申し込む前に一度、それぞれの項目を参考にしてみてください。
借金を隠し通すことはできない
日本政策金融公庫から創業融資を受ける際、借金を隠し通すことはできません。日本政策金融公庫の担当者は面談や審査の際に必ず、借金の有無を確認しているからです。
【申込者の借金を確認する方法の具体例】
項目 | 内容 |
---|---|
創業計画書 | 創業計画書には、金融機関からの借り入れの有無を記入する欄がある |
信用情報 | 信用情報には、借入件数や借入残高が記録されている |
面談 | 面談時には、担当者から借り入れの有無を確認される傾向がある |
たとえば、提出書類のひとつとなる創業計画書には、金融機関からの借り入れの有無を記入する欄があります。借入総額に加え、内訳や返済方法を記入することになるため、日本政策金融公庫の担当者はその内容から借金の有無を確認できます。
また、日本政策金融公庫の担当者は、審査の際に申込者の信用情報を確認しています。信用情報には、借入件数や借入残高が記録されているため、日本政策金融公庫の担当者に借金の有無を隠し通すことはできません。
銀行や消費者金融の借金がある人は、日本政策金融公庫の担当者に借金を隠し通すことはできない点を予備知識として覚えておきましょう。なお、信用情報に関する内容が知りたい人は「日本政策金融公庫の審査における信用情報を解説」を参考にしてみてください。
借入金を他社の借金返済に充てることはできない
日本政策金融公庫から借りたお金を他社の借金返済に充てることはできません。日本政策金融公庫の融資制度には、利用条件として資金使途が定められているからです。
たとえば、日本政策金融公庫の公式サイトにある「新規開業資金」には、資金使途として「新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金」といった旨が明記されています。
資金使途に違反した場合には、借入金の一括返済を求められ、日本政策金融公庫から今後融資を受けられなくなる可能性もあります。日本政策金融公庫から借りたお金は他社の借金返済に充てることなく、資金の使い道を守ることを徹底しましょう。
借主が死亡した場合の借金は規約や法律に則ることになる
借主が死亡した場合、日本政策金融公庫の借金は契約内容に加え、規約や法律に則ることになります。そのため、返済義務が免除されるとは一概に言えません。
借主が死亡した場合、法律上は死亡した時点から相続人が借入金を相続したものとみなされます。その際、期間内に相続放棄の手続きを行えば、借入金を放棄することも可能です。
ただし、連帯保証人となっていた場合には、借主と同等の責務を負うことになるため、借入金を返済する義務が生じます。連帯保証人が複数人いる場合も同様、それぞれが借主と同等の責務を負うことになります。
返済義務の有無は契約内容に加え、規約や法律に則ることになりますが、原則として免除されることはなく、連帯保証人となっている場合は借主と同等の責務を負うことになるため、借入先として日本政策金融公庫を検討中の人は予備知識として覚えておきましょう。
遺族に借金を残したくない人は団信保険に加入することを検討する
日本政策金融公庫から創業融資を受ける際、遺族に借金を残したくない人は団体信用生命保険(通称:団信保険)に加入することを検討してみましょう。団信保険に加入することにより、遺族に借金が残らないようにできるからです。
団信保険とは、万が一の場合に残りの債務が弁済される任意保険のことです。日本政策金融公庫と沖縄振興開発金融公庫の利用者に関しては、公庫団信サービス協会の団信保険が加入対象となります。
ただし、団信保険に加入できるのは、利用条件を満たしている人のみです。保障内容や保障期間に関する注意事項に加え、特約料(保険料)を支払う必要もあるため、団信保険の概要が知りたい人は「日本政策金融公庫から創業融資を受ける人は団体信用生命保険に加入できるのか?」も参考にしてみてください。
まとめ
融資の可否は申込者の情報から総合的に判断されますが、借入件数や借入残高は返済能力を判断する要素のひとつに含まれます。そのため、消費者金融の借金がある人は日本政策金融公庫から創業融資を受けられない可能性があります。
また、消費者金融からの借入金に関わらず、クレジットカードのキャッシングや銀行のカードローンなど、その他の借入金も日本政策金融公庫の審査に影響する可能性があります。審査基準は非公開ですが、借金に関する不安がある人は担当者に相談することも検討しましょう。
なお、日本政策金融公庫の借金は借主が死亡したら返済しなくてもいいわけではありません。契約内容に加え、規約や法律に則ることになるため、心当たりのある人は弁護士などの専門家に相談することも検討してみてください。