飲食店や美容室など、独立開業を目指している人の中には、日本政策金融公庫から創業融資を受けることを検討している人もいますよね。そして、日本政策金融公庫から創業融資を受けるならば、借入申込書に関する情報が知りたい人もいるでしょう。
当記事では、日本政策金融公庫における借入申込書の入手方法と記入項目を解説します。借入申込書の記入項目におけるポイントも紹介するため、日本政策金融公庫の借入申込書に関する情報が知りたい人は参考にしてみてください。
目次 [表示する]
まずは借入申込書の入手方法を押さえる
日本政策金融公庫の借入申込書を入手する場合、いくつかの方法があります。郵送による申込方法を選択した場合は借入申込書を提出することになるため、日本政策金融公庫から創業融資を受けたい人は借入申込書の入手方法を押さえておきましょう。
【借入申込書の入手方法】
入手方法 | 概要 |
---|---|
公式サイト | 日本政策金融公庫の公式サイトからPDF形式のフォーマットをダウンロードできる。ダウンロードするときは両面印刷することになる。 |
最寄りの支店 | 最寄りにある支店の窓口から借入申込書の用紙を受け取ることができる。日本政策金融公庫の支店の営業時間は原則として平日9時から17時。 |
ビジネスサポートプラザ | ビジネスサポートプラザの窓口から借入申込書の用紙を受け取ることができる。設置されているのは「東京(新宿)」「名古屋」「大阪」の全国3か所。 |
借入申込書の入手方法として挙げられるのは「公式サイト」です。日本政策金融公庫の公式サイトにある「国民生活事業」にアクセスすることにより、各種書式ダウンロードの一覧が表示され、該当箇所からPDF形式の借入申込書をダウンロードすることができます。
また、借入申込書の入手方法として挙げられるのは「最寄りの支店」です。最寄りにある支店の窓口を訪れることにより、日本政策金融公庫の担当者に案内され、申し込みの意思を伝えた後に担当者から借入申込書の用紙を受け取ることができます。
なお、ビジネスサポートプラザの場合は日曜日や夜間に借入申込書を受け取ることもできます。営業時間は拠点ごとに異なるため、ビジネスサポートプラザの営業時間が知りたい人は日本政策金融公庫の公式サイトにある「創業前支援」を確認してみましょう。
インターネット申込の場合は借入申込書の提出が不要となる
借入申込書と同様の項目を入力する関係上、インターネット申込の場合は借入申込書の提出が不要です。インターネット上から申込手続きを完了できるため、インターネット上から申し込むことを検討したい人はインターネット申込の流れを確認してみましょう。
【インターネット申込の流れ】
- 公式サイトからメールアドレスを登録する
- メールに記載のURLから申込手続きを始める
- フォームの入力後に必要書類をアップロードして提出する
まずは日本政策金融公庫の公式サイトにある「事業資金 お申込受付」にアクセスします。「メールアドレスの登録」と「注意事項・同意事項」が表示されるため、対応完了後はチェックボックスにチェックを入れ、「同意してメール登録」をクリックします。
その後は登録したメールアドレスに案内メールが届きます。案内メールにあるURLをクリックした後は「必要事項の入力」と「必要書類のアップロード」が求められ、それぞれの対応が完了次第、日本政策金融公庫における申込手続きが完了します。
なお、インターネット申込に関する問い合わせ先は「事業資金相談ダイヤル(0120-154-505)」です。フォームの入力方法や添付書類のアップロード方法など、インターネット申込に関する不明点がある人は事業資金相談ダイヤルに問い合わせることを検討してみましょう。
借入申込書を入手した人は記入項目を確認する
日本政策金融公庫の借入申込書には、いくつかの記入項目があります。借入申込書にある記入項目を確認することにより、事前に記入内容を検討することができるため、借入申込書を入手した人はそれぞれの記入項目を確認してみましょう。
【借入申込書の項目】
項目 | 概要 |
---|---|
申込人名 | 法人名や商号(屋号)、申込者の氏名を記入する。 |
申込金額 | 希望融資額を記入する。 |
借入希望日 | 融資を受ける希望日を記入する。 |
返済期間 | 希望の返済期間を記入する。 |
据置期間 | 希望の据置期間を記入する。 |
返済希望日 | 選択肢の中から返済希望日に丸を付ける。 |
返済金の支払方法 | 口座振替を行う金融機関を記入する。 |
公庫との取引 | 選択肢の中から日本政策金融公庫を知った場所に丸を付ける。 |
住所 | 本店の所在地や申込者の住所を記入する。 |
携帯電話番号 | 申込者または法人代表者の携帯電話番号を記入する。 |
メールアドレス | 連絡先のメールアドレスを記入する。 |
創業年月 | 創業した年月を記入する。 |
業種 | 事業の業種を記入する。 |
申込人の家族 | 申込者または法人代表者の同居する家族を記入する。 |
担保・保証の条件 | 担保の有無と経営者保証の有無を記入する。 |
※日本政策金融公庫の公式サイトにある「国民生活事業」をもとに株式会社SoLabo作成
借入申込書にある記入項目のひとつは「申込人名」です。「法人名・商号(屋号)」の部分はゴム印による記入が認められていますが、「個人事業主の方・法人代表者の方のお名前」の部分はゴム印による記入が認められておらず、下段の氏名は自署する必要があります。
また、借入申込書にある記入項目のひとつは「住所」です。「本店の所在地」「営業所の所在地」「お申込人または法人代表者の方の自宅住所」という複数の住所を記入する関係上、郵送物の受取先住所として「主な郵送先」の欄にチェックを入れる必要があります。
なお、日本政策金融公庫は借入申込書の案内動画を用意しています。記入例や注意点が解説されているため、借入申込書の記入例や注意点が知りたい人は日本政策金融公庫の公式サイトにある「借入申込書の案内動画」を確認してみましょう。
借入申込書を書き始める人はポイントとなる項目を押さえる
日本政策金融公庫の借入申込書にある記入項目には、ポイントとなる項目があります。ポイントとなる項目を押さえることにより、借入申込書の再提出を防げる可能性があるため、借入申込書を書き始める人はポイントとなる項目を押さえておきましょう。
【ポイントとなる項目】
項目 | ポイント |
---|---|
申込金額 | ・申込金額の根拠を明確にする ・創業計画書に記入した金額と一致させる |
返済期間 | ・返済期間は融資制度ごとに規定がある ・返済シミュレーションから返済額を試算できる |
据置期間 | ・据置期間は融資制度ごとに規定がある ・据置期間の設定により利息総額が異なる |
借入申込書のポイントとなる項目のひとつは「申込金額」です。創業融資を受ける場合は借入申込書に加え、創業計画書を提出することになるため、「借入申込書に記入する申込金額」と「創業計画書に記入する希望金額」を揃える必要があります。
また、借入申込書のポイントとなる項目のひとつは「返済期間」です。希望する返済期間を記入することになりますが、返済期間は融資制度ごとに規定があるため、想定している融資制度がある人は融資制度の条件を確認することも方法のひとつです。
なお、日本政策金融公庫は返済シミュレーションを用意しています。返済期間に応じた返済額を試算することができるため、借入申込書を書き始める人は日本政策金融公庫の公式サイトにある「事業資金用 返済シミュレーション」を活用してみましょう。
借入申込書を作成した人は添付書類を確認する
日本政策金融公庫に申し込む場合、借入申込書に加え、いくつかの書類を提出することになります。融資の可否を決める判断材料として確認される書類もあるため、借入申込書を作成した人はその前提を踏まえつつ、添付書類の具体例を確認しておきましょう。
【添付書類の具体例】
- 創業計画書
- 見積書(設備資金を申し込む場合)
- 履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人の場合)
- 許認可証(飲食店などの許可や届出が必要となる事業の場合)
- 運転免許証(両面)またはパスポート(顔写真のページ/現住所等のページ)
添付書類の具体例として挙げられるのは「創業計画書」です。「創業の動機」「取扱商品とサービス」「事業の見通し」など、事業の実現性を伝えるための書類となるため、日本政策金融公庫から創業融資を受ける場合は創業計画書を提出することになります。
また、添付書類の具体例として挙げられるのは「許認可証」です。「飲食業」「建設業」「運送業」など、許可や届出が必要となる事業を営む場合は許認可証が必要となるため、該当する人はその業種における許認可証を提出することになります。
なお、必要となる添付書類は申込者の状況により異なります。「創業から期間が経過している場合」や「担保や保証人を設定する場合」など、必要となる添付書類は申込者の状況により異なるため、借入申込書を作成した人は留意しておきましょう。
提出書類は最寄りの支店に郵送する
郵送による申込方法を選択した場合、提出書類は最寄りの支店に郵送することになります。支店ごとに業務区域が定められている関係上、郵送先は申込者により異なるため、郵送による申込方法を選択した人は郵送先となる支店を確認しておきましょう。
【日本政策金融公庫の支店と業務区域の具体例】
支店名 | 業務区域の具体例 |
---|---|
東京中央支店 | 中央区、港区の一部、大島、神津島など |
新宿支店 | 新宿区、中野区、杉並区 |
大森支店 | 大田区 |
池袋支店 | 豊島区、練馬区 |
江東支店 | 江東区、江戸川区、墨田区の一部 |
東京支店 | 千代田区の一部、文京区の一部 |
千住支店 | 足立区、葛飾区、荒川区の一部 |
渋谷支店 | 世田谷区、渋谷区 |
五反田支店 | 品川区、目黒区、港区の一部 |
上野支店 | 台東区、千代田区の一部、墨田区の一部など |
板橋支店 | 板橋区、北区の一部 |
※日本政策金融公庫の公式サイトにある資料「国民生活事業の専門職員が常駐する支店の業務区域一覧」をもとに株式会社SoLabo作成
支店の業務区域は日本政策金融公庫の公式サイトにある「店舗案内」から確認することができます。該当する地域名を選択することにより、その地域における支店名や業務区域を確認することができるため、郵送先となる支店を探す方法のひとつとして挙げられます。
なお、支店に郵送した書類は原則として返却されません。提出書類の記入内容を確認しなければならない状況も考えられるため、郵送による申込方法を選択した人はその前提を踏まえつつ、各書類の控えを用意してから郵送することを検討してみましょう。
まとめ
日本政策金融公庫の借入申込書を入手する場合、いくつかの方法があります。郵送による申込方法を選択した場合は借入申込書を提出することになるため、日本政策金融公庫から創業融資を受けたい人は借入申込書の入手方法を押さえておきましょう。
また、日本政策金融公庫の借入申込書には、いくつかの記入項目があります。借入申込書にある記入項目を確認することにより、事前に記入内容を検討することができるため、借入申込書を入手した人はそれぞれの記入項目を確認してみましょう。
なお、日本政策金融公庫に申し込む場合、借入申込書に加え、いくつかの書類を提出することになります。融資の可否を決める判断材料として確認される書類もあるため、借入申込書を作成した人はその前提を踏まえつつ、添付書類の具体例を確認しておきましょう。