創業融資における事業計画書の書き方のポイントを解説

事業計画書を書く場合は、目的によってポイントが異なります。「出資を受けるため」「補助金を受けるため」など、事業計画書は作成する目的によってポイントが異なるため、創業融資を受けたい人はその目的に沿った事業計画書を作成することになります。

当記事では、創業融資における事業計画書の書き方のポイントを解説します。ポイントを押さえることにより、審査の助けとなる事業計画書を作成できる可能性があるため、創業融資を受けたい人は参考にしてみてください。

ポイントは金融機関に評価してもらう目的から外れないこと

創業融資における事業計画書を書くときのポイントは、「金融機関に評価してもらう目的から外れないこと」です。事業計画書を作成する目的はさまざま考えられますが、創業融資を受けるために事業計画書を作成するならば、その金融機関の融資担当者から評価される事業計画書を書くことがポイントとなります。

【金融機関から評価されるために工夫できることの例】

  • 所定のフォーマットを利用する
  • 専門家以外の人が見ても分かりやすい内容にする
  • 実現可能性の高い数値を設定する

創業融資を受けるために事業計画書を作成するならば、金融機関から評価されるために工夫することを検討してみてください。工夫できることはいくつか挙げられるため、創業融資を受けるために事業計画書を作成している人はそれぞれの項目を確認してみましょう。

なお、事業計画書を作成する目的が融資以外であれば、作成するポイントは異なる可能性があります。「自身のため」「出資を受けるため」「補助金を受けるため」など、事業計画書の目的によってポイントが異なるため、当記事では創業融資を受けるためのポイントを解説していきます。

所定のフォーマットを利用する

金融機関に評価してもらう目的のもと事業計画書を作成する場合は、所定のフォーマットを利用するようにしましょう。創業融資の申込先ごとに所定の書式を設けている場合があるため、創業融資を申し込む機関への事前確認が必要です。

【事業計画書のフォーマット例】

申込先の例 フォーマットの例
日本政策金融公庫 公式サイト「創業計画書」より
東京都信用保証協会 公式サイト「創業保証をご利用の場合(Excel)」より
神奈川県制度融資 公式サイト「創業・再挑戦計画書(Excel)」より
京都中央信用金庫 公式サイト「創業・開業・起業・ベンチャー企業支援(Excel)」より

たとえば、東京都信用保証協会は所定の書式を設けています。信用保証協会は全国にありますが、地域ごとに異なる書式を用意している場合があるため、東京都の信用保証協会を利用するときは東京都信用保証協会の所定の書式を使用することになります。

また、神奈川県の制度融資を利用する場合、所定の書式を使用することになります。都道府県が主導する制度融資を利用して創業融資を受ける場合、都道府県ごとに所定の事業計画書の書式を使用することになります。

なお、創業融資の場合は事業計画書を創業計画書と呼称することがあります。「事業計画書」「創業計画書」どちらかの名称を使用する傾向にあるため、所定の書式の有無を調べるときは留意しておきましょう。

専門家以外の人が見ても分かりやすい内容にする

金融機関に評価してもらう目的のもと事業計画書を作成する場合は、専門家以外の人が見ても分かりやすい内容にしましょう。業界に精通していない人が読んでも理解できる表現を使うことにより、事業計画書の内容を誤解なく伝えられるからです。

たとえば、飲食業の事業計画書を作成する場合、業界用語を使用すると金融機関の担当者に伝わらない可能性があります。「アイドルタイム」「インベントリー」などの業界用語を使用すると、審査担当者との間にコミュニケーションの齟齬が生まれるおそれがあります。

また、IT業種の事業計画書を作成する場合、専門用語を使用すると金融機関の担当者に伝わらない可能性があります。「AR」「IDE」などの専門用語を使用すると、審査担当者に事業の概要を理解してもらいにくい可能性があります。

事業計画書は、最終的には金融機関の決裁者が確認します。審査担当者だけでなく、さまざまな立場の人が読む可能性があるため、業界に精通していない人でも理解できる文章で説明することを検討してみてください。

実現可能性の高い数値を設定する

金融機関に評価してもらう目的のもと事業計画書を作成する場合は、実現可能性の高い数値を設定しましょう。金融機関は融資した金額を回収できるかどうかを判断しているため、収支計画や資金計画は実現可能性の高い数値を設定するようにしましょう。

たとえば、不動産賃貸業の収支計画を立てる場合は、空室率を考慮してみましょう。「空室率が70%の場合」「空室率が50%の場合」の収支計画を立てることにより、金融機関からリスクを考慮した事業計画書を作成していると評価される可能性があります。

また、IT事業の資金計画を立てる場合は、開発費用の変動リスクを考慮してみましょう。「追加の人件費が必要になった場合」「外注費が予定より増加した場合」の資金計画を立てることにより、金融機関から実現可能性の高い事業計画書を作成していると評価される可能性があります。

創業初期は計画通りに事業が進まないことも考えられます。さまざまなリスクを考慮した数値を設定することにより、金融機関からの評価を受けられる可能性があるため、事業計画書を作成するときは実現可能性の高い数値を設定することを検討してみてください。

事業計画書を作成するときは根幹の部分から取り掛かってみる

事業計画書を作成するときは根幹の部分から取り掛かってみることを検討してみましょう。事業計画書を作成する順番はありませんが、事業の根幹部分から取り掛かることにより、事業計画書を滞りなく作成できる可能性があります。

【根幹となる項目例】

項目 チェック例
起業の動機 ・経営者の経歴と関連のある動機になっているか?
・経営者の熱意や思いが伝わる動機になっているか?
ビジョンや目標 ・経営者の思いを反映したビジョンが設定されているか?
・長期的な数字上の目標も設定されているか?
事業コンセプト ・ビジョンや目標を実現できる事業コンセプトになっているか?
・「誰に」「何を」「どうやって」提供するか明確になっているか?
市場分析 ・事業内容に対する市場の需要を分析できているか?
・将来の業界の展望も見据えた分析ができているか?

根幹となる項目に取り掛かるときのポイントのひとつは、「各項目を通して整合性があるかどうか」です。「起業の動機を反映したビジョン」「市場分析の結果を反映した事業内容」など、各項目の内容に整合性をもたせることにより、一貫性のある事業計画書を作れる可能性があります。

根幹となる項目に取り掛かるときのポイントのひとつは、「具体性のある説明ができているかどうか」です。「数字上の目標設定」「サービスの提供方法」など、具体性のある説明をすることにより、事業内容が理解しやすい事業計画書を作れる可能性があります。

事業計画書は根幹の部分から取り掛かることにより、事業の方向性や軸が定まります。根幹の部分を決定することにより、整合性や一貫性のある事業計画を立てられる可能性があるため、事業計画書を作成するときは根幹の部分から取り掛かることを検討してみてください。

作成した事業計画書は添削してもらうことを検討する

作成した事業計画書は添削してもらうことを検討してみましょう。事業計画書を金融機関に提出する前に、第三者に添削してもらうことにより、自身では気づかなかった課題や問題点に気が付ける可能性があるからです。

【事業計画書を添削してもらう相手の例】

  • 商工会議所や商工会
  • よろず支援拠点
  • 開業する業種のプロ

事業計画書を添削してもらう相手として「商工会議所や商工会」が挙げられます。商工会議所や商工会は管轄地域で創業する事業者を支援しているため、無料での創業相談や事業計画書の添削をしてくれます。

事業計画書を添削してもらう相手として「よろず支援拠点」が挙げられます。よろず支援拠点は国が全国に設置した無料の経営相談所であり、創業支援も行っているため、事業計画書の添削をしてくれる可能性があります。

なお、自身が開業する業種のプロに意見をもらう方法もあります。「独立開業した先輩」「業種に特化したコンサルタント」など、開業する業種に詳しい人に事業計画書を見てもらうことにより、課題や問題点が見つかる可能性があるため、事業計画書が完成した人は開業する業種のプロに意見をもらうことも検討してみてください。

まとめ

創業融資における事業計画書を書くときのポイントは、「金融機関に評価してもらう目的から外れないこと」です。事業計画書を作成する目的はさまざま考えられますが、創業融資を受けるために事業計画書を作成するならば、その金融機関の融資担当者から評価される事業計画書を書くことがポイントとなります。

事業計画書を作成するときは根幹の部分から取り掛かってみることを検討してみましょう。事業計画書を作成する順番はありませんが、事業の根幹部分から取り掛かることにより、事業計画書を滞りなく作成できる可能性があります。

作成した事業計画書は添削してもらうことを検討してみましょう。事業計画書を金融機関に提出する前に、第三者に添削してもらうことにより、自身では気づかなかった課題や問題点に気が付ける可能性があるからです。

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