飲食業や建築業など、独立開業を目指している人の中には、資金調達を予定している人もいますよね。その際、資金調達方法の選択肢として創業融資を検討していることにより、創業融資のメリットとデメリットを知りたい人もいるでしょう。
当記事では、創業融資のメリットとデメリットを解説します。メリットとデメリットに加え、創業融資の特徴や創業者向けの融資制度も解説するため、資金調達方法の選択肢として創業融資を受けることを検討中の人は参考にしてみてください。
まずは創業融資のメリットを確認する
創業融資を受ける場合、それ相応のメリットがあります。創業融資を受けない場合と比較したときのメリットを確認することにより、創業融資を受けるかどうかの判断材料となる可能性があるため、創業融資を検討中の人はメリットを確認してみましょう。
【創業融資のメリット】
- 初期費用を確保できる点
- 資金繰りの安定につながる点
- 金融機関と関係を構築できる点
創業融資のメリットとして挙げられるのは「初期費用を確保できる点」「資金繰りの安定につながる点」「金融機関と関係を構築できる点」です。創業融資を受けるかどうかの判断材料となる可能性があるため、まずは創業融資のメリットを確認してみましょう。
初期費用を確保できる点
創業融資のメリットのひとつは「初期費用を確保できる点」です。創業融資を受けることにより、創業時の初期費用を確保できるため、創業融資のメリットを知りたい人はその前提を踏まえつつ、初期費用の具体例を確認してみましょう。
【創業時における初期費用の具体例】
| 項目 | 具体例 |
|---|---|
| 飲食業の場合 | ・店舗の保証金 ・店舗の内装工事費 ・厨房機器の導入費 ・接客備品の購入費 ・フランチャイズ加盟金 |
| 美容業の場合 | ・店舗の保証金 ・店舗の内装工事費 ・美容機器の導入費 ・セット面の導入費 ・シャンプー台の導入費 |
| 建築業の場合 | ・事務所の保証金 ・建設機械の導入費 ・営業車両の購入費 ・安全用品の購入費 ・建築資材の仕入費 |
たとえば、飲食業の場合、店舗の準備に必要となる初期費用を確保できる可能性があります。「店舗の保証金」や「厨房機器の導入費」など、店舗の準備に必要となる初期費用を確保することにより、提供するサービスの幅が広がる可能性があります。
また、建築業の場合、施工の準備に必要となる初期費用を確保できる可能性があります。「建設機械の導入費」や「建築資材の仕入費」など、施工の準備に必要となる初期費用を確保することにより、対応できる案件の選択肢が広がる可能性があります。
創業融資を受ける場合、自己資金のみによる創業よりも事業内容の選択肢が広がる可能性があります。借入金を活用することにより、創業時の設備投資を増やせる可能性があるため、創業融資のメリットを知りたい人は覚えておきましょう。
資金繰りの安定につながる点
創業融資のメリットのひとつは「資金繰りの安定につながる点」です。創業融資を受けることにより、創業後の資金繰りが安定する可能性があるため、創業融資のメリットを知りたい人はその前提を踏まえつつ、資金繰りのイメージを確認してみましょう。
【自己資金200万円の場合における資金繰りのイメージ】
| 項目 | 1か月目 | 2か月目 | 3か月目 | |
|---|---|---|---|---|
| 500万円の創業融資を受けた場合 | 月初残高 | 700万円 | 640万円 | 560万円 |
| 売上 | 40万円 | 50万円 | 60万円 | |
| 支出 | -100万円 | -130万円 | -150万円 | |
| 月末残高 | 640万円 | 560万円 | 470万円 | |
| 創業融資を受けなかった場合 | 月初残高 | 200万円 | 140万円 | 60万円 |
| 売上 | 40万円 | 50万円 | 60万円 | |
| 支出 | -100万円 | -130万円 | -150万円 | |
| 月末残高 | 140万円 | 60万円 | -30万円 | |
創業後は売上が安定するまでに時間がかかるおそれがあります。「新規顧客数の不足」や「受注数の不足」など、売上が安定するまでに時間がかかるおそれがあるため、運転資金として創業融資を受けておくことにより、資金ショートを防げる可能性があります。
また、創業後は想定外の支出が発生するおそれがあります。「設備の修理代」や「宣伝広告費の増加」など、想定外の支出が発生するおそれがあるため、運転資金として創業融資を受けておくことにより、急な支出にも対応できる可能性があります。
なお、運転資金は3か月から6か月分を目安とする考え方があります。事業が安定するまでの期間の支出に備えることを目的として、3か月から6か月分の運転資金を確保しておく考え方があるため、創業融資のメリットを知りたい人は覚えておきましょう。
金融機関と関係を構築できる点
創業融資のメリットのひとつは「金融機関と関係を構築できる点」です。創業融資を受けることにより、金融機関との関係を構築できる可能性があるため、創業融資のメリットを知りたい人はその前提を踏まえつつ、金融機関の具体例を確認してみましょう。
【金融機関の具体例】
| 金融機関 | 具体例 |
|---|---|
| 信用金庫 | 特定地域の中小企業や住民を対象とする非営利目的の金融機関。返済実績を積むことにより、信用金庫との関係を構築できるため、融資の相談がしやすくなる可能性がある。 |
| 地方銀行 | 特定地域を主な営業基盤とする営利目的の金融機関。返済実績を積むことにより、地方銀行との関係を構築できるため、融資の相談がしやすくなる可能性がある。 |
創業融資を実施している金融機関として挙げられるのは「信用金庫」です。信用金庫から創業融資を受けた場合、返済実績を積むことにより、その信用金庫と信頼関係を築けるため、新たに事業資金が必要となったときに相談しやすくなる可能性があります。
また、創業融資を実施している金融機関として挙げられるのは「地方銀行」です。地方銀行から創業融資を受けた場合、返済実績を積むことにより、その地方銀行と信頼関係を築けるため、新たに事業資金が必要となったときに相談しやすくなる可能性があります。
なお、民間金融機関から創業融資を受ける場合、信用保証付き融資となる可能性があります。信用保証協会が債務を保証する仕組みとなる関係上、信用保証料の支払いが必要となるため、創業融資を受けることを検討中の人は予備知識として覚えておきましょう。
つぎは創業融資のデメリットを確認する
創業融資を受ける場合、それ相応のデメリットがあります。創業融資を受けない場合と比較したときのデメリットを確認することにより、創業融資を受けるかどうかの判断材料となる可能性があるため、創業融資を検討中の人はデメリットを確認してみましょう。
【創業融資のデメリット】
- 返済義務を負う点
- 利息負担が発生する点
- 手続きに時間がかかる点
創業融資のデメリットとして挙げられるのは「返済義務を負う点」「利息負担が発生する点」「手続きに時間がかかる点」です。創業融資を受けるかどうかの判断材料となる可能性があるため、メリットを押さえた人は創業融資のデメリットを確認してみましょう。
返済義務を負う点
創業融資のデメリットのひとつは「返済義務を負う点」です。創業融資を受けることにより、返済義務を負うことになるため、創業融資のデメリットを知りたい人はその前提を踏まえつつ、元金返済額のイメージを確認してみましょう。
【元金返済額のイメージ】
| 項目 | 返済期間 | 月々の元金返済額(元金均等返済) |
|---|---|---|
| 300万円の創業融資を受けた場合 | 5年間 | 5万円 |
| 10年間 | 2.5万円 | |
| 500万円の創業融資を受けた場合 | 5年間 | 約8.3万円 |
| 10年間 | 約4.2万円 |
※日本政策金融公庫の公式サイトにある「返済シミュレーション(事業資金用)」をもとに株式会社Solabo作成
たとえば、300万円の借入金を10年間かけて返済する条件と仮定した場合、月々の元金返済額は「2.5万円」です。創業融資を受けた場合はその条件に従って返済義務を負うことになるため、経営状況にかかわらず、毎月2.5万円を返済する必要があります。
また、500万円の借入金を5年かけて返済する条件と仮定した場合、月々の元金返済額は「約8.3万円」です。創業融資を受けた場合はその条件に従って返済義務を負うことになるため、経営状況にかかわらず、毎月約8.3万円を返済する必要があります。
なお、月々の元金返済額は返済方法によっても異なります。「元金均等返済」や「元利均等返済」など、返済方法によって月々の元金返済額が異なるため、創業融資のデメリットを知りたい人は予備知識として覚えておきましょう。
利息負担が発生する点
創業融資のデメリットのひとつは「利息負担が発生する点」です。創業融資を受けたときは元金の返済に加え、利息の支払いが必要となるため、創業融資のデメリットを知りたい人はその前提を踏まえつつ、利息総額のイメージを確認してみましょう。
【利息総額のイメージ】
| 項目 | 返済期間 | 金利2.0% | 金利3.0% | 金利4.0% | 金利5.0% |
|---|---|---|---|---|---|
| 300万円の創業融資を受けた場合 | 5年間 | 約15万円 | 約23万円 | 約31万円 | 約38万円 |
| 10年間 | 約30万円 | 約45万円 | 約61万円 | 約76万円 | |
| 500万円の創業融資を受けた場合 | 5年間 | 約25万円 | 約38万円 | 約51万円 | 約64万円 |
| 10年間 | 約50万円 | 約76万円 | 約101万円 | 約126万円 |
※日本政策金融公庫の公式サイトにある「返済シミュレーション(事業資金用)」をもとに株式会社Solabo作成
利息総額を決める要素のひとつは「金利」です。「借入額が300万円」かつ「返済期間が5年」の条件と仮定した場合、金利が2.0%のときの利息総額は約15万円ですが、金利が5.0%のときの利息総額は約38万円となるため、利息総額は金利により左右されます。
また、利息総額を決める要素のひとつは「返済期間」です。「借入額が500万円」かつ「金利が2.0%」の条件と仮定した場合、返済期間が5年の場合は約25万円ですが、返済期間が10年の場合は約50万円となるため、利息総額は返済期間により左右されます。
創業融資を受ける場合、元金の返済に加え、利息を負担することになります。金融機関への対価として利息を負担することになる関係上、借入額よりも返済総額のほうが高くなるため、創業融資のデメリットを知りたい人は覚えておきましょう。
手続きに時間がかかる点
創業融資のデメリットのひとつは「手続きに時間がかかる点」です。創業融資を申し込むときはいくつかの手続きを踏むことになるため、創業融資のデメリットを知りたい人はその前提を踏まえつつ、必要となる手続きを確認してみましょう。
【創業融資における手続きの具体例】
| 手続き | 概要 |
|---|---|
| 書類 | 申込に必要となる書類を用意する。「事業計画書」「資金繰り表」「設備資金の見積書」など、複数の書類が必要となる。 |
| 申込 | 書類を提出することにより、金融機関に申し込む。「支店窓口での申込」や「インターネットでの申込」など、申込方法は金融機関ごとに異なる。 |
| 面談 | 金融機関の担当者と面談を行う。「事業内容の想定問答」や「資金使途の想定問答」など、事前準備が必要となる。 |
| 契約 | 審査に通過した場合は契約手続きを行う。「借用証書の確認」や「本人確認書類の提出」など、複数の手続きが必要となる。 |
必要となる手続きとして挙げられるのは「書類」です。書類は創業融資の可否における判断材料のひとつとなる関係上、記入内容の整理が必要となるため、「事業計画書」「資金繰り表」「設備資金の見積書」などの書類作成に時間がかかる可能性があります。
また、必要となる手続きとして挙げられるのは「面談」です。面談は創業融資の可否における判断材料のひとつとなる関係上、回答内容の整理が必要となるため、「事業内容の想定問答」や「資金使途の想定問答」などの事前準備に時間がかかる可能性があります。
なお、創業融資の場合、申込から入金までにかかる期間の目安は1か月から3か月です。利用する融資制度や申込者の状況にもよりますが、申込から入金までに相応の期間が必要となるため、創業融資のデメリットを知りたい人は覚えておきましょう。
メリットとデメリットを確認した人は創業融資の特徴を押さえる
創業融資には、いくつかの特徴があります。創業融資の特徴を押さえることにより、創業融資を受けるかどうかの判断材料となる可能性があるため、創業融資のメリットとデメリットを確認した人は創業融資の特徴を押さえておきましょう。
【創業融資の特徴】
- 創業前でも申し込める点
- 融資条件が優遇される点
創業融資の特徴として挙げられるのは「創業前でも申し込める点」と「融資条件が優遇される点」です。創業融資を受けるかどうかの判断材料となる可能性があるため、創業融資のメリットとデメリットを確認した人は創業融資の特徴を押さえておきましょう。
創業前でも申し込める点
創業融資の特徴のひとつは「創業前でも申し込める点」です。創業融資は創業支援を目的としている関係上、事業実績のない創業者でも申し込める可能性があるため、創業融資を受けることを検討中の人は特徴のひとつとして確認してみましょう。
既存事業者を対象とした融資制度の場合、申込時に決算書類の提出を求められます。「直近の確定申告書」や「直近の決算書一式」など、決算書類を提出することになるため、既存事業者の場合は事業実績を含めた観点から融資の可否を判断されることになります。
一方、創業者を対象とした融資制度の場合、決算書類を提出できなくても申し込める可能性があります。創業前の場合は決算書類の提出ができないため、事業計画や自己資金など、事業実績以外の観点から創業融資の可否を判断されることになります。
なお、対象者の条件は融資制度次第です。「1か月以内に開業予定の人」や「2か月以内に法人設立予定の人」など、創業までの期間が定められている場合があるため、創業融資を受けることを検討中の人は留意しておきましょう。
融資条件が優遇される点
創業融資の特徴のひとつは「融資条件が優遇される点」です。創業融資は創業支援を目的としている関係上、融資条件が優遇される可能性があるため、創業融資を受けることを検討中の人は特徴のひとつとして確認してみましょう。
優遇される融資条件として挙げられるのは「金利」です。「一律〇%引き下げ」や「若者の場合は〇%引き下げ」など、金利の条件が優遇される場合があるため、既存事業者向けの融資制度よりも創業者向けの融資制度のほうが金利が低く設定される可能性があります。
また、優遇される融資条件として挙げられるのは「担保」です。「原則として無担保」や「担保は任意」など、担保の有無に関する条件が優遇される場合があるため、創業者向けの融資制度は担保を提供せずに融資を受けられる可能性があります。
なお、融資条件が優遇されるかどうかは利用する融資制度次第です。「金利」「返済期間」「融資限度額」など、融資条件は利用する融資制度ごとに異なるため、創業融資を受けることを検討中の人は留意しておきましょう。
創業融資が気になる人は創業者向けの制度を探してみる
創業融資を申し込みたい場合、利用できる融資制度を探すことになります。さまざまな機関が創業者向けの融資制度を展開しているため、創業融資が気になる人は創業者向けの融資制度の具体例を確認してみましょう。
【創業者向けの融資制度の具体例】
| 融資制度 | 概要 |
|---|---|
| 日本政策金融公庫 「新規開業・スタートアップ支援資金」 |
政策金融機関の日本政策金融公庫が展開している融資制度。「新たに事業を始める人」や「事業開始後おおむね7年以内の人」が対象とされ、融資限度額は7,200万円。 |
| 東京都中小企業制度融資 「創業」 |
東京都と民間金融機関、信用保証協会が連携して展開している制度融資。「具体的な創業計画を有している人」や「創業から5年未満の中小企業者」などの創業者が対象とされ、融資限度額は3,500万円。 |
| 大阪府制度融資 「開業・スタートアップ応援資金」 |
大阪府と民間金融機関、信用保証協会が連携して展開している制度融資。「1か月以内に創業する人」や「2か月以内に会社を設立する人」などの創業者が対象とされ、融資限度額は3,500万円。 |
創業者向けの融資制度として挙げられるのは日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」です。「新たに事業を始める人」や「事業開始後おおむね7年以内の人」が対象となるため、条件に該当する人は検討する余地があります。
また、創業者向けの融資制度として挙げられるのは大阪府の「開業・スタートアップ応援資金」です。「1か月以内に創業する人」や「2か月以内に会社を設立する人」など、いくつかの条件を満たしている人が対象となるため、条件に該当する人は検討する余地があります。
なお、地方自治体の制度融資の場合、地方自治体ごとに制度の内容が異なります。「利子補給」や「信用保証料補助」など、費用負担の軽減策を実施している地方自治体もあるため、気になる人は事業所を管轄する地方自治体の公式サイトを確認してみましょう。
まとめ
創業融資のメリットとして挙げられるのは「初期費用を確保できる点」「資金繰りの安定につながる点」「金融機関と関係を構築できる点」です。創業融資を受けるかどうかの判断材料となる可能性があるため、まずは創業融資のメリットを確認してみましょう。
創業融資のデメリットとして挙げられるのは「返済義務を負う点」「利息負担が発生する点」「手続きに時間がかかる点」です。創業融資を受けるかどうかの判断材料となる可能性があるため、メリットを押さえた人は創業融資のデメリットを確認してみてください。
創業融資を申し込みたい場合、利用できる融資制度を探すことになります。さまざまな機関が創業者向けの融資制度を展開しているため、創業融資が気になる人は創業者向けの融資制度の具体例を確認してみましょう。