経営改善計画書に盛り込む項目は?金融機関が納得する書き方を徹底解説

業績悪化により、銀行に毎月の返済を減額してもらうなどリスケの依頼をしたところ、初めて「経営改善計画書」の作成が必要であることを知ったという方も多いでしょう。しかし、大半の方は、そもそも経営改善計画書を作成した経験がありません。

そこで、当記事では金融機関が納得しやすい経営改善計画書の書き方や盛り込むべき項目などについて説明します。

経営改善計画書の概要

まずは経営改善計画書の基礎的な内容を確認しましょう。

経営改善計画書とは

頭の中にあるアイデアや構想をどのように実現するかを示したものが事業計画書です。実は、経営改善計画書はこの事業計画書のうちの1つです。
経営改善計画書には大きくわけて2つの種類があります。前向きな要素を含む長期の経営改善計画書と緊急事態に対応するための経営改善計画書です。

経営改善計画書を作成する目的

経営改善計画書を作成する目的は2つあります。それぞれ内容について解説します。

長期的な事業計画書として

まず1つめは長期的な事業計画書とすることを目的とする場合です。未来の経営戦略では、日々変化する経営環境に対してどう対応するのかを明確にするために作成します。
利益構造の見直しを行い生産性の向上を目的に、5年後・10年後の未来を見据えて作成されるのです。

返済のリスケなど短期的な経営改善として

返済のリスケなど短期的な経営改善を目的に作成する場合もあります。借入金の返済が業績悪化によって難しくなった際に、月々の返済額を減らしたり、返済スケジュールを変更したりするために金融機関への提出資料として用いられるのです。
金融機関からの新規の借入が困難となるような場合にも作成されます。

リスケに向けた経営改善計画書の書き方

何らかの原因で資金繰りに困った場合、銀行に対して借入金の返済額を減らしてもらったり、返済期日の変更を依頼したりする必要があるでしょう。このように返済の条件を緩和することを「リスケ」といいます。
銀行にリスケを許諾してもらうには、経営改善計画の提出が必要です。そこでリスケに向けた経営改善計画書の書き方を解説します。

経営改善計画書に盛り込む項目

リスケに向けた経営改善計画書では、実現不可能な計画や楽観的な計画では認められません。正確なデータに基づいて、現実的に作成する必要があります。
そこで盛り込むべき項目について確認しておきましょう。

企業の現況と窮境原因

企業の現在の状況と、なぜ窮境しているのかその原因について理解してもらうためにも、以下の項目は盛り込みましょう。

● 創業の経緯、会社概要、経営理念
● 事業内容(ビジネスモデル)
● 財務状況や経営分析結果
● 窮境原因
● SWOT分析(自社を取り巻く環境変化)
● 経営課題

つまり、銀行に対して借入金の返済額を減らしてもらうなどリスケを認めてもらうためには、まず経営者がなぜこのような自体を招いたのかという理由や今現在の会社の状況を正しく理解しているかどうかが重要となってきます。そのうえで、以下に示す改善策などでさらなる理解を得る必要があります。

具体的な改善策

リスケ後にどのような改善がなされるのか、その具体的な内容も記載しましょう。たとえば、コスト削減のため人件費の軽減が必要なのであれば、どのようなリストラ計画に沿って実行するのか、非採算部門をどう撤退させるかなど、できるかぎり細かく、そして具体的に説明しなければなりません。

次のような資料を作成すれば、具体的な改善内容を金融機関に伝えることができるでしょう。

● 経営改善における基本的方針
● 経営改善の具体的な方法
● 直近3期の販売管理費を比較した改善計画
● 直近3期の製造原価を比較した改善計画

数値計画

どんなに丁寧な計画書を作成しても、そこに指標となる「数値」の記載が無ければ説得力に欠けるでしょう。以下の計画については実現可能な数値計画を立て、記載する必要があります。

● 売上・利益
● キャッシュフロー
● 返済条件や期日

提出前には売上増加を安易に捉えていたり、そもそも債務返済できない計画になっていたりしないかなどを確認しましょう。

中小企業庁や金融機関の雛形の利用

前述した計画書等を一から作成すると、膨大な時間が必要となります。そこで中小企業庁や金融機関などが無料で配布している雛形を利用しましょう。

経営改善計画書の書式はインターネット上でも多く公開されており、細かな内容に違いはあれど概ね同じ考えで作成できるようなっています。日本政策金融公庫や中小企業庁の公式サイトからもダウンロード可能です。

日本政策金融公庫:https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_chusho.html
中小企業庁:https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/kaizen/2018/180718kaizen14.pdf

金融機関を納得させるポイント

どのような経営改善計画書であれば金融機関はリスケに納得してくれるのでしょうか。2つのポイントを紹介します。

根拠のある数値計画であること

金融機関を納得させる経営改善計画書を作成するには、根拠が確かな数値目標が必須です。特に売上拡大や経費削減についての目標数字には、根拠を明確にして記載する必要があります。

たとえ経営改善計画書に売上が1億円増える計画を記載しても、「なぜ伸びるのか」が具体的に説明できなければ無意味です。客数や客単価、リピート率などをどれだけ増加させれば売上目標に到達できるのかを細かく、正確に伝えなければ金融機関を納得させることはできません。

または客単価を上げるには、どのようなアクションプランを立てるのか、改善指標となる数字をどれくらいにするのかも決める必要もあります。これらを経営改善計画書で示すことができれば、根拠の説明と捉えてもらえる可能性は高まるでしょう。

実現可能性の高い計画書であること

金融機関に認めてもらいやすい経営改善計画書とするには、過度に目標を高くしすぎないことも重要なポイント。そもそも売上を急に伸ばすことができるのであれば、リスケも不要だったはずです。

また、売上増加の施策を実行し、成果が出るまでにはある程度の時間が必要となります。経営改善計画書は5年で計画することが多く、1年目から急激に売上が上がる計画は実現可能性が低いと判断されかねません。

実現可能な経営改善計画書を提示したほうが、銀行からは認めてもらいやすくなるでしょう。

中小企業庁による経営改善計画策定支援事業

中小企業庁には「経営改善計画策定支援事業」という支援事業があります。借入金の返済や資金繰りの問題を抱えた中小企業・小規模事業者の多くにとって、経営改善計画等の作成自体が難しいのが実情ではないでしょうか。

そこで経営改善計画策定支援事業では、中小企業・小規模事業者が金融機関からの融資を受けるための支援を行っています。金融機関が求める経営改善計画を、中小企業経営力強化支援法に基づき認定された経営革新等支援機関がサポートしてくれるのです。

その費用の一部を国が負担し、中小企業・小規模事業者の経営改善を促進するこの事業もチェックしておきましょう。

まとめ

経営改善計画書は経営を改善するために作成する事業計画書のひとつです。また金融機関にリスケを依頼する場合にも、この経営改善計画書が必要となります。

そして経営改善計画書の内容について納得してもらえるかどうかは書き方によって左右されるのです。金融機関からリスケの了承を得るために、根拠ある数値計画を示した上、実現可能性の高い経営改善計画書を作成しましょう。

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