身近な金融機関である信用金庫。
融資や貯金など、業務内容だけ見ると、銀行や信用組合と同じような業務を行っています。そんな信用金庫ですが、銀行や信用組合との違いはどこにあるのでしょうか?
今回はそんな信用金庫と銀行・信用組合との違いについて解説します。
1.信用金庫と銀行・信用組合との共通点
まずは信用金庫と銀行・信用組合との共通点について考えてみましょう。
(1)預金を管理する
最も分かりやすいのは、個人でもよく利用する「預金」です。
個人や法人で口座を作成し、そこに預金されたお金を安全に管理するのが仕事の一つです。
この点に関してはどの金融機関でもあまり変わらず、決済に関しても「小切手法」という法律でまとめて管理されているなど、法的にも同様の業務となっています。
(2)個人や法人、個人事業主に融資を行う
信用金庫や銀行といった金融機関にとって、個人や法人、個人事業主に対して融資を行うことも共通した業務です。
融資を行うことで地域や企業の資金繰りを支援し、経済活動を活性化させることにつながります。
個人向けでは特に「ローン」「キャッシング」と呼ばれることが多いですが、これも融資のことを指します。
2.信用金庫と銀行・信用組合との違い
(1)法的な扱い
信用金庫と銀行、信用組合の違いとして、法的な扱いが違います。
具体的には、それぞれの金融機関を管理する法律が異なります。
信用金庫は信用金庫法、銀行は銀行法、信用組合は中小企業等協同組合法と協同組合による金融事業に関する法律によって管理されます。
(2)設立目的
基本的にどの金融機関も利用者の経済的な地位向上を目的としています。信用金庫はその地域の民衆、信用組合は所属する組合員、銀行は利用者であれば誰でも、とその顧客範囲によって変動があります。
(3)組織形態
組織の形態にも差があります。
信用金庫と信用組合はそれぞれ会員、組合員の出資による共同組織の非営利法人としての形態をとっています。銀行は営利法人で、それにより運営の方針が大きく変わってきます。
信用金庫や信用組合と比較して銀行の融資審査が厳しい理由もここにあります。出資によって成り立っているわけではないため、利益の追求をしなければならない銀行では、資金の運用がシビアになりがちです。
(4)会員資格
信用金庫や信用組合はその地区内の経済のための組織なので、会員や組合員になるには条件が設定されています。
一方で、銀行はそういった制限は一切なく、誰でも利用することができます。
信用金庫 | (地区内において)
<事業者の場合>
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信用組合 | (地区内において)
<事業者の場合>
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(5)業務範囲(預金・貸出金)
信用金庫や信用組合には、銀行と違い預金や融資を行うときも制限があります。
信用金庫では預金に制限がありません。融資は「原則会員のみ利用可能」と制限されています。
信用組合は預金、融資ともに「原則組合員のみが対象」です。
信用金庫、信用組合ともに例外はありますが、会員、組合員以外では利用しにくい傾向です。
信用金庫 | 預金は制限なし
融資は原則として会員を対象とするが、制限つきで会員外貸出もできる(卒業生金融※あり) |
信用組合 | 預金は原則として組合員を対象とするが、総預金額の20%まで員外預金が認められる
融資は原則として組合員を対象とするが、制限つきで組合員でないものに貸出ができる(卒業生金融※なし) |
※卒業生金融
卒業生金融とは、成長して中小企業ではなくなった企業であっても、一定期間内であれば信用金庫から融資を受けることができる制度です。
まとめ
信用金庫と銀行、信用組合には、個人で利用する上ではあまり差がありません。
もし、どの金融機関を利用すればいいのか悩んでしまった場合は、認定支援機関など、専門家に相談してみましょう。
株式会社SoLaboは認可を受けた「認定支援機関」です。相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。