これから創業する人のなかには、銀行から融資を受けたい人もいますよね。とくに、はじめて融資を受ける人の場合、創業時に銀行から融資を受けられるかどうか不安を感じる人もいるでしょう。
当記事では、創業時に銀行から融資を受けられるかどうかを解説します。借入先の候補として銀行以外の金融機関も解説しているので、銀行から融資を受けたい人は参考にしてみましょう。
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創業時は融資を受けられない可能性がある
創業時は銀行から融資を受けられない可能性があります。これから創業する人は事業実績がないので、銀行が融資するかどうか決めるための判断材料が不足しているからです。
たとえば、三井住友銀行が中小企業向けに融資をおこなう「ビジネスセレクトローン」では、利用資格に「業歴2年以上であること」という要件を設けています。業歴がない場合は申し込み自体ができないため、これから創業する人は融資を受けることはできません。
また、りそな銀行の「りそなビジネスローン Speed on!」では、利用資格に「会計ソフトに1期分以上の仕訳データが登録され、申込月の3カ月前の月末までの仕訳データが登録されていること」という要件を設けています。創業して1年以上が経過していなければ、仕訳データを登録できないので、創業時の場合は融資を受けられません。
なお、創業時は銀行から融資を受けられない可能性がありますが、信用保証協会から保証を受けることで融資を受けられる場合もあります。信用保証協会について知りたい人は「信用保証協会とは?目的や役割をわかりやすく解説」も参考にしてみましょう。
不安な人は信用保証協会から保証を受けることを検討する
銀行から融資を受けられるかどうか不安な人は、信用保証協会から保証を受けるのも選択肢のひとつです。信用保証協会は事業者が銀行から事業資金を調達する際に保証人になってくれるので、銀行からの融資が受けやすくなるためです。
たとえば、東京信用保証協会の公式サイトにある「創業保証のご案内」からは「東京信用保証協会は、金融機関から事業資金を借入れする際の公的な保証人です。信用保証を通じ、創業後間もない方の資金調達のお手伝いをいたします」という旨の記載を確認できます。
また、独立行政法人中小機構が運営する『J-Net21』のQ&Aからは、「信用保証協会の仕組みと、利用するメリットや留意点について教えてください」という質問に対し「中小企業等が市中の金融機関から融資を受ける際、公的機関である信用保証協会が中小企業などの債務を保証すると、金融機関からの融資を受けやすくなります」という旨の回答が確認できます。
ただし、信用保証協会は申込者に対して無償で保証人になるわけではありません。信用保証協会から保証を受ける際、申込者はその対価として信用保証料を支払う必要があります。信用保証料は事業状況や融資条件によって異なるので、計算方法を知りたい人は「信用保証料とは?計算方法をわかりやすく解説」を参考にしてみましょう。
自治体が銀行と連携して融資を行う場合もある
地方自治体が銀行などと連携して創業者向けの融資を行っている場合もあります。地方自治体が地域の創業者を支援することで、地域内の産業を活性化する狙いがあるためです。
たとえば、東京都千代田区では「千代田区創業支援事業」を実施しています。千代田区内の金融機関や東京商工会議所などと連携して、起業資金の融資をあっせんする取り組みです。千代田区が利子の一部を負担することで創業者が負担する利子が軽減されるほか、信用保証協会に支払う信用保証料が全額免除になるなどの支援を受けられます。
なお、地方自治体によって創業者向けの融資制度の支援内容は異なります。支援制度の名称も地方自治体によって異なるので、地方自治体の融資制度を知りたい人は注意が必要です。地方自治体の融資制度を知りたい人は、創業予定の地域にある都道府県庁や市区町村の役所に問い合わせてみましょう。
銀行以外の選択肢もある
創業時の場合、銀行以外の金融機関から融資を受ける選択肢もあります。事業資金の融資をおこなっている金融機関には、銀行のほかに政府系金融機関や信用金庫などがあるので、これから創業する予定の人は創業時の借入先の候補としておさえておきましょう。
金融機関の種類 | 金融機関の具体例 | 参考記事 |
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政府系金融機関 | 日本政策金融公庫 | 日本政策金融公庫とは?特徴や銀行との違いをわかりやすく解説 |
信用金庫 | 宮城第一信用金庫、多摩信用金庫、富山信用金庫、岐阜信用金庫、大阪信用金庫、広島信用金庫など | 信用金庫から融資を受ける際の流れを解説 |
たとえば、政府系金融機関である日本政策金融公庫には、創業者が利用できる「新創業融資制度」があります。この制度の特徴は、新たに事業をはじめる人や事業開始後税務申告を2期終えていない人が無担保かつ無保証人で融資を受けられる点です。
また、多摩信用金庫や埼玉縣信用金庫などの信用金庫では、銀行と同様に創業者に向けた融資制度を用意しています。元金返済を据え置ける据置制度を導入している信用金庫もあるので、創業初期の返済負担を軽減したい場合は検討の余地があります。
なお、信用金庫は地域に密着した金融機関なので、地域特有の支援を行っている場合もあります。信用金庫は創業時に融資を受けたい人の選択肢のひとつになるので、気になる人は「信用金庫や信用組合から融資を受けるための基礎知識」も参考にしてみましょう。
まとめ
創業時は実績が乏しいため、銀行から直接融資を受けることが難しい傾向があります。信用保証協会から保証を受けることで、銀行からの融資が受けやすくなる場合もあるので、銀行から資金調達したい人は選択肢として覚えておきましょう。
また、銀行のほかに政府系金融機関や信用金庫などの金融機関も創業者向けの融資制度を用意しています。金融機関によって手続き方法や必要書類は異なるため、創業資金の融資を受けたい人は、まずは日頃から取引のある金融機関の窓口に詳細を問い合わせてみましょう。