信用情報ブラックの人は銀行融資を受けられるのか?

事業資金の調達を考えている人の中には、銀行からの融資を検討している人もいますよね。その際、過去の金融取引において「信用情報ブラック」の状態にある場合、融資が受けられるのかと不安を感じる人もいるのではないでしょうか。

当記事では、信用情報ブラックの人は銀行融資を受けられるのかどうかを解説します。「ブラックリスト」とは何かをはじめ、銀行融資が難しい場合に検討できる他の資金調達方法も紹介するので、信用情報に不安を感じながら銀行融資を検討している人は参考にしてみてください。

信用情報ブラックの人が銀行融資を受けることは難しい

過去に返済の延滞や債務整理などの金融事故を起こしている場合、いわゆる「信用情報ブラック」の状態となり、銀行からの融資は原則として難しくなります。銀行は審査において返済の確実性を重視していることから、事故情報の履歴がある申込者は返済能力を懸念されやすくなるためです。

信用情報ブラックとして記録される事故情報には、さまざまな内容があります。信用情報ブラックの可能性がある人は、自身の事故情報の内容に合わせて、今後の対応を検討していくことになります。

たとえば、融資の支払を期日通りに行わなかった「延滞」の記録は、比較的軽い事故情報として扱われます。延滞を解消した上で1年程度の記録期間が経過すると事故情報は削除され、その後は銀行融資の審査に影響することはなくなります。

一方で、任意整理や自己破産など「債務整理」の記録は、比較的重い事故情報として扱われます。特に裁判所を通じた法的手続きにおける事故情報の記録期間は長期にわたり、その期間に銀行融資の審査に通過することは期待できないため、融資以外の資金調達方法を検討する必要があります。

信用情報に不安がある場合、自分が本当に「信用情報ブラック」に該当しているのかを正確に把握する必要があります。信用情報機関へ情報の開示を請求し、記録されている内容を確認したうえで、今後の対応策を検討していきましょう。

なお、「ブラックリスト」という言葉はあくまで俗称であり、実際にブラックリストという名のリストが存在するわけではありません。「ブラックリストに載る」とは、クレジットカードの支払い延滞や債務処理などの金融事故に関する履歴が信用情報機関に記録されている状態を指します。

ブラックリストの情報として扱われる金融事故の種類

ブラックリストの情報として扱われる金融事故には、延滞から自己破産まで幅広い種類があります。金融事故の内容によって銀行の審査での評価は異なるため、自分に関係する記録がどの分類に該当するかを把握しておくことが大切です。

【主な金融事故の種類】

金融事故の種類 内容
長期延滞 支払いが61日以上または3か月以上遅延した場合
代位弁済 保証会社が本人に代わって返済を行った場合
強制解約 契約違反等により金融機関から契約を打ち切られた場合
任意整理 債権者と話し合いのうえ返済条件を変更した場合
個人再生 裁判所を通じた借金減額と返済手続きを行った場合
自己破産 裁判所により借金の支払い義務を免除された場合

金融事故の記録は、信用情報ブラックとみなされる主要な要因となります。金融事故には、短期の延滞から自己破産に至るまで幅広いケースがあり、それぞれの内容によって銀行の審査における評価も異なります。

たとえば、数か月の延滞と自己破産では、金融機関に与える印象や与信判断に明確な差が生じます。そのため、自分に関係する記録がどの分類に該当するのかを把握しておくことは、融資の可能性を見極める上でも重要です。

すでに事故情報の履歴がある場合には、その経緯や改善に向けた取り組みを示す資料を準備しておきましょう。「完済証明書」や「事情説明書」などを通じて返済に対する真摯な姿勢を伝えることで、銀行からの理解を得られる可能性が高まります。

信用情報を管理する3つの信用情報機関と役割

銀行融資の審査で参照される信用情報は、国が指定した3つの信用情報機関によって収集、管理されています。それぞれの機関が持つ役割と、取り扱う情報の違いを把握しておくことにより、自分の信用情報を効率的に確認できます。

【3つの信用情報機関と主な取扱情報】

信用情報機関 主な取扱情報
株式会社シー・アイ・シー(CIC) クレジットカード、スマートフォン本体代の分割払い など
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 銀行のローン商品、奨学金 など
株式会社日本信用情報機構(JICC) 消費者金融のローン商品、法人の信用情報 など

株式会社シー・アイ・シー(CIC)は、主にクレジットカード会社や信販会社が加盟する機関です。CICの役割は、クレジットカードの利用履歴やスマートフォン本体代の分割払いなど、日々の消費活動に密接した信用情報を管理することにあります。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)は、全国銀行協会が運営し、銀行や信用金庫などが加盟しています。KSCの役割は、住宅ローンや奨学金といった、個人の生活における大きな資金使途に関する信用情報を専門に管理することにあります。

株式会社日本信用情報機構(JICC)は、消費者金融会社などを中心とした幅広い貸金業者が加盟しています。JICCの役割は、個人向けのローン情報に加え、法人に関わる信用情報も幅広く管理することにあります。

金融事故に関する情報は信用情報機関によって管理されており、いずれも500円〜1,000円程度の手数料でオンラインや郵送による開示請求が可能です。融資に申し込む前には必ず自身の信用情報を確認し、審査に備えておきましょう。

ブラックリストに掲載される期間は1年~10年

信用情報ブラックとみなされる要因となる金融事故の情報は、信用情報機関において一定期間保存されます。掲載期間は金融事故の種類や手続きの内容によって異なり、最短でも1年程度、最長で10年程度にわたります。

【信用情報機関ごとの掲載期間の目安】

金融事故の種類 CIC JICC KSC
短期延滞(61日未満) 約1年 約1年 登録なし
長期延滞(61日以上) 約5年 約5年 約5年
債務整理(任意整理等) 約5年 約5年 約5年
債務整理(自己破産等) 約5年 約5年 約10年

短期延滞の記録は、完済後おおむね1年で削除されるため、比較的早い段階で再び融資に申し込むことができます。延滞を解消したあとは、事業計画や試算表、資金繰り表を整えておくことで、記録が削除されるまでの期間を次の融資に備える時間として使うことができます。

一方で、任意整理や自己破産などの重い金融事故は、5年から10年と長期にわたり信用情報に残ります。情報が削除されるまでは銀行融資を利用することが困難であるため、その期間は他の資金調達方法を検討する必要があります。

なお、掲載期間の起算日は事故の発生日ではなく「返済が完了した日」または「整理手続きが終了した日」とされるのが通例です。そのため、延滞や債務整理が長引くと、情報の削除も先延ばしになる点に留意しておきましょう。

信用情報ブラックの人は銀行融資以外の資金調達方法も検討してみる

信用情報がブラックの場合、銀行からの融資は受けにくくなります。そのため、現在の返済能力や事業計画を重視しつつ、信用情報の影響を受けにくい他の資金調達方法を検討することが有効です。

【信用情報に影響されにくい資金調達方法】

資金調達方法 概要
日本政策金融公庫の融資 ・国の公的金融機関による融資
・信用情報の開示は必要だが銀行よりも柔軟な対応が期待できる
補助金/助成金 ・中小企業支援や労働環境改善を目的とした返済不要の支援金
・信用情報の開示不要
ファクタリング ・売掛金を早期現金化する資金調達方法
・審査は取引先の信用力が基準となる
クラウドファンディング ・不特定多数の支援者から資金を集める資金調達手段
・信用情報よりもプロジェクトの魅力が重視される

信用情報がブラックの場合でも、信用情報に影響されにくい資金調達手段を検討することで、銀行融資以外の資金調達方法が広がります。これらの方法は信用情報よりも今後の取り組みを重視される傾向にあるため、事業計画を立てて事業の将来性を明確にしておくことにより、資金調達の可能性を高めることができます。

日本政策金融公庫の融資

日本政策金融公庫は、国が出資する政府系金融機関です。融資審査においては銀行と同じく信用情報の確認が行われますが、一般の金融機関が行う金融を補完することを目的にしていることから、銀行では難しい条件の融資にも対応してもらえる可能性があります。

【日本政策金融公庫の主な融資制度】

制度名 概要
一般貸付 幅広い事業者が対象
特別貸付 災害や景気変動などの特定の事情に対応
生活衛生貸付 飲食業や理美容業など生活衛生関連業種が対象

自己破産を経験した後でも、事業計画や自己資金を整えることで日本政策金融公庫から融資を受けられた企業の事例があります。日本政策金融公庫は中小企業や個人事業主を幅広く支援する仕組みを備えていることから、信用情報に不安がある人にとっても有力な選択肢です。

信用情報ブラックの懸念がある場合でも、事業再建への取り組みや計画性を具体的に示すことができれば、日本政策金融公庫の審査に通過できる可能性があります。まずは日本政策金融公庫が提供する融資制度の中から自分の事業に合った制度があるかどうかを確認し、申請準備を進めてみましょう。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、事業やプロジェクトの内容を公開し、その目的に共感した人々から少額ずつ資金を集める仕組みです。信用情報に左右されにくく、プロジェクトの内容次第では短期間でまとまった金額を調達できる可能性があります。

【クラウドファンディングの特徴】

クラウドファンディングの種類 特徴
購入型 ・新商品やサービスの魅力で支援を集める
・支援者に物品やサービスを提供
・信用情報ではなくプロジェクトの価値で判断される
寄付型 ・新商品やサービスの魅力で支援を集める
・支援者に物品やサービスを提供
・信用情報ではなくプロジェクトの価値で判断される
投資型 ・事業の成長性や将来性を重視
・利益の一部を分配する仕組み
・信用情報より事業計画の評価が重視される

購入型は、新商品やサービスの開発に利用される形式で、支援者には完成した商品やサービスが返礼として提供されます。市場の反応を確認しながら資金を集められるため、商品化前のテストマーケティングとしても役立ちます。

寄付型は、社会貢献や地域活性化など公益性の高い活動に利用される形式で、支援者には活動報告や感謝のメッセージが返礼として提供されます。物や金銭によるリターンが不要とされる傾向にあり、見返りを求めない支援の仕組みとして活用されています。

投資型は、事業の成長性や収益性を重視した資金調達に利用される形式で、支援者には出資の対価として金銭的なリターンが提供されます。株式や分配金などリターンによる負担は大きくなるものの、比較的大規模な資金調達が期待できる点が特徴です。

クラウドファンディングは信用情報にかかわらず、プロジェクトの内容が資金調達の可否や金額に直結します。プラットフォームごとに仕組みや特徴が異なるため、利用する際は複数社を比較して自社に適した形式を選択してみてください。

補助金/助成金

補助金や助成金は、国や地方自治体が事業者の取り組みを支援するために、返済不要の支援金を提供する制度です。金融機関の融資とは異なり、信用情報の照会が行われないため、信用情報に不安がある人でも利用可能な資金調達方法です。

【補助金と助成金の特徴】

制度 特徴
補助金 ・中小企業活性化や新事業支援を目的とする制度
・審査制で、採択されない場合もある
・年に複数回の募集期間が設けられる傾向にある
助成金 ・労働環境改善などを目的とする制度
・原則として一定条件を満たせば支給される
・年間を通して募集される傾向にある

補助金は、中小企業の新規事業や設備投資を支援するための制度であり、審査に通過することで資金の一部を補助してもらえます。商品開発に必要な機器の購入や業務効率化に向けたサービス導入などの経費を補助金でまかなうことが可能です。

助成金は労働環境の改善や雇用促進を目的としており、条件を満たせば支給される傾向にあります。従業員の福利厚生を充実させる研修プログラムの導入や職場環境の改善に必要な費用を助成金で補うことができます。

補助金と助成金は、国や地方自治体によってさまざまな制度が提供されています。制度ごとに利用対象者や募集期間が異なるほか、募集要項が変更されることもあるため、利用を検討する人は各制度の最新情報を確認しましょう。

なお、補助金や助成金は原則として後払いです。実績報告を通じて事業の成果を確認された後の支給となるため、事業の実施に必要な費用は自己資金によって全額を立て替える必要がある点に留意しておきましょう。

ファクタリング

ファクタリングとは、自社の売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、現金化する資金調達の手段です。借入ではなく資産売却にあたり、審査において企業の返済能力や信用情報が問われることがないため、信用情報ブラックの状態でも利用できる可能性があります。

ファクタリングを利用すれば、売掛先からの入金が数か月先になる場合でも資金を早期に現金化できます。その結果、資金繰りの改善につながるため、支払いサイトが長い取引が多い事業者にとって有効な手段です。

審査で重視されるのは、債権者自身の信用情報ではなく、売掛債権の信頼性です。そのため、ファクタリング会社は売掛先の経営状態や支払い能力を確認し、債権を買い取るかどうかを判断します。

ただし、ファクタリングは即日で資金を調達できる可能性がある半面、長期的に利用すると手数料の負担が大きくなります。利用を検討する際は複数社から見積もりを取り、手数料の水準や契約の仕組みなどを比較した上で、自社にとって負担の少ない依頼先を選びましょう。

信用情報ブラックでも銀行融資を受けたい人は信用力の回復に取り組む

信用情報は常に更新されているため、一度信用情報ブラック状態になったとしても融資を受けられる可能性があります。信用情報ブラックでも銀行融資を受けたいと考えている人は、信用力の回復に取り組むことを検討する余地があります。

たとえば、信用情報には誤った情報が登録されている場合があります。万が一、信用情報の登録に誤りがあれば、信用情報機関へ訂正を申請することで信用情報ブラックの状態が解消される可能性があります。

また、期間の経過や信用情報の訂正により信用情報ブラックの状態が解消された後は、再び融資に申請できるようになります。自己情報の登録機関中に安定した事業実績を積み重ねておくことで、その後の融資申請がスムーズになります。

信用情報ブラックの可能性がある人は、まず信用情報機関に開示請求をして記録を確認し、誤りがあれば訂正して正確な内容に整えることが大切です。そのうえで、売上や資金繰りの改善、事業計画書の作成など、今できる準備を進めておくことが今後の融資の成功につながります。

信用情報の誤りを訂正する

信用情報は、信用情報機関である「KSC」「CIC」「JICC」に対して自分自身で開示請求を行うことで確認できます。誤った情報や古い記録が残っていないかを確認し、万が一現状と異なる内容が登録されている場合は、訂正を申請することによって信用情報ブラックの状態を解消できる可能性があります。

【信用情報に誤りが発生する原因】

原因 詳細
信用情報機関へ正しい情報が共有されていない 銀行やクレジットカード会社などから信用情報機関に対して情報共有が正しく行われず、情報が更新されない場合がある
情報が反映される前に開示請求を行った 信用情報機関のデータ更新のタイミングより前に開示請求をすると、最新の金融取引の内容が反映されていない場合がある

信用情報に誤りが発生する原因のひとつとして「信用情報機関へ正しい情報が共有されていない場合」が挙げられます。裁判所を通じて債務整理の手続きを行った場合、裁判所から銀行やクレジットカード会社に直接連絡が行くことはないため、債務者側からの申請がなければ債権者はその事実を把握できず信用情報が更新されないことがあります。

信用情報に誤りが発生する原因のひとつとして「情報が反映される前に開示請求を行った場合」が挙げられます。金融取引の情報が信用情報機関へ通知されるタイミングは銀行やクレジットカード会社によって異なるほか、信用情報機関においても情報更新のサイクルが決められているため、信用情報は常に最新の内容が反映されているとは限りません。

開示請求はオンラインや郵送で可能で、オンラインなら即日、郵送では1週間から10日程度で確認できます。まず自分の信用情報を確認し、誤った内容があれば訂正を申請して信用評価の改善につなげましょう。

なお、開示請求を行うと「開示報告書」を受け取り、記録内容を確認することになります。開示方法に関する詳細事項や開示報告書でチェックすべきポイントについては「銀行融資の審査における信用情報を解説」の記事で解説しているので参考にしてみてください。

事業実績を積み上げ返済能力を示す

銀行は、信用情報に問題がないことを前提に事業実績や返済能力を重視します。そのため、信用情報ブラックの記録が残っている間は融資の実現は困難ですが、記録の削除後に備えて準備を進めておくことが大切です。

【返済能力を示す資料の例】

資料名 概要
帳簿、試算表 売上や利益の推移を数字で示し、経営の安定性を裏付ける
資金繰り表、返済計画書 将来の資金の流れや返済可能性を具体的に示す
請求書、入金記録 継続的な取引の実績を示す
契約書、発注書 顧客との継続的な取引関係を裏付ける
銀行口座の入出金明細 売上の入金を実際の数字で証明する

たとえば、帳簿や試算表、資金繰り表は、事業の安定性や返済の見通しを伝えるために欠かせません。これらを定期的に更新しておけば、銀行に対して説得力を持った資料を提示できます。

また、契約書や請求書、入出金明細は「取引が継続している証拠」として有効です。信用情報に不安が残る間も、資料を整えることを習慣化しておけば、事故情報の記録削除後にスムーズに融資を申し込むための準備になります。

信用情報に問題がある間は銀行融資を受けるのは難しいため、その期間は他の資金調達方法を活用しつつ、今後の融資に向けた準備の期間として活用しましょう。融資の利用が可能となった際に、自身の信用力を適切に評価してもらえるよう事業実績を示すための資料を用意しておき、十分な返済能力があることを根拠とともに示せるようにしておきましょう。

まとめ

信用情報ブラックに該当する場合、銀行融資の審査に通過するのは極めて難しい状況です。延滞や債務整理など、記録の内容によって融資への影響度や掲載期間が異なるため、まずは自身の信用情報を確認し、正確な状況を把握する必要があります。

信用情報ブラックの状態で銀行融資が難しい場合は、他の資金調達方法を検討してみましょう。日本政策金融公庫の融資や補助金、クラウドファンディングなど、信用情報の影響を受けにくい方法を検討することで資金を確保できる可能性があります。

将来の融資を見据える人は、記録が削除されるまでの期間を「準備の時間」として活用してください。帳簿や資金繰り表で数字を整え、契約書や請求書で取引の実績を示すことで、返済能力と事業の安定性を裏付けられるようにしておきましょう。

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