当社では、起業後に開設する口座として、ネット銀行をおすすめしています。
融資サポートをした創業者・経営者の多くの方から「どの銀行がおすすめか?」と質問をいただくため、今回はネット銀行の基本として、ネット銀行の種類や普通銀行との違い、メリット・デメリットを解説し、当社株式会社SoLabo(ソラボ)でおすすめしている「GMOあおぞらネット銀行」についてご紹介します。
ネット銀行の基本
ネット銀行とは
ネット銀行とは、インターネット銀行の略称で、インターネットや電話などの通信端末を中心にサービス提供を行う銀行のことです。
従来は「対面での店舗を持たない、インターネットでの取引がメインの銀行」という意味でしたが、今ではインターネットを通じた銀行機能・サービスを含め、やや広い意味で使われるようになっています。
ネット銀行の種類
ネット銀行には3つの種類があります。
- 実店舗のない銀行:インターネット専業銀行
- 銀行が提供するサービス:インターネットバンキング
- 銀行の支店のひとつ:インターネット支店
実店舗のない銀行:インターネット専業銀行
インターネット専業銀行は、実店舗がなく、インターネット上での取引がメインと言うだけの普通銀行です。たとえば、楽天銀行やイオン銀行などが該当します。
一般的に「ネット銀行」はインターネット専業銀行のことです。
店舗の運営費用がないことで、メガバンクよりもATM手数料や振り込み手数料が安く、預金金利なども高く設定されている傾向がありますが、利用する時間帯やATMの種類によっては、メガバンクでも手数料が無料になる場合もありますので、詳しくは各金融機関のWebサイトで確認しましょう。
ちなみに「インターネット専業銀行は店舗がないと言うけど、似た名前の銀行の店舗がなかった?」と不思議に思う方もいるでしょう。
インターネット専業銀行はメガバンク・大手企業が出資して作られる傾向があり、店舗のある銀行を親に持つインターネット専業銀行は、親会社の銀行名が名前につきます。
GMOあおぞらネット銀行も同じケースで、あおぞら銀行が主要株主で「あおぞら」の名前が共通することによる誤認であって、インターネット専業銀行のGMOあおぞらネット銀行には店舗窓口はありません。
銀行が提供するサービス:インターネットバンキング
インターネットバンキングは、インターネットを通じて銀行取引ができるサービスです。省略形の「ネットバンキング」や「オンラインバンキング」とも呼ばれます。
パソコンでwebページを閲覧するブラウザでのサービス利用とは別に、スマートフォンやタブレット端末のアプリを利用したサービス利用を指して「モバイルバンキング」と呼び分けることもあります。
ATMや窓口を利用せず、インターネットバンキングで残高照会や振込などの取引ができることから、多くの銀行でサービス提供されています。
銀行の支店のひとつ:インターネット支店
実店舗があり、店舗窓口での取引もできる銀行の中には、店舗機能を使わないインターネット支店を設置するところもあります。
たとえば、メガバンクのみずほ銀行や三菱UFJ銀行は「インターネット支店」と言う名称の支店を持っています。インターネット支店の命名の傾向は、インターネット上の支店だと分かりやすい名称にする銀行と、個性的な支店名を展開する銀行とで、2つに分かれる傾向があります。
引き落としなどの口座に指定できるか否か、紙の通帳の有無などは銀行によって変わります。
インターネット支店は元々、インターネットバンキングを推し進めるために開設されました。しかし、スタッフのいる実店舗を持つ銀行が口座作成時にインターネット支店に一本化する動きも見られるため、店舗窓口の機能縮小・インターネット支店の機能拡大はWith コロナ時代に求められる「非対面型ビジネスモデル」であり、インターネット支店が未来の銀行のスタンダードになる可能性もあります。
ネット銀行と普通の銀行との違い
ネット銀行と普通の銀行との違いは「対面・対人の店舗窓口」の有無と言えるでしょう。ネット銀行の種類は3つありますが、どれも店舗窓口がないことによる特性があります。
店舗窓口はなくとも、電話での相談を受けるネット銀行もあるので、ネット銀行だからといって、人による接客が完全にないわけではありません。それでも「店舗窓口」がないことで、店舗の不動産賃料や店舗に常駐する人件費などの店舗維持費用を浮かせることができるので、その分、ネット銀行の利用料は低くなる傾向です。
ネット銀行のメリット・デメリット
ネット銀行のメリット・デメリットをまとめると次の通りです。
- メリット1:インターネットを通じて24時間利用できる
- メリット2:土日祝日も振込と入金確認ができる
- メリット3:振込手数料が安い傾向がある
- デメリット1:店舗窓口がないため、わからないことを対面で相談できない
- デメリット2:ネットワーク障害・メンテナンス時・トラブル時に利用できない
- デメリット3:サイバー攻撃で不正引き出しの被害を受ける可能性がある
メリット1:インターネットを通じて24時間利用できる
ネット銀行のメリットは、インターネットを通じて24時間利用できることです。
一般的な銀行で振込を行うとき、利用できる時間・場所が限られていますが、ネット銀行であれば早朝・深夜も利用でき、銀行のATMを探したり店舗窓口で順番を待ったりする必要はありません。
システム障害やメンテナンスのときを除けば365日24時間、インターネット環境とパソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末と対応ブラウザ・アプリがあれば、いつでもネット銀行を利用できます。
メリット2:営業日を気にせず振込でき、すぐに入金を確認できる
営業日を気にせず振込でき、すぐに入金を確認できるのも、ネット銀行の強みです。
一般的な銀行で振込を行うと、時間によっては実際に振り込まれるのは「翌営業日」となり、時間を気にして利用することになります。ネット銀行は入金や振込のタイムラグがなく、営業日を気にせず利用できます。
メリット3:振込手数料が安い傾向がある
ネット銀行は、一般的な店舗のある銀行と比較すると、振込手数料が安い傾向があります。
振込手数料が安くなる最大の理由は「ネット銀行が店舗窓口を持たず、店舗維持管理費用がないから」です。費用が少ない分、ネット銀行の利用者への利益が還元されやすいのです。
なお、ATM手数料は、手数料無料・優遇の業務提携していない限り、提携金融機関の定める手数料を支払うため、ネット銀行だからATM手数料が安いといった傾向は見られません。
銀行によっても手数料や金利は変わりますが、振込手数料の傾向を見てみましょう。
一般的な銀行 | インターネット支店 | インターネット専業銀行 | ||||
三菱UFJ銀行 (窓口) |
三菱UFJ銀行 (BizSTATION) |
住信SBIネット銀行 | 楽天銀行 | GMOあおぞらネット銀行 | ||
口座月額基本料金 | – | 1,760 | 無料 | 無料 | 無料 | |
振込手数料 | 同じ銀行の口座宛 | 330円~550円 | 110円~330円 | 50円 | 52円 | 無料 |
他の金融機関の口座宛 | 594円~ | 484円~660円 | 145円 | 150円~229円 | 145円 |
※ 手数料は、上記のものから変更になっている可能性がありますので、契約前に必ずご自身でご確認ください
デメリット1:店舗窓口がないため、わからないことを対面で相談できない
ネット銀行には店舗窓口がないため、わからないことを対面で相談できないデメリットがあります。
一般的な銀行は、手続きやサービスの詳細についてわからないことがあれば、営業時間中に店舗窓口で相談すればいいですが、ネット銀行は、自分でネット銀行のホームページを調べるか、設置されていれば電話相談窓口で相談することになります。
詳しい方に対面で聞けば短時間でわかることを、時間をかけないと対応できないリスクは覚えておきましょう。
デメリット2:ネットワーク障害・メンテナンス時・トラブル時に利用できない
ネット銀行は、ネットワーク障害・メンテナンス時・トラブル時には利用できません。ネット銀行とは別の対応手段は考えておいた方がいいでしょう。
インターネットがつながらないネットワーク障害以外にも、パソコンやスマートフォンの端末の不具合、ブラウザやアプリの不具合の可能性もあります。ネット銀行の専用電話相談窓口があって相談したとしても、なかなか解決できないでしょう。「ネット銀行が利用できず、振込できない」というトラブルの対応に、ある程度のITの素養が求められることも覚えておきましょう。
デメリット3:サイバー攻撃で不正引き出しの被害を受ける可能性がある
ネット銀行は、インターネットでの利用の手軽さが、一転してリスクとなることがあります。うかつなインターネット利用でコンピュータウイルスやサイバー攻撃にあうと、口座から不正に送金され、引き出される被害を受けることがあります。
(参考)情報セキュリティ10大脅威 2020|情報処理推進機構 (IPA)
振り込め詐欺などで不正引き出しの被害額の補償を金融機関にさせる「預金者保護法」(*)があるものの、インターネットバンキングは保護の対象外でした。しかし、現在、全国銀行協会(全銀協)の方針により、個人口座・法人口座であっても、一定の条件を満たした場合、補償が行われるようになっています。
(*)偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律|e-gov
インターネットバンキングでも、身に覚えのない引き出しがあった場合、すぐに利用中の銀行に相談しましょう。また、一般的な銀行では通帳と印鑑の管理が大切なのと同じように、ネット銀行の利用に必要な情報(I Dやパスワード)の管理は定期的にしっかり行いましょう。
起業後の口座開設におすすめするネット銀行
起業後の口座開設には「GMOあおぞらネット銀行」
当社株式会社SoLabo(ソラボ)で起業後の口座開設におすすめしているのは「GMOあおぞらネット銀行」です。
ネット銀行としてのメリットである各種手数料の安さはもちろん、オンラインで口座開設申込できる点や、取引責任者の本人確認ができれば法人口座を最短当日から利用できる点は大きいです。
一般的に、起業直後、店舗のある普通銀行で口座開設しようとすると、犯罪に使われることを恐れて、審査が慎重になって時間がかかるか、あるいは審査が通らないケースが多いですが、GMOあおぞらネット銀行はスタートアップの法人でも比較的開設しやすい、審査が通りやすいと評判の銀行です。
「GMOあおぞらネット銀行」と「あおぞら銀行」との違い
先に説明した繰り返しになりますが、「GMOあおぞらネット銀行」はインターネット専業銀行で、「あおぞら銀行」は普通銀行で、別の銀行です。
銀行に割り振られる番号の金融機関コードも異なります。GMOあおぞらネット銀行は「金融機関コード:0310」で、あおぞら銀行は「金融機関コード:0398」です。
「GMOあおぞらネット銀行」のおすすめポイント
銀行のノウハウを持ちつつもインターネットに強く、コスト削減につながる
GMOあおぞらネット銀行は、あおぞら銀行グループ傘下で、資本関係があります。また、インターネットプロバイダー事業を中心にするGMOグループの資本も入っているので「銀行のノウハウを持ちつつ、インターネットに強い銀行」と言えるでしょう。
なお、ネット銀行選びの観点として「インターネットに強い」というのは、単純にI T企業と資本関係にあるだけでは不十分で、ITを駆使したサービス展開があることを確認する必要があります。
以下におすすめポイント2点をご紹介します。
①コスト削減につながる
一般的にネット銀行は振込手数料が安い傾向にありますが、その中でもGMOあおぞらネット銀行は他行宛ての振込手数料が一律145円/件と業界最安値水準になっています。また、設立1年未満の法人であれば毎月20回まで付与されます。
口座開設と同時に無料発行できるビジネスデビットカードも、利用金額の最大1.5%(キャンペーン適用時)が現金で還元されるため、商品仕入れや広告費の支払いが多い法人には嬉しいサービスでしょう。
カードブランドは人気のMastercardかVISAから選択することができます。
「振込入金口座(バーチャル口座)」やAPIなどのITサービスにあたっても、初期費用や月額利用料が無料となっている場合が多いです(サービスや利用状況により、料金が発生するものもありますので、詳細はGMOあおぞらネット銀行のWebサイトをご覧ください)。
またサービスの活用により、入金管理で経理の負担が減ることによる管理費・人件費のコスト削減なども期待できるでしょう。
② 入金管理が比較的簡単にするなどのITを活かしたサービスの提供
GMOあおぞらネット銀行では、口座開設者に銀行API(エーピーアイ:データ連携の仕組みのこと)を一部無料で提供しており、銀行と外部の事業者との連携へ押し進められるI T活用をしています。
例えば、経営者であれば提供予定のサービスの決済部分をGMOあおぞらネット銀行の口座に連携したり、自社内の資金調達部分の業務高速化に銀行APIを活用したりできるでしょう。
GMOあおぞらネット銀行の法人口座では、請求ごとに専用口座を用意する仕組みの「振込入金口座(バーチャル口座)」を提供しています。
「入金した人が誰か」・「すでに入金がされているか」と特定する入金照合作業が比較的簡単で、経理が行うべき消し込み作業の簡略化に貢献してくれます。結果的に、売上債権の回収管理も強化できるでしょう。
振込入金口座の詳細はこちら
GMOあおぞらネット銀行の法人口座開設はこちらから行えます。
まとめ
ネット銀行の基本として、ネット銀行の種類や普通銀行との違い、メリット・デメリットを解説しつつ、おすすめの「GMOあおぞらネット銀行」についてご紹介しました。
ネット銀行の基本は「各種手数料の安さ」です。どの銀行も料金は横並びのなか、事業展開を推し進めやすい「銀行API」の要素は無視できません。また、入金管理が簡単にできること、コスト削減につながることも、確実に経営にプラスに働くはずです。
GMOあおぞらネット銀行であれば、創業時から、事業拡大させたいときまで、幅広くあなたをサポートしてくれるでしょう。