起業すると、銀行の口座開設をするケースもあるでしょう。事業をすすめる上で、用途別に銀行口座は3つあると理想的です。
必ずしも、3つ用意しなければならないわけではありません。一方で用途別に分けると収支の管理がしやすくなります。
今回の記事では、銀行口座の3つの用途についてご紹介します。
1.1つ目の銀行口座は、入金用
事業でモノやサービスを販売するとき、お客様の支払い方法は、現金、クレジット、電子マネーなど複数あるでしょう。支払い方法別に、いつどれくらい売り上げたか分かるようにしておくと、後で集計しやすいです。
現金の場合は、1日分の現金売上を日毎に封筒に入れて、それぞれ、入金用の口座にお金を入れます。1日分の現金売上を入金したら、通帳に何月何日の売上かがわかるようにメモしてください。これを毎日続けていくと、1ヶ月でいくらの入金があったのかを把握することができるでしょう。
また、クレジット売上の入金も入金用の口座に入金されるようにしましょう。
2.2つ目の銀行口座は、支出用
事業をしていると、仕入の支払い、人件費の支払い、広告宣伝費の支払い、借入金の返済など、毎月支出しなければならないものがあるでしょう。この支出は2つ目の銀行口座で行います。
「支出用の口座は、支出しかしないため、お金がなくなってしまいませんか?」と疑問に思う人もいるでしょう。
入金用の口座から、月に1~2回決まった金額を振り込めば、お金がなくなることはありません。 支払い先が複数ある場合は、銀行に支払う手数料も高くなるため、支払用の銀行口座は、ネットバンクなど手数料の安い口座を利用するケースもあります。
なお、金融機関によって返済がネットバンクからできない場合があります。たとえば、日本政策金融公庫からの借入金の返済は、ネットバンクではできません。もし、支払用をネットバンクにする場合には、借入金返済のみは、違う口座から支払うようにしてください。
【注意点】個人用と事業用の通帳は分けておく
個人事業主の人は、プライベート用の通帳とごちゃまぜにして使っている人もいます。しかし、事業用の通帳とプライベート用の通帳は分けことをおすすめします。混ぜてしまうと事業の収支の把握が非常に難しくなります。また、新たな借入をするときに通帳がわかりにくいと融資の審査に時間がかかるケースもあります。
個人用と事業用の通帳は分けておきましょう。
3.3つ目の口座は、税金支払い用
開業すると、個人であれば、所得税や住民税、法人であれば、法人税等を支払わなければなりません。さらに、個人でも法人でも、売上が1,000万円を超えた年度の2年後からは、消費税も納めなければなりません。
創業1年目から税金の支払を見据えて、納税資金を貯蓄しておきましょう。売上の10%を常に、税金支払専用口座に移し、そのお金を使わなくても余裕を持って営業できると理想的です。
まとめ
今回お伝えしたように、事業をすすめる上で、用途別に銀行口座は3つあると、管理がしやすいです。
同じ銀行で通帳を3つ作る場合には、「銀行の窓口の方に何のために利用するのですか?」と聞かれることがあります。
「『入金専用口座』『支払専用口座』『税金を貯めるための口座』で必要です!」と回答すれば、通帳も作成することができでしょう。