運転資金や設備資金など、事業資金を工面したい人の中には、日本政策金融公庫から融資を受けたい人もいますよね。その際、赤字決算の場合は日本政策金融公庫から融資を受けられるのかどうかを知りたい人もいるのではないでしょうか。
当記事では、赤字決算の場合は日本政策金融公庫から融資を受けられるのかどうかを解説します。選択肢となる融資制度も紹介するため、赤字決算の場合は日本政策金融公庫から融資を受けられるのかどうかを知りたい人は参考にしてみてください。
赤字決算の場合は融資を受けられない可能性がある
赤字決算の場合は日本政策金融公庫から融資を受けられない可能性があります。事業の将来性を不安視され、返済能力に疑問を持たれることにより、日本政策金融公庫から融資を受けられないことも考えられるため、まずはその前提を踏まえておきましょう。
赤字決算ということは、利益が損失を上回る状態ということです。一時的な要因の場合は考慮される可能性もありますが、利益が損失を上回る状態が長ければ長いほど、事業の将来性を不安視され、返済能力に疑問を持たれる可能性があります。
また、日本政策金融公庫は不良債権のリスクを抱えることになります。赤字決算の場合は不良債権のリスクを高めることになるため、貸付金を回収できない可能性を考慮し、日本政策金融公庫の担当者は融資を実施しないことも考えられます。
融資の可否は申込者の情報から総合的に判断されますが、赤字決算の場合は日本政策金融公庫から融資を受けられない可能性があります。まずはその前提を踏まえつつ、日本政策金融公庫に申し込むかどうかを再検討してみましょう。
なお、借入先の候補として日本政策金融公庫を検討中の人は「株式会社SoLabo(ソラボ)の無料診断」をお試しください。赤字決算の観点から気になる点や知りたい点をご質問いただければ、8,000件以上の融資サポートの実績から回答いたします。
既存事業者の場合は決算書類を提出することになる
既存事業者の場合、決算書類を提出することになります。最近2期分の決算書類から経営状況を確認されることになるため、借入先の候補として日本政策金融公庫を検討している人はその前提を踏まえつつ、提出が必要となる決算書類を確認しておきましょう。
【提出が必要となる決算書類】
項目 | 書類 |
---|---|
法人 | ・最近2期分の確定申告書・決算書 ・最近の試算表(決算後6ヵ月以上経過している場合または決算を終えていない場合) |
個人事業主 | ・最近2期分の確定申告書 |
※日本政策金融公庫の公式サイトにある「個人企業・小規模企業の方」をもとに株式会社SoLabo作成
法人の場合、確定申告書と決算書の提出が必要です。「貸借対照表」「損益計算書」「勘定科目内訳明細書」など、最近2期分の決算書一式を提出することになりますが、決算後6ヵ月以上経過している場合や決算を終えていない場合は最近の試算表も提出することになります。
個人事業主の場合、確定申告書の提出が必要です。「所得税青色申告決算書」「収支内訳書」など、最近2期分の確定申告書一式を提出することになりますが、創業後に実施した確定申告が1期のみの場合は1期分の確定申告書を提出することになります。
なお、担当者との面談時は最近2期分の決算書類から赤字幅の増減を確認されることになります。最近2期分の決算書類の提出を求められ、赤字幅の増減を含めた経営状況の推移を確認されることになるため、日本政策金融公庫に申込予定の人は留意しておきましょう。
赤字決算の場合は改善に向けた準備がポイントになる
赤字決算の場合は改善に向けた準備がポイントになります。改善に向けた準備を進めることにより、日本政策金融公庫の担当者に経営状況が改善する見込みを伝えられる可能性があるため、赤字決算の状況にある人は改善に向けた準備を進めていきましょう。
【改善に向けた準備の具体例】
- 赤字化の要因を分析する
- 黒字化の計画を立案する
改善に向けた準備として挙げられるのは「赤字化の要因分析」と「黒字化の計画立案」です。赤字決算の場合は改善に向けた準備がポイントになるため、赤字決算の状況にある人は改善に向けた準備としてそれぞれの項目を確認してみましょう。
赤字化の要因を分析する
改善に向けた準備として挙げられるのは「赤字化の要因分析」です。赤字化の要因を分析することにより、日本政策金融公庫の担当者に経営課題を把握している旨を伝えられる可能性があるため、赤字決算の状況にある人は赤字化の要因を分析してみましょう。
【赤字化における要因の具体例】
項目 | 具体例 |
---|---|
収入の減少 | ・競合他社の増加により顧客数が減少した ・市場の衰退によりリピーターが減少した ・販売額の値下げにより客単価が減少した |
支出の増加 | ・原材料費の高騰により仕入費が増加した ・過剰在庫の保管により管理費が増加した ・離職率の上昇により採用費が増加した |
赤字化の要因を分析するときのポイントのひとつは「収入が減少した要因を把握すること」です。「競合他社の増加」「市場の衰退」「販売価格の値下げ」など、収入が減少した要因を把握することにより、赤字化の要因を分析できる可能性があります。
また、赤字化の要因を分析するときのポイントのひとつは「支出が増加した要因を把握すること」です。「原材料費の高騰」「過剰在庫の保管」「離職率の上昇」など、支出が増加した要因を把握することにより、赤字化の要因を分析できる可能性があります。
なお、赤字化の要因を分析するときは「資金繰り表」を作成する方法があります。資金繰り表を作成することにより、現金の流れを可視化することができるため、赤字化の要因を分析するときは資金繰り表を作成することを検討してみましょう。
黒字化の計画を立案する
改善に向けた準備として挙げられるのは「黒字化の計画立案」です。黒字化の計画を立案することにより、日本政策金融公庫の担当者に返済能力を有している旨を伝えられる可能性があるため、赤字決算の状況にある人は黒字化の計画を立案してみましょう。
【黒字化における計画の具体例】
項目 | 具体例 |
---|---|
経費の削減 | ・ペーパーレス化により消耗品費を削減する ・集客方法の見直しにより広告費を削減する |
売上の拡大 | ・営業人材の育成により新規顧客を獲得する ・顧客ニーズの分析により客単価を増加する |
粗利率の向上 | ・仕入方法の見直しにより仕入費を削減する ・在庫管理の徹底により廃棄率を低下させる |
黒字化の計画を立案するときのポイントのひとつは「経費の削減」です。「ペーパーレス化による消耗品費の削減」や「集客方法の見直しよる広告費の削減」など、経費の削減を検討することにより、黒字化の計画を立案できる可能性があります。
また、黒字化の計画を立案するときのポイントのひとつは「売上の拡大」です。「営業人材の育成による新規顧客の獲得」や「顧客ニーズの分析による客単価の増加」など、売上の拡大を検討することにより、黒字化の計画を立案できる可能性があります。
なお、黒字化の計画を立案するときは段階的に考える余地があります。「四半期決算の目標」や「中間決算の目標」など、段階的に考えることにより、計画の全体像が見えてくる可能性があるため、黒字化の計画を立案するときは段階的に考えることを検討してみましょう。
ポイントを押さえた人は選択肢となる融資制度を確認する
日本政策金融公庫の場合、経営状況が悪化している人や財務体質を強化したい人を対象にした融資制度があります。対象者の要件や適用される利率など、融資制度ごとに特徴があるため、ポイントを押さえた人は選択肢となる融資制度を確認してみましょう。
【選択肢となる融資制度】
- 経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)
- 挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)
選択肢として挙げられるのは「挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)」です。所定の要件を満たしている必要はありますが、挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)ならば、赤字決算の状況にある人も利用できる可能性があります。
また、選択肢として挙げられるのは「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」です。所定の要件を満たしている必要はありますが、経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)ならば、赤字決算の状況にある人も利用できる可能性があります。
日本政策金融公庫はあらゆる融資制度を展開しています。希望した融資制度を利用できるとは限らず、あくまでも担当者の判断次第ですが、赤字決算の状況にある人は自身の状況を整理しつつ、日本政策金融公庫が展開する融資制度を確認してみましょう。
なお、当サイトを運営する株式会社SoLabo(ソラボ)では、事業資金に関する融資サポートを実施しています。8,000件以上の融資サポートの実績から回答するため、気になる点や不安な点がある人は株式会社SoLabo(ソラボ)に相談することも検討してみてください。
まとめ
赤字決算の場合は日本政策金融公庫から融資を受けられない可能性があります。事業の将来性を不安視され、返済能力に疑問を持たれることにより、日本政策金融公庫から融資を受けられないことも考えられるため、まずはその前提を踏まえておきましょう。
また、赤字決算の場合は改善に向けた準備がポイントになります。改善に向けた準備を進めることにより、日本政策金融公庫の担当者に経営状況が改善する見込みを伝えられる可能性があるため、赤字決算の状況にある人は改善に向けた準備を進めていきましょう。
なお、日本政策金融公庫の場合、経営状況が悪化している人や財務体質を強化したい人を対象にした融資制度があります。対象者の要件や適用される利率など、融資制度ごとに特徴があるため、ポイントを押さえた人は選択肢となる融資制度を確認してみましょう。